古賀志山で見る花たち(2020/05/13)

シラユキゲシ

2020年5月13日(水) 晴れたり曇ったり、一時雷雨

今日見た花
タチツボスミレ、ウツギ、シラユキゲシ、シャガ、ヒメイワカガミ、コアジサイ(蕾)、ヤマツツジ、アブラツツジ、チゴユリ、ツルリンドウ(葉のみ)、マムシグサ、フタリシズカ、ヤマユリ(成長途上)

直近の古賀志山は今月1日だったので2週間ぶりの訪問となった。
1週間の空白であれば花の移ろいに大きな変化はないはずだが、2週間ともなれば様変わりしているだろう。
もしかすると管理人が初めて見る花と出会えるかもしれない。

2017年以後、管理人は福島県の山に興味を惹かれるようになり、古賀志山はひと頃のようにそれほど頻繁に歩くことはなくなった。
せいぜいスミレやツツジが咲く3月から4月だけとなり、5月以後は福島県の山へ行くことが多くなった。
そのため春に咲く花には詳しくなったが晩春から初夏にかけて咲く花の知識に乏しい。
コロナ禍で登山を自粛(※)している今年は5月に咲く花を知るいい機会ととらえよう。
福島遠征が憚れる今年は古賀志山に咲く花を徹底して探索したい。

古賀志山は山域全体が花の宝庫だが、花を求めてやみくもに歩くのは効率が悪いので的を絞るためにも今日はカタクリの群生地5カ所を廻ってみるつもりだ。
カタクリは半日陰でやや湿った土壌を好むので植物が生育する環境としてはベストなのである。もちろん、カタクリはすでに終わって観ることはできない。

ちなみに今日のお目当ては「ツルリンドウ」。
昨年8月、安達太良山を周回した際に往路と復路で見たが、地上から茎を出して花を咲かす他のリンドウと違って、名前の通り蔓性で、他の植物に絡まって成長する変わったリンドウである。
全国に分布しているらしいが管理人の地元、日光では見たことがない。
日光にはない植物が多数成育している古賀志山なら観られるかもしれないと期待している。

※登山自粛にたいする管理人の考え方は4月22日のブログに書いたので興味のある読者は参考にしてください→こちら

今日の接触者
・コンビニで弁当購入(店員と)
・赤岩でクライミング中の男性2名

メモ
・歩行距離:7.6キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:4時間58分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:1027メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

宇都宮市森林公園に到着し駐車しようとしたらゲートが閉まっていて入れない。
地元の人の憩いの場にもコロナ禍が及んでいる。


今日のスタートはここ、細野林道沿いにある中尾根北登山口である。


正面に見える林が中尾根北登山道の入口。
中尾根北登山道は危険な中尾根の岩場を回避できるだけでなく、森林公園からもっとも近いカタクリ群生地なのである。


ニガナ


タチツボスミレ
地上10センチくらいの背丈だったのが今は20センチほどに伸び、花期が終わりに近づいているのを示している。


たぶんウツギだと思うが自信なし。


この両側にカタクリが群生していたが花は一輪もなくまた、葉は溶けてなくなり、下草に隠れて実になっていることでかろうじてそれがカタクリであることを知る。


特に観るべき花がないまま中尾根の稜線と合流。左へ行くと3番岩、右は4番岩である。
次のカタクリ群生地に行くためこの尾根を突っ切り、北コースへ向かう。


このルートもご多分に漏れず厳しい岩尾根で、古賀志山に夢中になっていた2015~2016年頃、なんどか歩いたことがある。
岩尾根を下りきったところが北コースだが、記憶では北コースから上がることばかりで、下りで利用することはなかったような。
初心のつもりで慎重に下ったのは言うまでもない。


岩の終わりにトラロープがあるのを見て、記憶は鮮明になった。
そうそう、ここは滝岩(のちに赤岩が正式名)がある尾根なのだ。
岩の基部を左へ回り込むと8メートルほどの垂壁があり、持参したシステムを使って懸垂下降の練習をしたことがあった。→こちら と こちら
岩の基部に荷物が置かれていることから、誰かがクライミング中であることがわかる。


トラロープを使って地上に降り立ち、岩壁に沿って北コースへ向かう。


岩壁にある不動明王像


ここで北コースに合流。
富士見峠に向かう。


水場の近くに差しかかると白い大きな花が目についた。
管理人が初めて見る花だ。名前は知らない。
帰宅して図鑑で調べるとシラユキゲシであることがわかった。
なお、栽培してはいけない種類には該当していないようだ。


小群落を成していた。


これは歩き始めたときに見たウツギでしょうね。


水場に到着。
水量は多い。
下山でここを通過するときは発汗で干からびた身体にこの水を一気に流し込むところだが、今はまだ身体が求めていない。


富士見峠への荒れた登山道を歩いていると遠くにひときわ目を惹く花が見えた。
近づくとシャガであった。
アヤメ科らしく文様が美しい。


北コースから南へ外れてカタクリの群生地へ。


根元から5本に分岐して大きく成長した桜の木、地元の人は五本桜と呼んでるらしい。
ここをさらに南に歩きながらツルリンドウを探したが見つからず、あきらめて五本桜まで戻った。
次は古賀志山と東稜見晴の鞍部下のカタクリ群生地へ行ってみよう。


空が薄暗くなったと思ったら間もなく、大きな雷鳴とともに雨が降り出した。


雨はまだ小粒だが今日は覚悟しなくてはいけないかも。
花はヒメイワカガミ。


雨粒が次第に大きくなってきたので岩陰で雨具上下を身につけた。


コアジサイ(たぶん)


ヤマツツジは変色したのもあればこのようにきれいな朱色を保っているのもある。
厚い雲に被われたせいか光沢が目立たないのもいい。


アブラツツジ
これまで見てきたツツジの花と一線を画す変わった形をしている。
先端がほんの少し開いているのがわかるが、これで満開の状態。


チゴユリ


雨はそれほど強くはないが山頂は強風が吹き荒れていた。
空腹を感じているがここで食べるのは無理だ。
風を避けられる場所を探そう。


東稜見晴との鞍部をカタクリ群生地へ向かう途中に腰を下ろすのに適当な場所がある。
分岐になっていてカタクリ群生地は西へ、北へ行くと雨具を着た岩場に行く。
雨は上がって陽射しが出てきたので雨具を脱いで昼メシとした。


カタクリを観に訪れた3月に比べると下草が生え、木々は新緑となって様変わりしていた。


チゴユリが群生している他にめぼしい花はない。


再び五本桜に来て今度は東稜ルートに向けて東へ進む。

おやっ、五本桜に戻ってしまったかな、と思わせる桜の大木。
これは四本桜。
五本桜から来るとここはクランク状の四差路になっていて一旦、左に折れすぐ右(南東)に折れて東稜ルートを目指す。
東稜ルートと交わったら突っ切り、本日4カ所目のカタクリ群生地へ向かうがそこにもツルリンドウがなければ今日のところは探索を終え、後日あらためて来るつもりだ。


おぉ、、、なんという幸運との巡り合わせ!!
最後のカタクリ群生地でついにツルリンドウを見つけた。
茶色の蔓、葉脈のハッキリした大きな葉は紛れもなくツルリンドウだ。
花期は7月のはずだがそれまでに何度か来て成長ぶりを見てみよう。
花はこちら(2019/08/02安達太良山で)


これで気持ちが一気に楽になった。
今夜は心置きなく飲もう(笑)


林道と出合うとすぐ北コース入口の芝山橋だ。
ただし、これで花の探索が終わったわけではない。


マムシグサに、、、


フタリシズカに、、、


擁壁の上にヤマユリが。


芝山橋
ここを左へ行くと赤川の右岸沿いに車を駐めた四阿へ、林を突っ切っても四阿に着く。


森林公園からの帰り道に古賀志山南登山道入口まで足を延ばし、唐沢池に生育するコウホネを見学。
遠くからでもよく見える黄色の花がいま盛りだった。


次に内倉林道に入るとルリニワゼキショウ(アヤメ科)が咲いていた。
花がきれいで名前は可憐だが帰化植物なので繁殖力が強い。