2020年4月8日(水)pm 晴れ
弁天岩西斜面探索その1から続く。
朝、早めに歩き始めたので松島コース(※1)で弁天岩に達して西尾根(※2)で降りてきてもまだ十分、時間に余裕があった。
今日ふたつめの課題は無名の尾根で弁天岩に上がって松島コースで降りることだ。
その尾根の取り付き点は藪と化した桧林の奥にあることを6日に確認している。
はたして西尾根や松島コースを上回り、管理人の手に余るほど難易度の高い岩尾根なのだろうか、それが心配だ。
そこで、最初に出合った岩あるいはルートの難易度が高く、超えるのが困難であれば、今日のところは諦めて後日あらためて挑戦する、そんな取り決めを設けた。
さあ、どういう結果になるんでしょうね?
ちなみに、管理人にヤマレコやYAMAPといったネット情報を見る習慣はなく(一応、メンバーにはなっているが)、検索すれば表示されるのだろうがそれもせず、無名尾根についてはまったくの未知数でスタートすることになる。
だってその方が面白いもんね。
ところで、管理人が古賀志山を盛んに歩き回ったのは2015年のことである。
日没を迎えるまで探索するほど熱中していたが今年になって弁天岩西斜面を知り、2015年当時の熱がぶり返したようで我ながら笑ってしまう。
古賀志山の岩場といえば中尾根に東稜、東南稜が面白さでは群を抜いているが、今日歩いたところでは弁天岩西斜面も負けてはいない。
知ったばかりなので新鮮味があって楽しめる。息を抜けない緊張感がたまらなくいい。ルート探索の楽しさもある。マイナーなルートなので人が少ないのも管理人の性に合っている。
熟知するまで通ってみるつもりだ。
※1、松島コースは4本ある尾根の南から数えて2本目。地理院地図にその名称はなく、地元で昔から呼ばれている名称。
※2、西尾根はもっとも南に位置する尾根。御嶽山の少し先から北西に向かって延びる尾根も同じ西尾根と呼ぶが、両者の関係性についてはよくわからない。
このルートでの接触者
・松島コースの下りで、上ってきた年配男性と10分ほど立ち話
・垂壁でクライミングをしていた若い男性と挨拶
・松島コースで出会った年配男性と帰りの林道でも出会い、一緒に駐車地へ
メモ
・歩行距離:4.8キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:3時間2分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:583メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)
無名尾根は藪化した斜面の奥にあるため取り付き点が見えない。
藪がやや広がった場所から入ってみた。
ここは失敗だった。
林道を戻るような方向に進んでいることがわかった。
元の林道に戻るとき、思いがけずヤブレガサを見つけた。
狙いは当たって無名尾根に乗ることができた。
落ちた桧の枯れ枝がたくさんあって歩きづらいが藪よりはいい。
これは最初の岩だが古賀志山山域ではどこででも見られるレベル。
ここはすぐ脇の地面の上を歩けた。
おぉ、右手に見覚えのある岩があるぞ。
午前中、松島コースを上がってくるときに、地衣類が付着して黄色く染まったあの岩の脇を歩いた記憶がある。
ということは無名尾根はここまで岩ひとつなく終わったことになる。
ということはだね、つまりその、これからあの垂壁を降りなければならないわけね。
これから落差5メートルの垂壁を下る。
今日、二度目だ。
一度目は必死だったが、スタンスがあることがわかったので今度は気持ちに余裕があった。
垂壁を降り、目の前の大岩を超え、ここで西尾根と合流。
整理すると無名尾根は松島コースに合流し、松島コースは西尾根に合流して弁天岩に達するという構造になっていることがわかった。
なるほど、そういえば弁天岩のトップには班根石山からのルートと西側のルートの2本しか見当たらない。
西側のルートは3本の尾根が最後に1本に集束して弁天岩のトップに続いているのだ。
ツツジはたくさんあるし、怖い岩場があるし、変化に富んだいいコースだなとつくづく思う。
今日、二度目の弁天岩。
2時間で下って上ってきたことになる。
これでようやく腰を落ち着けて昼メシが食える。
いや、安心するのはまだ早い。
下山は松島コースを利用する予定だが、そのためにはあの垂壁を上らなければならない。
まずは全体を見て、足がかりとなる突起を把握しておく。
垂壁ということもあり慣れないうちは両手はロープに頼ることになるが足がスタンスに乗れば落ちる心配はない。
非力な管理人には垂壁の上りは厳しかったが無事に岩のトップに立つことが出来た。
午前中はこの岩を巻くために危険箇所に突入してしまったが、正しい方法でなんら問題はなかった。
ここも午前中、巻いた岩。
午前中はかなり怖い思いをしたものだが、岩の上り下りの方がよほど安全だったのだ。
ここも巻き道があるが次回に向けて難易度を確かめるために岩を降りた。
ここで進路を南(左)に変えるところだが尾根が続いているのでそのまま下ってみた。
ニリンソウ群生地への林道と交わるはず。
林道の手前で藪に突入したため時間がかかったが、無事に林道と出合った。
松島コースの岩場で出会いその場で立ち話をして別れた男性と、林道で再び出会ったのでここまで話しをしながら歩いて来た。
午前と午後のルートを合わせると上図になる。
麓は複雑な軌跡に見えるがこれは同じ道を歩くのをあえて避けたためのもの。
それにしても、同じ日に別ルートで弁天岩を2往復できたのも、バリエーションルートがたくさんある古賀志山山域ならではことだと思う。
なお、今日歩いた無名尾根と松島コースの間にもう1本の無名尾根(記事その1参照)があるが、これは次の機会を待とう。