涼を求めて古賀志山へ。イチヤクソウが咲いた。

2020年6月17日(水) 快晴

今月9日に快晴下で女峰山のガイド登山をおこなった後は数日、悪天が続いたが、今週は再び空梅雨を思わせるような天候に恵まれた。

ところが、快晴日となった月曜と火曜はどういう気の迷いか、機器を直したり小物を作ったりするための大型の作業テーブルが欲しくなり、市販のソーホースという部材とツーバイフォー材を買ってきて、DIYに取り組んだ。
手順通りにおこなえば2時間で完成するのに少々凝ったテーブル(といってもコンパネだが)に仕上げるべく小細工を試みたところ、それが見事に失敗し、一日半を費やすという素人作業の顛末を迎えたのである。
結局のところ2時間の作業と同じレベルにしか仕上がらなかったというお粗末な結果に相成った次第。

そんなことで快晴の二日間が潰れたため気を取り直し、快晴予報の3日目は数ヶ月前からウォッチしていたイチヤクソウのその後を見に行くことにした。
前回からちょうど3週間経ち、固い蕾も開いている頃だろう。
気分転換もしたいし。

奥日光の湯ノ湖には「コバノイチヤクソウ」という、日光でも珍しい植物が生育しているが、同じ仲間を奥日光まで行くことなく近場で見ることができるのは嬉しい。
それにツルリンドウの生長ぶりも確かめておきたい。
明日から続きそうな気配の梅雨空の前にチャンスは今日しかない。

メモ
・歩行距離:6.5キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:4時間47分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:761メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

今年から頻繁に利用するようになった内倉林道の駐車地。
自宅からだと宇都宮市森林公園に行くよりも15分短縮できて便利。
ただし、堰堤工事のための作業車が頻繁に出入りするため、いつ来るともしれない作業車の間隙を縫って県道からここまで車幅1台分しかない細い林道を突っ走る必要がある。


遠くに弁天岩を見てここを左へ。
腰掛岩~鳥屋山~弁天岩が今日予定しているルート。


腰掛岩への案内板はこの木札ひとつしかないが、一本道なので迷うことはない。


やや密になっている林の斜面を上がって行くと、、、


巻き付く相手がなく、地上を這って生長するツルリンドウが見つかった。
来月(たぶん)の開花が楽しみ。


コアジサイはとっくに終わっていた。


桧と広葉樹が混在した林は適度に日陰を作り、植物の生長に適している。
ツルリンドウは数株見つかった。


これら木々の葉っぱが強い陽射しを遮り、林の中はとても涼しい。
樹皮が無数のイボイボになっていることから「アオハダ」か?


岩が始まった。
これから腰掛岩まで続く。
とはいえ、目的地としている弁天岩へのアプローチに比べれば「岩」と呼べるほどの厳しさはない。


最後の岩が腰掛岩。
これがナゼ、腰掛岩と?


ほら、椅子らしく見えるでしょう?
周りの山並みを眺めながら10分ほど休憩。心地よい風に汗が引いていくのがわかる。


アブラツツジ
葉は紅葉したわけでもないのに赤紫色をしている。
緑の葉のもあった。


腰掛岩は南から西へかけての展望が良く、男体山がよく見える。
今日の男体山は山頂に雲がかかって全貌を眺めることはできなかった。


リョウブの蕾


おぉ、咲いてますな!!
昨年、ここに小群落があることがわかり、花が咲くのを楽しみにしながら待っていた。
群落とはほど遠いが増えることを期待して大切に見守りたい。


アップで。


少し、下から。


稜線の外れまで来ると歩き始めるときに見た弁天岩が形を変えて見えるようになる。
こうしてみると普通のピークなんですけどね。


足下を覗くと2015年の豪雨で崩落した斜面が見える。
崩落の規模は凄まじく、勢いがついた土砂はこの下の沢で止まらず、向きを90度西に変えて1キロ離れた県道に達した。
その後、この崩落地には土留めが、沢には大きな堰堤が設けられ工事はまだ続いている。


尾根は落差3メートルほどの岩を下るように続いているが、しっかりした鎖がついているので危険はない(岩を下りて見上げたところ)。


今まで歩いて来た尾根はこの小ピークで一旦、終わるので、小ピーク手前を左斜めに下り別の尾根に乗る。


小ピーク手前を左に下ると大岩と出合う。
尾根はこの大岩の裏でふたつに分岐し、道なりに進むと鞍掛山方面、岩を回り込むようにして右に折れると237号鉄塔を経由して内倉林道に至る。


237号鉄塔の下をくぐる。


鉄塔から内倉林道に至る尾根はツルリンドウの生育に適した半日陰で、この日も多くのツルリンドウを見た。


シソ科の植物だが名前がわからない。
宿題としておこう。


尾根はここで終わって内倉林道と出合う。
ここからしばらくの間、内倉林道を東に弁天岩への取り付きに向かう。


ガクアジサイ
装飾花が開いているので本花が咲くのはもうすぐでしょう。


地元の人が三本枕木橋と呼んでいる鉄板の橋が弁天岩の取り付きで、「西尾根」と「松島コース」というふたつの尾根の末端になっている。
今日はあの ”恐怖の垂壁” 下りを経験したいので松島コースで弁天岩に至り、西尾根でここに戻って来るつもりだ。


橋の手前を左に折れ、さらに左に折れて松島コースに乗る。


前方に東西に延びる尾根が見つかったらそれが松島コース。
尾根を上がって行く。


出だしはかなり急斜面。


岩が出現。
これから弁天岩トップまで大小さまざまな岩が待ち構えている。


この岩は松島コースとしてはまだ易しい方(笑)


コメツツジが咲き始めましたね。


岩もいろいろあるでよ!


この岩は1メートルほどの段差があるため短足の管理人には脚が届かない。
中間に取り付けられている鉄製のアングルに右足をのせ、ロープを握って身体を引き上げる必要がある。


弁天岩が迫ってきた。
あとちょっとなのだが、最後に例のアレが。


南に古賀志山。


さあ、着いた。
これが垂壁である。
古賀志山山域のルート上にある岩の中でこの岩は群を抜いて怖い。
経験を重ねることでロープや鎖を使わず上り下りできるようになった岩はあるが、この岩はどれほど経験を積んでも無理そうな気がする。
これまで確か4回ほどこの垂壁を上り下りしたことがあるが、いずれも緊張のあまり岩の構造を観察する余裕がなかった。今日は時間をかけてホールドやスタンスを観察しながら下っていきたい。もちろん、ロープをしっかり握って、、、


垂壁を下り振り返って見上げる。
下りながらホールドやスタンスをつぶさに観察した。
ホールドやスタンスは確かにある。
クライミング用の靴とハーネスを身につけ、ロープで確保してもらえるのなら挑戦してみたい気が起こらないでもない。
が、そのためには先ず筋トレによって脚力と腕力、握力を強化しなくてはならない。
非力な管理人には敷居が高すぎるように思える。
あぁ、それと、脂肪を削いで腹がじゃましないようにしなければ。


垂壁を下りると行く手を大きな岩壁に阻まれるが岩の基部に細いトレールがあるのでそこを上がって行く。


ここで西尾根に合流。
弁天岩までもうすぐだ。


弁天岩トップに到着した。
標高は540メートル。
年配のご夫婦が昼食中だったので挨拶を交わし、管理人は陽が当たる場所を避けて桧の木陰で昼メシとする。
ご夫婦は昼食を終えると管理人とは反対の班根石山に向かっていった。


昼食の前に垂壁での緊張をほぐすため遠くの景色を眺める。
弁天岩トップからの展望は御嶽山と並んで抜群なんである。
西に日光連山が、、、


北に高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)が、、、


高原山の少し東に那須高原が見える。


いつもは海苔巻き弁当だが気温が高いので安全性を考え今日はパンにした(どちらが安全なのかは知る由もないが)。
コロッケパンひとつで435kcalあるので空腹はこれひとつで満たされる。カレーパンは下山してから食べることにしよう。


下山前に宇都宮市街を通して筑波山を眺める。


下り始めると間もなく、松島コースとの分岐に差しかかるので直進して西尾根を下る。


西尾根はこういう一枚岩が数カ所ある。
雨で濡れていれば間違いなく滑るが今日は大丈夫だ。


岩場が終わり快適な道に変わる。


最後に桧の林間を下っていくと、、、


三本枕木橋と出合い、あとは荒れた林道を足下に注意しながら歩けば駐車地である。


樹林帯の中の林道はやがて堰堤工事が行われている崩落地に出る。
そこは日当たりが良く、野の植物がたくさん生育している。
これは1本の花茎に小さな花を数十個つけるオカトラノオ。
虎の尻尾に見立てて名がついたらしい。


オカトラノオをアップで。
なかなか可愛いもんです。

林道は駐車地手前まで野いちごがびっしり。
これはクマイチゴ、果実(ツブツブがそれぞれ果実)の先端が尖っているのが特徴。
ありがたく管理人の口の中へ。


ニガイチゴ
苦みがあることから「苦苺」と名付けられているが、管理人にはとても美味に感じられる。味覚がオカシイ?


振り返って弁天岩を見上げる。
それにしてもだ、なんど見ても奇っ怪な姿をしているな(笑)


ガクアジサイ
この林道は春先だとスミレも多く結構楽しめる。


これもニガイチゴですね。


道草を食いながら(実際、苺を食べながら)、駐車地に戻った。
直射が当たる場所はさすがに暑い。
車内はサウナ並の高温になっていた。


地図で示したように今日、管理人が歩いたルートは日光市に属している。
管理人が住んでいる日光市にもこのように歩きやすく、花も多くまた低山ながら展望が良く、さらには松島コースや西尾根といった冷や汗がでるような岩場があるにもかかわらず日光の山を歩いているという感じがしないのは、ここが日光の山域からは遠く離れていて、地形も植生も気象もまったく異なる、古賀志山山域に属しているからであろう。