古賀志山で見る花たち・最終回(2020/05/28)

2020年5月28日 晴れ・爽やかな天気

梅雨を先取りしたかのような鬱陶しい天気が続いていたが、今日から日曜日までは雨の心配はないらしいとの週間予報だ。
梅雨入りを前にして貴重な数日間だ。
花の写真を撮るのに曇天下の薄暗い林の中だと意図せずフラッシュが焚かれて具合が悪いので、今日のような陽射しが差す日が撮影日和なのである。

とはいえ、一日中、晴天に恵まれることはないはずだ。
念のためザックの中を調べ、雨具上下と傘が入っていることを確かめてから出かけた。
今日の目的は前回13日に見つけたツルリンドウのその後を観察すること、これがメインである。
他に目新しい花があればそれも観察して記録として撮っておきたい。

そうそう、咲いている花も少なくなってきたことだし、花を探してふらふら歩き回るのは今日で最後とし、次回からはルートを決めて歩き、花は二の次三の次としたい。
そうすれば時間の短縮が図れるはず、と、言うは易く行うは難しだ(笑)

今日見た花
ハルカラマツ(蕾)、ニガナ、ヤブヘビイチゴの実、不明の花2点、マムシグサ、フタリシズカ、ジャケツイバラ(花は見られず)、ツルリンドウ(葉っぱのみ)、コアジサイ、ネジキ

今日の接触者
・コンビニで弁当購入(店員と・客少ない)
・山行中(挨拶5名)

メモ
・歩行距離:9.9キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:5時間3分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:998メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

駐車場の封鎖が解かれ、宇都宮市森林公園はいつもの賑わいが戻った。
地元の人の憩いの場はこうでなくてはいかんよ!


いつもの光景。
水と山のある風景は落ち着きますね。


赤川ダム畔の広場は木々の葉がすっかり出揃い、落ち着いた雰囲気に変わる。


開花前のハルカラマツ
真上から撮ったため大きさがわからないが背丈は60センチほど。
まもなくカラマツの葉に似た針状の花を咲かすはず。


ニガナは他の場所でもたくさん咲いていた。


ヤブヘビイチゴの実
キイチゴと違って美味そうには見えないので手は出さなかった。
実際に美味くもなんともないらしい。


花も茎も毛むくじゃら。
花の付き方や形から察してシソ科の植物に違いないが名前がわからない。
帰宅して図鑑で調べるとケナツノタムラソウ(=毛夏の田村草)らしいことがわかった。
花弁に毛が密生していることと葉が奇数の羽状複葉であることが図鑑と一致している。


宿題にしておこう。


マムシグサ


フタリシズカ
花序の本数は変異が大きく、1本だったり5・6本だったりするが、それでもフタリシズカ。


全身こぶだらけの奇妙な木(ツルなのだが)を見つけた。
これまでなんども通った道なのに気がつかなかった。
根元はここから左に2メートル離れていて、そこから3メートル以上も離れた桧に絡みついているから明らかに蔓性なのだが、蔓は太く10センチ以上はある。桧の大木がまるで大蛇に絡みつかれているかのように見える。
名前はジャケツイバラ。
蛇結茨と書くからやはり蛇の姿からつけられた名前なのであろう。
こぶはトゲが変化したもので触れても痛くはない。
それは蔓が生長した結果、老化したのではないかと思う。
ここからでは見えないが若い枝には鋭いトゲがびっしり付いているらしい。
なお、地上高く、黄色い花をたくさんつけるらしいのだが管理人はまだ見たことがない。


今日はここ、東稜見晴台へのルート、東登山口を入ることにした。
13日に発見したツルリンドウの成長ぶりを観ておきたい。


前回歩いたときに一応、目印になるような特徴ある木々を記憶しておいた。
その甲斐あってツルリンドウは難なく見つかった。
他の植物に絡みついて生長する特徴を持つのに肝心の相手がなく、地面を這って横に延びているだけだった。


ツルリンドウの生長の手助けになるかと思い、近くにあった枯れ枝を拾って添え木として配置してあげたが、果たして役に立つだろうか?
来月そして、7月にも様子を見に来よう。


増えるための媒体が何なのかわからないが、近くに他のツルリンドウがあることを期待して適当に歩いてみることにした。


おぉ、やはりあった!
南に向かうルートに3株ほど点在していた。


コアジサイ


咲いたばかりといったところ。


東南稜と合流し、ここを突っ切る。


初めは快適な林間だったが、、、


う~む、この岩は見覚えがないな、、、
初めて歩くルートだろうか?


合流した場所は古賀志山南登山道から分岐した岩コースであった。


古賀志山山頂手前の日の出ポイント。


北登山道~富士見峠という標準コースよりも短い道のりだったが時間は長く、1時間40分かかって古賀志山山頂に到着。
先着2組、6名のハイカーがいた。
ちなみに2014年10月の初登以来、今日で90回目を数えた。
古賀志山を集中的に歩くようになって5年半だから年平均だと16回ということになる。
これも変化に富んだ面白さゆえに続けられているのだろうと思う。
年内に100回達成できるかな?
例年だとこの時期、福島遠征に精を出している頃だが、今年は県外遠征を控えているため代わりにこうして足繁く古賀志山に通えている。
あと10回は困難な回数ではないような気がする。

さて、これからどうしよう?
5月も最終週となり観るべき花もないがもう少し、ツルリンドウを探してみよう。


富士見峠に下り、ここを班根石山(ピーク559)へ向かう。


おっと、危うく踏んづけるところだった。
道沿いのこんなところにもツルリンドウがある。
花を咲かせてくれるのかね?


これでも満開のアブラツツジ(笑)


旧伐採地に来ると展望が開け、古賀志山主稜線の後半部分が望める。
中央のピークが赤岩山、その右が北ノ峰。


コアジサイの蕾


班根石山とその左に岩肌をむき出した弁天岩が見える。


ここで中尾根の末端に合流。


ニガナ


班根石山に到着。
木々の葉が茂ってはいるが見晴らしはいい。


日光連山に、、、


高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)


古賀志山を眺めながらここで昼メシとしよう。


十分に休憩したので次に二枚岩に向かうことにした。
これは花後のヒメイワカガミ。
花が終わると花柄は直立して上に向かって延びていく。


また見つかった!!
探せば結構あるものだ。


閲覧注意!!
シマヘビ君です。
まだ若い個体らしく、実にきれい。
ご覧になりたい方はここをクリック
なお、管理人は蛇に慣れ親しんでいるわけではありません。


班根石山から二枚岩へ向かうルートは複雑だ。
北東へのルートは急な下り傾斜で昨年、滑落事故があった。
無難なのは前掲の中尾根分岐まで戻って中尾根を東へ向かうのがいいが、戻るのが面倒なので班根石山を越えてから南下して中尾根に合流するルートを進んだ。


ここで中尾根に合流。
東へ向かう。


四差路まで来てここを左斜めに入ると二枚岩に行くことができる。


ヒカゲツツジの見どころ、二枚岩。
もともと大きなひとつの岩だったのが数万年の歳月を経るうちにふたつに割れたもの、と管理人は勝手に想像している。
その証拠に岩の断面が一致している。


水平に延びた細い枝にぶら下がるようにして咲いている様はナツハゼに似ているが、花の色も咲き方もまったく違う。
帰宅して調べると「ネジキ」というツツジ科の落葉小高木であることがわかった。
古賀志山に熱中していた時期は花を観る余裕などなかったが、こうして花を探索する目的で歩くといろんな花が見つかる。


二枚岩でも十分な休憩を取ったのでそろそろ下山することにした。
ピストンせずに下山するには2本のルートがあるが、今日は短いルート(反対に林道歩きが長くなる)にした。


オトシブミの揺籃
中にオトシブミの卵がひとつ入っている。
じつに高度な技術によって巻かれているらしく、これを展開しようとすると葉がちぎれてしまいそう。


ここで細野林道に降り立ち、駐車地へと向かう。


細野ダム


膳棚林道の出口まで来て今日の花の探索は終了。
お目当てのツルリンドウはかなりの数あることを確認した。