古賀志山用語集

このページでは古賀志山に限定し、当ブログに頻繁に出てくる用語の説明をしている(ただし、作成中)。

古賀志山は国土地理院の地図でさえ山名やルートが描かれていないし、多くのハイカーが利用している昭文社「山と高原地図」に収録されていないなど、メジャーな山域に比べて情報がきわめて少ない。栃木県の山だけを紹介しているガイドブックにもごく一部のルートの説明しかない。そのため、情報の入手はネットに頼らざるを得ないのが現状である。
しかしながら、自分が必要とする情報をネットで探し当てるには何時間も格闘しなくてはならず、それでも徒労に終わることがままある。

管理人自身、名前を知りながら場所がわからず訪れるのに苦労したり、同じ場所を指しているらしいのに名前が複数あって混乱したことなどを踏まえて、書籍やNPO法人「古賀志山を守ろう会」がネットで公開している情報などを基に名前を整理してみた。

考慮したことは山名やルート、岩などの用語にその場所を特定する位置情報と管理人が実際に歩いて感じた印象を入れたことだ。
具体的には、
(1)場所を緯度経度と標高で示した(フリーソフト・カシミール3Dと山旅地図を利用) 。
(2)Aという場所に行くには、Bという場所から尾根を北北西に280メートル進む、というようにルート上の距離を入れた。
(3)姿形をイメージとして想像できるよう、場所の特徴を説明した。

なお、説明を加えられるのは月にせいぜい3・4項目程度なので完成にはほど遠いと思われる。どうかご容赦を。
また、管理人の理解不足が多々あろうと思うので間違いを見つけたらご指摘いただければ幸いである。
用語の説明は固定化したものではなく、間違いを見つけたらその都度、手直ししていく。ただし、当ブログの古賀志山に関する古い記事の中には間違った名称を使っていることがあるが、記事を書いた当時の管理人の知識として残しておきたいことから、あえてそのままにしてある。

用語のカッコ内説明(読みにくい名称には「ふりがな」をつけた)
:国土地理院の地図に記載されているもの
:正式名称のこと
:ハイカーの間で呼び交わされている通称名のこと
:NPO法人・古賀志山を守ろう会の「めぐり図」に記載されている名称のこと
:緯度を度分秒で表したもの(ただし、秒以下の誤差がある)
:経度を度分秒で表したもの(ただし、秒以下の誤差がある)
:標高(単位はメートル、地図にない場所は地理院の標高データを使った)
:三角点(前の数字は等級)

参考
池田正夫著「古賀志の里 歳時記」
NPO法人「古賀志山を守ろう会」のホームページ


あ行
アルマヤ堂アト(正・め・緯36度37分13.98秒、経139度46分05.24秒、標517)
御嶽山山頂から真南に60メートルにあり幅5メートルはあろうかという大きな洞窟内にあったお堂の跡のこと。洞窟は中二階構造になっているのが興味深い。また、奥行きがあるため暗くて照明なしにはすべてを見ることができないので訪れる際は懐中電灯を持参されるといいと思う。
アルマヤ堂とは木曾御嶽山のピークのひとつ、アルマヤ天を勧請したことからきているそうで、昭和20年代までは洞窟内にお堂があって中に天狗像があったそうだ。

赤岩山(地・正・め・緯36度37分07.72秒、経139度45分35.28秒、標535)
古賀志山の西南西1100メートルに位置し、標高は535メートル。山頂には山名板があるのみで休憩スペースはない。また、展望は北面だけでしかも視角は狭い。山頂を御嶽山方面にほんの少し進むと今は使われていないパラグライダーの離陸場があり、そこからは大展望が得られる。
山頂に至るにはいろいろなアプローチがあるが、一般的には古賀志山から御嶽山を経る1キロ強の縦走路であろう。緩やかなアップダウンのある縦走路だが鎖場があって楽しめるのと、とにかく展望がいい。
なお、この縦走路から派生するバリエーションルートが多数、存在し中には危険なルートもある。

赤川ダム(地)
宇都宮市福岡町細野にある総貯水容量327千立方メートルの灌漑用水ダム。水を農業用地に安定的に供給するため1971年に完成した、と説明にある。広い駐車場があるので古賀志山登山の起点としてもっともよく利用されていている。ダムの脇には森林公園管理センターがある。
世界の強豪選手が集う自転車レース、ジャパンカップのスタート地点としても有名。

雨乞岩(正・め・緯36度37分09.34秒、経139度45分57.37秒、標461)
御嶽山の南南西、280メートルに位置する洞窟のある岩を指し、内部から浸出水がある。水量は少なく、沢になるほどではないが、これが男瀧の源流になっているようだ。
御嶽山から赤岩山に向かって少しくだったところに道標があるので指示に従って進めばこの岩に至る、、、はずなのだが管理人の経験ではとても難しかった。

荒沢瀧(正・め・緯36度37分03.25秒、経139度45分6.70秒、標388)

岩下道(=いわしたどう、正・め)
古賀志山から北ノ峰に至る主稜線の南に並行して、東西約1600メートルに渡る昔の参道。
東は古賀志山南コースの階段途中の分岐から始まり、西は風雷神社あたりで終わる。地図で言えば主稜線の南に岩記号が連続しているが、それらの岩の基部に沿った細い道を指している。
始点から終点の間には猪落入口、対面岩入口、聖観音、男瀧、女瀧、弁天三社、荒沢瀧、大日堂といった信仰の対象にされてきた岩や観音様、滝がある。カニの横這い、縦這いへの入口にもなっている。
と、これだけ書いても地理院地図にそれらの記載はないし、ガイドブックにもないのでわからないと思う。
唯一、参考になるのは池田正夫著「古賀志の里 歳時記」と著者が代表を務めるNPO法人「古賀志山を守ろう会」が公開している情報くらいであろう。
なお、ネット上には「中山道」と表記されているものがあるが岩下道の間違い。
地図

宇都宮市森林公園(地)
宇都宮中心街の北西に位置し赤川ダムを含んだ宇都宮市営の総合公園。
公園内にはハイキングコースや散策コース、赤川ダム、細野ダム、サイクリングコース、フィールドアスレチック、BBQ場、古賀志山が含まれ、市民にいろいろな楽しみ方を提供している。古賀志山登山の起点となる場所である。
同公園がネットで公開している古賀志山マップは写真入りでわかりやすい→こちら(PDF)
森林公園のホームページはこちら

大岩(通・緯36度38分27.37秒、経139度47分35.02秒、標477)
鞍掛山の東290メートルにある岩稜で赤川ダムから長倉山を経て鞍掛山に至る際に通過する。急な登りが終わると視界が開け、平らな岩の上に乗る。それが大岩。
南面に古賀志山がよく見える。ここが大岩であることを示す
名板はないし地理院地図にも記載はない。

男瀧(=おたき、正・め・緯36度37分06.06秒、経139度46分00.32秒、標387)
クライミングで使われている岩壁のある瀧神社の脇を流れ落ちる滝。水流は弱いがオーバーハングした岩の最上部から垂直に落ちる水は「修行石」と呼ばれる平たい石に当たり、バシャバシャという大きな音を立てる。
なお、当ブログの過去記事では第三者のブログを参考に「不動の滝」と書いたことがあるが、正式名は男瀧。不動の滝は古賀志山山域には存在しない。

滝のすぐ脇に「滝不動」と彫られた石柱があることから、この滝が不動の滝と呼ばれるようになったのではないだろうか。

御嶽山(正・め・緯36度37分15.94秒、経139度46分05.09秒、標560)
古賀志山の稜線上、西南西310メートルに位置し標高は560メートル。山頂に御嶽神社がある。
御嶽神社は弘化3年(1846年)に古賀志村住民の勧請によって木曾御嶽山から分社された。したがって御岳山と書くのは間違い
地理院地図には御嶽山の名称も標高も描かれていない。少し離れた位置に鳥居記号が描かれていて実際に赤い鳥居が存在する。ただし、この鳥居は群馬県榛名山中の天狗山を拠点にする宗教法人、「大世自神霊宗」が建立した小社跡で、御嶽山とはなんら関係ない
なお、昔は古賀志山山域の山頂といえば御嶽山を指していたといわれる。

か行
観音岩(正・め・緯36度37分06.93秒、経139度46分04.39秒、標420)
聖観音(せいかんのん)が祀られている岩壁(洞窟)の最上部を指し、眺望がいい。場所は御嶽山から男瀧に至るいわゆる、滝コースの下部から東へ急登した岩壁の上だが探し出すのは難しい。
ネットの情報にマラ岩と出てくるのは観音岩を指しているが、マラ岩はもちろん正式名称ではない。

籠岩(正・め・緯36度37分10.97秒、経139度45分13.97秒、標397)
赤岩から西へ510メートルの位置にある北ノ峰(432.7m)から、南西に向かって派生する尾根にある巨大な岩のことで、他の多くの岩と同じく地理院地図には描かれていない。
北ノ峰を示すピーク432.7を地図で探し、南西に延びる尾根を下れば籠岩に至るがそこから先へ進む場合は尾根が広すぎてつかみどころがないため、高度な読図能力が求められる。同じルートを忠実に戻るのが無難。
なお、駕籠岩と書くのは間違い。

北コースまたは北登山道
地理院地図に描かれている古賀志山山頂への正規のルートのことで、宇都宮市森林公園内の赤川ダムを北上した芝山橋が登山口となる。
途中、水場を経て富士見峠、短いが急登して古賀志山山頂に至る約3.5キロのハイキングコース。正規のコースだがガレ場や木の根が露出した道なので歩くには注意を要する。

北ノ峰(正・め・緯36度37分13.83秒、経139度45分18.18秒、標433m、4△)
古賀志山の麓、古賀志村(現在の宇都宮市古賀志町)から見上げた場合の古賀志山山域でもっとも北に位置する標高432.7メートルの小さなピークを指す。

鞍掛山(地・正・緯36度38分26.33秒、経139度47分23.72秒、標492.4m、3
日光市との境界線上(住所は日光市字鞍掛)にあり、地理院地図に山名がある。三等三角点がある。
登山口は森林公園駐車場の赤川ダム寄り、アスファルトの林道脇にある。そこから長倉山(349M)を経由するルートか、赤川ダム脇のトリムコースという道標から入り、天狗鳥屋(地図にあり)を経由するルートがある。両者とも尾根伝いに左回りに歩いて古賀志山を経由して森林公園駐車場戻ることができるが、途中に道標がなくわかりづらい。
山頂は木立に囲まれて眺めはよくないが、広くて休憩にふさわしい場所である。赤川ダムあるいは天狗鳥屋から左回りに歩く場合、鞍掛山の手前に「大岩」という展望のいい場所があり、古賀志山を眺めることができる。

熊尾根(通)
古賀志山とピーク559の中間にある通称、伐採地(檜の幼樹が育っている)から西へ延びる尾根を指している。
伐採地に立ち、身体を西に向けると少し下に大きな異形の岩が見える。岩の基部に踏跡があるので辿り、最後に岩場を下ると大きな岩と出合う。そこまでが熊尾根。
途中、推定45度もある斜面を下るなど、かなり危険なバリエーションルートである。
岩から先、進路はふたつある。
ひとつは「小マラ岩」経由で御嶽山の東に出る道、ひとつは西尾根に乗り御嶽山の西に出る道である。前者はロープも鎖もない「小マラ岩」をクリアしなくてはならず、危険を伴う。

軍艦岩(通・緯36度37分38.58秒、経139度46分55.23秒、標430)
細野ダムから始まる中尾根の細野ダムとピーク496の中間くらいにある大きな岩を指す。
大きな岩がふたつ重なっていて、上の岩の先端が尖っているのを軍艦に見立てて名前がついたのではないかと思う。
画像

古賀志山大神(=こがしさんおおかみ、正・め・緯36度分秒、経139度分秒、標m)

古賀志山(地・正・め・緯36度37分18.13秒、経139度46分17.37秒、標583m、2
宇都宮中心街から北西12キロにある標高583メートル、2等三角点を有する独立峰である。
低山ではあるが起伏に富んでいて岩場(クライミングのゲレンデを除く)が多いのが特徴と言える。それゆえ、岩場での事故は多く、死亡事故につながっている。
地元の人たちには古くから親しまれてきたらしく国土地理院の地図に描かれている道の他に100ものバリエーションルートがあるとされる。
多くのハイカーに利用されている昭文社「山と高原地図」には収録されていないため、古賀志山を歩くには国土地理院の地図が必須であるのと、バリエーションルートを歩く場合は読図能力が求められる。道迷いをして救出を依頼する登山者も多い。

古賀志山主稜線
古賀志山(583m)から西へ向かっている尾根道で北ノ峰(543m)までを指している。
その間に御嶽山(560m)、中岩(546m)、赤岩山(535m)という3つのピークが含まれる。
さらには多くの岩場の上り下りがある上に、尾根は細く足を踏み外すと沢に転落するような危険箇所がたくさんある。尾根道からの展望は素晴らしく、東に筑波山、南に宇都宮市街と鹿沼市街、西に足尾から日光の山並み、北に鶏頂山と釈迦ヶ岳、那須の山が一望できる。
古賀志山から御嶽山まで歩く登山者は多いが御嶽山から先はぐっと少なくなる。道は1本しかないので迷うことはないが、危険度も増すので初心者は経験者に同行してもらうなど危険回避に努めてほしい。
地図

古賀志町

小マラ岩(通・緯36度37分19.41秒、経139度46分07.09秒、標512m)
御嶽山の北北西25度、120メートルにある落差3メートルくらいのロープも鎖もない垂直の岩を指す。
熊尾根を参照
画像
ブログ記事

牛頭

さ行
聖観音(=せいかんのん、正・め・緯36度分秒、経139度分秒、標m)
岩下道の下部から御嶽山へ行く

猿岩(正・め・緯36度分秒、経139度分秒、標m)

シゲト山または鞍槍(通・緯36度38分33.48秒、経139度47分05.04秒、標480)
鞍掛山の北西に位置する標高480メートルのピークを指すが地理院地図には山名がない。
ピークに立つと立木に「シゲト山」と書かれた山名板が付けられている。
山頂の南北が切れているため見る場所によって尖って見える。鞍掛山の近くにあり、尖って見えることから鞍槍と呼ばれているのであろう。

猪落(=ししおとし、正・め・緯36度分秒、経139度分秒)

背中当山(=せなかあてやま、正・め・緯36度分秒、経139度分秒、標m)
御嶽山と赤岩山を結ぶ稜線の中間点、中岩(546m)からは南へ向かって
張り出している3つの尾根のうち、中央の大きな尾根の先端を指し、岩下道から登っていける。
岩下道から登り始めてすぐ、「カニの横這い」を経て背中当山、背中当山から中岩に至る尾根に
「カニの縦這い」と呼ばれる難所がある。
ちなみにこの尾根に降った雨が東側に流れると女瀧に、東側に流れると荒沢瀧になると文献には書かれている。

シゲト山
鞍槍を参照

三本松
ネットの情報に見られるが記事の前後関係から察するとどうやら「中岩」を指しているようだ。
詳しいことは「中岩」を参照。

た行
対面岩(正・め・緯36度37分10.37秒、経139度46分12.67秒)
岩下道に面した絶壁の中ほどから突き出た人の横顔をした大きな岩を指し、目の前の岩に向き合っていることからその名が付いたのではないかと思う。対面している方の岩の形が人の横顔に見えることからイースター島のモアイ像(人面岩)に倣って「古賀志山のモアイ像」とも呼ばれている。が、もちろん正式名称ではない。
場所は岩下道のヒカリゴケが見られる岩を北に斜面を上ったところだが詳しい情報なしに訪れても見つからないと思う。
地図

天狗岩(正・め)

東稜コース

東南稜コース

滝神社(正・め)

大日堂(正・め)

大日山(正・め)

大日窟(正・め)

な行
中当山(=なかあてやま、正・め)

中岩(地・正・め)
御嶽山と赤岩山を結ぶ稜線の中間に位置し、標高は546メートル。地理院地図には標高のみ記載されている。南へ向かって張り出した大きな尾根の基部に当たる。尾根の末端が背中当山でその南が岩下道である。
岩下道から上っていくとまず、カニの横這いと呼ばれる岩場のトラバースをして背中当山に至る。背中当山の尾根に乗ると次にカニの縦ばいと呼ばれる厳しい岩場が待っている。その岩場を上りきったところが中岩。
なお、縦這いには以前、鎖と梯子がついていたそうだが現在は外されていてない。

中尾根コース

中山道
岩下道を参照

二枚岩
古賀志山から富士見峠を経て、約1キロ先のピーク559の北西に位置する大きな2つの岩を指す。
「二枚」岩と呼ばれるのは岩そのものが板状になっているからと思われる。
ヒカゲツツジの見所として地元の人に人気の場所だが地理院地図には道が描かれていない上に名称も描かれていないため、場所は非常にわかりづらく言葉で説明するのは無理がある。

二尊岩(正・め)
赤岩山から御嶽山へ向かって約200メートル進んだ鞍部にある、大小2つの岩を指す。

盗人山(通・緯36度38分40.57秒、経139度46分17.23秒、標442.8m、4

は行
バリエーションルート

反省岩

ピーク444

ピーク559

福岡町

弁天岩

弁当岩

細野ダム

パラグライダー基地

伐採地

不動の滝(通)
男瀧を参照

馬頭岩(正・め)

林道・背中当線の風雷神社入口から赤岩山に至るルートの

風雷神社

富士見峠

馬蹄形ルート
古賀志山から見て北西に位置するルートを指すが歩いた人の記録を読むと、ひとくくりに馬蹄形ルートといってもすべての人が同じルートを歩いてはいないので、決まったルートは存在しないようだ。
共通しているのは赤岩山の西北西に位置する北ノ峯(
433m)とその先の作業小屋、ピーク444、ピーク383を経ているようだ。
当ブログに山行記録と地図があるので参考にされたい。「馬蹄形」をキーワードにして検索。
地図

ま行
松島
マラ岩(通・)

見晴台あるいは東稜見晴台

南登山道

無縫塔

モアイ像
「対面岩」を参照

や行

ら行
林道古賀志線
林道背中当線

わ行