雲竜瀑、今年も暖冬だがまずまずの凍りっぷりだった(ガイドツアー)

2025年2月12日(水) 晴のち曇り

女峰山直下にあって日光最大、その落差180メートルを誇る雲竜瀑は、凍る滝として名高く、平日にもかかわらず各地から訪れる入山者で賑わう。
バス便はないからマイカーに頼るしかなく、入山者の数に比例して車も多くなる。
管理された駐車場というのは特になく、昔、資材置き場として使われていた広場に車を置いて歩き始める。
ただし、そこからゲートが設けられたマイカーの行き止まり、すなわち雲竜渓谷への入口まで1キロ以上、雪の上あるいは凍結した林道を30分かけて歩かなくてはならないから、広場よりも先に車を進めたいと皆が思う。

林道は車同士がすれ違う幅がないためいくつかの待避所が設けられていて、そこに車を駐めることができれば歩く時間を短縮できる。
したがって、
待避所の争奪戦となる。
それに敗れると引き返して広場に駐めることになる。
もしも広場に多くの車が駐まっていたら、それはその先にある待避所も塞がっていたためUターンしてきた車だ
と考えていい。
あるいは林道の凍結によって待避所へも到達できず、Uターンして戻って来たともいえる。

管理人が住む霧降高原の麓から、ゲートまでは車でわずか20分の近さである。
だから朝、遅い時間に出発しようなどと甘く考えていると争奪戦の敗者となり、30分かけてゲートまで歩かなくてはならない。
そのような競争をしなくてはならない登山(雲竜瀑の場合は入渓)は、加齢に伴い早起きが苦手となっている管理人にとってとても疲れることから、ツアーの対象から外すようになった。
ただし例外として、長年の常連客の中で、管理人が体力を熟知しているお客さんからの要望に限りおこなうことにしている。

駐車スペースの確保に難があることの他に、渓谷に至るまでのルートの一部にやや危険な箇所があるのも参加者を限定する理由である。
駐車スペースの確保は地の利を生かして早めに出発すれば解消する。
だが危険箇所の通過はそれほど易しいことではないだけに、管理人が脚力を熟知した常連客でなければならない。

この日、管理人が主催しているスノーシューツアーに参加するようになって10年が経つ、KさんとYさんを雲竜瀑にご案内することにした。
これまでのツアーの経験から、ふたりの脚力に不安はまったく感じない。
そして、日頃から山歩きしているので初めての山(今回は雲竜渓谷)でも経験を生かせるという強みをKさんとYさんはもっている。

駐車スペース確保の困難さと危険なルートを踏破しなければならないという二重苦はあるが、お馴染みさんからの要望に応えないわけにはいかない。
管理人には年齢不相応の厳しいツアーとなるが頑張ることにしよう。

さあ、出発!
装備は普段の山歩きの装備に加えてチェーンスパイクとポールが必須。
チェーンスパイクは雪道を滑らずに歩くため、ポールは渡渉する際に身体を支えるために必要。
なお、管理人主催のツアーは滝壺へは行かないので、アイゼンとピッケル、ヘルメットは不要としている。


堰堤の上で最初の渡渉。
まっ、これはこれから渡渉が続くのでその練習と考えていい。


車止めのゲートから先は雪道が続く。
日本海側を襲った寒波の影響で日光市も大雪となったが、その雪も締まった上に多くの入渓者で踏み固められ、チェーンスパイクで快適に歩ける。


林道から外れ、渓谷歩きが始まる。


ここから先は山越えになる。


洞門岩を過ぎてなおも渡渉が続く。


急登を終えると今度は急降下して次の難所へ向かう。


沢幅は例年に比べてやや広め。
世界的な気候変動の影響は近年、日光にもおよんでいる。


最後の堰堤の上から渓谷を見下ろす。


渓谷は次第に幅を狭め、両側の壁に氷のカーテンが見られるようになる。


冬季以外に来るとわかるが、壁から常時水が流れているのではなく、岩から染みだした水が12月以後の寒さによって少しずつ凍ってこれらの氷柱群となる。


雲竜瀑本体が見えてきた。
ここから見る凍った雲竜瀑は美しくはあるが流れているときのような迫力はない。


右岸の氷柱群。
いつも不思議に思うのは右岸は左岸に比べて氷柱が細く、迫力がないことだ。
地形の違いなのかもわからないが溶けて落下するのも左岸より早く、落ちた氷柱があちこちに見られる。
管理人はここを氷柱の墓場と呼んでいる。


雲竜瀑で折り返し、渓谷を戻る。
この時刻になると陽が陰り、渓谷に冷気が降りてくるのはいつものこと。
堰堤まで戻ってランチで身体を温めよう。


山歩きの好きなKさんとYさんを相手に尽きることのない四方山話を終え、日向ダムへの急階段を降りる。


気温の上昇で雪が溶け、滑りやすくなっている斜面を慎重に降りる。


管理人が使っているスマホの地図アプリGeographicaによると距離は8.9キロ、所要時間は5時間32分とゆっくりペースだったので疲れはない。

加齢に伴って県内の低山歩きへとシフトしている管理人は、きょうのツアーのように、常連さんとのお喋りに興じながらゆっくり、のんびり歩くツアーに喜びを感じるようになっている。

とは言え、年間の3大事業である女峰山(隣の帝釈山まで)往復16キロ、中禅寺湖1周25キロ、古賀志山大外周り18キロを諦めたわけではない。
これらを遂行する体力を維持してこそお客さんとのツアーを安全に、楽しくできるという考えに変わりはない。

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