古賀志山の花が咲き出した(古賀志山に咲く花たち・その1)

2024年3月31日(日) 快晴 暑い

きょう咲いていた花(順不同)
マキノスミレ、エイザンスミレ、タチツボスミレ、マルバスミレ、ヒナスミレ、アカヤシオ、ヒサカキ、シュンラン、キブシ、カタクリ、シダレザクラ、ヤマツツジ(つぼみ)、ヒカゲツツジ(つぼみ)

古賀志山登山の起点となる宇都宮森林公園駐車場に着いたとき、車を置くスペースを探すのに苦労した。
広い駐車場がほぼ埋まっていた。
快晴の日曜日、気温は上がって夏日になるとの予報。
3月になって気温の低い日が続いていたのでここぞとばかり、アウトドアを楽しむ人たちが集まってきたのであろう。
南北に100メートルほどと長い駐車場の南端すなわち、管理人がいつも車を留める場所から100メートル遠い場所に1台分のスペースが残っていた。
この駐車場を利用する人は古賀志山登山が目的だけではない。
広い公園は家族や夫婦で散策を楽しんだり、BBQをしたり、フィールドアスレチック、サイクリングなど利用の方法が多岐にわたっている。


古賀志山を歩くといっても管理人の場合、必ずしも山頂を目指すわけではない。
わずか4キロ四方しかない山域ながらルートは100本以上、山域の入口も多数あるので、季節やその日の目的、体調に応じてルートを自在に組み合わせることができる。
この日はそろそろ咲きだす(だした)であろう花を探すのが目的である。
過去の経験から花を多く見ることのできるルートとして、北尾根コースで長倉山を目指すことにした。


まず目についたのがエイザンスミレ。
古賀志山はスミレが多く、10種類以上、生育している。
エイザンスミレは広範囲に分布している。
淡い紫のもあれば白いのもあって楽しめる。


続いて見つかったのはマキノスミレ。
小ぶりながら濃い紫色の花には、誰かに見つけて欲しいという自己主張が見られる。
葉っぱは細長く直立しているのですぐマキノスミレであることがわかる。
なお、図鑑(文一総合出版・スミレハンドブック)によると大半のマキノスミレは葉っぱより下に咲くとあるが、ネットなどの情報によると花は葉っぱの下にあったり上にあったりするから、「葉っぱより下」にとらわれてはいけないように思える。


広葉樹はまだ眠りから覚めてなく、葉が展開する前なので見通しがいい。


長倉山(地域名・七倉山)に到着。
ルートはここで分岐する。
左へのルートはこれまで歩いて来た北尾根コースの続き、直進は鞍掛山コースである。
両者、花を多く見ることができて魅力的だが、今日どうしても見ておきたい場所に「二枚岩」があるので直進して長倉林道へ降りよう。


長倉山から鞍掛林道へ降りる尾根道。
3年前だったか、檜の伐採が終わって見通しが良くなった。
短い尾根だがここにも管理人お目当ての花がある。


間もなく咲こうというヤマツツジ。


常緑樹のヒサカキ


長倉山を北へ進んで鞍掛林道に降り立ち、これから二枚岩へと向かう。
確認したいのはヒカゲツツジの状況である。


タチツボスミレ


マルバスミレ


キクザキイチゲ
と、ここは林道にもかかわらず花の種類が多い。


管理人が古賀志山を歩き始めた2014年以後の数年は、地図とコンパスを頼りにルートファインディングが必須だったがいまではこうして標識が完備され、おかげでだれもが目的の場所に迷うことなく行けるようになった。
とはいえ標識だけを頼りに歩くのは道迷いの元である。
なにしろ山域は地理院地図にないルートが100本以上あるのだから。


う~ん、ここ古賀志山でもやはり春は遅いか?
葉が出ているのはヤマツツジくらいのもので寂しさが漂っている。


お目当てのヒカゲツツジはというと花芽がやっと。
開花はまだ数日先になりそうだ。
ちなみにヒカゲツツジは他のツツジと違って葉を付けたまま越冬する。
葉は大きく、緑と褐色が混じっているのが他のツツジとの大きな違いである。


二枚岩に到着。
お時間もよろしいのでこの辺でランチタイムでも。
が、その前に、咲いたばかりのアカヤシオが目についたので写真を撮っておこう。


アカヤシオはまだ蕾が多いながら、ひとつふたつと咲きだしている。
う~ん、いい色だ。
ツツジの女王と称されるのがよくわかる。
ヒカゲツツジはアカヤシオが終わりかけたころに咲きだす。


向かいに三角山


でわ、ぼちぼちと、、、
天気はいいし、すぐそばにアカヤシオが咲いているし、展望はいいし、のんびり食べよう。


昼メシを終え、今日はもう1ヶ所、見たい花があるので向かった。
山域に6ヶ所あるカタクリ群生地のひとつ、古賀志山と東稜見晴を結ぶ稜線下である。
二枚岩を南下すると中尾根と交わるので西へ向かう。
斑根石山(ピーク559)近くまで来るとこんな標識が目に入る。
右へ行くのは斑根石山への近道、直進は斑根石山と古賀志山を結ぶ稜線に出、そこを右へ行くと斑根石山へ行く。
標識にもあるように両者とも難易度の高い岩場をクリアしなくてはならない。
が、これから管理人が向かう先は斑根石山と反対方向なので岩場を回避できる。
もちろん、直進して岩場を乗り越えて稜線に出る方法もあるが、まっ、そこまでする必要はないでしょう。
f君子危うきに近寄らず、安全な道を行きましょう。


管理人が古賀志山に通い始めたころ「伐採地」という、檜林を伐採して見晴しのいい場所があった。
今では檜の幼樹が茂って見通しが利かなくなったが、1ヶ所だけ日光連山を拝める場所がある。
春霞なのか黄砂なのかハッキリしないが男体山が薄ぼんやりと見える。


檜の幼樹が成長し見通しの利かない旧伐採地を富士見峠へ向かう。


富士見峠を直進し、古賀志山と東稜見晴を結ぶ稜線へ向かう。
この先、長くて急な上り傾斜が待っている。


古賀志山山域はそれほど広くはないがカタクリの群落が6ヶ所ある。
その最大の群落が古賀志山直下の斜面である。


カタクリに混じってミヤマシキミがもうすぐ咲きそうだった。


今週中には咲きそろうといったカタクリ。


古賀志山に咲く花の状況を調べ終え、古賀志山登山のスタンダードなコース「北コース」を歩いて駐車場へと向かう。
3月になって雨と低温という不安定な天気が続いたためか、土壌は水をたっぷり含んでいる。
斜面から噴き出した雨水はコースを伝って沢へと向かっている。


斜面に埋め込まれた塩ビパイプから伏流水が勢いよく流れ出している。
今日は格別、勢いがある。
季節によって左の水流がなくなることがあるが、今日は2本のパイプとも勢いがいい。


たぶんヒナスミレ


キクザキイチゲ


セントウソウ


白いエイザンスミレ


キブシ


マルバスミレ


エイザンスミレ


赤川ダムのシンボルともいえるシダレザクラ。
見頃は今週末ごろになるだろう。


近くによると開花している様子が見える。


赤川ダムの水面が西日に照らされてキラキラ光っていた。


最後にシュンランを。
場所は明らかにしないでおく。
カタクリにしてもニリンソウにしてもキクザキイチゲにしても、古賀志山の植物は保護されずに生育している。
保護されるべきかどうかの是非はともかく、管理人には柵やロープで厳重に保護されて咲く花とはひと味もふた味も違って見える。
いや、花の美しさは保護されていようとなかろうと同じである。
だからそれは管理人の偏った見方なのであろう。
地元の人の利用が8割(あくまでも管理人の感覚)を占める古賀志山は、地元愛というものが感じられる。
自然を楽しみに、花を愛でに訪れる地元の人の
古賀志山への愛は深い。
そのおかげでカタクリの群落やシュンランが自然のままに生育し、管理人のような地元外の人にも楽しめる、つくづくそう思うのである。

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