スノーシューで雪雨後の奥日光・小峠まで。

2020年1月29日(火) 雨のち晴れ 暑い

今年は南岸低気圧の影響による水分をたっぷり含んだ雪しか降らず、日光特有のパウダースノーに恵まれない。

管理人の冬の収入源であるスノーシューツアーは18日に開幕したものの、積雪の最低水準での開幕宣言であり、これから降るであろう雪に期待をかけていたのはもちろんである。
その期待が一気に膨らんだのが27日の夜から28日の午前中にかけて大雪が降るとの予報であった。

この予報もまた南岸低気圧がもたらせる雪なのだが、典型的な暖冬少雪でスノーシューツアーの開催が危ぶまれるほど雪が少ない日光にとっては恵みの雪と言える。
南岸低気圧ご一行様、大歓迎である。

予報通り27日の午後から雪が降り出した。
28日深夜3時、気になって目が覚め外を見たところ、車の屋根に積もっている雪は5センチに満たず、大雪の予報にがっかりした。
次に目覚めた午前6時に外を見ると3時間前とは打って変わり10センチ、9時には15センチに達していた。雪はまだ降り続いている。

暗転したのはその後である。
雪からみぞれに変わった。
午後には強い風を伴った大粒の雨になった。
まるで台風でも来ているのではないかと思わせるような横殴りの強い雨だ。
車の屋根に積もった雪がみるみるうちに溶けていく。
建物の屋根に積もった雪も溶け出し、軒から滝のように落ちている。
建物の前の傾斜がついた道路はまるで川のように、雨と雪解け水が混じり合い激しく流れている。
この数年では1月、2月の雨も珍しくはなくなったがこの豪雨とも言える激しい雨に見舞われるのは初めてのような気がする。

これでは28日に降った雪ばかりでなく、その前に降った雪までもが溶けてなくなる、それを本当に心配した。
そう思うといても立ってもいられず、現場に行ってみたくなった。

28日の午後から降り出した雨は一夜明けても止まず、敷地内に積もった雪をほとんど溶かすに至った。
15センチも積もれば除雪にかなりの労力を要すところだが、今回その手間はかからず、自然の力に任せておけばよかった。

朝8時過ぎに大粒の雨が降る中を奥日光へ向けて車を走らせた。
雨は市街地だけではなく、標高1000メートルを走るいろは坂でも同じような降り方であった。
雨に加えて朝から気温が上がり、大量の水分を含んだ雪が溶け出し、いろは坂は川の様相であった。


戦場ヶ原入口の赤沼の積雪は16日に行った下見の時とあまり変わっていない。


戦場ヶ原を左に見ながら湯元へ向かう。
昨日の雪だと思うが水を含んでシャーベット状になっている。


湯元の市営駐車場に到着。
管理するビジターセンターにより除雪作業が行われていた。
普通なら除雪したあと、路面に接している雪が数センチ残るものだが、きれいに取り除かれてアスファルト面が見える。
雪は大量の水を含んで塊となっていて、それで除雪が捗るのだ。


温泉が湧き出ている源泉でスノーシューを着けて歩き始めた。
金精道路に出る登山道は階段のギャップがまだ雪で埋まらず剥き出し。


金精道路。
右に見える赤錆た物体はガードレール。
これくらい露出しているのは珍しくはないが、例年と違うのは雪が圧雪状態ではなく、スノーシューでもズボズボ潜ってしまうことだ。


金精道路脇の案内板だがここが実質的な刈込湖の登山口となる。
刈込湖への登山道は案内板の先から始まるが、積雪時は道が雪に埋もれてどこが道なのかわからなくなるのと、雪崩が心配されるため冬は安全な「冬道」に誘導するようリボンが取り付けられている。


冬道を下っていくとこのような美しい湖と出合う。
無雪期は背丈ほどの笹が生い茂り立ち入ることができないが、冬は雪の重みで笹が倒れてここまで来ることができる。
それ故、幻の湖と呼ばれる「蓼ノ湖(たでのうみ)」。


沢の流入口を残して結氷するのだが今年はまだ数ミリの厚さ。


枝に着雪した雪が溶け、雫となってしたたり落ちる。

雪はスノーシューにまとわりつくように重い。
まるで川の中を歩いているように感じた重い雪に手こずりながら、ようやく小峠にたどり着いた。十分な休憩をとりながらここまで来たが、体力を使い果たしたかのように気力が出ない。
欲を言えば刈込湖まで行きたいところだが戦意喪失。
ここで昼メシを食べて戻ることにした。


帰りは気分を変えて夏道にした。
雪が何層にも積もると雪崩の危険がある夏道だが、水分をたっぷり含んで結着しているからその心配はないだろう。


夏道から蓼ノ湖を見下ろす。


今はまだ道であることがはっきりわかるが、積雪が多くなると斜面と化し、夏道は歩くのに苦労する。


金精道路まで降りてきた。


駐車場は除雪が終わり、日差しの強さもあって乾燥が始まっていた。