2006年5月24日
金精道路が開通し、閉ざされていた白根山(標高2578メートル)へのルートがぐっと近くなりました。
百名山として知られ、関東以北で最高峰を誇る白根山は景色も素晴らしいことから、春から秋にかけて登山者が絶え間なく繰り出すほど人気のある山です。
仕事も一段落し梅雨入りまでは比較的天候が安定、私はしばらくの間、アウトドア三昧の日々を送ります。
週に一度はパークボランティアとして奥日光を歩いて花の状況を調べたり、他にも登山やハイキングなど、やりたいことは山ほどあって時間が足りないくらい。計画的にこなしていこう。
天気に恵まれた24日(水)。かねてから計画していた、残雪の白根山登山を決行しました。
奥日光のハイキングコースのほとんどは雪も融け、ハイキングシューズだけで歩けるようになりましたが白根山にはまだ1メートル以上の積雪があって、重装備が必要。この山の厳しさがわかります。
06:55
白根山に登るには湯元温泉や金精峠、丸沼などの登山口がありますが、マイカーなら菅沼(群馬県)がもっとも便利。頂上までの直線距離が短いので、日帰り登山には時間に余裕が持て、安心できるのです。
標高 1744メートル
07:01
入口からしばらくは、こんな平坦な道を散歩気分で歩きます。
標高 1744メートル
07:13
いよいよ雪道となりさっそくアイゼンを着用。
傾斜は部分的に35度もあるため、登山靴では無理だし、スノーシューシューでさえ太刀打ちできません。
標高 1760メートル
右に入ると夏道になりますが今回は雪がたっぷりあるので、登山口から弥陀ケ池へ続く沢を直登することにしました。
標高 1830メートル
07:22
沢を登り始めて間もなく、大小さまざまな石や岩が転がっている地点にさしかかりました。沢の右側に大きく崩壊した斜面があって、コロコロコロ、カラカラカラという音とともに、そこから石が絶え間なく落ちています。
わずか200メートルの区間ですが、怖い思いは覚悟しなければなりません。
標高 1850メートル
07:50
沢は傾斜を増し、息も荒くなります。
ここは斜度30度もあるためアイゼンで足場を作りながら着実に登っていきます。
標高 2010メートル
08:27
どこかで水音が聞こえたので近づいてみると、雪解け水が沢となって流れていました。日本庭園のようで、標高2千メートルを超える地点とは思えないほどの美しい眺めです。
標高 2200メートル
08:58
今まで左右の斜面に阻まれ景色は見えなかったのに、弥陀ケ池と五色山を結ぶコースにさしかかると白根山の全貌が望めるようになりました。
ここからの標高差は280メートル。
標高 2295メートル
09:17
夏道に従えば、一度弥陀ケ池に出て、それから左に巻くようにして頂上を目指すのですが、いい具合に雪が残る広い斜面が見つかったので、ここから頂上を目指すことにしました。
ここも斜度は30度。雪崩という万一のことを考えて、露出した地表に沿って歩くことにしました。
標高 2270メートル
09:40
振り返ると遠く燧ケ岳(2346メートル)が見えます。直線距離で18.6キロ、意外と近くに見えるものですね。
09:52
ここで正規のコースと合流しました。
頂上までの標高差は188メートルですが、ここからガレ場となり、傾斜も厳しくなります。場所によっては両手を使わなくてはなりません。でも頂上は目前、がんばろう。
標高 2390メートル
10:32
これが白根山山頂。もともとは火山であったため、頂上全体が火山礫でできていて、このような突起があちこちにあります。一見、賽の河原といった様相。
突起がいくつもある中で、もっとも高い突起を頂上と定めたようです。頂上へは撮影地点から一度下って、火口のような部分から登り返します。
標高 2565メートル
10:40
最高標高点に到着しました。すばらしい眺めです。
標識のすぐ左に見える山が燧ケ岳。他は残念ながら特定できませんでした(望遠で撮ればよかった)。
標高 2578メートル
東南の方角には男体山と中禅寺湖が見えます。
雲がかかって、いまいちはっきりしないのが残念です。
11:43
頂上を後に、いよいよ下山。今度はいつも昼食をとる五色沼へと向かいます。ルートは登りとは違って、東ルート。
北ルートが火山礫を登るのにたいして、東ルートは傾斜もゆるく、難易度は低い、、、とは雪のない時期のこと。
アイゼンは着けていたもののちょっとの油断で滑り、そのまま50メートル下へ。雪面にピックを突き刺して止めることができました。
標高 2360メートル
11:57
山頂から230メートル下り、五色沼へ向かう途中に立派な山小屋があります。
避難小屋という性格上、炊事設備やトイレなどはありませんが、ここに泊まって白根山に登ったり縦走するのに利用されている様子。
菅沼から登れば日帰りで十分ですが、湯元から登る場合は利用する価値がありそうです。
ただし、管理人がいるわけではないので、管理責任は利用者ということになります。
標高 2247メートル
小屋の内部はとてもきれいで、誰が用意したのか寝具まであります。
無人小屋とはいえ、利用者のモラルが高いのでしょう。
12:11
避難小屋からは緩やかな下りで約10分で五色沼に到着。沼とはいえ弥陀ケ池の7~8倍もあり、小さな湖といった佇まい。
山に囲まれた景観といい、静けさといい、絵になる景色とはまさにこのことでしょう。
五色沼と白根山を眺めながらのご飯のおいしさは、高級レストランで食べる、シェフ自慢のランチにも勝ります。
ちなみに、本日のランチは高級レストランのランチとはほど遠いですがコンビニのおにぎり2ケ、ゆで卵、味噌汁といういたって簡素なもの。
体力の消耗で食欲なし。
標高 2175メートル
今が雪解けの水を集めて、一年で一番美しいとき。水はグラデーションがかかったコバルトブルー。いやぁ、実に美しい眺めです。
こんなところに住めたら最高、なんて日ごろ自然に囲まれて暮らしているくせに欲求は高まるばかりです。
標高 2247メートル
岸辺から眺めると、水の透明度がよくわかります。
標高 2247メートル
13:30
今度は弥陀ケ池へと向かいます。
道は雪に埋もれて見えませんので、私はちょっと迷い道。GPSで方向を確認し、林の中を進みました。
振り返ると五色沼が下のほうに見えます。
標高 2270メートル
13:35
ここは午前中、頂上を目指して登った斜面。私の足跡が見えます。なんだか記念品みたいだなぁ。
標高 2279メートル
13:39
弥陀ケ池に到着。ここも静かで私のお気に入りの場所です。
左に見える雪の斜面に正規のコースが隠れています。
標高 2247メートル
13:47
弥陀ケ池の淵を抜け、ここから視察がてら夏道を下るつもりで探したのですが、とうとう見つかりませんでした。そこで、すぐ脇にあるこの沢を下ることに。
でも、往きに使った沢とはあきらかに違います。
GPSが示す緯度経度を地図上に重ねてみると、これが菅沼から弥陀ケ池に向かって直登する、最短距離の沢であることがわかりました。
なるほどなるほど、それではさっそく使ってみることに。これならさらに時間を短縮できそうです。
標高 2255メートル
14:39
始めは緩やかだった傾斜も、下るにつれてこんな傾斜に。35度はありそうです。
うわぁ、まいったなぁ、と思いましたがここまで来てしまったらもう手遅れで、このまま下るしかありません。そのうちに慣れるだろう!
標高 2073メートル
間もなく往きに使った沢と合流し、傾斜も緩やかに。なんとか無事に下山できました。
時計は3時半。全行程8時間30分の長旅で疲れましたが、白根山を独占するという贅沢をさせてもらい、、十分満足しました。
さあ、家に帰って風呂に入り、冷たいビールをぐびっとやろう。

