きょう観た花 (順不同)
エイザンスミレ、ヒナスミレ、ツクバキンモンソウ(まだ蕾)、カタクリ、アカヤシオ、ヒカゲツツジ(固い蕾)、フモトスミレ
前回の探索から5日目、蕾の方が多かったカタクリは見頃を迎えたはずだし、他にも咲く花の種類が多くなる時節である。
1週空けただけで目当ての花を見逃すことも往々にしてあるから、この時期は目的とする花を決めて無駄足を踏まないようにしなければならない。
きょうは前回25日のカタクリ廻りの際にルート設定から漏れた、中尾根北登山道のカタクリ群生地を歩くことと、そろそろ咲き始めるヒカゲツツジを目的に古賀志山に行くことにした。
今月になって4回目の古賀志山花の探索である。
メモ
・歩行距離:9.8キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:5時間30分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:1157メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)
例によって古賀志山を背景にした赤川ダムの様子。
5日前に比べると心なしかサクラの枝が色づいたようだ。
ダムの畔のシダレザクラまで来ると25日に比べて明らかに蕾の数が増えていることがわかる。
開花まであと数日。
頑張れ、シダレザクラ!
シダレザクラの先には植樹したサクラ(ソメイヨシノ?)が数本。
これも数日後には開花して、古賀志山に花を添えるはず。
赤川ダム先の分岐を右へ進み中尾根北登山道を目指す。
林道沿いで見つけたエイザンスミレ
きょうは前回25日のカタクリ廻りで設定したルートから漏れた、中尾根北登山道を歩いてカタクリを楽しむことにした。
ヒナスミレ
スミレに関して知識の乏しい管理人は、紫色のスミレはすべてタチツボスミレに見えてしまっていたが図鑑で調べたり信頼あるネットで調べたりするうちに、紫色のスミレは他にもたくさんあることを知った。
色の濃淡や花弁の形、花弁の反り具合、花弁に毛があるかどうか、距でいえば形や大きさ、色、反り具合、葉っぱでいえば形や毛の有無、厚み、ギザギザの有無や裏側の色などなど、これらの組合せが個別の特徴となって名前が違うからとても難しい。
まっでも、名前を知らないスミレと出合ったらその場でわからなくても帰宅してじっくり調べて、それをメモしていけばいい。
このスミレ、ヒナスミレは昨年になってタチツボスミレと区別できるようになったスミレだ。
カタクリはすぐに見られた。
ここの群落は管理人が知っている群生地の中でもっとも広がりがあり、見応えがある。
これは開きかけのカタクリ。
ひとつだけ咲いたミヤマシキミ。
満開のをもう1枚。
つぼみ3姉妹。
これだけまとまって咲いているも珍しい。
傾斜にはびっしり。
中尾根と交わるとカタクリの群生地は終わる。
見事なほどにパタッと終わる。
これが植物分布の面白いところだろう。
中尾根を歩き始めて10数分で岩陰に1本のアカヤシオを見つけた。
いま咲いたばかりといった感じだ。
今にも咲んというアカヤシオの蕾。
1・2日もすれば咲くでしょう。
やがて1本の枯れ木が立つ特徴的な岩と出合う。
ピークではないし古賀志山の露岩の中では小さい方なので地図には描かれない。
だがなんらかの目印にはなる。
そこで管理人はこういう場合、この場所を特定するのに都合がいいように自分で勝手に名前を付けることにしている。
ここで言えば「枯れ木岩」とか、枯れ木を船のマストに見立てて「帆船岩」、「ヨット岩」といった具合だ。
「枯れ木岩」は岩の基部に道があるので怖い思いをすることはないが、あえて岩の上に立つと大展望が開ける。
地図にあるピーク496を通過。
道はここで南西へと変えて次のピークとの鞍部に下る。
次のピーク直前でショートカットの道を選ぶとこんなに快適な斜面となる。
きょう、中尾根を選んだのは理由がある。
中尾根を外れて北へ向かうと二枚岩がある。
そこにヒカゲツツジが生育しているのである。
開花はまさにこの時期。
アカヤシオのように大柄な花だが色は淡い緑色で、その美しさったらない。
一度でも見れば魅了され、美しさの虜になること間違いなしの花である。
そこへ行くには転がり落ちそうな急斜面を下っていく。
ここが二枚岩。
岩がふたつ、向き合っているように見える。
そのふたつは断面が一致することから、元はひとつの岩だったのがなんらかの理由でふたつになったと管理人は見ている。
数百年あるいは数千年という途方もない歳月の中で、想像を絶する出来事が発生したのだ。
それは地球の寒冷期における自然現象で、マイナス40度という極寒の中、岩の隙間に浸透した雨水が凍って膨張し、岩の弱点部分を内側から破壊した結果なのである。
当たらずとも遠からず。
そんなことはどうでもいいのだが、、、
ここに来た理由であるが、ヒカゲツツジが生育しているのである。
限りなく透明に近い緑色というか、その楚々とした色合いがなんとも魅力的で惹きつけられる。
だが、ここ数年だと3月末であれば咲いているのに今年はまだ固い蕾のままだ。
咲いている花は皆無だった。
来週の後半まで待とう。
これはヒメイワカガミ。
開花はおそらく6月になってから。
次に班根石山(はんねいしやま、通称ゴーゴーキュー)へ向かう。
二枚岩を出口近くまで戻る途中で進路を西へ取り、一旦沢へ下りるとカタクリが見られる。
ただし、中尾根北登山道ほど大きな規模ではなく、この沢に沿って点在している程度だ。
それでも手つかずの自然環境で生育している様はいい。
咲いているカタクリもあればまだ固い蕾のもあった。
すべてが咲き終わるまで、2週間くらいの間がありそうだ。
石にペイントされた赤い矢印にしたがって進んで行くとロープがかかった岩と出合った。
カタクリの沢から班根石山へはなんども行っているがロープがかかった岩など見たことがない。
はて、管理人未踏のルートか?
帰宅してPCに保存してあるGPSの軌跡を調べたところ、2019年4月に同じルートを歩いていることがわかった。
班根石山(標高559m)に着いた。
ここへはヒカゲツツジを見る目的で来たのだが、ここよりも標高の低い二枚岩で咲いていないのだからまだのはずだ。
ルートから外れてヒカゲツツジが生育する場所へ下りてみた。
まだ蕾さえない状態だった。
班根石山と古賀志山とは稜線でつながっている。
南北に走る稜線で、大きなアップダウンのない快適な道である。
稜線の西に5メートル丈の立派なアカヤシオがあり、咲いたばかりの花を見ることができた。
富士見峠まで下り、次ぎにカタクリ群生地へと向かうためここを左へ折れる。
岩陰にひっそりと咲くカタクリ
ミヤマシキミの蕾
うっとりするほどの美しさ。
どれほど長い時間眺めていても飽きることがない。
フモトスミレ
先ほど、ヒナスミレの項で触れたが、スミレはパッと見ただけで名前を言い当てるのは難しい。
スミレを観察するようになった当初、ヒナスミレはそれまでタチツボスミレと見分けがつかなかったし、このフモトスミレはツボスミレだと決め打ちしていた。
そこから抜け出せるようになったのはスミレ専門の図鑑(※)を手に入れてからだ。
スミレを見分けるポイントを実に詳しく説明してある。
スミレは日本に220種もあるそうだが特定の地域に220種あるわけではなく、地域を絞れば種類はぐっと少なくなる。
古賀志山であれば10数種なので頑張れば覚えられる、、、はず!!
※文一総合出版「スミレハンドブック」
カタクリを見終わって東稜見晴台までやって来た。
きょうの目的であるヒカゲツツジ(咲いてなかったが)と前回見ていなかった群生地のカタクリは十分に堪能した。
ヒカゲツツジはおおよそのタイミングを計ることができた。
さあ、帰ることにしよう。
東稜コースの岩を下る。
古賀志山は今年になってまだ4回目。
鎖を使わずに登る勘は取り戻せたが下りはまだ怖い。
ここは躊躇うことなく鎖を使おう。
反省岩の脇を通過
膳棚林道を見下ろす地点まで下ってきた。
膳棚林道に咲くキブシ。
赤川ダム横の広場を眺めながら駐車場へ向かった。