みかも山、標高229メートルにして11キロという距離は里山の域を超える厳しさ!

2024年3月16日(土) 晴れ

管理人が主催しているスノーシューツアーに2012年から参加している常連のDさん(他にSさん、Kさん)からツアー参加の依頼があったのは先月の5日だった。
ツアーの希望は3月16日と17日の両日。
例年だったら3月半ばであればスノーシューが楽しめるが、極端な天候不順の今年は寒暖の差もさることながら3月の降雪がまったく読めない状況であり、であればいっその事、降雪に左右されることなく歩ける県南に的を絞って候補地を選定した。

昨年同時期、30年来の付き合いのある知人とともに佐野市(栃木県)にある「万葉自然公園かたくりの里(以後、かたくりの里)」に行ったとき、斜面一面にびっしり咲いたカタクリがそれは見事で、機会があったら是非また訪れようと思っていたところだった。
Dさんから依頼があったとき、まっ先に思い浮かんだのがカタクリの群落を見せてあげることだった。

かたくりの里は県南の佐野市にあって栃木市に隣接している。
その栃木市には県営都市公園「みかも山公園」という、南北に長い山域を利用した広大な自然公園があり、山域の東西南北にある入口から公園内に入ることができる(北の入口はかたくりの里)

東と西、南の入口から入るとすぐ庭園や植物園があったり食事をする場所があったり、子どもが遊べる広場があったりと施設は充実していて老若男女が楽しめる。
汽車を模したバスが走っていたりもして、バラエティーに富んだ公園である。

話をかたくりの里に戻すと場所は山域の北に位置し、そこはみかも山公園から外れて佐野市になる。
公園の東と西、南と違ってあるのは管理センターの建物と駐車場、トイレだけ。
したがって賑わうのはカタクリが咲くこの季節だけのようだ。
今月9日に下見に訪れたときはまだカタクリが咲く前だったため実にひっそりとしていた。

みかも山公園には東西南北に入口があり、どこからでも公園内のハイキングコースにアクセスできるようになっている。
そのハイキングコースたるや公園内にクモの巣のように張り巡らされていて、コースの取りようによっては10キロ以上のハイキング、というよりはトレッキングが楽しめる。
Dさん、Sさん、Kさんはアウトドア好きの女性で、スノーシューだけでも10年以上のキャリアがある。簡単なハイキングでは満足してもらえないことがわかりきっている。
そこで公園の案内図をダウンロードして地理院地図と見比べながら10キロ以上のコースを組むことにした。

この日、管理人は8時前に日光を発ち、Dさんら3人と栃木駅で待ち合わせてかたくりの里へ向かった。
なにがあったのか、まだ春は早いというのに浅草から日光へ向かう東武線の特急は満席で、やむなくJR線を利用して栃木駅まで来たそうだ。

カタクリが見ごろを迎える毎年3月半ばになると「かたくりの花まつり」が開催され、今日がちょうど初日だった。
登山口となっている野外音楽堂広場では地元の高校生による吹奏楽フェスティバルがおこなわれていた。


三毳山(地理院地図だと三毳山だが地元では青竜ヶ岳と呼んでいるらしい)に向かう緩やかな斜面にはカタクリの群落が。
だがまだ三分咲きほどと寂しく、見頃を迎えるにはあと数日は必要とみた。
暖冬の今年、植物の開花は早いように思えたが3月になって低気温の日が多く、開花は遅れているようだ。


咲いたばかりのカタクリ


キンポウゲ科のアズマイチゲ
カタクリに負けないくらい多くの株があった。


本日歩くルートの最高標高点、三毳山(青竜ヶ岳)へはゆっくり歩いても35分で着いた。
標高はたったの229メートル。
だが、ここまで本日の予定ルートの1割強にすぎない。
これからが本格的なトレッキングの始まりなのである。


低山ながら展望がよく佐野市街を見渡すことができる。
とはいえこれから木々に葉がつくと展望が狭まってしまうかもわからない。
なお、山頂にはテレビの中継局が建っていて面積の半分ほど占めていた。


三毳山山頂はランチの場所としては狭く感じたので次のピーク、中岳(209m)へ向かった。

途中、十字路と出合うとそこは「三毳の関跡」。
12番と名板の付いた四阿があり、多くの人がくつろいでいた。
十字路を右へ行くと三毳山公園西口、左へ行くと同東口、ランチを予定している中岳へは直進する。
すなわち、ここは4ヶ所の登山口から人が集まる場所なのである。


ランチにちょうどいい時間に中岳山頂に到着した。
標高は三毳山よりもさらに低く210メートル!
だが、山頂は三毳山より広く、多くの人で賑わっていた。
三毳山山頂と同じく西側の展望が良く、佐野市街が一望できる。


中岳山頂からの展望。
独立峰なので低山ながら視界は良い。


南北に長い三毳山公園(栃木市にある県営都市公園)の南に位置する三毳神社まで来ると、眼下に国道50号線と道の駅「みかも」がよく見える。
ここは標高190メートル。
我が日光の大谷川公園とは同じ県営都市公園だが規模においても自然の深さにおいても桁違いである。


次はルート南端に位置するみかも山公園わんぱく広場へ。
本日の折り返し点となる場所である。


奇妙な構造物が行く手を阻む。
みかも山ハイキングマップを見るとこれは「冒険砦」だそうで、円柱から入り展望デッキまで上がれるようになっている。
子どもの冒険心をくすぐるようなものだが、年齢制限がないとみたDさん、Sさんは展望を楽しむべくデッキを目指した。


みかも山公園の南端すなわち、山麓の麓にあるわんぱく広場。
雪の塊のように見えるのはふわふわドーム。
たくさんの子どもが飛び跳ねて遊んでいた。
いいねぇ、こうして多くの子どもが集まり、遊べる場所があるというのは。


わんぱく広場で進路を東に取ると公園内を走るフラワートレイン号と遭遇
汽車が走る音そのものを響かせながらわんぱく広場へ向かって低速で走って行った。


蕾をつけたトウゴクミツバツツジ。
日光とは季節感がまるで違っている。


ここでアスファルト道路と分かれて案内図の「大田和群生地」に入る。
語呂からすると大田和とは植物の名で、その群生地ということになる。
果たして大田和とはどんな植物なのか、それを探りたい。


おや、ここにもカタクリが。


カタクリを囲むように幅1センチほどの長い葉の植物がびっしり生育している。
もしかするとこれが「大田和」?
いや、それにしてもだ、植物に興味を持って20年以上になる管理人だが、大田和という植物など聞いたこともなければ観たこともない。
もしかすると大田和とは植物の名前なのではなく、ここの地名を指しているのではなかろうか?
栃木市大田和地区にある植物の群生地、という意味に理解すべきかもしれない。
ということで、みかも山公園の案内図を見ると大田和群生地に咲く花として「キツネノカミソリ」があった。
びっしり生えたこの細長い葉はまぎれもなくキツネノカミソリだ。
花期は7月下旬から8月中旬とあるので花が咲くころにもう一度来てみよう。


ここのカタクリもまた見事だ。
イラストマップによればみかも山公園のカタクリは「かたくりの園」が群生地となっているが、ここはまだ手前。
だが、株数はかなり多い。


タチツボスミレ
そういえば古賀志山もスミレが10数種あって楽しめるが今年はまだ一度も行ってない。
そろそろ行く予定を立てよう。


大田和群生地を抜けてカタクリの園に入ったものの肝心のカタクリは散見される程度で蕾のほうが多かった。
それにしても自然の起伏を生かしたこの公園は見通しが良く、開放感に満ちていて素晴らしい。
我が日光の県営大谷川公園は原生林を切り拓いて造っているが、芝生やアスファルト道路の占める面積が大きすぎて自然の中を歩いている気がしないというものだ。


フクジュソウ


セツブンソウだがこの距離が目一杯。


真新しい登山道を三毳山へ向かっていく。
とちぎ花センター(公園東口)から三毳山へ行く登山道は、新青少年教育施設の建設工事に伴い廃線となり、新たな道が作られた。
この辺りに来て管理人の両太ももがピクピクと痙攣を始めた。
久しぶりの山歩きに加えて温暖な気候による多量の発汗で脱水が進んだためだ。
この後、本日二度目の三毳山に着き、痙攣止めのタブレットと岩塩を口の中に放り込んだ。
低山侮るなかれ、だ。


三毳山直下で往路で使ったコースと交わり、かたくりの里に入った。
往路では気がつかなかったが白いカタクリが一輪咲いていた。


公園東口・管理センターに置かれていたパンフレットから転載。
園内は休憩所やトイレが随所にあり、初めて訪れる人でも楽しめる配慮がされている。


公園の大外を回る道もあるが多くはアスファルト道路になっていることから、かたくりの里からわんぱく広場へ向かうトレイルを辿った。


低山ながら約11.5キロという長い距離と960メートルもの累積標高とくれば立派な登山といっていい。
ピークを目指してひたすら登り続けなければならない日光の山と比べれば、標高こそ低いが、達成感と適度な疲労感が味わえる。
県南には他に大平山といった里山があって、そこも10キロ以上歩くことが可能だ。
さあ、明日はDさん、Sさん、Kさんとその大平山を目指そう。

以下余談
前回のブログは昨年の11月6日だったから4ヶ月もの空白があった。
その間、何もしていなかったわけではなく、お客さんとのツアーが6回ほどあった。
ただ定番のコースだったためブログとして記録していなかっただけで、活動はしていた。
今回、実は管理人も歩いたことのない場所であったのと、三毳山は首都圏から近いのでツアーの場所としてお客さんに勧めやすいと考え、備忘録の意味で記録に残すことにした。

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