岩と花を求めて古賀志山へ(ガイド登山)

2022年5月26日(木)

栃木市を故郷とする女性、Oさんから、古賀志山の案内を依頼された。
故郷を離れて久しく古賀志山へは登る機会を逸していたが、故郷が懐かしく思えどうしても登ってみたくなったとのことだ。
古賀志山にはルートが100本以上あるらしいが地理不案内でもあり、なるべく面白そうなコース、できれば岩場を中心としたコースを設定してほしいとの依頼だった。

管理人がおこなっているガイドは主に冬のスノーシューハイキングで、グリーンシーズンはあまり需要はない。
グリーンシーズンは観光や合宿で利用する人たちがいて、そこへハイキングや登山のツアーを組み込むのはスケジュール的に難しいことから積極的な宣伝をしていないのが需要が少ない理由と言える。

スノーシューツアーに限らず依頼の際は参加者の体力や技量、これまでの登山の経験などを細かく聞き、問題ないと判断したときだけ受けるのが安全を第一とする管理人のやり方である。
ましてや岩ばかりの古賀志山は危険が伴うため、安全には気を使う。
Oさんでいえばコロナの2年間こそ自粛したが、北アルプスのほとんどをそして、丹沢や八ヶ岳を歩いているとの申し出であった。

ガイド登山であっても参加者は自分の身は自分で守るのが基本である。
滑落や転倒は瞬間的に発生する。
そのとき、ガイドにできることはなにもない。
登山を安全に終えるのはすべて参加者のスキルにかかっているのである。

Oさんは北アルプスの山で多くの岩場を経験していると伺った。
むしろ古賀志山の岩場しか知らない管理人に比べればより多くの、より変化に富んだ岩場を経験していることであろうことが想像できる。
Oさんの申し出を断る理由などひとつもなかった。
ただし、管理人の役割はOさんの身の安全を保証することではなく、地理不案内のOさんに最大限楽しんでもらうための道案内である。

古賀志山へは4月以来、ひと月ぶりに来たが、渇水が続いたのかあるいは時節柄、田に水を引くための放水に使ったのか、赤川ダムの水面は満水時の半分ほどになっていた。


岩場を、とのOさんの依頼で古賀志山の岩場で難易度が高いとされている中尾根から歩き始めた。
これは一番岩。
ロープはあるものの取っかかりのステップがないので登りづらい。
ロープの右に見える右下に向かってカットされた岩に足を載せてロープで身体を引き上げるのがコツだが、靴底が硬い登山靴だと岩への吸いつきが悪くて滑ってしまう。
吸い付きのいいアプローチシューズが適してる。
Oさんが履いてきたアプローチシューズ、LA.SPORTIVA ボルダーXはこのような岩場歩きに最適である。


一番岩のトップへ向かうOさん。
動きになんら不安がない。


続いて二番岩。
この一枚岩を登りきると高さ1メートルほどの垂壁が待ち構えている。


二番岩トップの垂壁を登る。


息つく間もなく三番岩と続く。
ここは経験でロープなしで登っていくOさん。


名称はないが強いて言えば四番岩。
深い溝を登って行く嫌らしい岩である。


軍艦岩を通過。


紫色のコアジサイ。
目の高さで写真が撮れるのは嬉しい、とOさん。
かつて山岳会に所属していたというOさんは植物にも詳しい。


ベニバナコツクバネウツギ(ピンボケ)


岩づくしの今日、最後に登るのはピーク559西の弁天岩。
鎖はあるが使わずに登る。
この岩の上で昼食にしようと決めた。


昼食を終えて弁天岩を下り、次に古賀志山へ。
山頂はこの時間、誰もなくひっそりしていた。


アブラツツジ
これでも満開(笑)


東稜見晴からの展望を楽しみ、東稜から東南稜へと岩場を連続して下りることにした。
ここを下りると東南稜と交わる。
東稜を下っていくならこれが最後の岩となるが東南稜にはまだふたつの岩が待っている。


東南稜の岩。
管理人、かつてここを鎖を使わずに上り下りしたことがあったが久しぶりの今日は安全第一を念頭に鎖を使って慎重に下りた。
Oさんも同じだった。


ツクバネ
花期は4~5月だそうなのでこれは花後なのかもわからない。
秋にも来てみよう。


ウリハダカエデの葉がきれいだった。


ガマズミ


アマドコロ、ホウチャクソウ、ナルコユリはどれもn遠目に区別がつかない。
背丈はほぼ同じ、葉の形も似ている。
特徴を挙げるとすれば画像のように茎が斜上しているのはナルコユリとアマドコロ。
花が1~2ケなのはホウチャクソウかアマドコロだがホウチャクソウは茎が分岐する。
ということで乱暴だがアマドコロ、ということになる(自信はない)。
その後のOさんからの情報でミヤマナルコユリであることがわかった。


赤川ダムまで戻り堰堤の対岸からみたところ。
手前の水溜まりが赤川。
ということは赤川の流れがなくなったせいで水位が下がったということになる。


番外ジガバチソウ
植物好きのOさんが地面に座り込んでミヤマウズラ(シュスランかも)らしき葉の写真を撮っていたところ、地元の人とおぼしき男性に声をかけられ、それからしばらくの間、一緒に歩いたのだが男性は植物のことにずいぶんと詳しい。
花など咲いていない場所に座り込んでいるOさんを見つけ、同好の士とみて声をかけてくれたのであろう、ジガバチソウの生育場所に案内してくれた。
管理人はスミレやカタクリ、ツツジといった見た目の美しい花が終わると以後、花を目的に古賀志山を歩くことをしないためジガバチソウの存在に無頓着だった。名前すら知らなかった。
これの一体、どの部分が花なのか、管理人にはわからなかったがOさんに教えられてツノの出ている茶色の部分が花であることを知った。
古賀志山に咲く花をひとつ覚えることができた。
古賀志山は岩も楽しめるが植物も多様で奥が深い。


ミヤマウズラ(ラン科)らしき葉の植物。
図鑑には花期は7~8月とあるのでその頃また来よう。

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