2006年に初めて中禅寺湖一周をしたときは二荒山神社あたりで左股関節に激痛が走り、足を引きずりながら龍頭滝までなんとかたどり着き、休憩を含めて8時間27分もかかってしまった。
このときはなにぶん初めてのことでもあり装備に気を遣い15キロのザックに靴はハードな登山靴という出で立ちであったことが身体に負担をかけてしまったようだ。
翌2007年、ジムに通って脚力をつけて臨んだ2回目は5キロの荷物にランニングシューズという軽装がものをいい、6時間33分という好結果につながった。思えばこのとき59歳。脚力と持続力があり山行がもっとも充実していた時期であった。
翌年の冬、まだ積雪が少ない時期にスノーシューで急斜面を下っているときに雪に隠れていた木の根にスノーシューをとられて転倒、左足首を強くひねってしまい医者にも行かず湿布だけの治療で済ませたところこれが後まで尾を引いて、その年はほとんど山行できず。
その次の冬、2009年はやはり2メートルの急斜面をスノーシューで降りたつもりが結果的に飛び降りたのと同じ状態となり、そこはあいにくアイスバーンになっていてクランポンががっちり食い込んだため身体だけ回転、右足首を骨折するという大事故を起こして一年間の謹慎生活を余儀なくされた。
2008年、2009年という二年にわたる謹慎生活は精神的に大きなストレスになると同時に脚力が加速度的に衰えそれから3年ばかり、やったことといえば小田代ケ原や戦場ヶ原のような平坦路のハイキングくらいしかなかった。
さらに悪いことが重なりおそらく左足首を捻挫したときの後遺症だろうと思うが自宅の階段を上り下りしただけで膝が痛むようになり診断の結果、前十字靱帯断裂ということであった。
整形外科医の薦めもあって靱帯の手術(再建というのだそうだ)をおこないこれも同じく、その後一年間は謹慎という厳しい罰を与えられることになった。
脚力がさらに衰えた頃になってようやく強度の強い運動が許可され、今年5月から山歩きを再開。溜まりに溜まったストレスをすべて発散させるかのごとく、山行にのめり込んでいる。とはいっても一度落ちた脚力はそう簡単に元に戻るわけがなく、亀の歩みのようなペースでの山行である。
前置きが長くなったがそんなわけで5月からかなり歩き込んではいるがここらで自分の脚力を試してみようと考え臨んだのが距離約25キロ、3回目の中禅寺湖一周である。10キロの平坦路はリハビリ代わりに日常的に歩いているので25キロは挑戦意欲が湧く距離なのである。ホントに大丈夫、という不安もあるがW
07:00
龍頭滝駐車場で荷物の点検。7年ぶりなので万一のことを考えると軽量化できない携行品。アスファルト歩きが長いのでランニングシューズまで持参した。総重量10キロは長距離を歩くことを考えると重すぎるがしかたがない。
07:13
中禅寺湖コースの入口となる菖蒲ヶ浜。昔はここにプリンスホテル直営のスキー場があった。今はそのホテルも営業していない。
07:26
歩き始めるとすぐ、湖畔に沿った道となる。予報が外れてどんよりした天気になってしまった。
07:38
赤岩から少し先の階段だが幅が狭すぎて横幅の大きい人など抜けることができないのではないかと、余計な心配をする。昔はこの階段下の岩をよじ登って先へ進んだ。
08:00
落葉したミズナラの上をカサカサと音を立てて歩く、、、といえば聞こえがいいけど堆積した落ち葉は厚みがあってまるでスノーシューで雪を分けながら歩く感じ。
08:11
高山への分岐、熊窪。進路を右へ変えると高山峠を経由して市道1002号線に抜けるいい道だが今日は直進する。
08:24
クリンソウで有名な千手ヶ浜に到着。天気が良ければこの角度から男体山が一望できるのだが今日は厚い雲がかかってダメだね。
余談だが近年、ここのクリンソウが余りにも有名になりすぎて駐車場となる赤沼はマイカーでごった返すわ専用バスは増便になるわ船で一度に数百人は来るわで静かに自然を楽しむどころではなくなった。
私が憂鬱になるのもクリンソウの時期だ。
08:45
千手ヶ浜までは人が訪れるがそこから先はほとんど無人。もっともこの時期、見るものがなんにもないから当然である。
08:50
木橋を渡って5分も歩けば黒檜岳(1976M)の登山口になる。
3年前に登ったことがあるが山頂は木々に囲まれて展望がなく、登山路も樹林帯の中なので展望がないといった二重苦だった印象をもっている。
08:57
その先、アズマシャクナゲの群落となる。湯ノ湖南岸のアズマシャクナゲなら手軽に見ることができるがここまで見に来る人はあまりいないだろうなぁ。
09:11
こんな場所に男体山へ導く標識が。そんなはずはなく、標識が指す方向に男体山が見えるよという標識なのだ。
09:23
おおっ、鹿のしゃれこうべが。
今年はまれに見る豪雪でかなりの鹿が雪で行動できずに餓死したらしいので、これもそのうちの1頭かも知れない。
10:32
ここより東は晴れているようで青空が覗いている。右に太郎山、左に山王帽子山が見える。
11:03
水場? 大日崎手前。
ここに限らず湖に注ぐ沢が数本あるので飲み水に苦労することはない。
11:12
大日崎を過ぎたあたりにゴジュウカラが集まっていた。
11:18
全行程の1/2あたり(大日崎の首付近)。だいぶ疲れてきたぞ。
12:05
阿世潟分岐に来た。標識に従っていけば阿世潟峠を経由して社山へ行く。
12:11
行程中、雲のない男体山を見たのは後にも先にもこれだけだった。
12:27
狸窪(むじなくぼ)。標識に従っていけば半月峠を経由して社山へ行く。
12:28
ゲートを出ると二荒山神社までの長いアスファルト道路が続くので面白味に欠けるが、まぁなんとかここまで来たので安心した。だいぶ疲れている。
12:29
ここには確か釣り人用の民宿があったはずだが、立派な建物に様変わりしている。どこかの別荘なのだろうか。
12:42
遮るものがなく白根山がよく見える。28日頃、降った雪のはずだが根雪になるのだろうか。
13:41
イタリア大使館別荘跡の広場で中禅寺湖を眺めながら昼飯とした。疲れがピークに達している。オニギリを食べながらストレッチで足をほぐす。
14:02
ようやく二荒山神社の大鳥居まで来たぞ。
ここからは国道と並行する遊歩道を歩くことになるのだがなんだか右足の指の付け根にマメを作ってしまったようで、地面に足をつくと痛むようになってきた。2006年は股関節通に悩まされ今年はマメだ。二荒山神社は鬼門だな。
14:11
湖畔に点在する外国人の別荘跡。ここは西六番別荘跡。いつでも見られるのでとっとと先へ進む。
14:15
国道のすぐ脇、湖畔に沿った遊歩道は車の騒音を除けばいい気分で歩ける。
マメが痛いので時速2キロとゆっくりペースだ。
14:58
朝、車を置いた龍頭滝に到着してひと安心。かろうじて目標とする8時間を切ることができた。
駐車場は朝とは打って変わって満車状態である。
装備
ザック:オスプレイの28Lで重量10キロ(防寒着、雨具、ヘッドランプ、ファストエイド、食料、水3リットル、行動食、ツェルトほか小物多数)
ク ツ:歩きやすいように軽量のハイキングシューズと予備としてランニングシューズ
服 装:下の写真の通り
地 図:カシミール3Dで出力した1/12500地形図(他にコンパスも)
G P S :GARMIN(e-Trex30J)、HOLUX m-241
サプリ:粉末のまま飲めるVAAMと塩熱サプリ
距 離:25キロ(GPSの記録から)