雪山登山から一転、花を求めて古賀志山へ。早春のひとときを花と戯れる。

2016年3月22日(火) 快晴

3連休が終わって快晴の今日、宇都宮市のOさんからもらった情報を頼りに古賀志山にカタクリを探しに行くことにした。
古賀志山に最初に訪れたのは一昨年の10月だったが時節柄、当然ながら花などはなく登って降りてそれでお終い、というほど実は単純なものではなく、標高わずか583メートルという低山ながら鎖場があって怖くもありまた、地図にないバリエーションルートがたくさんあり登山の楽しさが広がる山であるという印象で帰ってきた。
いつかあの足がすくむほどの岩をこの手でよじ登ってみたい、そんな気持ちにさせてくれる山であることがわかったのだがそれだけでなく、古賀志山は花の宝庫であることもOさんから聞かされた。

管理人、藪歩きや地図にない道ばかり歩いているわけではなく、花の季節に登山をするときなどは長時間、立ち止まって写真を撮ったりするほど花が好きなんです。
ただ、悩ましいのは時間との勝負の登山では撮影に費やす時間が多くなり、肝心の登山が捗らないことだ。

古賀志山は600メートルに満たない里山なので、平地の花と山の花とが混在していて面白い。日光だと珍しい花が古賀志山では平気な顔をして(笑)、咲いているので驚く。
昨年は3月から花を見に訪れたのだが日光で珍しい花はもちろんのこと、日光にはない花もたくさん見ることができ、古賀志山の奥深さに感心したものだ。

それから一年が経ち、古賀志山にふたたび花の季節が訪れた。
日光の残雪の山に登ったり花の古賀志山に登ったり、忙しい毎日だ。


9:37、一般的な登山ルートの森林公園駐車場はこの時間にもかかわらず、多くの車が駐まっていて次から次へとハイカーが古賀志山へと向かっていく。
車はほとんど、県内ナンバーだ。


駐車場から5分も歩けばこのような光景に出会える。
赤川ダムの湖面の向こうに見えるのが古賀志山だ。


今日はカタクリを始めとして、古賀志山の花を見るのが目的なので、まずはダムの周辺をゆるりと散歩することにした。
これはアセビ(馬酔木)。


赤川ダムから離れて地図にある北コースの入口に行くとカタクリの小群落が見つかった。
咲くのは今週末から来週にかけてのようだ。


これはキクザキイチゲ。
キンポウゲ科イチリンソウ属の花で、菊の花のように多重の花弁をもつことからその名がついているのだと思う。


昨年9月の豪雨で道筋が変わり、わかりにくくなった北コース。


花を探すのに夢中になってこんな藪の斜面に入り込んでしまった。歩き始めて30分も経っていないのにすでに道迷い状態(笑)


藪を突っ切ると道に出たので斜面を上っていくとカタクリの群落と出合った。
急斜面の道の両側に数百株はあるだろうか、咲いているのはまだ少ないが咲きそろえば見事だろうと思う。


うっ、なっ名前が出てこない(笑)
スミレなんだけど、思い出せない。日光では見たことがないのかも。

その後、ネットで調べてナガバノスミレサイシンらしいことがわかった。尖った唇弁に惑わされてしまい、見分けの本質を見誤ったみたい。
管理人がよく見るサイト、「植物図鑑・撮れたてドットコム」に、“葉柄や花柄のつけねが地中にあり,地面から葉と花が別々に出ているように見える“という記述が見つかったので写真をよく見ると、まさにその通りだ。これでスッキリした(^^)


1株だけだがエイザンスミレまである。


広い斜面一面に分布するカタクリ。だが咲いてるのはまだ少ない。来週が見ごろではないかと思う。


ロープが張ってあるがおそらく、登山者が立ち入らないようにして植物を保護しているのであろう。


この急斜面を登り終えたところが東陵コースとの出合いで鎖場がある。


東陵コースは連続して鎖場のあるバリエーションルートで、管理人が初めて岩場を経験したのがこのルート。
鎖はあるが垂直に近い岩なので足を踏み外すと大怪我必至。ここを鎖を使わないで登るのを自分への課題としている。
手がかり足がかりとなる岩の凹凸を探しながら、5メートル登るのに10分くらいかかった。


今日のルートは鎖場が3つ続くがいずれも鎖を使わないで登ることができた。
気力がないときはやはり鎖を使ってしまう。


最後の岩を登りきると展望が開ける。東陵見晴台という広場だ。
東から南へかけての展望が良く、宇都宮市街の向こうに筑波山が見える。


北西の方向には日光連山が見えるが木々の葉が茂ると視界は狭くなる。


タテハチョウ亜科のヒオドシチョウ(緋縅蝶)。


東陵見晴台から数分も歩くと古賀志山山頂。ここも広場になっているが見晴台ほどの展望はない。
だが古賀志山を愛する地元のハイカーの社交場となっていて昼時は多くの人で賑わう、、、のだがどうしたわけか12時20分現在、3人だけ。
駐車場から出たあの大勢の人はどこへ行ったのだろう?


管理人、どちらかといえば古賀志山よりも同じ稜線にあって展望が良い御嶽山の方が好きで、休憩はもっぱら御嶽山だ。
古賀志山は写真を撮るだけにして御嶽山へと急いだ。


御嶽山の手前に立ちはだかる大きな岩。ここは道標にしたがって左の巻道を辿り岩を回避するほうが安全でいい。
実は今月13日、この岩で足を滑らせて10メートル下の斜面に転落し、亡くなったハイカーがいる。前日の雨で岩が濡れていて滑ったのではないかと推測するが、身近な山で痛ましい事故が起こったことをとても残念に思う。
滑落したと思われる斜面に向かって合掌。


古賀志山主稜線上の御嶽山。
標高は560メートルと古賀志山におよばないが展望は素晴らしく良い。我が日光連山が一望できるだけでなく、日光市街からだと見えない白根山や皇海山、錫ヶ岳まで見渡せる。
今日はここで昼にしよう。最近は立ち食い歩き食いが当たり前になっているが、今日は岩に腰かけてじっくりいきます。


たぶんアカヤシオだと思うがひとつだけ大きな蕾が見つかった。


昨年のこと、日光連山を見渡せる位置に山座同定盤が設置されると聞いたことがあるが、その工事が始まったようだ。
南東から北西にかけて270度くらいの展望があるので、山座同定盤はパノラマになりそうな気がする。


古賀志山から御嶽山に至るにはこの鉄梯子を上るのが必須だが、元来た道を戻る場合は下る。
安全の基本として、上りも下りも身体の前面を梯子側に向ける。


先ほど説明した滑落事故があった岩。
こちら側から上って向こう側に降りる、あと一歩で地面というところで足を滑らしたらしい。
巻道を迂回していれば防げたと思うと、とても残念だ。


他人の事故のことなので詮索はしたくないのだが、記録として残しておきたい。
上の写真の岩の基部は人ひとりが乗れるくらいの幅しかなく、岩で滑ってしまうとその勢いで地面から放り出されて下の巻道に転落する。下まで10メートルほどある。
悪いことにその落差10メートルの斜面が岩壁であることだ。滑落が停止するまでの間に相当なダメージを受ける。


御嶽山を降り、次は管理人の身の安全を祈願しに古賀志山大神(こがしさんおおかみ)に来た。
今日はここから急傾斜を降りて猪落(ししおとし)に出て、猪落の岩尾根伝いに下山するからだ。


猪落の始まり部分。


尾根道なのだが大小の岩の上を下って行かなくてはならない。
だが景色はサイコー。危険と隣り合わせだが。


正月3日の朝、御来光を仰いだ場所。
なだらかな山がふたつ、右が多気山だがその向こうの鹿島灘辺りから陽が昇るのを見た。


猪落が終わると間もなく南コースと合流し、赤川ダムへと戻ることに。

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