奥日光・最新花情報(6月10日)

先週は小田代ケ原と戦場ヶ原を歩いたので今週は湯元へ行き、湯ノ湖に咲いている花を観察。この時期、花の種類は湯ノ湖の方が多く圧倒されます。
まずはとてもきれいな湖の景色から。

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先週あたりからトウゴクミツバツツジが見頃を迎え、今週は遅いかなと思いきや、まだ十分咲いていて見応えがあります。

 

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ベニサラサドウダン
この何とも言えない落ち着いた色気。自然種だからこその彩りです。

 

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シロバナノヘビイチゴ
花の後は赤い実がなり、蛇が好んで食べるとの言い伝えがありますが、人が食べても美味しいという話を聞きます。

 

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ユモトマムシグサ
湯ノ湖の周囲によく見られるサトイモ科の花で日光湯元で発見されたのでこの名が付いたそうです。輪生した葉の上に花が付くのが特徴で、湯元にはこれに似た花でヒロハテンナンショウがあり、花の付き方が逆で葉の下に付くので見分けます。

 

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レンゲツツジ
朱色で大型の花を咲かし、遠くからでもよく目立ちます。戦場ヶ原では原全体に咲きますが湯ノ湖では兎島の湿地帯で見られるだけ。

 

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オオバタネツケバナ
これも湿地帯特有の花で、里では水に浸した稲の種が芽を出すころに咲く花であることから名がついたそうです。

 

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イチヨウラン
地面に張り付いたように見える1枚の葉の脇から20センチほどの柄を出し、ひとつだけ花をつけます。日光では1カ所ここ湯ノ湖に自生する貴重な花です。

 

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クサボケ
里でもよく見るオレンジ色のきれいな花です。名前の一部にクサとありますがれっきとした樹木です。

 

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葉っぱだけだとシロバナノヘビイチゴと見分けがつきませんが、これはミツバツチグリといって奥日光のどこにでもある普通の花です。

 

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ハウチワカエデの咲き終わった実
パークボランティアの仕事で毎週奥日光へ花の観察のために通っていますが、1週おきに小田代ケ原と湯元を交互に歩くため、花が咲いている時を逃してしまい、このように実だけと対面することもあります。

 

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ニワトコ
とても地味なので花としての魅力には今ひとつ欠けますが、湯ノ湖の春を象徴する花ではあります。

 

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ウリハダカエデ
カエデの種類の花は樹木の高さと葉の大きさの割にいたって地味であまり目立ちません。ただしウリハダカエデは葉の間から10センチほどの花をたくさん付けた花序をだし、葉の下に垂れ下がるので注意すれば気がつきます。
それよりは樹皮がスイカの表面の柄ととそっくりなのが特徴です。木の名にもなっていることだし。

 

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オオツリバナ
その名の通り花がつり下がって咲くことから名がついていますが、花そのものは地味で見落としやすいと言えます。
仲間にヒロハツリバナがあって混同しやすいのですが、ヒロハツリバナの花が4弁なのにたいしてこの花は4弁と5弁が混在しているので見分けられます。

 

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コヨウラクツツジ
まるで果物の実のようで美味しそうと覚えておくといいかもしれません。

 

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セントウソウ
奥日光全域に生えていますが、花はまったく同じでイワセントウソウというのもあります。
違いはイワセントウソウの葉が細長いのにたいしてこれはニンジンの葉のよう。

 

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シウリザクラの蕾
私が次回、湯ノ湖を歩く頃(たぶん下旬)には花が咲き終わってしまうであろうと思い、蕾の写真を掲載しておくことにします。
サクラと聞けばソメイヨシノに代表されるピンクの大柄の花を想像するかもしれないが、山のサクラはいろいろ。シウリザクラは写真でわかるとおり穂状に小さな花をたくさん咲かせます。そして咲き終わると地面が真っ白になるほど落ちた花で埋め尽くされます。

 

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アズマシャクナゲ
言わずと知れた湯ノ湖を代表する花です。例年だともうとっくに終わっているはずですが、寒さが続いたために6月半ばというのに見頃です。湖を背景に撮ると素人でも作品になります。

 

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コミヤマカタバミ
小田代ケ原と戦場ヶ原にも咲くコミヤマカタバミはどちらかというと口をすぼめたままで終わってしまうのですが、きょうは全開サービス。おかげで花弁にある模様まではっきり撮れました。

 

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サラサドウダン
前で紹介したベニサラサドウダンとはまったく同じ形の蕾、花となるが色が「ベニ」ではないことが異なります。

 

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オオバミネカエデ
花だけを見るとウリハダカエデとそっくりだが花の付き方が穂状ではないということが異なっている。

 

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マイヅルソウ
これも奥日光全域で見られる花であるが、湯ノ湖で見るのはひっそりと控えめで趣が異なるのがよい。

 

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タケシマラン
葉は横に広がりその下に小さな花を咲かせるが、だいたいは日陰にあり実に控えめである。それ故、この花のファンは多い、って私だけかも(笑)。

 

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ツバメオモト
湯川沿いの1カ所だけにあった(今でも)が、実は湯ノ湖にもあったとは。
遊歩道から湖を見下ろす位置にあり、普段私がみるのとは別の位置であることから気がつかなかっただけに新鮮であった。

 

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ヒロハテンナンショウ
写真だとなんだユモトマムシグサじゃないかと思われるが、花の位置はまったく違うので文句なしのヒロハテンナンショウ。国民休暇村の脇に大群落を形成している。

 

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オニルリソウ
ヒロハテンナンショウの近くに一株だけというのが貴重なのかどうかもわからないが、とにかく奥日光でここだけに咲く花です。

 

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クルマバツクバネソウ
8枚からなる輪生の葉の真ん中から柄を出し、先端に葉と間違ってしまいそうな4枚の萼と雄しべという独特の並び。これも奥日光では貴重種といえます。