古賀志山大外周りで久々に長距離トレッキング。が、腸脛靭帯炎発症で大いに苦しむ管理人であった。

2015年11月27日(金) 天気:快晴、気温:13度
赤川ダム駐車場~天狗鳥屋~長倉山~鞍掛山~鞍槍~猪倉峠~P559~富士見峠~古賀志山~御嶽山~赤岩山~大日窟~赤川ダム駐車場

DSCF545326日に一日中降った雨は山沿いでは雪となり、11月としては異例とも言っていいくらい、奥日光の山々が冠雪した。
根雪にこそならないが例年であれば12月半ばになって初めて冠雪するところ、3週間も早いとはこの冬の天候の不順さに気味の悪さを感じる。
まっ、それは実際に12月になってみないとわからないが、昨日の冠雪はじつに見応えがあった。

自宅から一歩、外へ出ると女峰山と赤薙山をすぐ目の前にする。それまで山歩きとは無縁であった管理人が山歩きを始めたきっかけはこの冠雪に輝く山並みを見てからだ。大急ぎで地図を買い、調べてみると女峰山と赤薙山であった。
2千メートルを超える山がこんな身近にあることに驚き、銀色に輝く姿の美しさに憧れた。いつかあの山頂に立ってみたいものだ、それが管理人を山に結びつける動機であった。

古賀志山山域を歩いていると日光の山並みがよく見える。見る場所によっては皇海山や錫ヶ岳、白根山、男体山、塩原の高原山、那須連峰といった栃木県を代表する名だたる山を見ることができる。
古賀志山を集中的に歩くようになったとはいえ、管理人は残念ながら冠雪したそれらの山をまだ見ていない。年が明けたらぜひ見てみたいものだと思っていた。それが26日の雪で図らずも実現することになった。

予習として今日、見ることができると思われる山並みをフリーの地図ソフト「kashmir3D」を使って作成してみた。起点は御嶽山山頂。御嶽山山頂は立木が伐採され、ほぼ360度の展望が得られるようになったのでおそらく、この図と同じ景色を拝むことができるはず。楽しみだ。
御嶽から連山

古賀志山はしばらく歩いていない。歩いていないというのは語弊があるかもわからないが、11日から続けて4回、すべてが滝岩である。滝岩は歩き始めて30分もかからないのと岩の上り下りだけなので運動量が少ない(その代わり神経を酷使した)。要は管理人にとって筋力を維持するには距離不足なのだ。

いい天気になるようだし運動不足を解消するためにも今日は最低15キロは歩きたい。が、古賀志山山域で15キロ歩こうとすれば工夫が必要だ。なにしろ山域の範囲が3.5キロ四方しかないから広い日光から見れば箱庭である。そこで、100以上あるバリエーションルートを組み合わせてなんとか15キロになるように工夫するという、頭の体操からスタートする。

今日のルートは冒頭の通りで、おそらく15キロ以上はあると思う。天狗鳥屋(てんぐのとや)は赤川ダムのすぐ近くにありながらまだ歩いたことがないので今日がお初である。
それと、古賀志山山域で予期せず遭遇するさまざまな岩を安全に降りられるようにと、今日はいつもの荷物に加えてロープ他の用具、約2キロを持参することにした。
が、これが原因で腸脛靭帯炎発症という大きなしっぺ返しを喰らってしまった。


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久しぶりによく晴れてくれた。
風が強くて赤川ダムの水面は波立ち、「逆古賀志」は拝むことができなかったがこれだけでも十分、美しいと感じる。

DSCF5469ダムに沿った林道を北コースへ向かって歩くと「トリムコース」と書かれた標識がある。天狗鳥屋への案内はないが地図にはこの道しかない。

DSCF5474う~ん、明るくてなかなかいいコースではないか。

DSCF5477ここで道が分岐し「コブシ岩展望台」の方向に進む。

DSCF5478天狗鳥屋への案内はまだ出てこない。
が、あくまでも方角を重視して進んでいく。

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ベンチがあって赤川ダムを見下ろせる。
ここが天狗鳥屋かな?
いや、待てよ。天狗鳥屋はピークのはずだ。
ここに至る少し前に分岐があってそこから下ってきたではないか。
ということは先ほどの分岐が天狗鳥屋でここはコブシ岩ということになるのか。

DSCF5491先ほどの分岐まで戻って次は標高360メートルの長倉山を目指す。
ドテッ、、、んっ、、、どうした?
いきなり前に倒れた。何が起こったのかわからない管理人。起き上がって見回すと地面に10センチほどの木株が出ている。これにつまずいたらしい。
下を見ながら歩いていたつもりだったがほんの一瞬、目をそらしたスキに足を引っかけたようだ。
道の真ん中にこのような木株があるということは、もともとここは道ではなかった、それがいつしか道になった。そしてじゃまになった木を払った、と考えたい。

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長倉山山頂。桧に囲まれていて展望はない。
天狗鳥屋からここへは今日初めて歩いたルートだが、地味な山頂なのに山頂から派生する道が5本もあるという複雑さ。
地図とコンパスを駆使して方角を定めなくては目的の場所に行けないという、読図能力を養うには最適な地点である。

DSCF5503登山道入口にある案内板。過去、登りに二度、下りに一度、案内板にしたがって赤線のルートを歩いたことがある。
今日もそのつもりだったがここでルートに詳しい男性ふたりと出会い、赤線の他にもルートがあることを教えていただいたので迷わず従う。鞍掛山へのルートは複数本あるのだ。

DSCF5506歩いたのは踏み跡がうっすらついているだけのこんな道であった。
でも案内板の赤線よりは明るいので開放感はある。

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ほう、古賀志山山域に松島などというのがあるのか。予定外だが行ってみることにした。
仙台の松島のように風光明媚な場所なのであろうか。

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松島は分岐から東に延びる尾根の末端にあった。
あった、というのは推測でしかないが岩陵に松の木が数本生え、確かに展望が良いのでそう思った次第。

DSCF5518分岐に戻るので振り返るとこれから向かう鞍掛山が見渡せた。

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分岐まで戻って鞍掛山への急登を進んでいくと大きな岩のテラスに乗る。大岩である。
南西の方角に古賀志山がよく見える。

DSCF5523大岩の梯子を下りて、、、

DSCF5524平坦なルートを進むと、、、

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標高492メートルの鞍掛山。
標高は低いが歩き始めてここまで270メートルほど上っている。生やさしくはない。
山頂からの展望はないがこの前後の稜線からの眺めはいい。

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鞍掛山からアップダウンを繰り返すと鞍槍(シゲト山)に着く。
南北に狭く東西に長い裾野を持つので見る場所によって槍のように尖った形を呈する、特徴的なピークである。
西から北にかけての展望が良く、この時間、冠雪した日光連山が一望できた。

DSCF5541北に塩原の高原山(鶏頂山、西平岳、中岳、釈迦ヶ岳の総称)が見える。

DSCF5555ここが境界線であることを示す石柱だが鞍掛山から古賀志山に至る稜線は、宇都宮市と日光市との境界線上を走っているので現在地の特定に役に立つ。

DSCF5567あと1.5キロほどで古賀志山に着くが日光連山には厚い雲がかかり山並みが見えなくなってしまった。

今日のペースは少し遅い。
予定外の松島に寄ったという理由もあるが、ザックが重いため登りになると急にペースダウンする。
ザックにはロープなどの用具を詰め込んであるのでいつもより2キロ重い。身体もバテ気味だ。

DSCF5597古賀志山直下のきつい登り。
なんとか休みなしで登りきりたい。

DSCF559913:51
厳しくもなんとか古賀志山山頂に立つことができた。
これからさらに御嶽山、赤岩山を目指す。そうしないと今日の目標の15キロに達しない(^^)

DSCF5611御嶽山山頂手前の鳥居。地理院地図で鳥居記号が描かれている場所である。
古賀志山を歩き始めて間もない頃、地図を見てここが御嶽山なのだろうと思ったのだが、GPSで確認すると御嶽山は別の場所を指している。それが不思議であった。
NPO法人・古賀志山を守ろう会理事長、池田正夫氏のブログによればこの鳥居は群馬県榛名山中の天狗山を拠点にする宗教法人、「大世自神霊宗」が建立した小社跡で、御嶽山とはなんら関係ないとのことだ。
余談だが本来ならこの鳥居よりも標高の高い御嶽山を地図に明記してほしいところだが、地理院地図はハイカーが必要とする情報が反映されない。更新のインターバルが10数年と間があるので無理もないので、おかしいと思ったら自分で調べる方が解決が早い。

DSCF561314:06
赤い鳥居から先、岩場をクリアし梯子を上ると標高560メートルの御嶽山山頂。
古賀志山よりわずかに低いが展望は抜群で360度、見渡せる。とくに西から北にかけては県内の名だたる山が一望できる。

この時間、日光連山は雲がかかってしまい見えなかった。読者の皆様には代わりに冒頭にバードビューを掲載したのでご覧ください。

DSCF563114:21
今日の最終目標の赤岩山へはいくつかの難関を乗り越えて進む必要がある。
岩だらけの厳しいアップダウンがあるかと思えば鎖場もあるし、踏み外すと谷底へ滑落しそうなやせ尾根まで揃っていて山歩きの面白さを満喫(気持ちに余裕があれば)させてくれるルートだ。
まずはこの巨岩が行く手を阻む。鎖はあるがあえて使わず、両手と両足でクリアしてみる。落ちたら相当痛い(^^)

DSCF5634先ほどから右膝の外側が痛むようになってきた。登りでは差し支えないがわずかな下りで痛む。
しばらく治まっていた腸脛靭帯炎である。
一度痛み出すとその日は治まることがないという、実に厄介な症状である。辛いのひと言。
いろいろな原因が複合しているのでこれ、ということはできないが、滝岩ばかりで長距離を歩いていないこととザックの重さだと思っている。
だましだまし歩くしかない。

DSCF5635ここも難関のひとつ。岩場の下りだ。
ロープはある。あるのだが、、、

DSCF5636ロープのひとつは朽ちた立木にかかっている。立木は根本がぐらぐらする。

DSCF5637すぐ脇の立木にもロープがかかっているがロープはかなり劣化している。
できればここもロープに頼らずクリアしたい。が、そうはいかない場所でもある。
なのでロープにはせめて衝撃を加えないようにする。

DSCF5640南東の視界が開けて筑波山が見える。

DSCF564214:56
今日の最終目標地点、赤岩山に到着。
ここから南へ下って赤川ダムへ戻ることにしよう。

DSCF5645下りの大敵、落ち葉の堆積である。
右の膝は曲げると痛むからまっすぐの状態を保ちながら歩くという不安定さだ。とにかく慎重に。

DSCF566616:43
赤川ダム脇にある森林公園になんとか日没前に戻ることができた。赤岩山を下山して平坦なアスファルトの林道に出られたときはホッとした。これで膝の痛みは起こらない。
GPSの記録では16キロ超となり、目標達成。
これで運動不足解消?
いやいや、こんなものではお腹に備蓄してある脂肪が燃えてはくれません。


最後にクイズをひとつ。
今日のルートの出発点の標高は217メートルで下山点も同じ。最高標高点は古賀志山山頂の583メートル。
さて、管理人は今日、何メートル登ったでしょうか?
それほど単純な計算ではなく、583-217=366メートルは間違い。
答えは1,594メートル、と次のグラフが答えている。

2015-11-29_20h44_01冒頭にもご紹介したフリーの地図ソフト「kashmir3D」は地図好き、山好きの人にとってなくてはならない助っ人のような存在であり、管理人も古くから利用している。
このソフトなしでは山歩きの楽しみが半減するといって過言ではない。
数多くある機能のひとつを利用してルートの標高グラフを表示させると、ルートの開始から終了までに登った高さも計算してくれる(右欄の下の累積標高)。
古賀志山はアップダウンが激しいからグラフはギザギザになる。つまり上っては下り、下っては上りを繰り返すから標高差以上に上る距離が長くなる。

今日、管理人が歩いたルートは標高差366メートルで累積標高は1594メートル、その比4.36倍。つまり、登山口から山頂までの標高差の4倍も登ったことになる。これが地図やガイドブックでは読み取ることができない、実際の厳しさとなる。ちなみに男体山の累積標高は1679Mで古賀志山とほぼイコール。

日光山域で標高がもっとも高いのは白根山の2578メートルで古賀志山より2000メートルも高い。
その白根山でもっとも人気があるルートの丸沼高原からゴンドラを使って標高2000メートルまで上がって歩き始め、同じ場所まで戻ると仮定すると標高差は578メートルで累積標高は670メートルになる。
今日、歩いたルート(古賀志山)の標高差は366メートルで累積標高は1594メートル。対して白根山は同578メートルと670メートル。標高差は白根山が上回るが累積標高でみると古賀志山が圧倒している。
このように、予定している山の厳しさや疲れた原因を知る場合に、累積標高の概念を取り入れることは十分、意味のあることだと思っている。
今日のルートはかなりバテた。帰宅してGPSの記録をkashmir3Dを使って検証すると、なるほどな、という結果であった。

標高が低い、標高差が小さいと侮るなかれ、古賀志山は白根山をはるかに上回り、男体山に匹敵する厳しい山と言える。管理人がこの山に惚れ込んだ理由がおわかりでしょうか(^^)
詳しいことはこちらで。

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