「月山(日光市)」。60代後半の男2人、道間違い連発で大笑い!

2017年11月7日(火)

このブログでよく取り上げるWさんとの60代後半ツアー、今回は前夜の作戦会議の通り月山(がっさん)にした。標高1287.2メートルと、日光の山ではそこそこの高さがある。とはいえ、登山口の標高が1040メートルもあるので標高差はわずか240メートルと、これは東照宮の裏にそびえる独立峰、外山(とやま)とどっこいである。特に危険があるわけでもなく散歩気分で登れてしまう山だ。

実は昨年の3月、管理人はツツジの下見を目的に訪れたことがあって、そのブログを読んだWさんが面白そうな山として候補に入れていたらしい。
標高差240メートルの山のどこにWさんは面白さを見出したのか、種明かしをすると、管理人が下山に使ったルートなのである。

この山は一周して同じ登山口に戻ることができるというメリットがある。行き帰り同じ道を歩くよりはそれは面白いだろう。
それだけか?
いや、もっと面白い仕掛けがある。
昨年3月、山頂から下山する際に道が見つからなくて管理人、右往左往したことがあった。目を凝らしてみてようやく道が見つかったと思ったらお次は2メートルほどの落差の岩場を後ろ向きになって下るという経験をした。さらにその先には鎖場が、、、
管理人が下りに選んだ尾根には地理院地図に道が描かれていないことも面白みを加えている。地図とコンパスが必須なのである。標高差たったの240メートルなのにねぇ(笑)

管理人に劣らず面白いことが好きなWさんにとって、ブログ記事から、月山は十分な魅力をもった山として映ったのであろう。
詳しいことは昨年3月のブログ後半をご覧ください。
でわでわ登ってみましょうか。


日光市栗山の「栗山ダム」が月山の登山口。
黒っぽく見えるのはダムの堰堤で長さ340メートル、幅10メートルもある。200メートル競争が十分できてしまいそうな大きさである。


駐車場の南に霧降高原から赤薙山、女峰山へと続く稜線がよく見える。


駐車場からダムの管理道路を歩いて行く。


やがてダム全体を見渡せる場所に出る。
左の石積みが駐車場から見上げた堰堤。


ダムに沿って管理道路を歩いて行くと右へ分岐する道があるので、管理道路から外れて斜面を上る。先を行くのはWさん。


幅広の道はここで終わりここからいよいよ山へ入り込む。
昨年3月に来たときは残雪のため道が見えなかったが、目を凝らすと笹原の中に薄い踏跡が見えた。


斜面になると道はハッキリ見えるようになる。


月山はツツジの山として名高く、季節になると多くのハイカーで賑わうらしい。
これはヤシオツツジ。あちらにもこちらにも。


ここで道は右から来る道と合わさる。
地理院地図にはないが昭文社「山と高原地図」に描かれている道で、山頂からここまで同じ道を戻るとここから別の道で駐車場に戻れるようになっている。


北東に展望が開けて高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)がよく見える。


登頂!!
所要時間、58分。ウォームアップが済んだ頃合いで登頂という結果になった。
山頂は木々が茂っていて大展望というわけにはいかないが、木々のすき間から日光連山や高原山が望めるし、5月にはヤシオツツジが楽しめるのでいいのではないだろうか。


二等三角点


歴史を感じさせる石の祠。


最近になって突然、コケに興味を持つようになった管理人、祠の屋根に生えているコケに注目した。
普通、植物は地中に根を生やして水分や養分を吸い上げて成長するが、コケは同じような役割を果たす根をもっていない。コケの根は風で飛ばされないように自分の身体を固定する役割しかない。生きていくには空気に含まれている水分や雨水が頼りなのだ。
水分が枯渇すると葉をかたく閉じて水分の蒸発を抑える機能が働いて、画像のような姿に変身する。
さあ実験するぞ。


口に水を含んでプワーッと吹きかけてやるとほんの数秒で葉が開いた。
このような性質を持つのがコケの特徴だそうだ。
ちなみにこのコケはスナゴケだと思うが、図鑑数冊を見てもそれぞれ姿形が違うし、いまだによくわからない。それがコケの面白さともいえるのだが、、、


駐車場から見上げた日光連山の一部だが、山頂から眺めると男体山や女峰山まで見えるようになった。
山頂で30分ほど休憩したが昼食にはまだ早い時間なので早々に下山することにした。
下山ルートは地理院地図にも昭文社「山と高原地図」にも道が書かれていない南西尾根を使うことにした。


前の画像を拡大して山名を入れてみた。


山頂を去ってほどなく、南に今市ダムが見えるようになった。
案内板によると栗山ダムと今市ダムは水路でつなっがっていて、その落差は524メートルもあるそうだ。そして途中に3基の発電機が稼働する水力発電所がある。発電量は105万キロワットだからこれは原発1基分に相当する。
2011年の原発事故で甚大な被害を被った管理人としては、危険な原発の再稼働には反対であり、自然の地形を活かした電気を使いたい。

いま、管理人が立っている場所が水路の上なのだが水路は見えない。発電所も見えない。なぜなら水路は斜面に沿って埋設されていて、発電所は地下に設置されているからである。


先を行くWさんとは2006年にスノーシューツアーのガイドを務めて以来だから、11年の付き合いである。その間、年に数回、管理人はWさんのガイドを務めてきたが、いまでは心技体共にWさんが管理人を上回るようになり、こうして管理人の前を歩くのが常のことになった。


道はここで大きな岩にぶつかる。
岩の上に踏跡があるので行けるのだろうと思って岩に乗るのは危険だ。なぜならその先に道はないからだ。ここは冷静になって道を探す必要がある。
岩のすぐ手前右に斜面を下りるようにして薄い踏跡が見つかるはずである。その踏跡は岩をぐるっと巻いて岩の向こうに出られるようになっているのだ。
と、ここまでは昨年3月の経験で知っていた、管理人は。


やっ、なんかおかしいぞ。
尾根上を歩いているはずなのだが次に目標としているピークから遠ざかっている。次のピークは尾根続きになくてはならないはずだ。それが沢を挟んで左に見える。
さてはさっきの岩を巻いたつもりが巻かずに進んでしまったらしい。昨年の経験はどこへやら(笑)。


ここで初めて地図を取り出す。
コンパスで確認すると進んでいる方向は西であった。本来なら南西に向かって進んで行かなくてならないのだ。傾斜が急であることからも本来のルートから外れているのは明らかである。尾根が分岐していて足は自然と違う尾根に向いてしまったようだ。
進むべき方向を地図とコンパスで確かめながら歩かないからこうなる、、、という見本ね(笑)


元の尾根に戻って先へ進むとまたもや大きな岩に行く手を阻まれる。
ここも右の斜面に下りて岩を巻き、岩の向こうに出る必要がある。


巻道はこんな感じ。


最後にロープがかかる3メートルほどの落差を下りると岩の真下に出る。


さきほど、尾根を間違ったときに見たピークに着いた。
標高1230メートルの眺めのいいピークである。
ここに山名板がある。山名は「月山」となっている。
前に来たときも気になった。
その時はこの先が月山であることを示す矢印が書かれていたのが消えてしまったのだろう、そんな印象だったのだが、あらためてみると矢印を書くスペースなどないことがわかった。

国土地理院の地図によれば月山は標高1287.2メートル、北緯36°50分45秒、東経139度39分33秒の地点を示していて、ここはその月山から南西に400メートルも離れている。標高は57メートル低い。ここは月山でないのは明らかだ。登山者には不要な山名板だと思う。
設置者になんらかの意図があってここを月山山頂としたのだと思うが、その意図ははたしてなんなんだろう?

※上に書いた緯度経度は地図ソフト「カシミール3D」を使って割り出したものであり、コンマ以下は略した。


本来とは異なる場所なのに「月山」という山名板がつけられている標高1230メートルのピークからの眺めはとてもいい。遠く霞んで筑波山が見える。
時間もよろしいようなんでここで昼食としましょう。Wさん、持参したストーブでお湯を沸かして熱々のスープをご馳走してくれた。もうすっかり”山の人”になってしまった。


下山は順調に進行していたわけではない(笑)
休憩したピーク1230から数分歩いたところでまたもや尾根を間違えた。
まっすぐ延びている尾根を進んだところ笹原になったのだ。
進んでいる方向を確かめると南南西に向かっていて、そのまま進むと崖に出くわすように地図が読める。
実はピーク1230の先は南南西に向かう尾根と北西に向かう尾根とに分岐していて、自然と南南西に向かってしまったのだ。
ふ~、これで本日2度目(いや、正確に言うと3度目だ)の道間違い。ふたり、顔を見合わせて笑ってしまった。50メートルほど戻って正しいルートに乗ったのは言うまでもない。


鎖がかかる大きな岩を下る。
ここから200メートルほど先はダムの管理道路だ。


昭文社「山と高原地図」に描かれているもうひとつ別の登山口。ここはすでにアスファルト道路である。


管理道路の分岐点。
右へ折れると栗山ダムの畔へ出る。道なりに左へ進むと駐車場。


一日中、快晴のままゴールとなった。
この広い駐車場にハイカーの車は朝と同じく我らだけ。
せっかくだからと、座ってコーヒーを作り空を見上げながら飲んだ。


ツツジの季節から外れた平日ということもあって駐車場は管理人の車のみ。
登山者とも出会わなかった。
簡単に登れるし展望も悪くはない。しかも下山ルートには尾根が分岐する。読図の練習にもってこいのルートである。
最大の難点は公共の交通手段がないからマイカーでしか来れないこと。といって高額な代金を支払ってタクシーで来るほどの価値があるのかといえば疑問符が付く。マイカーをもつ仲間を募ってグループで行くのがいいと思う。