快晴の下、混雑を避けて矢板市のミツモチ山へ紅葉を愛でに行ってきた。

2022年10月26日(水) 快晴

ミツモチ山(1248m)に初めて登ったのは今から5年前(2017年)の6月だった。
本命はミツモチ山ではなく、ミツモチ山の北に位置する大間々(矢板市)に広がるレンゲツツジの群落をカメラに収めることであった。
だがその日、猛烈な雨と風の影響で車から降りられる状況ではなく、待機を余儀なくされた。
しばらくして雨は止んだものの風は依然として収まる様子がないことから撮影日和ではないと判断し、近くのミツモチ山へと行き先を変更したのだった。

ミツモチ山は大間々の南にあり、推定距離は大間々駐車場から約3キロ。
アップダウンはないので1時間ちょっとで行けそうに地図で読めた。
大間々のツツジはミツモチ山を下山して風が収まっていたら写真を撮ろう、そんなつもりで登り始めた。

初めて登る山なので多少は緊張する。
歩き始めたものの登山につきものの傾斜が現れない。
というか、なんとなく下っているようにも思えた。
いや、実際には登っているのに、緊張のあまり下っているかのように錯覚しているのだろう。
それとも道を間違えているのだろうかという疑問すらいだいた。
しかし、道標に従って歩いているのでその考えを捨てて歩き通したところ、なんと下りながら山頂に着くという実に貴重な登山体験をしたのだった。
この辺のところはそのときのブログで。

そのような貴重かつ奇妙な体験をしたので次はぜひ、本当の登りを経験したいと考えておこなったのがツツジが見ごろを迎えた翌年の5月だった→こちら
低山ながら眺めがよくまた、傾斜が緩やかで実に快適な登山となった。
日光にこんな山があったら毎日でも登りたい、そんな気分にさせてくれるいい山なのである。

話は変わって今の時期、県内各所は紅葉が見頃を迎えているが、前回の山行ブログ(古賀志山馬蹄形ルート)にも書いたように紅葉を観に奥日光なんぞへ行ったら予定の時間に帰って来れなくなる。
その点、那須連峰は日光ほどの混雑はないし山域は広く人が分散するので紅葉を目的に訪れるにはいいだろう。
しかし、遠いのが難点である。
我が家から2時間以上かかるので、であればあと1時間余計に走ればさらに空いている福島県の山に行くことができる。
もっと手軽に紅葉を楽しめる場所はないかと晩酌しながら考えたところ、日光からさほど遠くない矢板市にミツモチ山があることを思い出した。

我が家から45キロ、湯元温泉へ行くのに比べて5キロ遠いが、日光の国道の渋滞を考えれば走る時間は湯元へ行くよりも短い。
展望がいいし、緩やかな傾斜のまま山頂まで行ける手軽さがいい。
それと広葉樹が多いから紅葉が期待できる。
行くならミツモチ山だとすんなり決まった。

メモ(GPSはGeographicaを使用した)
・歩行距離:10.9キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:4時間53分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:769メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

スタートは2018年と同じ栃木県民の森キャンプ場にした。
県民の森からミツモチ山へ行くルートは多様で複雑。
今回は2018年とは違うルート(最後に掲載した地図を参照)を使ってみようと思う。


駐車場を出てすぐのところ。
2018年は道標に従ってアスファルト道路を左へ進んだが今日は正面に見える丸太の階段を上がることにした。
道標はないが地理院地図によればミツモチ山への登山道に間違いない。


斜面をトラバースするように敷設された道は広く、開放感があって快適そのもの。
傾斜は緩い。


ミツモチ山の麓を緩やかに登り、第1展望台に着いた。
ここまで車道が通じていてマイカーで来ることもできる。


展望台からの眺めはいい。
展望台は等高線の870mラインに位置し、南から西に向かって開けている。


うひょ~、富士山が見えますな~(ズームして撮ったのをトリミング)。


男体山と木々に隠れているが女峰山も。
男体山の左には錫ヶ岳、皇海山まで見える。


ここで第2展望台への道がふたつに分かれている。
どっちへ行っても第2展望台で交わるが2018年は右の道を行ったので今日は直進することにした。


標高で250メートルほど上がった。
さすがにこの辺りまで来ると紅葉が始まっていた。


第2展望台
2018年に来たときは老朽化で立入禁止になっていたが再び使えるようになっていた。
さて、ここからだとどんな景色が見えるかな?
2018年5月の状態


展望良好!
筑波山が見える。


展望台のすぐ脇に真っ赤な実をつけたナナカマドを見つけた。


展望台から先は地図にある軽車道が登山道を兼ねている。
山の中にある軽車道(林道)はとかく荒れていて歩きにくいのが多いが、ここのは今でも使われているためか幅が広く、倒木や大きな石などもなくとても歩きやすい。


地図にある送電線の下を通過。


黄葉したカラマツ。
もう少し経つと葉がサラサラと舞い落ちるのだが、それがまたキラキラ輝いて美しい。
黄葉と落葉、二度の楽しみがあるのがカラマツのいいところだ。


広葉樹林の中を走る軽車道。
鬱蒼として薄暗い林道を歩くのが嫌いな管理人もこれなら満足。


ここでジグザグに造られている軽車道をショートカットする道が始まる。
笹原を切り拓いて敷設されたショートカット道はわずか数分で軽車道と交わるのでショートカットのメリットが感じられない。
それに軽車道の方が傾斜が緩やかだし展望がいい。
今日は2018年とは違う道を歩くため軽車道を進んだ。


2018年に下山するときに歩いた道。
笹が生い茂って歩ける状態ではなくなっていた。
2018年5月の状態


おぉ、トリカブトではないか。
ここも植生が豊かなんだ!


軽車道のカーブから見た茨城県方面。


ガマズミでしょうね。
焼酎に漬けるといい色の果実酒が出来る。


カエデの紅葉。


ミツモチ山が間近に見えるようになってきた。


もう一度、軽車道のカーブからの眺め。


歩き始めて2時間で山頂直下の広場に着いた。
テーブルとベンチがあるので休憩にいい。


広場を右に上がったところが山頂で、完成したばかりの展望台がある。
ただし、本日現在まだ使えない。
完成はしているものの工期を10月31日までと広報しているため、役所(たぶん栃木県)の立場上、前倒しにするわけにはいかないのだろう。
11月1日オープンと謳っておきながらその前に利用させるとは何ごとか、というクレームを想定しているのかもわからない(そういったどうでもいいことに対して苦情を申し立てる俺様主義の人はどこにでも存在するもんね)。


先ほどの広場へ降り、次に見晴ピークへ向かった。
地理院地図には見晴ピークから別の道で下山できるようになっている。


ここが見晴ピークだが岩だらけなので腰を落ち着けて休める場所がない。
なお、ここにミツモチ山山頂と書かれた木柱があるがなにかの間違いであろう。


岩角に浅く腰を掛け、簡単な昼食とした。
1ケ135kcalのあんぱんを2ケ、ゆっくり咀嚼しながら腹に収めた。


10分ほどで昼食を終えて笹が生い茂る斜面を下山し始めた。
これでも地理院地図には登山道として描かれているのだがね。


地理院地図の登山道に沿って忠実に歩いてるつもりなんですが、、、
ちなみに赤線は2018年の軌跡で今回のは青線。


ここで本来の、使われている登山道と合流した。
地理院地図の登山道とまったく合っていない。


ブナの黄葉。
そういえばこの下山道はブナが多かった。


歩く人はそれほど多くなさそうなルートだが笹が刈ってあり、安全に心地よく歩ける。


下山が終わって軽車道と合流、左へ行くことにした。


麓の道は複雑怪奇でどの道を進んでいいのかわからない。
管理人は今、スマホに表示されている赤い矢印(軽車道上)にいて、この先の分岐を左折して車道に出ようと思っているところだ。


その分岐まで来て左の道を進んでいったところ、、、


軽車道は雑草に覆われていて歩けるどころではなかった。
分岐まで戻って今度は直進してみたが同じ結果だった。


長い距離を沢まで戻り、点線の道を歩いてようやく車道に出ることができた。


広大な芝生の広場。
県営らしい手入れの良さと広さだ。展望もいい。
芝生に直接腰を下ろし、秋の陽射しを浴びながらここで20分ほど休憩した。


芝生広場での休憩を終えて駐車場に戻ることにした。
朽ち果てた木橋を恐る恐る渡った。


苔にびっしり覆われた道は絨毯の上を歩いているようで心地いい。


キャンプ場の駐車場に戻り、登山と言うべきかハイキングと言うべきか、いや今日はピクニックだな、が終わった。


2018年に歩いた道(青線)と今日、歩いた道(赤線)を地図に再現してみた。
第2展望台から軽車道のカーブが始まる標高点1082まで同じ道を歩いたが、他は違う道を歩いた。
次の機会にはまた別の道を歩いてみよう。

30日(日)に常連さんと女峰山に行く予定がある。
前回、20日の山行時は右脚に腸脛靭帯炎を発症して辛い思いをしながら下山した。
その後朝夕、腸脛靭帯と大臀筋に対してストレッチと筋膜剥がし=筋膜リリースを続けて昨日で5日となり、今日はその効果を確かめるのが目的だった。

管理人、2009年の冬に自分のミスで右の足首を骨折し、手術をおこなっている。
手術は無事に終わったとの医師の話だが以後、さまざまな不調に見舞われていて、そのひとつが腸脛靭帯炎である。
足首骨折と膝の痛みとどのような関係があるのかと疑問に思う読者もいるだろうが、関係あるのである、管理人の場合は。

人が地面の上を歩くとき、拇趾球(親指の付け根)で地面をとらえて前進するが、管理人はそれができない。
いや、正確には左足はできるのだが右脚は手術後、それができなくなっている。
手術後、右足首が外側に傾くようになり、地面をとらえるのは拇趾球ではなく小指の付け根という具合だ。
極端にいうと右脚だけO脚なのである。

O脚であるということは膝の外側を走っている腸脛靭帯と膝の外側の骨との間に摩擦が生じ易く何千回、何万回という膝の曲げ伸ばし(しかも深い)を伴う山行の場合、摩擦によって腸脛靭帯が炎症を起こすわけである。
腸脛靭帯炎は膝の曲げ伸ばしの少ない日常生活や平坦路の散歩では絶対に発症しない。
腸脛靭帯炎は山でしか発症しない、厄介な症状なのだ。

というわけで、いくらストレッチをやっても筋膜リリースをやっても、それが効果に結びついたかどうかは山を歩いてみないとわからないという不安定さなのである。ストレッチや筋膜リリースは出たとこ勝負博打的要素の強い予防法といえる。

ストレッチと筋膜リリースを続けたのが功を奏したのかそれとも、拇趾球に意識を集中して歩いたのが良かったのか、今日はまったく問題なく下山することができた。
とはいえ、距離が長くなおかつアップダウンが多い女峰山にも通用するかといえばまったく自信がない。
結果がすべてを語る、となるはずなので次回のブログをどうぞお楽しみに。

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