古賀志山で御来光を仰ぎその後、予定外の馬蹄形コースを歩く。

2016年1月3日(日) 天候:快晴、気温:18度、距離:13キロ、累積標高:1580メートル
南コース階段~御嶽山直下~猪落上部~古賀志山大神~御嶽山~中岩~赤岩山~北ノ峰~P444~手岡~伐採地~富士見峠~古賀志山~東(南)陵岩場~林道古賀志線三叉路~南コース入口

元旦に鳴虫山の岩屋観音で今年の安全祈願を済ませ、これからいよいよ2016年の活動に入る。例年ならすでにスノーシューツアーで忙しい時季なのだがこの冬の気象の異常さを物語るかのように、日光のフィールドにはまだ雪はない。
雪が積もってスノーシューができるようになるまで管理人はしばらくの間、本業を離れてプライベートで山歩きを楽しむことにした。

昨年は古賀志山山域を歩き回ったおかげで地形にも詳しくなり、お気に入りの展望地もできた。古賀志山山域の特徴は山頂の他にもルート上に開けた場所がいくつもあって、場所を変えることで360度の展望が得られることにある。
管理人のお気に入りは日光連山の眺めと筑波山方面の広大な展望だ。冬になったら冠雪した日光連山を眺めよう、とその候補地もいくつか頭に入れてあるのだが上に書いたように冠雪はしていない。
今の時季、雪のない奥日光は管理人にとって死活問題であり、冠雪していない日光連山を見るのはつらい。

であれば気持ちが明るくなるよう、年明けにふさわしく御来光を仰ぐというのはどうだろうか。その候補となる展望地はいくつかあるが、日の出前の真っ暗闇の中、岩場を上り下りするのもなんだから、もっとも手近で展望が開けた、「猪落(ししおとし)」にしよう。そこなら20分もあれば十分だ。

御来光を仰いだあとは早めに帰って今日の寝不足を補うために昼寝でもしよう。そんな予定でいたのだが、また例によって、、、心変わり(^^)


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古賀志山南コース直下の林道に車を駐め、日の出に合わせて出発しようと待機していたところ、あとからやってきた年配4人組に声をかけられた。日の出が見られる場所に案内してもらえないかと。
それは差し支えないので歩き出したのだが10分もすると、ひとりが息切れして歩けないという。それを数回繰り返しついにギブアップ。心拍数が120を超えていて危険なので、無理をしないよう伝えて4人組と別れた。
管理人は同じく駐車場で出会ってここまで一緒だった別の男性と目的地の猪落へと急いだ。
※写真は出発時点のもの。本文とは関係ありません。

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予定を大きく遅れて目的地の猪落に着いた。上空は明るくなったが御来光にはなんとか間に合った。

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天狗鳥屋(てんぐのとや)と多気山(たげさん)の向こうがもっとも明るい。あの光の帯は鹿島灘の海面に当たった朝日が反射しているのであろう。

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御来光は多気山の方角に間違いないようだ。
ここからだと真東からやや南の方向。
それにしても日の出の反射光が斜め上に広がっているのはどういった現象なのだろうか。地形なのか雲なのか、肉眼では判別できない。

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お~、現れた!!

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ズーム8倍で撮ってみる。

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目を射るほどのまばゆい光。
管理人、これまで御来光を仰ぐなどという日本の伝統を味わったことはないが、この光景には気持ちが温まるほどのありがたみを感じる。この光の前にひれ伏したくなる。古賀志山を通じて管理人の心に信仰心が芽生えたのだろうか(^^)

遅くなりましたがこのブログの読者の皆様、あけましておめでとうございます!

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時間はまだ十分、余りすぎるほどある。
せっかくだから午前中は山の神様にお参りするとしようか。
まずは古賀志山大神(こがしさんおおかみ)へ。
猪落からここへは一度、古賀志山と御嶽山を結ぶ稜線に上って下りなくてはならないものと思っていたのだが、そんなことはなかった。
三角形の底辺に当たるトラバース道が見つかった。正月早々、大発見(^^)

IMG_5170次はこの梯子を上って、、、

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御嶽山まで来た。

IMG_5172御嶽山からの眺めも素晴らしい。
しかし、悲しいかな日光連山は見るに耐えられないくらい雪がない。
そればかりか春霞がかかったかのようで真冬とは思えない眺めだ。
秋から一足飛びに春になってしまったような気候、一体いつまで続くのか。

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猪落といい御嶽山といい、ここまで素晴らしい展望を見てしまうとつい、欲が出る。古賀志山山域で展望が良い場所はまだたくさんある。
家に帰って昼寝、などという先ほどの気持ちは吹き飛び、今日はこれから展望地巡りをしよう、といとも簡単に方針転換をする管理人である(^^)
まずは御嶽山と赤岩山を結ぶ稜線上の中岩だ。

IMG_5194中岩は地図に名前の記載はないが御嶽山と赤岩山を結ぶ稜線上に546と表示されたピークのこと。
ここは南東から南西へかけての展望がいい。
ちなみにこのピークの南面にカニの縦這いという非常に危険な岩場がある。

IMG_5198これから向かう赤岩山がよく見える。

IMG_5200中岩から赤岩山へ向かう途中に落差5メートルほどの岩場を下る場所がある。傾斜は急だがロープが設置されているので慎重に下れば大丈夫、、、のはずなのだがそのロープがない。
ロープがほどけて外れるはずはないので人為的なものであるのは間違いない。しかも、2本のロープの両方とも外されている。

DSCF563611月27日に歩いた際に使ったロープのうちの1本。
このロープは枯れた立木を支点としていて、立木はぐらぐらしているという事実をその日のブログに書いておいた。
その後に撤去されたのは間違いないが、その意図はわからない。

DSCF5637もう1本のロープは上の立木のすぐ下、これはしっかりした支点なのだがロープが古い。
このロープも外されている。写真は11/27時点のものでロープが2本写っている。鎖は残されているが長さは1メートルほどで5メートルの岩を降りるには足りない。
したがって急な岩場をロープなしで下ることになった。
ちなみに管理人はこのような岩場にロープを設置したり撤去する基準ならびに、それを管理するのはどこなのかに関して知らない。
古賀志山のような個人の所有物(50%占めているらしい)に勝手にロープを設置してはならないだろうし、設置したならしたで保守をおこないまた、勝手に撤去するのもいけないだろうと思っている。設置するにしても撤去するにしても責任が生じる。

IMG_5201長さ1メートルの役に立たない鎖だけ残された立木。
オレンジ色の細引きは以前からあったがなんのためのものかは不明。自前のロープで降りるときに使った捨て縄かもしれない。

IMG_5203ロープが外された岩を降りて、見上げたところ。
ロープなしで上り下りするには経験が必要と思う。

IMG_5207細尾根を赤岩山へ向かって進んでいくと二尊岩(にそんいわ)がある。
NOP法人・古賀志山を守ろう会のホームページによれば、大日窟の不動明王と地蔵菩薩を模して、このふたつの岩を崇めたのが二尊岩の名前の由来であると説明されている。

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とうとう赤岩山まで来てしまった。
御来光を拝んだら帰るつもりだったのに、ずるずるとここまで来てしまった感じ。どうせだからここまで来たついでにこの先、とことん歩いてやれ!(^^)
さあ次は猿岩、その次は北ノ峰、そのまた次はピーク444を回って古賀志山に下りる、ネット上で馬蹄形コースと呼ばれているルートだ。岩場あり急傾斜あり踏み跡なしで、半年前に歩いたときに道を間違えて藪こぎしたルートに再挑戦することにした。

馬蹄形コースというのはどこからどこまでを指しているのかわからない。ネットの情報それぞれでルートが異なっていることから、“これっ“といった決まったルートがあるわけではないようだ。地図に道が描かれていないしガイブックにも掲載されていないので当然かもしれない。

昨年6月30日にネットの情報を頼りに馬蹄形らしいルートを歩いたことがある。いやぁとにかくわかりづらいルートだった。ルートは事前に設定したとおりだったが、ひどい藪歩きを強いられた。道間違いも起こした。時期が時期だけにクモの巣が顔にまとわりつき、糸を引きはがしながら歩いた。それが馬蹄形ルートである。そのときの様子はこちらをご覧いただきたい。地図も掲載してある。

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赤岩山を抜けて西へ向かって歩いていくと南へ分岐する道がある。分岐を下る方向へ二回、折れると断崖の上に「猿岩」がある。
案内板の右側に岩の上に至る道がある。
巨大な岩の一部で、下から見上げると猿の横顔に見えるのが名前の由来らしいが、他にも猿でさえ登れないほどの急峻な岩という意味も込められているようだ。

IMG_5223猿岩の上に立つとここも日光連山がよく見える。
岩頭部は平らで休憩に適しているが三方向、切れ落ちているので注意。

IMG_5224今日は朝食抜きで飛び出したのでここで日光連山を眺めながら遅い朝食とする。
御来光を眺めながら食べよう思って用意したカップ麺だったが御来光の荘厳さに遠慮して、ここまで我慢した。

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古賀志山から御嶽山、中岩、赤岩山と続く稜線上の最後のピーク、北ノ峰に着いた。稜線のもっとも西に位置し標高は433メートルで三角点がある。
稜線の最西端にあるのになぜ「北」という字を充てるのかを疑問に思っていたところ、古賀志山を守ろう会理事長の池田さんから、麓の古賀志の人々から見てもっとも北に位置するのがこのピークだからとご教示いただき、大いに納得した。

IMG_5232北ノ峰からの眺めもよく、これから向かうピーク444がよく見える。
標高差はわずか10メートルしか違わないが、北ノ峰から一気に200メートル下って210メートル上がらなくてはならない。かなり厳しい。
ルートは古賀志山のバリエーションルートの中でもっともわかりづらい。

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北ノ峰から北西に向かって細く、急な傾斜を下っていくと左に大きな岩壁が現れる。
道はここで分岐しているが、踏み跡は薄く獣道なのか人が歩いた道なのかが判然としなくなる。
さて、ここでまず見ておきたいものがある。

IMG_5242岩壁に沿って進むと岩壁は右へ曲がりそこで終わっている。そのまま進むと籠岩に行ける。
その曲がったところ、地面から3メートルほど上に洞窟があり、台座の上に卵形の石が乗っている。これまで見て来た神仏の形に削られたものとは異なる。といって自然の石そのものでもなく、明らかに人の手が加えられている。
帰宅して本で調べるとこのような卵形の像(といっていいのかどうか)はお坊さんの墓の特徴で、それは「無縫塔」というのだそうだ。

IMG_5251次のピーク444へ行くには一度、林道まで降りるのだが道のない山道を歩く際の鉄則として尾根を利用する。
が、ここから先、藪歩きを覚悟しなくてはならない。それと一応、尾根ではあるが幅が広くてわかりづらい。

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砂利が敷かれた林道に出たがこの林道は地図に描かれていない。半年前はそれで混乱した。鉄塔建設のために新しくできた林道なのだ。
地図の林道へ出るにはここから中央に見える笹藪を突っ切る必要があった。

IMG_5258藪を突っ切るとそこで見る光景は無残な土石流の堆積だ。
昨年9月の豪雨でピーク444の植林地が崩れ、その勢いで次から次へと崩れていった結果がこの光景だ。
大量の土砂と岩、杉の木が下流へと流れていき、1キロ先の県道を塞ぎさらには住宅を襲った。その住宅の裏の畑には今もその土砂が堆積されたままになっている。
植林地の土壌の弱さをまざまざと見せつけられた思いだ。

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土石流の現場を横断すると地図に描かれた林道内倉線と出合う(ただし、地図に林道名は書かれていない)。
守ろう会が設置した標識にしたがってP444/腰掛岩と書かれた方へ進む。林道を横断した先に見える踏み跡がそうだ。

IMG_5262踏み跡はすぐに見えなくなり藪歩きとなるが斜面は広く、どこが尾根だか判然としない。遠方を見ながら自分が歩いているのが尾根の上であることを確認しながら、上へ上へと上って行く。

IMG_5267地図を見るとピーク444下部は岩のマークが長さ300メートルにわたって描かれている。
このように岩が連なっている場合は地図を見て、岩の両端のうち、標高の低い方を探してそこへ向かって進むといい。そうしないで岩の途中へ進んでしまうと巨大な壁にぶつかり、進路を阻まれる結果となる。ということをこれまでの古賀志山の経験で知った。

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岩を登り始めて高度を稼ぐと「腰掛岩」と出合う。その名前の通り腰掛けの形をした岩だ。どういった作用でこのような形になるのか、摩訶不思議。腰掛けに座ってそれを考える管理人(笑)
ところで、ここまでキャノンのIXYで撮っていたのだが、ここにきてバッテリ切れを起こした。充電済みの予備に換えたがだめだ。
前々から電池蓋の具合が悪く電池を認識しないことがあったので最期を迎えたらしい。スマホに切り替えた。

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ピーク444にある石の祠。歴史のほどはわからない。
気温はぐんぐん上がって18度に達した。まるで秋の気候だ。上半身は汗でびっしょり。
よく考えてみるといつもなら出がけにモンベルのアンダーウエアに着替えるのだが今日に限ってユニクロのエアリズムというのを着てきてしまった。昨夜、風呂上がりに着たのをそのままに出かけてしまったのだ。モンベルだと濡れても体温で乾いてしまうのにユニクロは大失敗だった。仕方なくモンベルの中間着1枚だけにした。
山のウエアを着ないまま出かけてしまうとは、歳とともに物忘れ(というのか、この場合は)の深刻さを自覚する管理人である。そのうち、地図をもってこなかったりザックを忘れてきたり、終いには靴を履かずに歩き始めたりと、数年先の姿が思い浮かぶ(汗)
あっ、いや、今回は御来光を見たらすぐに帰るつもりでウエアに気を遣わなかったような気がするし、4時半の出発に間に合わせようと慌てていた気もする。まっ、どちらにしても歳のせいで記憶が曖昧な管理人である(^^)

20160103_123532ピーク444から尾根道を北北東に向かって歩いていくと整備された階段道になる。しかし、古賀志山のバリエーションルートに普通、階段などないから登山者のために整備された道だなどと思ってはいけない。
これは送電線の鉄塔を保守するための巡視路だ。とはいってもこれ以外に道はないので進んでいく。

20160103_130716ほら、やっぱり(^^)
階段が終わってもそのまま北北東へ行くべきなのに、どうしたわけか北に向かっている。
軌道修正して東へと向かったところひどい藪歩きとなり、さらにはこんな急斜面となった。これが古賀志山の面白さだ、とこの場は強がりを言っておく(^^)
ちなみに山での軌道修正の基本は元来た道を間違った地点まで戻ることだ。管理人のようにそれをしないで強引に進むとこのような結果になる。
まっ、そのときに新しい発見をすることも多々あるのだが、、、

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なんとか予定の尾根に乗り急斜面を上っていくとT字路に当たる。そこも尾根になっている。
地図をよく見てT字路を右、南へと進む。そこをまっすぐ進んでいくと古賀志山だ。

20160103_14330514:33
古賀志山のルートは複雑だ。
上の写真の尾根を進んで行くとまたもやT字路になる。すぐ右には写真の大きな岩が立ちはだかっていて道は途切れる。
古賀志山へはT字路を左へと進むがここで一息入れるために岩を登ったところにある広場へ行こう。弁天岩だ。日光連山が一望できる絶好の場所なのである。

20160103_143901ここが弁天岩。ハイカーの間では弁当岩とも呼ばれ、日光連山を眺めながら弁当を食べるのに適していることからきているらしい。
弁天岩も弁当岩も地図に描かれていないので位置を説明するのは難しいがピーク559の西側、岩記号の場所だ。
そういえば古賀志山にはおむすび山(おにぎり山だったかな?)という愛称をもつピークもある。地元のハイカーが付けた楽しい名前だ。

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弁天岩で引き返して同じ岩を降り、古賀志山に着いた。もうこんな時間か。朝、駐車場に着いてから10時間にもなる。

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古賀志山から駐車場へは15分とかからないが、せっかくだから最後の力を振り絞り、遠回りになるが岩場を下ることにしよう。
東陵コース(途中で東南陵コースに移行)の5つの岩場を下って林道古賀志線に出て、アスファルト道を駐車場へと向かうことにした。
写真の岩は東陵見晴台のすぐ下のもの。今日の課題は5つの岩をすべて、鎖やロープを使わずに下りることだ。できるだけ、、、

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御来光を見たあと、欲を出して長距離を歩いたために時間がかかってしまったが、なんとか無事に駐車場に戻ることができた。
林の向こうにいまにも沈もうとする太陽が見える。
上る陽と沈む陽を同じ日に見る、貴重な一日を経験した。
これまで古賀志山で最長の時間を過ごした日でもあった。

map管理人がそうであるようにいまや情報をネットで収集するのは当たり前であり、おそらくこのブログ記事も少なからず、利用されているものと推察する。
その場合、記事と写真だけではどれほど想像力を働かせても計画策定に限界がある。地図があれば計画は少し正確になると思うし、道間違えの減少につながる。
そこで今年は特に危険が伴うルートについては記事と写真に加えて、地図も掲載するようにした。
地図には歩いたルートを赤線で表示し、注意すべき箇所には説明を施した。
ただし、ブログは歩き終わった後で、記憶と写真を頼りに作成するため間違いや抜け漏れが多数あるはずだ。他の情報と照らし合わせるなど、ご自身で精査の上で利用してください。
また、古賀志山のバリエーションルートを安全に歩くには、読図力に加えてコンパスを使えることことが必須であることも申し添えておきます。

 

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