2018年6月22日(金) 晴れ 行程表
福島県の山へ行くのに管理人がもっともよく利用するのが国道121号線を北上して会津田島で352号線に乗り換えるというルートである。会津駒ヶ岳に登るのに便利だ。
距離は120キロもあるが自宅から2時間40分で会津駒ヶ岳の登山口に着く。決して楽とは言えないが、それは管理人が日光の山の利便性に慣れてしまっているからであろう。他県の山に登るのだから贅沢は言えない。
とはいえ、欲深い管理人のこと、もっと短い時間で福島の山に行けないだろうかと地図で探したところ、、、あった(笑)
地図によると日光市土呂部(どろぶ)から北へ向かって延びている道が2本ある。1本は田代山と帝釈山の登山口になっている猿倉峠を経て南会津町で国道352号線に合流する。もう1本は帝釈山と台倉高山の登山口である馬坂峠を経て檜枝岐に通じている。
国土地理院地図では前者は県道350号線、後者は軽車道の扱いとなっている。
一昨年の9月、福島県境の山が中央分水嶺になっていると知って興味を持ち、そのうちのひとつ帝釈山に登ってみることにした。そのときに利用したのが県道350号線なのである。土呂部から先は未舗装でとんでもない苦労を強いられたが初めて利用する道路ということもあって、半ば楽しみながら走った記憶がある。→田代山と帝釈山(2016/09/15)
帝釈山に登るには猿倉峠から歩き始めて田代山を経由する。
その田代山は全体が高層湿原になっていて雪解けから夏にかけて一面、湿原特有の花で埋め尽くされるのではないかと想像した。
それを確かめたくて今日、訪れることにした。
行程表
猿倉峠(11:32)~田代山(12:59)~弘法大師堂(13:25/14:00)~猿倉峠(15:17)
※距離:6.4キロ
当初の予定
猿倉峠(9:00)~田代山(11:10)~弘法大師堂(11:25)~帝釈山(12:45)~弘法大師堂(14:10)~猿倉峠(15:45)
ぐわ~ん!!
いきなりこれだ(笑)
猿倉峠への県道350号線はゲートが閉じられ「冬期豪雪につき」の立看が、、、
雪はとっくに解けているし、大雨による災害にも遭っていないのに通行止めとは理解できないが、これでは先へ進めない。
※後日わかったのだが、道路を管理する日光土木事務所のホームページには7月20日まで通行止めとあった。工事をしているわけではなく、通年、その期間みたいだ。
だけど、よほどのことがなければ土木事務所のホームページなんか見ないよなぁ。
出鼻をくじかれたので、ではもう1本別の道、檜枝岐へ通じる林道はどうかと車を走らせたところこちらも同様、通行禁止であった。
福島県側から猿倉峠そして馬坂峠へ行く道は問題なく通れるのに栃木県側からだと通行禁止になっていることに、その違いが釈然としないが事実を受けとめるしかない。
時間はまだ早い。天気もいい。
こうなったらゲートを突き破ってでも田代山に行ってやる、というのは冗談だが急がば回れだ。国道121号線まで戻って会津田島で352号に乗り、舘岩で県道350号線を南下して猿倉峠まで走ろう。
福島県側の道(県道350号線)は整備が行き届いていて危険はない。
ただし、未舗装路なので時間がかかる。
閉じたゲートから2時間40分かかって猿倉峠の登山口にたどり着いた。ざっと数えて15台ほどの先着があった。
駐車場はこの手前にもあり、そこにはトイレ(チップ制)まである。
管理人、福島県の山はまだ経験が浅いが、会津駒ヶ岳には登山口にも山頂付近にもトイレがある。この山もそうだ。
山に人を迎える市町村の対応が栃木県とはずいぶん違っているように思える。
田代山まで2キロとあるので2時間みておいたほうがいい。
ということは今日は帝釈山は諦めか。
登山届けを持参したが投函口は閉じられていた。
隣の窓口にパンフレットが。
山頂まで1キロ、1時間とあるから時速1キロで計算した妥当な表示。
南東の方角に高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)。
つ、ついにワタスゲがおでまし。
ワタスゲはこの真っ白、フワフワを見て感激するのが一般的だが、これは花後の実で、花はいたって地味。
花はこちらを。
ヒメシャクナゲ
奥日光・戦場ヶ原でもここ数年、株が増え、木道から見つけることができる。
ただし、背丈10センチほどの大きさなのでそのつもりで探さないと見つからない。
林間を抜けると視界が開け、そこが田代山湿原である。
木道は湿原を一周するように敷設され左回りの一方通行になっている。
さあ、どんな花が見られるのでしょうか?
木道を半周すると分岐になるのでここで湿原を抜け出して帝釈山に向かうと、、、
すぐ休憩ポイントに出る。
と、そこにこぎれいな建物がある。トイレである。
山の中腹あるいは山頂にトイレがあるなど日光では考えられないが、福島県(管理人が行ったのはまだ少数だが)では尾瀨を筆頭に会津駒ヶ岳も途中にトイレがある。
国立公園という位置づけは日光も尾瀨も同じで環境省の管理下だが、どうしてここまで違うのか?
実際に管理しているのは市町村だと思うが、山に人を迎え入れる体制(考え方)の違いとしか考えられない。
トイレはチップ制で100円を求められるが山の中にトイレがあるのはとてもありがたい。
女性の登山者が多いのもこういった設備のおかげなのであろう。
トイレの床は泥汚れなどはなく、素足で歩いても違和感がないほどキレイ。
そのはずでこのような仕組みになっているのだ。
家庭で使う倍の大きさのスリッパ。靴のまま履く。
帝釈山まで1.9キロ、2時間の道のりだが今日はとっくに諦めている。
その分、ここでゆっくり休憩しよう。
中には弘法大師像が祀られている。
床にはゴザが敷かれ、ゴミひとつ落ちていない。
日光の避難小屋(唐沢小屋、五色沼避難小屋)のように登山者の残置物はなく、清潔。
ちなみにトイレと避難小屋の維持管理は行政(たしか南会津町?)が人を雇っておこなっている→こちらを
このルートは所々、このような平坦路があるものの多くは急傾斜だから油断はできない。
登山口近くまで降りてきて水場に寄ってみた。
持参した飲み水は十分、残っているが山の水を見つけるとどうしても飲みたくなるというもんだ。
今日は行けなかったが帝釈山は毎年6月初めから半ばまで、オサバグサ祭りというのをやっていて登山者をもてなしている。このテントはその名残りではないだろうか?