古賀志山で見る花たち・ショウジョウバカマ(2022/03/21)

2022年3月21日(月) 晴れ

きょう観た花
シュンラン、ショウジョウバカマ、キクザキイチゲ、タチツボスミレ、セリバオウレン、エイザンスミレ(白花)

これからどっと咲き出す花を細大漏らさず観るためには確実に咲いているタイミングで行くよりも、咲き始めに行くことが大切だと思っている。
例えまだ咲いていなくても、一輪か二輪しか咲いていなくても、そのタイミングであれば盛りがいつ頃かが計れるので、盛りの頃にあらためて行って楽しめばいい。

管理人が古賀志山の花の探索に熱中するようになって4年を経て、いまではどこにどんな花がいつ頃咲くのかが把握できるようになったが、それとてその年の気象状況によって一週間くらいのズレがある。
今が盛りだろうと思っていったところ、すでに終わっていたということもあればまだ早いということもある。
後者であれば、では次週にもう一度行こうという気になれるから無駄にはならない。

さて、古賀志山山域全体に分布しなおかつ、咲いている期間の長い、例えばスミレのような花であればあえてそれを目的に訪れることはしないが、分布が限られていて全体に数が少なくまた、見栄えのいい花であればその日の目的としての価値は大いにある。

きょうはその代表格であるシュンランとショウジョウバカマを目的に古賀志山を訪れることにした。

メモ
・歩行距離:12.6キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:5時間58分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:1026メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)


3連休最後のきょう、天気が良いのもきょうまでで明日は平野部でも雪が降るとの予報が出ている。
宇都宮市森林公園の駐車場はほぼ満車だった。
前回16日に来たとき、この駐車場のすぐ手前が通行止めになっていて10分以上も迂回してたどり着いたが、きょうは休日とあって工事が休みなのか通行止めにはなっていなかった。
また、通行止めの理由をよく見ると道路工事ではなく、森林組合による道路際の高木の伐採が理由であった。



今日の目的であるシュンランの探索は駐車場出入口付近にある北尾根を入る。
伐採作業のため通り抜けできないとの張り紙があったがそれは長倉山から先のことなのでシュンランの探索には差し支えはない。



咲いたばかりのシュンランを見つけた。
咲いている数はまだ少なく、7割はこれからだ。



古賀志山山域の中で登山道から見えるシュンランの生育場所は少なく、北尾根はそのひとつである。ただし、見ることのできる場所はごく限られた区間でしかない。
シュンランを見終えるともう花はなく、早足で長倉山まで来た。
ここで道は3本に分かれる。
伐採作業のため通行できないのはここから北西へ向かう北尾根(赤いコーンが置いてある場所)で、他の2本は通行できる。



ほぼ真北へ向かう道を下っていくとアスファルトの林道と出合う。
きょうふたつ目の目的であるショウジョウバカマを見るためには林道を右、東へ向かい、廃業となって久しいゴルフ場の中を抜けていく。
ちなみに、林道を横切って階段を上がると鞍掛山への道がある。



キクザキイチゲ



ここが廃業となったゴルフ場の入口。
廃業後、広大な敷地を利用してメガソーラーの建設が進められていて一般の車が入れないように車止めのゲートが設けられている。
ただし、人はその脇から入れる。
そのつもりでゲートに近づくと昨年までだったら人は入れたのに、そこは頑丈な板で塞がれてさらには監視カメラまで設置され、人の侵入を頑なに阻んでいた。

さて困ったぞ。
ショウジョウバカマの生育場所へはここからだと30分あれば行くことができるのに、ここが無理だとすると大岩(鞍掛山の手前)へ登って220メートルの標高差を下りなければならない。
しかしそれは部分的に40度もある急斜面を下りることになるためできるだけ避けたい。
とはいえ、せっかくここまで来たのに目的とするショウジョウバカマの探索を諦めるのは悔いが残る。
とはいえ、他に方法が見つからない。
ここは登山道で大岩まで行き、危険を承知で大岩からショウジョウバカマが生育している場所まで尾根を下るしかないだろう。



ミヤマウグイスカグラ



長倉山から下りた地点まで戻り、ロスした時間を取り戻すべく鞍掛山へ急いだ。
大岩は鞍掛山のすぐ手前にある。



なるほど、これがメガソーラーか。
昨年は荒れ放題のゴルフ場の跡地にすぎなかったが、ソーラーパネルが設置され、敷地に沿って有刺鉄線のフェンスが張り巡らされていた。



大岩(鞍掛山)へのルート。



「昌子岩」とペンキで描かれた岩だがその由来は知らない。
ここまで来て地図を見ると、この岩の先に東へ向かって延びている尾根があって、その尾根の末端こそ管理人が目指すショウジョウバカマの生育場所であることがわかった。
もしも下りられそうな尾根であるならば40度もある大岩の危険な尾根を下りるのを避けられる。



ここの桧林は枝打ちされてなく、地面に近い幹の枝が垂れ下がり前方が見えない。
密生している桧の葉のすき間から覗いてみると、なんとなく地図に画かれた尾根であるように見える。
だが、大岩からの下りに劣らずここもかなり急だ。
バリエーションルートにもなってなく枯れ葉が堆積した斜面だがここを下ってみよう。



桧や篠竹の藪で先が見通せないため、あらかじめインプットしてあるショウジョウバカマの生育場所をなんどもなんども地図で確認しながら下っていった。



尾根には地理院地図ではわからない落差数メートルの崖が2箇所あって、それを回避しながら下った。
傾斜が緩くなる頃になると密生している篠竹に手こずった。



おぉ、なんとなく見覚えのある桧の林だ。
この先が林道になっていて、そこがショウジョウバカマの生育場所のはずだ。
と頭の中では理解しているものの、ここは地図にある林道の他に伐採作業の際に作られた作業道が混在していて複雑である。
地図を片手にショウジョウバカマの生育場所に向かって直進する。



苦労の甲斐あってやっとのことでショウジョウバカマと出会えた。



間もなく咲こうというショウジョウバカマ。



まだ固い蕾のショウジョウバカマ。



見ごろを迎えたショウジョウバカマ。
花の咲き始めにはこうしていろいろな花の顔を見ることができる。
盛りの頃に行くと見ごろの花、咲き終える花、枯れた花といった顔を見ることになる。



同じ場所に咲いていたタチツボスミレ。



目的としたショウジョウバカマをたっぷり時間をかけて観て、これから大岩に向かっての上りとなる。
ここから見上げると明瞭な尾根に見えるが大岩直下で尾根は消滅し、どこを見ても40度の急斜面になる。
午後1時を回り腹が減ったが落ち着ける場所がないので我慢することにした。



キブシ



尾根をどんどん登っていく。
前方に大岩の西に位置する鞍掛山が見える。



西にまだ雪を冠している日光連山が見える。
尾根がなくなるのはこの辺りから。
そして40度の急斜面となる。



ようやく大岩に達した。
昨年まではゴルフ場から30分歩いてショウジョウバカマを観ることができたが、今年は余計な作業が加わったために神経を使い果たした。
ここで遅い昼食とし、疲れを癒そう。



靴は前回16日と同じスポルティバのウルトララプターⅡ MIDを履いてきた。
枯れ葉が堆積した急な下りも大岩への急な登りも滑ることなく安定して歩くことができた。
さすが、定評あるトレランシューズといえる。
古賀志山では必須の靴となりそうだ。



大岩からの眺めは素晴らしい。
正面に古賀志山、その向こうに宇都宮市街や筑波山が望める。



コンビニ弁当をきょうの苦労とともに噛みしめる。



管理人が大岩に到着して間もなくヘリがやって来て、御嶽山の上空でホバリング体勢に入った。
管理人が弁当を食べ終えるまで同じ体勢でいたので事故があったのかもわからない。

帰宅してネットのニュースで知ったのだが10時50分頃、家族で登山をしていた8歳の男児が岩場で滑落して打撲したとの記事があった。
だが、管理人が大岩に着いたのは13時40分だったのでニュースの事故とは時間に大きなずれがある。
別の事故だろうかと思ってニュースを追い続けたが新たな事故はなかった。



午後2時過ぎに昼食を終えて下山を始めた。
この時間であれば鞍掛山へ足を延ばして鞍掛林道に下るしか選択肢はない。



鞍掛山奥の院まで進むと林道へ向かって下る急な斜面がある。
斜面は階段になっているが荒れていて、足の置き場に難儀する。
ここは足を踏み外さないように鎖につかまって下りるのがセオリー。



鞍掛神社まで下りたので久しぶりに寄ってみた。
細い流れの左に小さな洞窟(お穴=おあな)があって、その中に石像が収められている。



双体神の前を通過。



一の鳥居まで下りた。
朝はこの鳥居をくぐってゴルフ場との境界線を上がって行った。



さてと、ここから長倉山への上りになるわけだが、同じ日に同じ道を歩くのもつまらないので下に見える鞍掛林道を西へ向かって歩き、細野林道と交わったら南へ進路を変えて駐車場に戻ることにした。
途中、伐採作業で通行止めの区間があるが休日のきょうは休みのはずなので通れるであろう。



緑色の水をたたえた細野ダムを通過。



赤川ダムまで来てきょうの花の探索は終わった。



車に乗り込んで帰途につくことにしたが、実は帰り際にもう一カ所、立ち寄る場所がある。
セリバオウレンの群落地だ。
宇都宮市と日光市の境界線に林道内倉線がある。
白石川の河原に車を置いて林道を10分ほど歩いた、昼でも薄暗い場所にセリバオウレンが咲いている。
カメラのフラッシュが自動で光るくらい、そこは暗く、ジメジメしていて長居はしたくない環境だが、それとは裏腹に小ぶりで純白のセリバオウレンはとても魅力的だ。



林道に白花のエイザンスミレが咲いていた。



備忘録として歩いた軌跡を残しておく。
往復とも同じ道を通ることを避けた。
ただし、メガソーラーのゲートまで行って同じ道を引き返したのはやむを得なかった。
昨年まではゲートからゴルフ場の跡地を北上してショウジョウバカマの群落を観て、そこから大岩に登ったが、跡地を通過できないとあって大岩の急斜面を下ることを覚悟していた。

実際には大岩の手前の尾根を下ったわけだが苦労は大きかった。
ゴルフ場跡地を通行できないとあってはあの場所のショウジョウバカマを観に行くには危険すぎる。
こんなことをしていたら命がいくつあっても足りない。
今年限りにしようと決めた。