雪質上々・有終の美!! 丸山~焼石金剛ツアー

2022年3月13日(日) 薄日/暑くて汗ふき出す

前のブログでも書いているがここ数年の気候変動の影響で12月から2月にかけては厳冬期であるにもかかわらず降雪が少なかったり、台風並の大雨に見舞われたりでスノーシューツアーの開催期間が短く、かつては4月上旬まで楽しめたスノーシューは3月を待たずに終了せざるを得ない状況が2019年から2021まで続いた。

この冬、これまでの気候変動など忘れさせてくれるかのような寒さと多くの雪が降り積もり、スノーシューのフィールドはいつ行っても新雪に巡り会えた。
これほど安心してスノーシューツアーができるのは2018年以来のことだ。

だが時は悪く、昨年末から急増した新型コロナ・オミクロン株によって栃木県のみならず、スノーシューツアーに参加する人が住む首都圏にまん延防止等重点措置が適用されて客足は鈍く、新雪を前に管理人は歯噛みするしかなかった。
それでも、精神衛生上もっとも好ましくない自粛という生活様式を強いられている首都圏在住者から、少ないながらもツアーに参加を希望する人がいて、管理人の励みとなっている。

今冬最後のツアーになるであろう本日の参加者はOさんとHさん。
大自然の空気を思いっきり吸い込み、心身の健康を維持していただきたい。
最終回に相応しいツアーとなるよう、管理人も力を振り絞ってガイドを努めよう。

今日のツアーの目的地は丸山に決め、北登山道を目指した。
3月も半ばとなり、雪質の劣化を予想していたが実際に歩き始めてその心配は吹き飛んだ。
気温の上昇によって雪はやや緩んではいるものの腐れてはなくまた、量は十分にあり、新雪よりも歩きやすいと言える。


北登山道は歩き始めてすぐ沢に降りる急斜面に出くわす。
足が沢側に流れないように一歩一歩、慎重に足を運ぶ。


ここは直射を遮る木々がないため、例年雪が溶けるのが早い。
スノーシューで歩くには難儀するがすぐに終わる。


丸山のすそ野のトラバースが終わると八平ヶ原に上がる急斜面に差しかかる。
ここも雪解けが早い部分だが今年はたっぷり積もっていて楽に登ることが出来た。


途中、なんどか休憩を挟み、1時間で八平ヶ原に着いた。
関東平野の大展望を期待したがあいにくの薄曇りで展望はイマイチ。
高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)は見えるが筑波山は見えなかった。


春霞がかかって幻想的な高原山。
高原山はツツジの名所として知名度がある。


標高1689メートルの丸山山頂に到着した。
八平ヶ原から1時間だったからまずまずのタイムだろう。


山頂には日曜日だというのに誰もおらず、我々一行による貸し切りだった。


丸山スノーシューツアーは通常、登頂後は南登山道で小丸山を経て駐車場に下山することが多い。
コースが変化に富んでいるのと登山中に眺める高原山や筑波山、福島との県境にそびえる中央分水嶺の山並が美しく、それだけでも参加者には十分満足されている。
だが、丸山山頂に達するまでの参加者の脚力やスタミナを観て、管理人の判断で距離を延長することがある。
急斜面の下降と上昇、それをクリアした後に広がる大展望は、これぞ冬山といった気分が味わえて参加者の満足を決定づけるのである。
その爽快な気分は奥日光のスノーシューフィールドでは味わうことができない極上の楽しみと言える。
今日の参加者、OさんとHさんは日頃から山に親しんでいるだけあって脚力とスタミナには問題ないと管理人は判断した。
であれば距離を延長しよう。


山頂から南へ向かって急降下した後、次は急斜面を登り返す。
急斜面の上りで苦労するOさんとHさん。
とても楽し(苦し?)そうだった。


OさんとHさんのはるか先に霧降高原道路にかかる六方沢橋が見える。


急な上りから脱出すると傾斜は緩み、前方に赤薙山が目に入ってくる。
さあ、次はあの山を目指して頑張ろう。
いや、あの山の手前、焼石金剛だ。
気温は上昇し、丸山山頂からここまで来るのに汗をたっぷりかいた。
中間着のフリースは歩き始めてすぐ脱ぎその後、アウターまで脱いでここまで来たがいまはアンダーウエアと薄着の中間着の2枚構成だ。
レディーを前にこれ以上脱ぐわけにはいかないので濡れたアンダーと中間着は体温で乾かすしかない。
ここは体力を使わずに歩けるので汗も乾くだろう。


傾斜が緩やかとは言え丸山に登り、次ぎに急斜面を下って登り返したので折り返し点となる焼石金剛を目前に、ここは休み休みゆっくりと。


焼石金剛で赤薙尾根に乗り下山することにした。
赤薙山(2010m)は冬でも安全に登れる2千メートル峰として人気が出て、スノーシューやアイゼン、チェーンスパイクといった装備で登る人が多くなった。
ただ積雪は多くないため登山道は荒れてバランスがとりづらく、下山には注意がいる。


赤薙尾根を小丸山まで下ってきた。


小丸山からは廃道となった旧登山道を歩き、天空回廊の700段目からゲレンデに移動すると駐車場が見える。
関東平野の展望を楽しみながらのんびり歩いていこう。

ここ数年、2月末にもなると雪が溶けてなくなってしまっていたが今年は過去のよき冬の時代を思い起こさせるような積雪量だ。
3月半ばとなりスノーシューを楽しむ積雪量はあるものの、気温の上昇に伴って雪質の劣化は否めない。今後、雪が降ることもないであろう。
それに無意味とも思えるまん延防止等重点措置はまだ続いていて、人出の足かせとなっている。

管理人が主催しているスノーシューツアーは本日をもって終了としたい。
Oさん、Hさんという明るく、健脚なおふたりを迎えて最終回に相応しいツアーとなったのが幸いだった。
この冬、参加くださった皆さまには心からお礼を申し上げます。
また来年、といわず春から秋の日光も素晴らしいのでぜひ足をお運びください。