道間違い多発で意気消沈するが再挑戦の意欲も。

2015年6月2日(火) 古賀志山(中尾根~熊尾根~道間違い~不動滝~猪落~御嶽山~古賀志山~東陵)
天候:晴れのち曇り 気温:最高28度
※この記事には固有名詞がたくさん出てきますがほとんどは国土地理院の地図には描かれていません。その場所がどこを指すのか、管理人にもよくわかっていませんので正確に知りたいのであれば他の情報も併せてご覧ください。


昨年10月から始めた古賀志山詣はネットの情報や古賀志山で出会った地元の人の話、管理人が経営するペンションの常連で古賀志山に詳しいOさんからいただいた情報を基に、できるだけ毎回、未踏破のルートを歩くようにしている。

IMG_4125歩き終えた後はGPSのログを地図に描画して確かめるようにしているのだが、おかげで未踏破部分が少しずつ塗りつぶされてきている。
今日も未踏破の尾根が数本、塗りつぶされたのだがしかしそれは昨夜、管理人が設定したルートとはまったく異なる尾根であり、ガックリしているところだ。

なぜ、設定通りにいかなかったのか、これはもう古賀志山の地形の特徴そしてルートのつけられ方をまだ充分、把握できていないからとしか言いようがない。
古賀志山は3.5キロ四方の中にじつに多くのルートがあって、それらのほとんどは国土地理院の地図に描かれていない。したがって、道標が完備されなおかつ、道がわかりやすい小田代ケ原や戦場ヶ原などとは異なり古賀志山を歩く場合は机上で考えるだけでなく、冒頭に書いたように現地に詳しい人の話が頼りになる。
今日はYouTubeの動画を参考に机上でルートを設定して臨んだのだが、数分という短い動画の情報を頼りに歩くには情報不足であった。

管理人は山行中、地図とコンパス、GPSを頻繁に使うが、地形に特徴がない場所にルートがあったり分岐があるような場合はこれらを使っても間違うことはよくある。方位角でいえばほんの数度という緻密さを求められると地図やコンパス、GPSでは難しい。
正しいと思って入ったルートなのに途中でおかしいと感じ、元の場所まで戻って軌道修正するということが何度かあった。しかし、おかしいと気付くのに数分ならば救えるが、気付くのが遅れると戻るのが面倒になって、そのまま進んでしまう。それは当然のことながら事前に設定したルートから大きく外れる結果となる。
古賀志山はまさにそんな山である。地図に描かれていない道を歩くのだからやむを得ないといえるのだが。まっ、視界に入る地形と地図を照らし合わせ頭をフル回転させながら歩くという知的なゲームが楽しめる、それが古賀志山の魅力ですね。よく間違えはするが管理人の性に合っている(^^)

今日、予定したルートは赤川ダムを起点に、中尾根を西に向かって歩いて伐採地に出、熊尾根で大岩を経て小マラ岩、さらに南下して猪落(シシオトシ)から不動の滝、三本松、御嶽山、古賀志山、東陵の岩場を降りて赤川ダムに戻るという、いってみれば一筆書きのルートだ。
しかし、ルートを1箇所、間違えたために一筆書きは夢と消えた。そればかりでなく、割愛せざるを得ない場所が発生してしまった。
GPSで現在位置を小まめに確認し、地図とコンパスで進むべき方向を見定めるという作業を怠った結果である。目の前に見える明瞭な道を過信したのはまずかった。道間違いの代償は大きいw

いま、PCの画面に映る地図と地図上に描かれた今日歩いた軌跡を眺めているのだが、机上で設定したルートから大きく外れていることにあらためて、古賀志山の難しさがわかった。もう、なにがなんだかサッパリわからないほど複雑怪奇(^^)。
近いうちにリベンジしなくては気持ちが落ち着かないw

冒頭の写真は古賀志山を背景とした赤川ダムだが渇水期に相当するのか、水がずいぶん少ない。古賀志山に通うになったのは昨年10月からなのでこの時期の水量のことはわからないが、5月は雨がほとんど降らなかったことも原因となっているのだろうか。


古賀志山・クロイチゴ登山口に至る車道沿いに咲いていたクロイチゴ。ちょうど1週間前に訪れたときは満開だったが花はほとんど終わり、あとは実になるのを待つだけとなった。

古賀志山・アカショウマこれも車道沿いで見つけたアカショウマ。
日光でいえば標高千メートル以上でしか見ることのできない花がここではごく普通に見られる。

IMG_4139古賀志山の登山口。道標にしたがえば北コースという、地理院の地図に描かれている正規のルート。
管理人はここで別れて中尾根ルートに入る。

古賀志山・中尾根一番岩中尾根ルートを歩き始めるといきなり、写真のような急でなおかつ、大きな岩場と出くわす。これは一番岩といってその後、二番岩、三番岩と続く。
一番岩はさらに、3段に分かれていてそれぞれロープを伝ってよじ登る。

古賀志山・中尾根二番岩これが二番岩。
写真右に見えるロープを使う。二番岩の最上部は段差1メートルほどの垂直の壁になっていて、足の短い人は苦労すると思う。あっ、もちろん管理人ことですよw

IMG_4160二番岩をクリアするとしばらく地上を歩ける。

古賀志山・中尾根三番岩ホッとする間もなく三番岩。
ここは傾斜が緩いのと立木があるのでロープを使わなくてもクリアできるが、安全のためにはロープを使った方がいい。
なお、急な一番岩、二番岩を通らず直接、三番岩に至るルートもある。

古賀志山・軍艦岩三番岩の後は緩やかな登りが続き、写真のように岩の上に岩が乗っかる、奇岩に遭遇する。
ただし、手前に道があるので先へ進むのにこの岩を乗り越える必要はない。
ちなみに、この岩の名前は軍艦岩というそうだ。
管理人には岩の先端がライオンの顔に見えるので、これを獅子岩と呼びたい。

IMG_4175岩の上に乗ってみると展望が開ける。けど、かなり怖いよ(^^)

IMG_4180軍艦岩からアップダウンが続き、岩の中に立ち枯れした木が埋まった特徴ある岩に出る。ここは地図上のピーク496だ。
この岩の向こうに下ってしばらく歩くとT字路になるので西(右)に進む。

IMG_4189薄紫の花をつけるコアジサイだが終わりに近い。コアジサイは古賀志山のあちこちで見ることができる。

IMG_4192植林されたヒノキが伐採され展望の開けた場所に出た。
これから先、管理人の未踏のルート、地元で熊尾根と呼ばれている難路に進む。

IMG_4195熊尾根はここから始まる。伐採地を少し下ってすぐ目の前に見えるこの岩の向こう側に進んでいく。

IMG_4194
あまりの暑さでバテ気味なので少し休憩。気温は30度近い。
管理人、寒さには慣れているのだが暑いのはダメ。

IMG_42095月13日の山行では熊尾根がわからずこんな藪を上って熊尾根の始まりに合流したのだが、このカメラの位置に道があることが今日、わかった。

IMG_4215熊尾根は大岩という場所まで続くが、その大岩というのが情報不足で管理人にはよくわからない。これがそうなのかな?

IMG_4221机上のルート設定では大岩から進路を南東方向に変え「小マラ岩」に達することになっている。
なのだが、目の前に明瞭な道があったのでコンパスを使わずに進んだ。それが大きな間違いの元になったw
古賀志山ではルートがいくつもあるので、コンパスを使ってルートが付いている方角をきちんと見定めないとミスを犯す。

IMG_4228小学校の生徒が書いたと思われる、自然保護を謳う作画があちこちにある。
はて、管理人が進むべき方向はもっと急峻な岩場であるはずなのだが、このような平和な光景と出合い不安になってきた。
もしや里に下りてしまったのだろうか?

IMG_4230なんと、そこは不動の滝と呼ばれているクライミング場であった。ほぼ垂直の壁がそびえ立ち、10名ほどのクライマーが岩登りを楽しんでいた。
ここでルートを完全に間違えたことを確信した。
地図を見ると確かに学校が近い。

IMG_4236滝神社。このすぐ脇に高さ20メートルほどの岩の上から水がしたたり落ちている。雄滝だそうだ。

IMG_4238岩を登る人と下から安全ロープで確保する人。

さて、これからどうする?
じつは滝神社は未踏ルートの最後に訪れるつもりで設定したため、これから先のルート設定を修正する必要が生じてしまった。
地図を子細に眺めても設定したルートすべてを歩くのは無理であることがわかったので、ルートをふたつに分け、今回はそのひとつを歩くことにした。もうひとつは次回に持ち越しだ。

古賀志山・ヒカリゴケクライミング場から「猪落=ししおとし」を経て御嶽山、古賀志山に向かうことにした。
このルートも大きな岩があちこちにあり、洞窟になっている岩にヒカリゴケを見つけた。
ヒカリゴケはそれ自体、発光するのではなく外の光が当たるときらきらと光って見える。写真は肉眼だと見えないがカメラのフラッシュによって光って見えたもの。

IMG_4246ツツジの仲間ではもっとも小さいコメツツジ。

古賀志山・猪落これが猪落。尾根全体が岩陵となっている。猪も落ちるほど厳しい傾斜という例えからついた名でしょう。
女峰山には「大鹿落とし」という絶壁があるが、同じような意味。いろは坂入口の「馬返し」もたしか同じ意味ではなかったかと思う。

古賀志山・御嶽山猪落をクリアすると古賀志山と御嶽山を結ぶ稜線に出るのでまず、御嶽山にいってこれまでの安全に感謝するとともに、これから先の安全を祈願する。

古賀志山・山頂続いて古賀志山へ。
今年は今日で7度目。

IMG_4269古賀志山から先、進路を真東にとり、見晴台へ。そこから東陵コースと呼ばれている岩場を降りる。

ベニサラサドウダンに似たこの花、居合わせた地元の人に聞くとツツジ科の「ナツハゼ」というらしい。

IMG_4271さて、いよいよ東陵コースの岩場を降りることに。ロープの支点から一段下がった岩におり、そこでロープをつかんで降り始める。

古賀志山・水場東陵を歩くのはこれで3回目か4回目なので今日はコースの終わり近くで、北コースという、地図にある別コースに移ることにした。
これまで500ミリのスポーツドリンクを2本飲んでその生ぬるさと甘さに飽きたので、冷たい湧き水を思いっきり飲みたかったのだ。
う~ん、美味い。全身に染みわたる。

ヤマアジサイ間もなく咲きそうなヤマアジサイ。小さなつぶつぶがそれぞれ花で、その脇の白い花弁状のは装飾花。

アカショウマ今日はアカショウマがあちこちで見られた。真っ白なのに赤とはこれ如何に。
根っこが赤いらしい。

IMG_4288北コースの終わり。ここから駐車場までアスファルト道路を10分ほど歩くが道路脇に植物がたくさんあって飽きずに歩ける。