今年もワタスゲが、、、

戦場ヶ原を覆い隠すかのように広がる無数の白い綿帽子。湿った土壌を好むこの植物の正体は「ワタスゲ」の実。スゲの花が終わったあとにできる綿帽子です。
ここ数年で数が一挙に増えて、以前なら部分的にしかなかったのに、昨年、今年と白い絨毯を敷いたかのように広がっています。
かつて戦場ヶ原はシカの食害によって貴重な植物がほぼ全滅シカかったことがあり、被害を食い止めるために戦場ヶ原一周にわたって柵で囲み貴重な植物を保護するようにしました。その甲斐あって、ここ数年、一時は絶滅したと言われている湿原特有の植物の復活がめざましく、写真のような光景が見られるようになりました。


080620-123.jpg
赤沼に近い戦場ヶ原の遊歩道からは真っ白に化粧した戦場ヶ原を見ることができます。

080620-084.jpg
遊歩道近くまで広がったワタスゲ。風が吹くと綿毛がなびきます。

絶滅しかかった植物の復活に伴い、別の問題も浮上するようになりました。戦場ヶ原に入るのは実はシカだけではなく、シカよりも賢い”人”が、柵を乗り越えて入るようになりました。
その結果、植物が踏まれて道筋が付き、その道筋を辿ってさらに別の人が入り込むといった悪循環が始まりました。
踏まれても踏まれても雑草のようにたくましく、、、というのとは訳が違って自然の植物は実に弱く、踏まれても踏まれてもというようにはいかないのですね。
入り込む人の多くは素人カメラマンで、植物に近づいて撮りたいという欲求のあまり、人の目を盗んで柵の中へ入り込みます。ハイカーがまだ来ない早朝を狙ってやってくるので始末が悪く、注意しようにもできないという次第です。
自然を破壊してまでいい写真を撮りたいか、カメラマン? 
このようなカメラマンは戦場ヶ原に来る資格はない、というのが私の主張なのですが、自己チュウには通じないだろうな(笑)。

070627-20.jpg
ワタスゲの時期、素人カメラマンの侵入によって裸地となってしまった戦場ヶ原。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です