今日も花を求めて会津の山へ。台倉高山と帝釈山で記念バッチをいただく。

2019年6月18日(火) 薄日→霧

先週の木曜日(13日)は梅雨の合間の快晴に恵まれ、お花畑と化した田代山湿原と帝釈山のオサバグサを堪能し、未だにその余韻を感じるほどだ。
生育環境が異なれば植物の種類が違って当たり前だが管理人の地元、日光では貴重種とされている植物、日光では生育していない植物が日光市との境界線上に位置する山で見ることができるのは感動に値する。

貴重種はヒメシャクナゲであり、日光に生育していない種はチングルマとオサバグサであり、これらは先週訪れた田代山湿原と帝釈山によく馴染んで咲いているし、登山者も見慣れた感じで歩いている。
見るたびに ”おぉ”! とか 、”すげぇ!” とか、”やったぁ!” とか、やたらと感嘆符付きの言葉を口にするのは管理人くらいのようだ。

その感動に味をしめ、二匹目のドジョウならぬ感動を求めて今日も訪れた。
ただし、いくらノーテンキな管理人でも先週とまったく同じルートを選ぶことはしない。それだと先週の感動が薄れてしまう。
前回のブログにも書いたが田代山と帝釈山は降った雨を太平洋に流すか日本海に流すかの分岐となる、中央分水嶺だ。そして、その延長に台倉高山がある。

2016年10月、中央分水嶺という名に惹かれて台倉高山に登ったことがある。
往復4時間のショート登山だったが山頂まで樹林帯の中を歩くので展望があるわけではなくまた、ガイドブックによると山頂は360度の大展望が広がるとあったが、ガイドブック発刊以後に成長したとみられる木々と笹で遮られ、帝釈山のように山頂掛けて遠くの山並みを眺めながら昼飯を食べるというわけにはいかなかった。

あれから2年半ぶりの今日、山頂からの眺めが当時よりも良化することはありえないが、オサバグサの群落がある(らしい)との情報を得たので行くことにした。
花好きにはたまらんのです、こういう情報って。

前回(2016/10/27)の記録はこちら

馬坂峠(8:45)~三段田代(9:51)~P2028(10:24)~台倉高山(11:00/11:20)~馬坂峠(13:11)~帝釈山(13:57/14:10)~馬坂峠(14:50)

メモ
・歩行距離:10.2キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:6時間05分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:919メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

 

檜枝岐村を走る国道352号線を御池に向かっていると、住宅や商店が終わったあたりに「燧の湯」へと左折する道、檜枝岐村道がある。
村道はしばらくの間、旅館や民宿が立ち並ぶ道を走るがそれもすぐ終わって未舗装路になる。
帝釈山登山口まで35分という大きな木柱に目を奪われるが、掛け値なしで30分以上かかる。
なんてったって時速20キロ以上は出せないもんね。
オフロード好きの二輪ライダーだったら大いに喜ぶだろうが、これから山に登る目的でこの道を走るマイカー登山者にとって、緊張を強いられる山の中の未舗装路は苦痛に感じるだろう。


檜枝岐村が用意してくれている駐車場には木柱が示すとおり、35分かかって到着。
待機していた村の職員さんから記念バッチをいただいた。
バッチにある通り、帝釈山と台倉高山に咲くオサバグサの開花に合わせて現在(8日から23日まで)、オサバグサ祭りが行われていてその記念に登山者に配っているのだ。
檜枝岐に限らず、福島県の市町村は山の記念行事が盛んで、山開きの日になると記念バッチを配ったり地の野菜を使った味噌汁を振る舞ったりと、登山者を歓迎するのが通例となっている。
それにかかるコストは安くはないものと思うが、古くから山と密接なつながりを持って生活してきた市町村の、山とそれを利用する人を大切にする気持ちの現れのように感じる。


駐車場には左右にそれぞれ15台分のスペースがあるが、管理人が到着したときは左側のスペースは埋まっていた。すべてが埋まるのは時間の問題らしいが、実は今日から20日まで、帝釈山のもうひとつの登山口(猿倉峠)が道路舗装のために利用できないため、その分、こちらに回ってきているようだ。


ここからは帝釈山と台倉高山の両座に登ることができるが、まずは台倉高山に登ることにする。
帝釈山は5日前に登ったばかりなので、今日は時間が余ったらということで、、、


いきなりオサバグサの登場。
この分だと期待できるのかな?


台倉高山も整備されていて歩きやすい。傾斜は急だが。


オサバグサは登り始めてすぐのところに群生していると思ったのだが点在しているだけで群れをなしている様子はない。もしかすると情報の見間違いか?


急登を終えて歩きやすくなった登山道。


樹林帯が開けると三段田代。湿原である。
田代すなわち湿原はこの前にもあって、文字通り棚田のような構造になっている。


タテヤマリンドウ
ここまでオサバグサ、ミツバオウレンと見てきたが花の色はいずれも白。
白以外の花をここで初めて見る。


モウセンゴケ


オサバグサ
歩き始めから登場したので期待をしていたのだが、実際は帝釈山ほど多くはなく、ポツポツと点在といった感じ。


10株ほどにまとまったオサバグサを発見。


スギゴケの間から緑色した細い枝状のものがニョキニョキと出ている。
枝の先端にこれも細長い種状のものが付いている。
この奇妙な植物はなんなんでろ?(秋田の方言らしい)
他の場所にこの枝から葉が出ているのを発見、どうやらツツジらしいことがわかった。


キクラゲらしき物体を発見。
帰宅して調べるとコガネニカワタケらしい。


繭玉のような真っ白いものが地面に落ちている。
正体はすぐにわかった。
これから開こうというギンリョウソウである。


ピーク2028


ミツバオウレン


カニコウモリ


あれが台倉高山の山頂。
青空が広がっているから展望が期待できそう。


アズマシャクナゲ

オオカメノキ、別名ムシカリ
このように虫に喰われやすい葉が特徴なので、虫喰が転じてムシカリと呼ばれるようになったが、正式にはオオカメノキ。亀の甲羅に似た模様をしているのが名前の由来。


コヨウラクツツジ
実ではなくこれでも花です。


2時間15分で台倉高山山頂に。
ここで小休止としましょう。


山頂から西に燧ヶ岳


北西には会津駒ヶ岳


南に白根山
木々や笹のせいで座ると山並みが見えなくなるが、展望はまずまず。
う~ん、ここんとこ山頂からの展望がいい山ばかり登っているせいか、座って遠くの山を眺めるのが当たり前になってしまった。
ここ台倉高山は座ると見えなくなるが、立った状態であれば燧ヶ岳に平ヶ岳、会津駒ヶ岳、白根山がよく見える。管理人が贅沢、ワガママになったと言えるのかもね。


ひと通り、景色を眺め写真を撮り終わったのでさっそく昼メシを。
最近は比較的、時間に余裕のある登山が多いのでパンの立ち食い改め、山頂に腰掛けて、箸を使って食べる米飯を中心にバナナと魚肉ソーセージを、遠くの山並みを眺めながら食べている。
ただし、ここ台倉高山では座るとすぐ近くの山しか見えないのが残念、などというのはワガママの極みか?


まずまずの天候の下、昼メシを終え下山することにした。
まとまって生育しているミツバオウレン。
山では往きには見なかったのに帰り道で発見、ということがよくあります。


三段田代のショウジョウバカマ
これ1株だけだったが終わっていた。


台倉高山の登山道は登り始めてからの2キロがやや傾斜が急だが、それから山頂までの2キロは緩やかなアップダウンの繰り返しになるものの歩きやすい。


オサバグサ
花が小さいだけに立体感ある写真が撮りにくいが、これは上出来。


1時間40分で無事に下山。
往復4時間26分かかったがこれは他の山と同じく、花の写真を撮りながらのんびり歩くため標準時間(※)だったが、普通に歩くのであれば3時間半あるいはもっと短い時間で往復できるのではないだろうか。
ちなみに管理人に写真の趣味があるわけではなく、あくまでも記録が目的。
同じ山に何度も登る傾向のある管理人にとって過去の写真やブログは山行計画を組むのに大いに役に立つ。
普通なら被写体にはなりえないような場所を撮るのもそうした理由による。

でわ、向かい側にある帝釈山登山口へ。

※ここでいう標準時間は昭文社「山と高原地図」に記載されている所要時間(休憩を除く)を指します。


同じ場所に異なるふたつの山の登山口があるのはいい。
その日の気分や咲いている花の違いによって使い分けることができる。
もちろん、その両座に登るのもいい。
ここから帝釈山まで往復で2キロ強。
日光から3時間もかけてやってきたのだ。せっかくだから登ってしまおう、と貧乏根性丸出しの管理人なのである。
記念バッチには「帝釈山」、「台倉高山」と刻まれていることだし、台倉高山だけでは片手落ちというものだ。


けっこう厳しい、この階段。


台倉高山に比べて丈が大きく、花付きが立派なオサバグサ。


まとまるとこんな感じ。


ミネザクラを見られるとは思いもしなかった。


ミツバオウレン


ベニサラサドウダン


とうちょ~
44分で標高2060メートルの山頂に!!
もしもだよ、帝釈山だけを目的にやってきたとすれば、駐車場から山頂往復90分なのにたいして移動時間は6時間。
う~ん、お手軽登山というべきかガソリンの無駄遣い的登山というべきか、変人的登山というべきか、形容に迷うところだね。
そこで本来なら、下山後は車中泊して翌日は別の山に、というべきところだが明日の予報は雨。基本的に雨の日の登山はしない管理人なので、今日のところは帰宅して風呂そして、ビールである。


天候は下り坂。
登頂したときに見えた会津駒ヶ岳だが、この数秒後には霧に隠れて見えなくなってしまった。
弁当の残りを食べて早々に下山することにした。


イワナシ


いい形のミツバオウレン


無事に下山。
帝釈山を往復しても1時間半。
台倉高山へは登らずに帝釈山を目指せば田代山湿原まで行っても余裕で帰ってくることができる。
帝釈山は360度の大展望が得られる(今日は濃霧だった)し、田代山湿原は花の宝庫だ。
往復6時間の移動時間は無駄にはならない。


13日に続いて今日も南会津の山。
これで田代山、帝釈山、台倉高山という中央分水嶺に位置する山をつなげたことになる。
なお、駐車場に車はたくさんあったがこのルートで出会ったのはトレランに来ていた男性1名だけだった。他はみな、帝釈山と田代山湿原を目指していったのであろう。そのように考えるのが当然のように思える。


最初の2キロで200メートル上がればあとは緩やかなアップダウンを繰り返しながら台倉高山に着く。山頂に着くまで展望はないが危険箇所はなく軽登山を楽しめる。
帝釈山も同じ。


馬坂峠の日光側。
一年を通して通行止めのタテ看が林道を塞いでいる。
これが通れるようになれば日光と檜枝岐はぐっと近くなるのだが。
通行したときの様子→こちら(画像1枚目から4枚目)