2025年6月19日(木) 晴れ
誕生月以後の年中行事としている女峰山(帝釈山)16キロ、中禅寺湖1周25キロ、古賀志山大外18キロを目指して、今年になって特訓を始めた。
昨年は能登半島地震で大きな被害を受けた珠洲市で、長い期間、ボランティア活動をしたことで登山ができず、上に書いた3つの年中行事は見送らざるを得なかった。
今年は是非とも実現したい。
悪いことに、昨年はボランティア活動中にやったギックリ腰による腰痛が思いのほか長引き、病院通いをするなどしているうちに体力がめっきり落ちた。
ギックリ腰は、被災された家庭でゴミの分別をおこなっているときだった。
誰もが日常的におこなうような何気ない動作だった。
こんな簡単になってしまうものなのね、ギックリ腰って、とそう思った。
ギックリ腰はボランティア活動を終えて自宅に戻ってからも続いた。
薪を作るためチェーンソーのエンジンをかけようとしたとき、そして山を歩くのに登山ズボンを履こうとしたときにもやった。
なんとも情けなく、このときこそ我が歳を嘆いたことはなかった。
病院でのリハビリを終え、腰痛を心配することなく登山を再開できたのは11月も末になってからだった。
体力の低下は明かだった。
11月以後、年内の山行は5回にとどまった。
年中行事としている女峰山、中禅寺湖1周、古賀志山をやるのは来年7月の誕生月以後だ、登山ができる体力がつくまで、じっくりと時間をかけて自宅でのトレーニングに励むことにしよう、そう決めた。
一度落ちた体力を元に戻すのは並大抵の努力では無理であることをこれまでの経験で知っている。
自宅でどれほど頑張ってトレーニングしても、登山に求められる筋力と心拍数には到底追いつかない。
有酸素運動と無酸素運動を組合せ、心肺機能と筋力を同時に向上するようなプログラムで週に最低でも2回、可能であれば4回はおこないたい。
成果が現れ始めたのは5月になってからだ。
朝食の前におこなっていた10キロのウオーキングが楽にできるようになってきた。
ランニングを交えてできるようにもなった。
これでもうすぐ元の体力を取り戻せるぞ、そう考えると気持ちの焦りも解消した。
トレーニングを継続しつつ、登山もおこなおう、そんな前向きな考えができるようになってきた。
納得できる登山ができるようになったのは、先月20日のミツモチ山からだ。
登りが苦にならなくなっている。
慢性化しつつあった両膝の痛みと持病と言える腸脛靭帯炎の発症もなく、下山するまで痛みを感じることはなかった。
自宅でのトレーニングを少な目にし、その分を実践に振り向けるようにした。
ミツモチ山の翌日の南那須・白笹山と南月山は急登に加えて猛暑できつかった。
2週間後におこなった大平山15キロはまずまずで、そのまた2週間後が今日だった。
コースは平坦だが距離は大平山とほぼ同じ、15キロだ。
今日の結果次第となるが、明日も15キロ、これは標高差の大きい山を計画している。
この勢いを保ったまま7月の誕生月を迎えたい。
メモ(地図アプリはGeographicaを使用した)
・歩行距離:14.9キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:4時間54分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:840メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)
刈込湖への登山口は実質的にはここ、湯元の源泉になるが、駐車場からここまで5分かかるから、目標とする所要時間の5時間は駐車場からの計測とする。
金精道路へ出るまでの登りは急傾斜なので心拍数を急激に上げないよう、ゆっくり登っていく。
金精道路と出合い、ガードレールの向こうに進む。
駐車場からここまで13分、源泉から9分だった。
刈込湖へ行くには雪のない季節であれば地理院地図にあるこの登山道を使うが、積雪時はここが完全な雪の斜面と化して危険なため冬道を使うのが安全。
冬道は地理院地図には描かれていないが蓼ノ湖に向かうように降りていく。
リボンがたくさんついているので迷う心配はない。
ズダヤクシュ(喘息薬種)
日陰に咲く地味な花でこれでも満開状態。
小峠に到着
駐車場からここまで40分、源泉から36分。
休憩用のベンチがたくさんあるものの地面凍結による基礎の浮きと雪の重みで水平を保っているものはない。
小峠を過ぎて間もなく、石段をクリアすると平坦路になる。
展望のまったくない道だが道幅が広いのが救いとなり息苦しさはない。
ここから刈込湖へ下る階段が始まる。
これをひとつと数えると全部で12基ある。
最後の階段から刈込湖を見下ろす。
樹間から見る湖面の色がとてもきれい。
他に人の姿はなく静かな佇まいの刈込湖。
駐車場からここまで68分、源泉から64分だった。
60分を切りたかったのだが。
中央に霞んで見えるのが太郎山でその手前右は山王帽子山。
少し花の観察をしていこう。
ハルカラマツはまだ蕾だった。
刈込湖を見ながら湖畔沿いの道をお隣の切込湖へ向かう。
刈込湖と切込湖は自然の水路でつながっていて、水量が多い季節だとふたつの湖の水位が同じになる。
が、近年はいつ来ても水路に水はなく、水位が同じということはなくなった。
実はきょう、その水路に刈込湖から切込湖に向かって水が流れ込んでいるという貴重な光景を目にした。
切込湖を抜けると山王峠直下にある草原、涸沼に着く。
盆地状になっているから大雨の日などは水が溜まることがあるのかもしれないが、普段はただの草原が広がっている。
涸沼を見渡せる展望台。
きょうは時間勝負の日なのであまりのんびりしていられない。
写真を撮っただけで先へ進んだ。
さて、ここから見えるあの斜面の上に登るとあとは光徳温泉までずっと下りが続く。
だが、あの斜面が急でいつも苦労する。
オトシブミ
この中に1ミリに満たない卵がひとつ包まれているのだが、登山道の上に落ちていることも多く、見つけたら林の中に投げ込んであげている。。
一面に広がる鹿の体毛。
1メートル四方くらいはあっただろうか、これだけ広範囲に広がっているのは初めて見た。
弱った鹿がクマやキツネ、テンなどの雑食性動物に襲われた可能性が否定できない。
だが、骨や肉片は見当たらなかった。
こんな観察ばかりしているから管理人の山行は時間がかかってしまうのである(笑)
山道は長い年月の間には荒れる。
擬木を使った階段は土が流れ出て、そこに深い段差ができる。
脚を意識して大きく上げないと靴が擬木に引っかかってしまう管理人なのである。
ガードレールが見えてきた。
あれは光徳温泉と川俣を結んでいる山王林道。
間もなくこのコースの最高標高点1741メートルのピークに到達する。
うへぇ、なんだこれは。
キノコのような、そうでないような、なんとも奇妙な形をしている。
帰宅して調べると「アミガサタケ」というのが出てきた。
なるほど、傘が網目状になっているからアミガサタケなんだ。
微量の毒はあるものの調理の際に工夫をすれば大丈夫、ということが書かれていた→WiKi
この辺が1741ピーク。
いつもの休憩ポイントはすぐ先にある。
ベンチがあるので腰をかけてランチとしよう。
昨日買ってザックに入れておいた菓子パン。
ふたつ同時に食べると腹に重いのでどちらかひとつ。
う~ん、迷うな(笑)
ペットボトルのキャップに水を満たしてそこへ白い物体を浸けると、水を吸収してグイグイ膨らんで、、、
おしぼりになるのでした。
ウェットティシューを携行するのは重いと感じていたところ、なにげなくアマゾンで見つけたグッズ。
15分の休憩の後、光徳温泉に向かって下山を始めた。
この橙色の花、遠くからでもすぐにわかるレンゲツツジ。
奥日光の春は遅く、木々はようやく葉が出揃ったというタイミング。
新緑がもっとも遅いのはミズナラだが、その新緑も見られるようになった。
光徳園地に着き、ここから国道へ向かう。
車を置いた湯元温泉まで戻るわけだが、ここで疲れを感じている場合はバス便もある。
きょうは15キロを確保するためにもバスを使わず、歩いて戻ることにする。
牧場に隣接した光徳沼。
昔は水床がもっと深くて沼の様相を呈していたが、土砂の流入で今では見る影もなく、川と化している。
川辺に咲くクリンソウ
クリンソウと言えば中禅寺湖西端の千手ヶ浜が名高いが、ここ数年で他にも生育するようになっている。
自然の現象なのか、それとも人為が働いているのかは知らない。
逆川の流れに沿って歩いていくと国道とぶつかる。
国道に歩道はなく怖いので、短い距離だが国道を横断したところに残っている廃道を歩く。
廃道
なんのための道だったのかはわからないが、国道を歩くよりは快適。
湯ノ湖から流れ落ちる湯滝を上から覗く
静かな佇まいを見せる湯ノ湖。
湯ノ湖はこの時期、花を見ながら1周できる。
前回(2023年)は西岸を歩いて湯元温泉まで行ったのできょうは東岸沿いに歩いて行こう。
兎島の入口に小さな湿原がある。
レンゲツツジとワタスゲの綿毛を見ることができた。
兎島を歩き終えると温泉街入口に出る。
湯ノ湖という名の通り、湖底から温泉が湧き出ているためこの辺りまで来ると水の色が違ってくるのがわかる。
硫黄臭も感じられるようになる。
湯元温泉の駐車場に着いてきょうの山行は終わった。
4時間54分の行程だった。