スノーシューツアーの原点となる泉門池と小田代ケ原へ

2023年1月6日(金)

管理人の古い記録によれば宿泊客相手にスノーシューを使った雪上ハイキングをおこなったのは1999年が第一回目となっている。

参加者は管理人がまだサラリーマンだった頃から付き合いのあった面々だった
このとき、管理人はすでに自分用のスノーシューを所有していたが参加者には提携関係にあったTUBBSの輸入販売を手がけるイワタニが貸し出してくれた。
付け加えるならば、管理人はツアーの主催者ではあったが、ガイドとして名乗りを挙げるにはまだ未熟で、参加メンバーのひとりに過ぎなかった。
このときのガイドはスノーシューを貸してくれたイワタニの担当者が引き受けてくれた。

奥日光湯滝の駐車場(※)から歩き始めて林の中を数百メートル歩くだけの、いま思えば子どもの遊びに等しいレベルだったが、雪の上を潜ることなく自在に歩けるという非日常体験は面白くて以来、今日に至っている。
雪は仕事の上でじゃまなものというそれまでの考え方から、雪を積極的に活用しようという考え方に変えてくれたのが1999年のスノーシューツアーであった。

※湯滝の駐車場は現在、冬は利用できなくなっている。除雪にかかる経費の削減が理由。

翌2000年から、スノーシューツアーのガイドとして、主に戦場ヶ原をフィールドにして活動をスタートしたが、無雪期にはなんども歩いているものの雪が積もって道が隠れた戦場ヶ原は勝手が違い、管理人には遭難と紙一重の未知のフィールドだった。
下見を繰り返し、ようやく開拓したのが湯滝から泉門池まで行くルートだった。
湯川に沿って歩いていけば自動的に泉門池にたどり着くから、地理不案内の管理人にも迷うことがなく、参加者を不安がらせることはなかった。

1.5キロの距離を2時間かけて歩き、泉門池のテーブルでランチを食べ、同じルートで戻るという実にシンプルなツアーだったが深い雪の上をスイスイ歩けるとあって参加者にウケたことはいうまでもない。
ちなみに小田代ケ原の貴婦人を訪ねるツアーは、一年後の2001年にスタートしている。

そんなわけで戦場ヶ原と小田代ケ原は管理人が主催するスノーシューツアーの原点としての位置づけなのである。
両者、その平坦なコースを理由に現在はほとんど行かなくなってしまったが、ツアーを始めて25年目(ガイドとしては24年目)の今年、管理人が75歳を迎えるのを機に、今後のツアーのあり方を考える意味で振り出しに戻ってみようと思い立ったのである。

メモ(GPSはiPhoneSEを使用した)
・歩行距離:11.2キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:4時間8分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:218メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

いろは坂を上りきると国道を跨ぐように巨大な鳥居が建っている。
ここから先は二荒山神社の社内であることを示す鳥居である。
鳥居をくぐったすぐ左に公共トイレがあるのでそこに車を停めて外へ出ると、中禅寺湖の南岸にひときわ目をひく鋭角的な山が見える。
標高1826mの社山である。
ここまで来たからにはこの光景を見ないのはもったいない。
雪をかぶった社山は美しいが、日の出とともに赤く染まっていく社山も美しい。


今日はまず、小田代ヶ原まで行って半周したら北ゲートを抜けて泉門池まで行ってランチとし、戦場ヶ原を南下してここへ戻ってくる周回ルートを計画した。
ここは竜頭滝の最上部、バス停「竜頭滝上」の駐車場である。
小田代ケ原へはバス停「赤沼」を起点にするのが一般的なルートだが、問題は駐車場がないのである。
ないというよりか、冬は閉鎖(※)されてしまうのである。
昨年までならバス停にある「赤沼茶屋」が店の駐車場を開放してくれていたが、今年は閉ざされたままだ。
路駐は集落の住人への迷惑になると考えて小田代ケ原への距離が長くなるのを覚悟でここに駐めることにした。

※赤沼の駐車場は今年、「冬季試験開放」の名で40台分のスペースを開放するそうだ。小田代ケ原の西に凍る滝として名高い「庵滝」があり、そこを目指すハイカーの車で集落への道路が塞がれてしまうことへの国の対応であろう。
ただし、週末であれば40台分のスペースなどあっという間に埋まってしまい、溢れた車は結局、路駐することになるのではないかと危惧している。


駐車場のすぐ脇にある遊歩道入口。
1キロ半歩くと赤沼からの遊歩道に合流する。


合流地点の手前、しゃくなげ橋まで湯川の川音を聞きながら歩けるので悪くはない。


日光市道1002号線と交わるので横断し、北西に向かう。


ここで赤沼からの遊歩道と合流する。
雪に埋もれて遊歩道は見えないが、そこが道であることはわかる。
朽ちた道標もある。


小田代ケ原東ゲートの300メートル手前。


小田代ケ原のゲートを入るとすぐ、道は分岐する。
小田代ケ原を一周する遊歩道である。


一旦、日光市道に出て小田代ケ原展望台へ向かう。
春から秋までこの道路は千手ヶ浜まで低公害バスが走っている。
冬は運休だが道路はきちんと除雪してある。
それには理由がある。


ほどなく小田代ケ原展望台に。
庵滝へ行く際はここを通過するが小田代ケ原を歩く目的で来たのは実に久しぶりである。
記録によると2014年が最後になっているから9年ぶりか。


樹齢80年ともいわれている小田代ケ原を象徴するシラカンバ「貴婦人」。
長寿命の理由は樹医により手厚い保護がされていると聞いている。


展望台からは日光連山を構成する7座が見渡せる。
右から男体山、大真名子山、小真名子山、そのすき間に女峰山と帝釈山、太郎山に最後が山王帽子山。


小田代ケ原の西側を歩いて北ゲートの手前まで来た。
右へ行けば東ゲートに戻るが左へ、戦場ヶ原の泉門池を目指す。


雪がやや深くなってきたのでチェーンスパイクからワカンに履き替えることにした。
チェーンスパイクのままでも歩けるが、せっかく手に入れたワカンなので積極的に使ってみたい。


キツネの足跡


戦場ヶ原の北に位置する泉門池に着いた。
山からの伏流水が涸れることなく流れ込んでいる。
ここが管理人がスノーシューツアーを始めて数年間、湯滝をスタートしてゴールとして折りかえしていた思い出深い場所だ。
真冬に来るのは何年ぶりだろう、実に懐かしい。


泉門池でのランチを終えて湯川にかかる青木橋まで来た。
昨年まで工事の為に通行できなかった橋は完成していた。


歩くのにワカンがじゃまになってきたのでここでチェーンスパイクに替えた。


真っ赤な実をつけた低木。
久しく歩いていないため思い出せない。


赤沼への分岐点。
左へ折れると400メートルで赤沼に着くがここは右に折れて湯川に沿ってさらに南下する。


アズマシャクナゲの越冬風景。
空気や土壌が乾燥する冬は葉から水分が蒸発するのを抑えるために葉を丸めて表面積を小さくする(という聞きかじり)。
1本の枝だけに花芽が付いていた。
戦場ヶ原はアズマシャクナゲを多く見る。
群落もある。


日光市道と交わったらゴースはすぐ。


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