車中泊の旅の途中で山登り(西会津・大山祇神社撤退)。

2023年3月31日(金)

車中泊の旅で福島県と新潟県をまたぐ際に立ち寄ることにしている道の駅に「にしあいづ」がある。
2004年開業というからそれほど新しい施設ではないが、手入れが行き届いていて清潔感があることから、昨年は車中泊にも利用したことがある。
国道49号沿いの立地なので昼はそれなりの騒音があるが、夜間はそれも収まって快適に寝ることができた。

ここから日光へ戻るには会津若松方面に走っていくわけだが、道の駅を出てすぐの信号に「大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)」への方向を示す大きな案内板がある。
それがどうも気になっていた。
名前からして由緒正しく格式のある神社であるような気がする。
普通クラスの神社なら信号上の大きな案内板に名前など載らないと思うが、それが載っているのである。
よほど名のある神社に違いない。
道の駅に置いてあるパンフレットを手にしてみた。

昨日、参拝した国上寺とは大きく異なり、参道を4キロ歩いてようやく本社に着くといった、それは参拝というよりは登山に近い道程だ。
やはり名前だけのことはある、などとわけのわからないことを考える管理人なのである。
面白そうだ。
今日の最終目的地は裏磐梯である。
明日は朝早めに五色沼を散策し、終わったら日光に戻る予定を組んでいる。
道の駅にしあいづから裏磐梯までは3時間もあれば十分な距離である。
時間を持て余さないよう、有効活用するためにも行ってみよう。


国道49号を右折して5キロ走った行き止まりが大山祇神社の参道入口だった。
数軒の建物があるが人が住んでいる気配はない。


道は1本あるのみ。
中野川へ向かって緩やかに下っていく。


この林道風の道は参道になっているようだ。


ショウジョウバカマを見つけた。


やや開き加減のフキノトウ。
こうなるともう食用には向かない。


大木が折れて参道を塞いでいる。
これを跨ぐには管理人の足では短すぎる。
危険を承知の上で恐る恐る大木の上に乗り、それから静かに地面に下りた。


一難去って道が歩きやすくなった。


足下からゴーという音が立ち上るので下を覗くと、祠とその脇に形の良い滝が見えた。
パンフレットにある不動滝と思われる。


参道はここで本線と不動滝へ下りる道とに分岐している。
もちろん、滝への道を進んだ。


雪解け水が混じっているからなのか、ものすごい水量だ。
飛沫がここまで飛んでくる。
十分な時間をかけて不動滝を見終え、本線に戻るべく案内板に描かれた道を進もうとしたが、そこは上がれそうもないほどの大きな段差となっている。
道が崩れたのかも知れない。


元の分岐まで戻って参道を進むことにした。
パンフレットによると参道は支流を跨ぐように描かれているが実際はそうではなく、支流は参道を横切って本流すなわち、中野川に落ちている。
幸い、水深が10センチほどと浅かったので慎重に歩くことで靴の中を濡らさずに済んだ。


雪はこれまでも散発的に見てきたが、標高が上がってこの辺まで来ると地面を完全に隠すようになった。


参道は傾斜がまだ緩くなおかつ、雪は締まっているので滑ることはない。


雪の重みに耐えられずに折れたと思われる桧。
至る所で目についた。


パンフレットにある矢作滝。
行程の半分は来たのだろうか。


矢作滝の滝壺に下りられるように道があったので途中まで行ってみた。
先ほど見た不動滝ほどの迫力はないが、それでも十分な水量だ。


滝壺への道沿いで見つけたキクザキイチゲ。


参道左の斜面から崩れ落ちた雪が参道を埋め、川に向かって斜面を形成している。
歩くのが難しくなってきた。
参道から外れて河原に鳥居がある。
折れて横たわった桧の枝にピンクのリボンが付いているのでそちらが正しい参道であろうと考え、鳥居をくぐって川沿いに歩いた。


河原は次第に狭くなり、歩くのが困難になった。
やはり先ほどの雪の堆積が参道だったようだ。
参道に登り返すのが必須となった。


参道に戻って先へ進んだが川に向かっての傾斜はさらに強くなると同時に、デブリを乗り越えなくてはならなくなり、身の危険を感じるようになった。
ここで折りかえす方が賢明だ。


参道に堆積したデブリの手前で折りかえして帰路についた。
先ほど見た矢作滝まで戻り、滝壺に下りてみた。
見る角度が違うためかなかなか良い形をしている。


さっきは蕾だったキクザキイチゲが1時間も経たずに咲いていた。


別の場所で見た青みがかったキクザキイチゲ。


フキノトウも多かった。


参道の入口が見えてきた。
雪に阻まれて本社にたどり着けなかったという残念な結果となったが、雪がなくなったらまた訪れたい、そんな神秘性のある大山祇神社であった。

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