古賀志山で観る花たち・カタクリ祭りじゃぁ! 後編(2022/04/07)

2022年4月7日(木) 薄曇り、風冷たい

きょう観た花(順不同)
エイザンスミレ、ヒナスミレ、タチツボスミレ、フモトスミレ、クサボケ、カタクリ、アカヤシオ、ヒカゲツツジ、ヤマツツジ、ヒサカキ、キクザキイチゲ、ニリンソウ、セントウソウ、キブシ、ツクバキンモンソウ

3月16日から開始した今年の古賀志山花の探索はきょうで6回目となった。
開始3週で6回だから週2のペースで古賀志山に通っているわけだ。
このペースで通っているとその日、まだ蕾だった花がいつ開花するのかおおよその見当がつくので見逃すことはない。
この季節の古賀志山は目が離せないのである。

前回(30日)の探索はカタクリの他にヒカゲツツジの様子を探るのが目的だったが、カタクリはいいとしてヒカゲツツジはまだ固い蕾の状態で、開花は1週間後と見当をつけた。
その日がきょうだった。
いや、昨日の予定だった。

内輪の話(このブログ自体が内輪のことしか書いていないが)だが、予定は昨日だった。
ザックを背負い、玄関で靴を履き、外へ出るために扉を開けた途端にそれを待っていたかのように飼い猫が脱走した。
いつもは寝てばかりいるおっとりした雄猫だが、我が家に住みつくようになった3匹の野良ネコ(手術済み)が外で自由に動き回るのが羨ましいのか、仲間に入りたくて時々脱走を図る。
雨の日や雪の日であれば30分ほど遊んで満足して帰ってくるのだが昨日は猫にとって快適な気候だったのかなかなか帰ってこず、遊び疲れて帰ってきたのは昼近くになってからだった。
古賀志山がいくら近いといっても、いくら短時間で満足して帰れるといっても、午後になって出発したのでは遅すぎる。
そんなことがあって昨日は古賀志山の予定を諦めて猫の帰りを待つために自宅待機を余儀なくされた次第である。

無駄になったのは古賀志山に持参するために沸かしたお湯くらいのもので実害はないが、人の気持ちをよそに満足そうな顔で帰ってきた飼い猫を見て怒る気持ちにもなれず、餌と水を与えた管理人であった。

いつものように森林公園の赤川ダムに沿って登山口へ向かう。
森林公園のシンボルであるシダレザクラはちょうど見頃を迎えていた。


赤川ダムの脇の道は桜並木になっていてとても気持ちがいい。
これからいくつものアップダウンを超えてヒカゲツツジを観に行くことを考えると、花を観るならここでいいじゃん、といった気持ちに陥り、慌ててそんな気持ちを打ち消した。


この季節、古賀志山山域はスミレが咲き誇っている。
これはエイザンスミレ。


これはタチツボスミレ。


遠くからでもはっきりわかるこの鮮やかな色はクサボケ。


ヒナスミレ


タチツボスミレは広範囲に分布している。


先月30日にも訪れたカタクリの群落がある中尾根北登山道。
1週間後のきょう、カタクリの状況を知りたかった。


ここは東西200メートルに渡って斜面にカタクリが群生している。
奥行きはないが登山道の両側にびっしり生育しているので見応えがある。
以下、カタクリの写真が続くのでじっくりご覧あれ!


登山道の真ん中もご覧の通り。


カタクリの群落の中ではエイザンスミレも脇役になってしまう。


ヒナスミレ


この上で中尾根に合流するとカタクリは終わる。
次は二枚岩へヒカゲツツジの様子を見に行こう。


アカヤシオが見頃を迎えて古賀志山も賑やかになってきた。


大柄な花をつけるアカヤシオはこの季節の主役に相応しい。


枯木岩を通過。


ピーク496を通過。


蕾のアカヤシオも多いのでこの先、1週間は楽しめそう。


ここで中尾根から外れて二枚岩へ向かう。


さて、ヒカゲツツジはどんな具合だろう?


二枚岩すぐ手前の満開のアカヤシオが先に目に入ってきた。


おぉ、咲いてますなぁ!!
でも咲いてる花は少なく、多くは蕾だ。


きょうの朝、咲いたばかりというヒカゲツツジ。


これは全開のヒカゲツツジ。


ヒカゲツツジとアカヤシオ。


ヒカゲツツジの向こうに三角山が見える。


限りなく透明に近いこの薄緑の花弁はアカヤシオと違って実に控え目で、管理人の好み。


あと数日で咲きそうな蕾。
今週末はヒカゲツツジ目当てで訪れる登山者が増えることだろう。


同じ場所にヤマツツジもある。


どれほど長い時間いても見飽きることのないヒカゲツツジだがそろそろ次の場所に移動しなくてはならない。
二枚岩のヒカゲツツジは咲いているのを確信していたが次の場所、班根石山(通称ゴーゴーキュー)のヒカゲツツジは下見だ。
二枚岩のが咲いたばかりなので班根石山はまだ蕾だろう。


二枚岩から班根石山へは元の分岐(11:32の画像)まで戻り、中尾根で行くのがわかりやすいのと安全だが管理人はいつもショートカットの道を行く。


沢に降りるとカタクリのミニ群落があって楽しめる。
ただし、ここからは他人に勧めるのが憚れる道を歩くことになる。


まずは岩場を乗り越えるがここは楽な方。


班根石山直下の崖上。
岩陰を好んで生育するヒカゲツツジはこのような場所にある。


う~ん、まだ固い蕾だ。
開花は週明けになるだろう。


両手も使ってよじ登る。


ヒメイワカガミの小群落。
開花は6月。


班根石山に達したが多くの登山者がいたため写真を撮るのを遠慮した。
代わりにピーク上のアカヤシオ。


曇天のため日光連山は拝めず。
時間もいいのでここらで昼飯にしたいが場所を少し移動しよう。


古賀志山と鞍掛山との分岐まで行ってヒサカキの下でランチタイムとした。


炭水化物たっぷりのコンビニ弁当で腹を満たすことに。


さてと、お目当てのカタクリにアカヤシオ、ヒカゲツツジを堪能したのできょうの目的は達した。
班根石山から下山するには古賀志山へ向かうしかないが、きょうは少し変わった道を歩いてみたいと思った。
まず古賀志山への道を進む。


ヤマツツジ


フモトスミレ


富士見峠手前の伐採地に差しかかる手前の分岐を左へ。


地理院地図を見ると登山道(通称・北コース)に並行して沢が画かれている。
その沢の源流がここである。
伏流水がここで地表に現れて流れを見せるようになる。
しかし流れは弱く、水溜まりにしか見えない。
また、少し下ると再び伏流して見えなくなる。
北コースで見る沢は水量が多く力強いが、おそらく他の伏流水や沢の支流が合わさって流れているのではないかと思う。


北コースの広場まで下りてきた。
ここからまた花の探索を再開しよう。
短い距離だが花は多い。


エイザンスミレ


タチツボスミレ


伏流水を引いた水場。
これも支流のひとつ。


キクザキイチゲ


セントウソウ


ニリンソウの一輪目が咲き始めた。
ニリンソウはその名の通り、1本の茎にふたつの花を付けるが、ひとつ目の花が完全に開いてからふたつ目の花が開くという面白い性質を持っている。
管理人の推測だが、花が同時に開くとそこで近親交配となって種が弱くなり、それを避けるための生活の知恵なのではないかと思う。


カタクリの多くは終いに近かったが元気なのもあった。


マルバスミレ


膳棚林道のキブシ


下山後も赤川ダムの脇を通ったが帰り道で見る光景もまたいいものだ。


時系列から外したがきょうのルート上で見つけたツクバキンモンソウ。
全国的に見てそれほど珍しい植物ではないが古賀志山では生育範囲が限られているというのが理由。