2022年7月18日(月) 久しぶりに雨の降らない日だが猛暑
きょう観た花(順不同)
ヤブカンゾウ、オカトラノオ(終わりかけ)、ヒヨドリバナ、ヤマハギ、リョウブ、アブラチャン(実)、ミヤマウズラ(花芽)、不明2点
古賀志山に生育している植物(ここでは花に限定)は多種多様で、植物の宝庫とされている日光と比べても遜色はない。
大きな違いとして言えるのは、古賀志山山域はわずか4キロ四方の中に200数十種の植物がギュッと詰まっていて、広範囲を歩き回らなくても多くの花を見ることができることだ。
それが管理人をして古賀志山通いを長続きさせている大きな理由となっている。
古賀志山は植物が多様なのに加えて低山ゆえに花期は3月から10月までと長い。
5月に始まって8月には終わってしまう日光との違いがここにもある。
だが、できることならば避けたい時節がある。
それは夏である。
と、ここまで前回6月28日と同じ書き出し。
今年の梅雨明けは異例とも言えるほど早かった。
そして梅雨明け直後から猛暑が続き、身体がついていけないと思っていたら今度は梅雨の戻りで雨の日ばかりだ。
例年であればこの時期は梅雨の末期で雨はやむを得ないところだが、今年も近年顕著な異常気象に山の計画が立てられず、戸惑うばかりである。
さて、古賀志山に生育する植物で管理人が把握している種類は少なく、春から初夏にかけて咲く花しかない。
夏の花をほとんど知らないまま8年目を迎えた。
理由は単純で、暑いため気持ちが古賀志山に向かないのである。
山域でもっとも標高の高い古賀志山山頂が標高583メートル。
管理人が住んでいる霧降高原の麓は820メートルなので、よほどの理由がなければ行く気になれない。
今年の5月末、お客さんのOさんからのリクエストで古賀志山の岩場を歩いた際に、植物に詳しいOさんが発見した植物がある。
ジガバチソウとミヤマウズラもしくはベニシュスランである。
ジガバチソウは咲いている姿を見ることができたので管理人の花の知識がひとつ増えたことになるのだが、ミヤマウズラもしくはベニシュスランはまだ葉っぱが展開したばかりでOさんにもどちらなのか判別がつかない。
そこで、花が咲くまで管理人が生長を見守り、咲いたらOさんに写真を送る約束をした。
植物はあっという間に生長して花が咲くのもあればじっくりと栄養を蓄えてから咲くのもあって、性質を知らないと遅きに失する。
ミヤマウズラは8月に開花、ベニシュスランは7月に開花すると植物の本にある。
開花までベニシュスランは1ヶ月、ミヤマウズラは2ヶ月という間があるが、行けるときに行っておかないと花を見逃してしまう恐れが多分にある。
そんなわけで5月末の次、先月は4日と28日に、そして4回目として今日、訪れたのである。
さぁて、ベニシュスランであれば咲いている姿が見られるし、まだ咲いていなければミヤマウズラということになる。
いずれにしても今日、ミヤマウズラかベニシュスランか論争に決着がつくはずだ。
のはずなのだが、数日来の雨で古賀志山は湿気が充満しているはずだし、久しぶりの晴れの日なので暑いのは覚悟しなくてはならない。
せいぜい水分補給に努めよう。
赤川ダムは水をたっぷり蓄え、さざ波ひとつない湖面に逆さ古賀志が映し出されていた。
2艇のカヌーが浮かんでいた。
赤川ダムから登山口入口に至る林道沿いに咲くヤブカンゾウ。
薮萱草と書き、ワスレグサ(キスゲ亜科の多年草、ワスレグサ属)と言われるそうだがその由来は知らない咲いて一日で枯れてしまうことからきているらしいことが調べてわかった。
「忘れられてしまう花」、という意味に解釈できそうだ。
霧降高原に咲くニッコウキスゲも1つの株に数個の蕾をつけ、一日にひとつ咲いては枯れるを繰り返しながらやがてその株の花すべてが咲き終わることから、同じくワスレグサとも言われるそうだ。・・・ウィキペディア(Wikipedia)より
う~ん、参考になりますな。
オカトラノオはほとんど終わっていたがまだ少し残骸が見られるものもあった。
この展望が堪えられない。
ナツハゼだろうか、早くも色づいている。
色づきが早いという特徴をもっているそうだ。
ナツハゼの実。
この時期すでに実になっているということはかなり早く花が咲く樹木であることがわかる。
イワギボウシ
開花は9月らしい。
ヒヨドリバナ
マメ科のヤマハギ(ツクシハギかも?)
つぼみを付けたツルリンドウの大きな株。
これも管理人が開花を楽しみにしている花のひとつ。
宿題
咲き始めのリョウブ
これも宿題
ここまでアップダウンを繰り返しながら降りてきたがここから先は下る一方。
だが木々はますます深くなりより一層、暑くなりそうだ。
ふ~、やっと広い道に出た。
標高は下がった分、気温は1・2度高くなるが、草木が生い茂り湿気充満の林間を抜けただけで気持ちが楽になる。
満水の細野ダムを横目に駐車場へと向かった。
ここからが今日の本題(笑)
全高約15センチ。
先月はまだ葉っぱだけだったが花茎が伸び、直立した花茎の先に膨らみが見える。
それがおそらく花芽なのであろう。
ここまで生長するとベニシュスランとの違いがハッキリする。
ベニシュスランは花茎が短くまた、葉は生長に伴って波打ってくるがミヤマウズラにその傾向は見られない。斑の入った葉っぱはきれいな緑色をしている。
これは間違いなくミヤマウズラだ。
花芽をマクロで撮ってみた。
花茎の先の膨らみが複数あり、明らかに花芽であることがわかる。
こちらの方がいいかな?
マクロが効くように後に帽子を置いて焦点が合いやすいようにした。
初めて見てから今日まで、2ヶ月弱。
実に生長の遅い植物だがここまでくれば開花は近いだろう。
咲くタイミングを逃さないようにこれからは足繁く通わなくてはならないと思う。
斑が入った特徴的な葉。
1メートル四方という狭い場所に10数株、まとまって生えていた。
こちらは近くにあったジガバチソウ(6月4日のブログを参照)。
咲き終わっている。