「日光を漂ふ」さんへのコメント全文

昨日のエントリーで、観光ヘリに関する情報を探したら新聞社や運航会社のニュースに混じって「日光を漂ふ」という個人ブログが見つかったので、さっそくTBを送ったと書いた。
今朝見たところ、まだTBを受け付けていないようだったが、TBに加えてコメントも寄せておいた。
そこで「日光を漂ふ」さんのブログがなんらかの障害によりコメントが消滅してしまうことを考え、ここに私が寄せたコメントの全文を掲載する。
—–ここから—–
はじめまして。
私は10月2日からヘリの運航が予定されている霧降地区(日光市所野)の住民です。
2009年度のヘリ運航について詳細を知っている立場として、少し長くなりますが運航に至る経緯を説明します。

本題に入る前に、私の立場を説明しておきます。
私はヘリの運航が予定されている場所から目と鼻の先、200メートルの至近距離に居住し、なおかつペンションを営んでいます。
事業者として地元のペンション組合の代表ならびに、霧降地区を活性化する組織である「霧降を元気にする会」のメンバー(先月まで役員)を務めると同時に丸
美交差路からホテルジャパンに至る約2.5キロにわたる日光市道沿いに住む住民で構成される霧降自治会に所属し、副会長を務めています。
霧降自治会エリアは日光駅から1.7キロ~4.3キロの範囲にあり、日光市にある50軒のペンションのうち40軒が営業しているとともに、120世帯以上の一般住宅や別荘、飲食店などがある、豊かな自然の中の生活区域といえます。

昨年4月21日の「日光ヘリコプター遊覧飛行」にコメントされた「遅れてきた少年」様も詳しいようですが、この件に関しては霧降活性化委員会の存在を抜きにして語れません。
しかし、この委員会は2011年にほぼ廃止が決まっている霧降スキー場のリフト事業の今後を検討する組織であり、霧降地区の観光業者と自治会で組織されて
います。スキー場(ただし3年前から休止中)は日光市が経営母体となっていますので、この委員会が絡む会議などはすべて日光市観光課が事務局となっておこ
なわれます。

この会議のことをもう少し詳しく説明しますと、出席者は霧降活性化委員会の委員長、前述した「霧降を元気にする会」の役員3名(ただし、うち1名は
霧降活性化委員会委員長を兼任)、近隣住民で組織する4つの自治会のうち2つの自治会長、日光の自然を守ることを目的とした「森と水の会」から1名、他に
オブザーバーとして2・3名の方が出席していたと聞いています(日光市役所担当者談)。
しかし、ここには運航予定地からもっとも近いエリアの住民で組織している霧降自治会の代表はおろか住民は一人も含まれていませんでした。

去る7月31日はリフト事業に関する第6回目の会議が行われる予定でしたが、事前の出欠連絡で出席者が少ないことがわかったため、急遽この議題を取りやめ、どうしたわけかこの会議体には関係のない、ヘリ運航について話し合いがおこなわれました。

この会議の席上で、航空会社からプレゼンがおこなわれたのですが、しかし、プレゼンはあったが賛否を問うことはしなかったと、座長である霧降活性化委員会委員長、元気にする会役員、市役所担当者の3名が口を揃えて私に語っています。

ヘリの発着予定地にもっとも近い(200メートル)私は、9月7日の新聞でヘリが運航されることを知り、運航会社である「エクセル航空株式会社(本
社・千葉県浦安市)」の担当者に確認したところ、7月31日の会議の席で地元住民の賛同が得られたため運航を決定したと、私に説明しました。

ヘリの運航に関して地元が主体となっておこなわれた会議は、私が知る限りこの1回だけであり、しかもプレゼンを目的とした会議であり、したがって賛否を採っていないにもかかわらず、新聞報道にあるようにヘリの運航が決まってしまいました。
この不整合について、当日会議に出席していた方々はどのように思っておられるのか、私はぜひ知りたいと思います。
また、出席した方々は航空会社に欺されたわけですから、航空会社にたいして断固抗議しなければならない立場にあるといえます。

なぜ航空会社は会議で賛同が得られたと認識したのかを、エクセル航空の担当者に質したところ、”反対意見が出なかったのでそれは賛成を表明していることになる”などと、なんの論理性もないことを私に述べ、強硬な姿勢を崩しません。

現在、霧降自治会では住民のひとりである弁護士を代理人として、国交省やエクセル航空、発着場の提供者にたいして運航を中止するよう強く求める運動を展開中です。
日光の古い建造物と自然とが調和した環境こそ世界に誇れるものであり、ここにヘリの爆音がひびくことは世界の笑いものになります。
私のような事業者にとって営利はもちろん大切ですが、営利の追求手段として住民を無視し、環境をないがしろにするやり方は許すことはできません。

最後に、問題を整理しておきます。
1.会議は本来、今後のリフト事業を検討することが目的であり、7月31日は目的外の議題を検討(実際は会社からの一方的なプレゼン)したこと。

2.その会議では賛否が採られていないこと。にもかかわらず、航空会社は地元の賛同が得られたと国土交通省及び日光市長に報告していること。

3.委員会は実際にはもっとも影響を受ける地区の代表が出席していないにもかかわらず、当会議に出席したメンバーが決定権を持っているかのような印象を航空会社に与えたこと。

4.上記1・2・3の事項にたいして、出席者の誰も責任を取ろうとしないこと。

以上のことから、ヘリ運航による地域活性化云々以前の、手続き上の大きな欠陥があり、それを私たち住民は問題にしています。
はるか上空から紅葉を眺めるヘリと同じように、この問題を高みの見物と決めないで、管理人さんも読者も、是非とも地上から間近で見ていただければありがたいと思います。

尚、私が運営するブログでもこれから詳細をお伝えしてまいりますので、お時間があれば是非ご来訪ください。
人それぞれ考え方が異なることと思いますが、ご意見を期待しています。
文責 波多江 定夫

「春夏秋冬、日光を歩こう」
https://ippo.jp/blog/

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