和の代から三ノ宿山へ修験道を辿って薬師如来にご挨拶。

2015年12月02日(水) 天候:晴れのち曇り、気温:6~10度
和の代(やしおの湯)~鉄塔(855M)~P1047(三角点)~P1158(ここから修験道)~P1188~三ノ宿山(1229M)~金剛堂~三ノ宿山~P1188~P1158~P1051手前尾根を下って県道77号線~和の代

出発間際になるまでコースが決められなかった。
先月27日に発症した右膝の腸脛靭帯炎はお尻から太腿にかけてストレッチをおこなうことで、自宅の階段を下るのは大丈夫になった。もしも治っていなければ階段を下るだけでも痛むから、ストレッチの効果はあったようだ。
とはいえ本当に治ったかどうかを確かめるには階段を数段下っただけではわからないので、実践で試してみる必要がある。腸脛靭帯炎は管理人の場合、激しいアップダウンがあってなおかつ、距離が10キロを超えたあたりから発症することが多いので、昨夜はその条件に合致したコースをいくつか候補に挙げたのだがどれもすべて行ってみたいので決めるには至らず、考え疲れていつものことながら酔いにまかせて寝てしまったw

どうすっかなぁ、腸脛靭帯炎を発症した古賀志山で同じルートを歩いてみるという手もある。そうすればストレッチの効果がよりハッキリする。
昨年10月、鳴虫山から火戸尻山(ほどじりやま)に行ったときは迷いに迷って11時間もかかったので再挑戦してみたいし霧降高原の大山から下山するときも腸脛靭帯炎で辛い思いをしたしなぁ、もう一度歩いてみたい気がする、と欲は次から次へと出てきて決めかねたのが昨夜であった。

どうせ仕事は暇なんだから順番に消化していけばいいものを、計画能力が欠如する性格だけにいざ決めようとすると心がぐらついてしまう管理人なのである(^^)
それにしてもなんだなぁ、上に挙げた候補はどれも千メートル級の低山、古賀志山に至っては600メートルにも満たない。日光には2千メートルを超えるいい山がたくさんあるというのに、今年は低山ばかり狙って歩いている。

低山、それは管理人にとって、歳とともに高まっていく山への高度な欲求を満足させてくれる魅力をもつ存在だ。これまで2千メートル峰しか眼中になかった管理人にとって低山は、バリエーションルートがあるので歩く楽しみが大きいし、そのバリエーションルートは1本のルートしかない2千メートル峰にくらべて、難易度が高く感じる。
地図に道が描かれていないので尾根を歩いていたらその先、いきなり崖になって慌てる。迷いやすいし滑落や転倒に怯えながら歩かなくてはならず、それはピークを目指して明確な道をひたすら登り続けるのとは違って緊張感を持続させる力を必要とする。
累積標高でいえばルートの採り方次第で白根山や男体山に勝る場合があって体力を使い果たすほどだ。
それらが管理人の欲求に合っているのであろう、厳しいけれど達成感が得られる。

さあ、どうしよう。今日のルート。
4時に目覚めたので微睡みながら考えたのは、昨夜の候補で迷うならばそのどれでもないルートにしてはどうだろうかということ。
冬枯れで見通しが良くなるだろうから、地図に道が描かれていなくても踏み跡を見つけやすいのがこの季節だ。そうだ、これまでまだ歩いたことのないルートに挑戦してみよう。和の代から三ノ宿山を経て薬師岳に至る道があるのを思い出した。一部はかつて修験道として使われていた道だ。
そうと決まったら微睡んでいる時間はない。急ごう。


DSCF56718:20
今日の登山口は日光市営「やしおの湯」がある和の代。路肩に十分余裕がある道に駐めて歩き始める。
登山口に向かったものの腕時計をしてくるのを忘れて車に戻る。
腕時計は普段、使う習慣がないので車に置きっぱなし。したがってよく忘れる。

DSCF5672送電線の巡視路の入口が登山口を兼ねているので鉄塔めがけて傾斜を登っていった。
が、ここで眼鏡を掛け替えてくるのを忘れてしまった。普段は遠近両用を使っているが山歩きの場合は近視用のサングラスに替える。遠近両用だと足下がぼやけるからだ。
立て続けに二度の忘れ物。老いを感じる管理人であるww

DSCF5676地図には送電線の下を二回、くぐるようになっているがこれが一回目。歩き始めてすぐのところにある。右に見える山に向かって進んでいく。

DSCF5678水路を渡る木橋だが地図にはここまで詳しく描かれていない。
地図では尾根を歩くようになっているので橋を渡り、尾根の始まりを探して斜面を登っていく。

DSCF5679ありゃ、行き止まりかな? 水力発電の建物だ。
よく見るとフェンスの手前に道があるので登ったところ、そこが尾根の始まりであった。
余談だが日光は水が豊かで地形に高低差があるので水力発電所が多い。東電のもあるが民間のもある。

DSCF5680落ち葉が分厚く積もっている。
傾斜もきついしこれは滑りそうだ。

DSCF5682ここでチェーンスパイクを装着し滑り止めとする。

DSCF5684尾根に乗ると日光連山を一望できるようになったが木々の枝にじゃまされて絶景とはいかない。落葉前だと隠れて見えないのではないだろうか。

DSCF56889:02
ふたつ目の送電線をくぐる。

DSCF5689眼下に古河の町(正式には「清滝」)が見える。古河とは古河電工グループのことで旧日光市一の大規模事業所だ。かつては隆盛を誇ったと聞く。

DSCF5696ここまで傾斜30度という凄まじい登りの連続で来たが、ようやく一息つける。
ここで道は二手に分岐する。踏み跡をそのまま進めば三ノ宿山へ行くが地図を見るとここに三角点があるはず。

DSCF56979:41
三角点は分岐を東へ50メートルほど進んだところにあった。
地図によれば分岐から先はピーク1158、ピーク1188を通過し、三つ目のピーク1229が三ノ宿山となっている。
各ピーク間はアップダウンはあるもののそれほど厳しくはないようなので安心した。

DSCF5701尾根上にあったシカのぬた場。
水が溜まっているときは水を飲み、泥の状態のときはここに寝そべって体に付着している寄生虫などを落とすらしい。

DSCF5704地図の通りの歩きやすい緩やかな尾根道。

DSCF570710:22
ここでも道は分岐している。
地図で確認するとここはピーク1158で今日の予定のルートでは分岐を直進(南西)すると三ノ宿山への修験道。東(写真の左)へ向かっている道はピーク1051へ続く修験道のようだ。

DSCF5709ピーク1051への道にはリボンがついているので使われてはいるらしい。
帰りはこの道を使うのもいいかも?

DSCF5716踏み跡は笹に被われてきたがくるぶしくらいの背なので歩くには差し支えない。ピーク1047までの急傾斜で時間をとられてしまったのでどんどん進む。

DSCF5719堆積した落ち葉のほとんどはミズナラなのでいつかは見られるかと思っていた。熊棚だ。

DSCF5724うふっw、なんとなく古賀志山を思い起こすような岩。

DSCF572911:16
歩き始めて2時間45分。忘れ物をしたり急登で歩みが遅かったりしたがここまでなんとか無事に来ることができた。

DSCF5730山頂は南北に100メートルもある広い笹原で、ピークという感じはしないが気持ちがいい。展望はそこそこだが緑の季節になると臨めないかも。

DSCF5731山名板は二箇所に別れて計、3枚。新旧、混じっている。
さて、今日の目的はここの他に修験時代からある石の祠を探すこと。
池田正夫著「日光修験・三峰五禅頂の道」によれば、ここから次のピーク1286へ行く途中の稜線上にあるらしい。

DSCF573711:33
急傾斜の稜線を降りていくと右手に祠があった。石板が格子状に二箇所、開放された造りになっている。

DSCF5740石板の開口部は5センチほどで陽の光が届かず、中が見えない。ヘッドランプで照らすと小さな像が浮かび上がって見えた。
管理人の読み間違いがなければ、像は薬師如来座像と理解する。

DSCF5742薬師如来座像の50メートルほど先にも祠があるが三面、囲われていて稜線からは中が見えない。
南斜面に回ってみると残る一面に石板を浮かし彫りした像があった。
著書によるとこれは金剛堂とある。

DSCF5744浮かし彫りされた像。両手を合わせている。この像は観音様だろうか。

 

DSCF5749すべて本の受け売りになるが、ふたつの祠がある場所から南斜面を見下ろすと、急傾斜の下に日当たりのいい平らな部分がある。
修験がおこなわれていた時代、ここに宿があったとされ、それを「三ノ宿」というらしい。
昔のことだから雨風が凌げる程度の質素な小屋であったことが想像できる。ここでの修行は夏だったそうである。
そして厳しい修行の折にこの宿から仰ぎ見たのがふたつの祠の像だったのであろう。

DSCF5757往きと帰りに見る景色は異なる。
日光連山は木々の枝の間からでしか見ることができなかったが、帰りに一箇所だけ、遮るものなく見えたのが男体山である。左の裾野には白根山が小さく見える。

DSCF576013:00
往きで通過したピーク1158を東に折れてピーク1051へと修験道を歩くことにした。
等高線の間隔が広いので歩き易いかに思えた尾根であったが、なかなかどうして。歩き易かったのは写真のように始めのうちだけで、先は等高線以上の急傾斜であった。
最後に急登攀しなくてはならないピーク1051を目の前にして気持ちが折れ、別の尾根をとっとと降りる管理人であった。

DSCF5762傾斜は緩くなり地図にある沢の流れが聞こえてきた。

DSCF576713:58
沢と出合う。
さて、このまま左岸を進むべきか渡渉して右岸を進むべきか迷うところだ。
幸い、川底は浅くどこでも渡れそうなので流れに沿って下っていくことにした。

DSCF5768右岸の斜面上に石積みの擁壁が見える。車道が近い証であろう。
ここで渡渉してあの擁壁の上に乗った。

DSCF577214:20
おぉ、ガードレールが見えたぞ。

DSCF5776車を置いた和の代と小来川(おころがわ)を結ぶ県道に出た。
ちなみに、ピーク1051を超えて修験道を歩いても県道と交わるがこのずっと手前、滝ヶ原峠に出る。

DSCF577714:43
県道をてくてく歩いて車を置いた和の代、「やしおの湯」に到着。
膝の痛みが出ることなく無事に帰って来れた。

DSCF5779せっかくだから汗を流して帰ろう。
日光市民で65歳以上の老人は200円で利用できる。自宅の風呂を沸かすよりも安い(^^)

map2帰りの一部は車道歩きとなったが、なかなか歩き甲斐のあるルートであった。
急傾斜あり枝尾根ありやせ尾根ありで、管理人好みのルートだ。できることなら和の代をスタートして三ノ宿山を経て薬師岳まで(あるいはその逆ルート)歩きたいところだが、帰りの足がない。
車を2台であるいは自転車を置いておくという方法が考えられるが、今のところそれは望み薄だ。
といって往復しようとすれば20キロにもなるからさらに遠のいてしまう。
が、夢として持ち続けよう。

コメントを残す