車中泊の旅の途中で山登り(新潟県燕市・国上山)

2023年3月30日(木) 晴

車中泊の旅で立ち寄った寺社や観光スポットで、たまたまそのすぐ近くに登れそうな山を見つけたときはなんだか得した気分になる。
この登山口の先はどうなっているのだろう、簡単に登れるのだろうかそれとも、苦痛を強いられるのだろうか。展望はどうだろう、花は観られるのかと想像が膨らむ。
登ると決めてそこに来たのではないが見知らぬ山の登山口を目の前にすると、是非とも登ってみたくなる。

今日がそうだった。
車中泊を始めて3日目。
管理人は新潟県燕市の国上寺(こくじょうじ)に来ている。
管理人に信仰心などまったくないが、見知らぬ土地にある寺社を訪ねるのは好きである。
境内に国上山(くがみやま)という、標高わずか312メートルの山の登山口がある。
登ってみたいという気持ちが沸々と出てきた。
問題は、山に登るための装備など持ってきていないということだ。
いや、持ってきてはいるのだが車の中にあって、山を目の前にしている今、手ぶらなのである。
車まで戻って装備を取りだしてまた同じ場所まで来るには20分かかってしまう。
え~い、なんとかなるだろう。そんな安易な気持ちで登るのは後ろめたいがこれから登ろうとしている山は大丈夫そうだ。

山頂までわずか850メートルの道程である。
昼食は済ませてあるのでしゃりバテの心配はない。
飲み水は持っていないが往復1.7キロ、推定1時間くらいなので水分補給なしでも脱水症状にはならないはずだ。
と自分に言い聞かせ、手ぶらで歩き始めた。

709年(和銅2年)の創建。1718年(享保3年)に再建された国上寺本堂。
真言宗雲高山国上寺というのが正式名称らしい。
東照宮のようなきらびやかな装飾は施されていないが重厚で落ち着いた佇まいを見せている。


おやっ、装飾があるぞ。


なんとも妖艶な画ではないか。
四面、異なる画である。
享保3年からこのようにしてあるのだろうか?
本堂をぐるっと回ってその答が得られた。
これは近年になって絵巻物として制作された木村了子という仏画アーティストの作品だそうだ。
越後最古の寺と官能絵巻という取り合わせ。
だが、少しも違和感がないのがすごい。
しばし魅入っていた。

絵巻すべてをご覧になりたい方は新潟観光ナビで。
市議会で問題視されているというニュースを見つけた。→ケンオー・ドットコム


官能絵巻を見た興奮が冷める間もなく、境内をぐるっと回って再び本堂に来てみると、すぐ脇に国上山登山口の案内板があった。
標高は312メートル、山頂まで850メートルと案内板にある。
身につけているのものはデジカメとスマホだけという出で立ちだが、1時間もあれば往復できそうなので登ってみることにした。


整備が行き届いていて歩きやすい登山道である。


純白で大柄な花弁がドレスのようなタムシバ。


マキノスミレ


階段や大きな段差はあるものの緩やかで歩きやすい。


オウレン


日当たりが良く土壌は乾燥しているのにショウジョウバカマが生育しているという不思議さだ。


カタクリと出合った。
この山は植生がとても豊かだ。


尾根脇の斜面を覗くとそこはカタクリの群落だった。
山の中腹から山頂にかけてカタクリで埋め尽くされている。
すごいぞ、この山!
こんな山が近くにあったら毎日でも登りたいと思う。


タチツボスミレ


花を眺め、写真を撮りながらも山頂へは24分で着いた。
山頂はこの山の大きさとしては広く開放感があるが、木々の葉が出揃うと展望は得られないように感じた。
ここでスマホの地図アプリを見ると、登山道はここから北に向かって延々と続いていて、いくつかの山を超えて弥彦山へ行けるようになっている。
いつかは歩いてみたい魅力的な縦走路である(実際には弥彦山のはるか先まで続いている)。


背中にうっすら汗をかいているが休憩するほどではないので下山を始めた。
薄ぼんやりしているが遠くに見えるのは日本海であろう。
真冬であればもっと鮮明に見えるはずだ。


振り返ると木々のすき間から大きなピークが見えた。
スマホを見るまでのこともなくあれが弥彦山(634m)だということがわかる。


ツバキ


国上寺の大きな屋根が見えてきた。
登山口の鳥居をくぐって終わった。


迂闊なことに地図アプリの起動を忘れてしまい、気がついたときには下山も終わりに近かった。
したがって今日は登山データなし。
ルートは手書きした。

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