湯元から光徳へ周回コースで秋を満喫も紅葉には早かった。

2022年9月30日(金) 快晴

2週にわたって続いた3連休だったが相次いでやって来た台風によって各地の山や観光スポットは訪れる人を泣かせる結果となった。
本業の傍ら、希望者に山を案内する管理人でいえば、女峰山ガイドの予定(19日)が台風14号接近でご破算になった。
ハイキングのために宿泊した4人パーティーは二日間の行動予定うち、台風15号による大雨で二日目の山行予定が潰れてしまい、観光に振り替えることになった。
管理人自身も登山や車中泊旅行を諦めて家事労働に振り向けるなど、9月はそんなことの連続であった。

宿泊業を営む管理人には売上を失う無情の台風となったわけだが、皮肉にも台風は長い間居座った秋雨前線を道連れに去り、一昨日(28日)からようやく本来のこの時期特有の秋晴れをもたらせてくれるようになった。

家事労働をほぼ終え、平日で宿泊客はなく、晴れの日が続くここ数日、ようやく山歩きに適した日が訪れた。
長雨で身体にカビが生えそうな日々だったがこの晴れを逃してどうする?
さっそく出かけることにした。

メモ(ログは3機種持参したGPSのうち、iPhoneの記録を使用した)
・歩行距離:15.3キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:4時間48分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:869メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

本日のルートは湯元の源泉から登山道に入り、1本道を光徳温泉へ下るというもの。
見どころは刈込湖と涸沼。
開放的な雰囲気がいい。
光徳まで厳しいアップダウンはないが刈込湖と涸沼で展望が開けるだけで他は樹林帯の単調な道を歩く。


まずは源泉から階段道を10分ほど歩いて金精道路まで行く。


金精道路に乗るとここから実質的な登山道が始まる。
積雪期は夏道の他に雪が積もったときだけ歩ける冬道が出現し、蓼ノ湖を経由して小峠で夏道に合流し刈込湖へと続く。


小峠へは三岳(みつだけ)のすそ野を通るトラバース道を行く。
緩やかな上りなので厳しくはないが展望がないのが難点。


シロヨメナ


実になったマムシグサ。


小峠へは30分で着いた。
休憩用のベンチが数基あるが2メートルにもなる雪の重みと地盤の凍結で傾いて使えないのもある。
ここまで来て振り返ると湯元の温泉街と湯ノ湖が見える。


小峠の先、樹木が頭上を覆う箇所がある。
この時期はすんなり通り抜けることができるが雪が積もると樹木の枝が雪の重みで垂れ下がって道がふさがれる。ちょっと嫌な場所である。


前の画像の傾斜を抜けるとほとんど平坦な道が600メートル続く。


刈込湖まで200メートル手前で階段が始まる。
階段は全部で12基ある。


階段は長さや傾斜がそれぞれ違い、冬はここを尻滑りで降りていくのが楽しい。


最後の階段に差しかかると眼下に刈込湖が見えてくる。


着いた!
我が地元ながら源泉からおおよそ1時間でこれほど素晴らしい光景と出会えるのが素晴らしい。


別の角度から。


林間から望む刈込湖。


元気なシロヨメナと出会った。


今日の管理人の出で立ちは軽快に歩けるよう靴はトレラン用のコロンビアモントレイル、パンツはTRIMTEXの製品。
最近、とみに重い装備が苦痛になっているのでより軽いものを身につけるようにしている。
こういった装備はロードやトレランをやるような痩身、持久系のアスリート向けで、管理人のような腹の突き出た高齢者に似合わないのは重々承知だ。
だが、軽快に歩くという観点で背に腹は代えられない。


刈込湖から続く切込湖に別れを告げ、涸沼に向かう。


涸沼全景
「沼」という名称が付いているが水が溜まることはなく、文字通り涸れた沼である。
高山植物が豊からしいが小田代ケ原や戦場ヶ原のように花を足下に見ることはできない。


早くも葉が落ち、実が少し残っているだけのズミ。


涸沼を抜け出ると山王峠への急登が始まる。
嫌らしいのはすべて階段であることだ。
管理人、急傾斜は好物だが膝と太ももに負担がかかる階段を苦手としている。
ゆっくり登ることにしましょう。


ここで一旦、光徳温泉から始まる山王林道と交わる。
道路の前方が光徳温泉で後方は川俣温泉へ行く。


今日、楽しみにしていた紅葉にやっと巡り会えた。
これはシロヤシオだろうかそれとも、トウゴクミツバツツジだろうか?
今日の山行が終わるまでに見た貴重な紅葉だった。
今年は高温が続いたためこの辺り(標高1700m)でも紅葉はまだ早い。
10月になって気温が下がることで色づくのを期待したいが、例年なら9月半ばが紅葉の始まりだ。


展望があるのもここまででこの先、山王峠をすぎると再び深い樹林帯に変わる。
休憩するにはここしかない。


ここでコンビニで調達した菓子パンを食べてエネルギー源とする。
これ1ケで266kcalあるから光徳までなら半分も食べておけば大丈夫だろう。


山王峠を通過


長い階段道を降り、ようやく歩きやすくなった。
ここはスノーシューの季節、実に開放的な景色の中を歩くことができる。


光徳まで降り、一息ついた。
さあこれからどうしよう?
ここからバスに乗って車を置いた湯元まで戻るのが順当なところだが、まだこんな時間だ。
歩いた距離は9キロほど。
今日は好天の下、時間をフルに使うためにやって来たのだ。
ここは時間と距離をもう少し延長しようではないか。
ということでトイレに寄って再び歩くことにした。


光徳沼
かつてはまさしく沼といった景観だったが、川底に土砂が堆積して今では見る影もなくなった。→かつての光徳沼

さて、国道を湯元へ向かって歩くことにして、まずは腹ごしらえとしよう。
山王峠の手前で食べたばかりだが実は心身共に疲れるのがこれからなのだ。
国道は歩道というものがなく、歩行者は行き交う車に気をつけて歩かなくてはならない。
車から身を守ったりするのに脳は大きなエネルギーを必要とする。
先ほどの菓子パンの残りとオニギリを腹に収め後半戦に備えた。
湯元までの距離はここから6キロだ。


終わりかけているアキノキリンソウ。


ノコンギクはまだ元気だった。


国道は狭く、歩行者は気をつけて歩かなくてはならない。
一応、右に見える白線が歩道ということなのだろうがアスファルトの上や擁壁から伸びている雑草のため歩きにくい。
車が通らないときは車道を、車が来たら歩道へと身を移しながら歩いて行く。


国道を湯ノ湖まで来てここからは湖畔の遊歩道を歩けるようになる。
湯ノ湖は多くの釣り人で賑わっていた。


湯ノ湖を眺めながらのんびりと。


駐車場へは15時まで戻ればいいと目標を決め、久しぶりに兎島遊歩道を歩いてみた。
画像はオオカメノキの実。


なんとか無事に周回コース1周、15キロを歩き終えて戻ることができた。
女峰山(8月16日)とほぼ同じ距離だが女峰山で経験したときのような太ももの痙攣はなく、軽い疲れを感じる程度だった。


今日、身につけた歩いた記録用の機器。
左からGARMIN Instinct(GPSウォッチ)、地図ソフトGeographicaを入れたiPhoneSE、つい最近入手したばかりのGPSロガーGNS3000。
結果は次の画像で。


3機種のログをカシミール3Dで処理し、地理院地図に描画したもの。
記録として保存しておくには3機種とも大きな相違はなく問題ないといえる。


地理院地図を最大(レベル17)まで拡大して見るとiPhoneSE(Geographica)とGNS3000はまったく同じ軌跡なのにたいしてGARMIN(Instinct)の軌跡がやや異なる。
とはいえもっとも大きく開いた部分でその差は20メートルしかないので記録としては誤差の範囲に収まっている。
なお、iPhoneSEとGNS3000はどこまで行ってもまったく同じ軌跡を描いている。
これについては理由があるので後日、考察を加えることにしたい。

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