女峰登山を前に霧降高原丸山へ訓練登山

2022年7月24日(日) 濃霧

管理人、今週末に齢74を迎えるがそれは男性の平均寿命まであと7年に近づいたことを表している。
ただし、男性の健康寿命である72歳を現在2つ超え、まだ山に登る身体を維持しているのは日頃の努力の成果だと思っている。

平均寿命まであと7年。
この7年をどう過ごすか、それによって健康体のままある日突然、平均寿命を迎えるのかあるいは超えるのか、それとも病気で寿命を迎えるのかが決まってくる。

7年という歳月を遡ってみると当時、管理人は67歳。
ケガによる長いブランクから復帰して年間の山行回数が100回を超えるようになったのがこの年であった。
それらの記録を辿ると一回一回の山行を鮮明に思い出すことができ、それらがつい最近のことのように思える。
7年という歳月は短いのである。
うかうかしてはいられない。
あっという間に日本人男性の平均寿命81歳が訪れる。

話は変わるが、管理人が生涯、登り続けたい山がひとつある。
女峰山である。
2002年に初めて登って知ったのは、その厳しさゆえに自己と向き合えることができる山、女峰山は、生涯登り続けるに相応しい風格と威厳を備えた素晴らしい山であるということである。

ときには歓迎され、ときには軽くあしらわれ、時には嗤われる。この山の機嫌は日々変わる。
しかしそれは登山者である管理人の、この山への取り組み姿勢の表れなのである。
少しでも体調の悪い日に挑むとすれば女峰の神からお叱りを受けて追い返されるか、途方もない苦痛を強いられる。
この山に登るには心身共に万全の状態に整えてからでなければいけないのである。

管理人が生涯の山と決めた女峰山はかつては一年で5回も登るほどだったが、福島県の山の魅力を知ってからというもの数は減り、昨年はわずか一度、一昨年も一度だけだった。
このままだとやがては登ることなく一年が終わってしまいそうなので、なんらかの動機付けが必要になった。

動機、それは誕生記念に登るというものだ。

平均寿命まであと7年、体力はいやでも衰えていくが女峰山だけは登り続けたい。
そのタイミングとして誕生日に登るというのは悪くない。
生涯女峰山に登り続けるためには体力維持に努めなければならないが、それには日頃の過ごし方が大きく関わってくる。
訓練登山にとどまらず、家にいてもできる筋トレや1・2時間のウォーキング、それと食事の管理も睡眠の管理も重要である。
日々の努力によって心身共に健康を維持し、女峰山に登り続けたいと思っている。

今年も間もなく誕生日やってくる。
女峰の神から歓迎されるよう、万全の体調で臨もう。
そんな気持ちで霧降高原丸山へ、女峰登山の訓練のため向かった。

ちなみに、今日は身体に蓄えた脂肪をエネルギーとして使うため朝食を抜いた。
距離の長い女峰山を最後まで体調を維持しながら歩くには、食べ物による胃への負担を少なくしなければならない。
口にするのは少量の行動食と飲み水だけ。
エネルギーの不足分は体脂肪の燃焼で補う。
距離の短い訓練ではあるが実戦に即した内容で臨みたい。
それが朝食を抜いた理由である。

メモ(GPS、カメラともiPhoneSEを使用した)
・歩行距離:4.8キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:1時間33分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:427メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

管理人の住まいから丸山(含む赤薙山、女峰山)登山口となるキスゲ平まで20分とかからない。だからここへはよく来る。
予報によると今日は一日曇りらしいがそれは平地でのこと。
霧降高原は赤薙山(2010m)と女峰山(2483m)の気象の影響を受けて、地名の如く霧が出やすい。
たとえ早朝、青空が広がっていてもわずか1時間、2時間後には霧や雲で覆い尽くされるのが日常である。
今日は早朝からこの霧。
すぐ目の前にある天空回廊が霧に隠れてまったく見えない。


前の画像の位置が丸山への登山口になっていてこのような案内板がある。
天空回廊ができて小丸山まで一直線で行けるようになったがそれより前は小丸山へ行くにもこの登山道を利用していた。


今日、目指す丸山は管理人が主催しているスノーシューツアーの定番コースになっていて、奥日光のスノーシューコースに比べて展望が良いことから人気があり、日程の6・7割を占めている。


八平ヶ原に到着。
冬季のここからの展望は抜群で、振り向くと関東平野が一望できるのと、この右手には日光市と塩谷町、那須塩原市にまたがる高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)が間近に見える。
ちなみに丸山を周回する登山道は日光市の管理下にあるが、手入れはほとんどされていないと思っていい。
特に夏場は朝露がついた笹の間を歩くためズボンがびしょ濡れになる。


これから丸山の取り付き口へ。


丸山の取り付き口


丸山への夏道は尾根から数メートル下がった東向きの傾斜地につけられていて、そこに6ヶ所の階段があって、階段を上がりながら丸山山頂のすぐ手前で尾根と合流するようになっている。
尾根にではなく、沢に向かう斜面に道がつけられている場合、積雪期はとても危険だ。
雪が積もっていると当然ながら道は埋もれて斜面と化す。
山頂へ行くにはそこを突っ切って進む必要があるのだが、足が流れるとそのまま沢へ向かって滑り落ちることになる。
積雪期にリボンにしたがって夏道を歩くのはここ丸山登山道ではやってはダメだ。
積雪期は尾根上しか安全に歩くことはできない。


写真を撮りながらも山頂には51分で着いた。
まずまずの速度で上がってきたので良しとしよう。

目覚めて2時間、歩き始めて1時間弱経過しているが朝食抜きでも空腹は感じない。
空腹感は血糖値がもっとも下がったときに脳が感じる神経的なものであり、実際にはそのまま行動を続けても問題はない(※)。
今ここでなにかを食べたら、それを消化するために血液を胃に集中して送る必要がある。
すると四肢へ供給する血液量が減ってしまい、かえって疲れることになる。
今の集中力を維持するためにも休憩しないで下山することにした。
※行動を続けた結果、あるとき、まったく動けなくなることがある。いわゆるハンガーノック、しゃりバテといわれるもので、エネルギーが枯渇したときの症状である。
そのときこそなにかを食べてエネルギーとしなくてはならない。


山頂から下山を始めてすぐ、コメツツジが咲いているのを見た。
1センチにも満たない小さな花を咲かすツツジだが、丸山と赤薙山登山道を埋め尽くすほど生育している。
余談だがコメツツジは背丈がせいぜい1メートルくらいしかないので積雪期は雪で隠れる。
この上に雪が積もっているのを知らずに歩くと大変な目に遭う。
枝が込み入っているため雪の下は空洞になっていて、スノーシューを履いていても踏み抜くことがある。


シモツケソウ


コバギボウシ


ノリウツギ


赤薙山、女峰山への分岐。
元気なころは自宅から車で20分かかるキスゲ平まで歩き、それから丸山に登り、さらに赤薙山まで足を伸ばしたこともあったがさすがに今は無理とわかっている。


コバギボウシ


シラネセンキュウ?


小丸山を通り過ぎると1445段の天空回廊が待ち構えている。
上がってくる人がいなければ駆け下りることにしよう。
ちなみにこの階段は、廃業した日光市営スキー場の跡地利用の一環として建設されたもので、利用開始はたしか2013年の春だったと記憶している。
完成に伴い登山道(現在は廃道)で小丸山へ行くよりも所要時間が1/2に短縮された。


階段脇の見事な咲きっぷりのノリウツギ。


天空回廊を700段目まで下りると避難小屋があり、そこから別の階段に変わって駐車場へと続いている。
また、700段目から下はキスゲ平園地の中に散策路が敷設されていて、ニッコウキスゲを代表とするさまざまな高山植物を見ながら園内を歩けるようになっている。
今度はその散策路を走る。


日曜日とあって花を眺めながら散策する人、小丸山や赤薙山へ向かう人など訪れる人は多い。
さすがにこの時間から女峰山に行こうという人はいないはずだ。
時間が
遅すぎる


ヨツバヒヨドリ(手前)とシモツケソウ(奥)。


なんだろう?
アカショウマ、ヤマブキショウマ、トリアシショウマ、、、
これのどれかなのだろうが、名にショウマがつく植物は見分けが難しく、いつも迷う。
葉っぱの部分を拡大して見ると明らかな3出複葉であることがわかる。
おかしいのは小葉のそれぞれに深い切れ込みがあることだ。
そのような特徴をもつ花の名前を調べても該当するものがない。
3出複葉にこだわりすぎているのかもしれない。
もしかすると不完全だが2回3出複葉なのかも?
だとすればアカショウマということになる。


これも然り。
葉っぱはアカショウマだが花がやや黄色いのでアカショウマとは異なる。
放射状に伸びたたくさんの花序から察し、トリアシショウマかもしれない。

前の画像とこの画像の植物の名前はもちろん、帰宅して図鑑やネットで調べたものだ。
要した時間は1時間では下らない。
でもまだ釈然としない。


お~、ニッコウキスゲが残ってる。
この一角だけだが5・6株あった。


オオバギボウシ


この後、車に戻ったのは9時03分だった。
7時半ちょうどに歩き始めて1時間33分で丸山を1周。
食べ物は結局、なにも口にしなかった。
飲水は200ミリと少なかったが曇り空だったためか気温は上がらず、大量の汗をかかなかったので脱水症にもならず、気になっていた太ももの痙攣を起こすことはなかった。
訓練登山としてあと1座、2座やっておきたいが明日から数日、仕事が続くし、天気も不安定なので実行は8月になってからだろうか?


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