いくらなんでも3月になって吹雪の中は歩きたくないので予定の奥日光はやめて霧降高原・丸山へと朝令暮改。

2015年3月2日(月)
霧降高原・丸山。天候は快晴としておこう。

しんしんと降る雪なら大歓迎だがこれに風が加わると当然ながら吹雪となって、それは雪が身体に突き刺さるという表現が適切ではないかと思うほど辛く、そんな吹雪を今冬はなんども経験しているのでせめて春の兆しが表れる3月の吹雪だけは勘弁してほしいと願っている。

電話で申し込みがあった中年のご婦人、KさんOさんには当初、春の陽光がそそぐフィールドをのんびり歩いてほしいと考えていた。電話口で聞き出したアウトドアの経験から、緩やかな斜面が続く奥日光の金精沢が妥当であろうと思ったのだ。

ガイドを務める管理人はツアーを間近に控えると一日になんども週間予報を確認するのが習わしとなっていて、ツアーはまだ数日先だというのに雨や雪の予報だったのが晴れに変わったりその反対だったりするたびに一喜一憂し、それはもう胃が痛くなるほどで神経の休まる暇がない。

この日の前日すなわち、3月1日はまさに胃がキリキリと痛み食欲もなくなるほどであった。翌日の予報が雨だったためだ。
スノーシューはそこにまともな雪があるから楽しめるのであって、まさか傘を差して雨でぐじゃぐじゃになった雪の上をスノーシューで歩くなど始めから想定していない。

管理人が知りたい日光山岳エリアの天気は日光から北東へ50キロも離れた大田原市にある測候所の予報に頼らざるを得ないのだが、標高にしても千メートルは異なるから予報の信頼性は低い。
そんな予報から数日先の山の天気を知ろうというのが無茶な話なのだがツアーに参加するお客さんに楽しんでもらうためにも、平地の予報を少しでも正確な“山の天気予報”に近づけたいのだ。
そのためには遅くなってしまうがツアーの前日、18時に発表されるその日の最終予報を頼りに管理人の知見で独自の予想を立てるのだが、といっても特別な科学的根拠があるわけではない。
要は山岳エリアが雨にならなければいいのだ。雨でなければ曇天でも晴天でもそれぞれの天候の良さというのがあるので贅沢などは言わない、雨さえ降らなければね。

1日(日)、18時。この日の最終予報によれば2日の日中は弱雨(これ、なんと読むんだ)となっている。気温も高めなので測候所のある大田原市は間違いなく雨になるのであろう。
では50キロ南西、標高で千メートル高い日光の山岳エリアはどんな天気になるのか。周知の通り標高が100メートル高くなれば気温は0.6度下がる。千メートルであれば6度ということになる。これに東西南北の違いという要素を加えると北へ行けば行くほど、西へ行けば行くほど気温はさらに下がるから、もしかすると雨の予報が実際には雪になる可能性もある。ただし、非常に微妙なところだ。気温が1度、違うだけで雨になる。
この微妙さが管理人の胃を大いに痛めるのである。これ以上は管理人の手に負えない。こうなったらお客さんの判断を仰ぐしかあるまい。

夜、電話でKさんに、明日の天気が微妙であることを説明する。実際に現地に行ってみなければ雨か雪かが判断できないこと、現地が雨であれば開催しないこと、気温次第で雪になるかも知れないがそれは管理人には判断できないことなどなど、酒は飲んでいないので丁寧に説明できたはずだww

Kさん、仕事を休んでスノーシューをしに来るそうだ。雪になる方に賭けてみたいとまでおっしゃる。これで決まった。
そして、Kさんのその一言で管理人の荷が軽くなったのは言うまでもない。ありがたい。

weather

ツアー当日になっても変化のない予報。

明けて2日。5時に目覚めたのでトイレの窓を開けて外の様子をうかがったところ、薄暗い中に雨は降っていないことがわかった。PCが立ち上がったので6時現在の予報を見る。
昨夜の予報とまったく変わっていないことに愕然とするが、外の気温がマイナスであることに救いを感じた。

待ち合わせ場所でKさんOさんと対面し挨拶を交わす。電話での印象通り、快活で明るい女性だ。Oさんは長身で、身のこなしが軽そうだ。
日光駅前からだと男体山を起点とする日光連山がよく見える。雨の予報だが奥日光方面を見ると白くかすんで見える。春霞ではなく、明らかに雪が降っているのだ。しかも風を伴っているのがなんとなくわかる。この分だと予定している金精沢はきっと吹雪いているのだろう。
目を転じて霧降高原方面を見ると空が明るい。部分的に青空が見える。でもこれから悪化するのだろうか、と疑念は湧くが奥日光のような吹雪にはならないであろう、そんな直感が働いたのは雲の流れが速かったからだ。

よっしっ、今日は金精沢をやめて少しでもいいから天気のいい霧降高原にしよう、丸山登山だ。傾斜は厳しいがこの日のために仕事を休んで来てくれたKさんOさんを、管理人の手で丸山へ登らせてあげよう!
金精沢の予定だったのをいとも簡単に撤回し、そして霧降高原へと車を走らせたのだった。このへんは臨機応変というか柔軟性に富んでいるというか、山ヤの機転というか、管理人の得意とするところだ(^^)


IMG_9832駅前から見た部分的な青空はまさに霧降高原の上空部分というピンポイントであった。救われた思いだ。
あの青空の丸山へ、KさんOさんを登らせてあげよう。
ただし、健脚向けの北斜面は難しいのでゲレンデから小丸山経由でだ。

IMG_9834元スキー場のキスゲ平は狭いながらも初級、中級、上級コースがあって、スキー場が廃止された今でもそのまま残されている。
初級コースで足を慣らし中級コースでコツを覚え、そして上級コースを頑張ってクリア、そんな登り方が適切だ。

IMG_9835ゲレンデと平行して設けられている、1445段を誇る天空回廊の最終段まで歩くとそれなりに疲れるが管理人が主催するツアーはそれで終わりではない。
最終目標は丸山である。お客さんには冬山登山の雰囲気を味わってほしいと願っている。
赤薙山稜線をたどって途中で進路を北へ変えて丸山に達するのだが、その間の展望が素晴らしくいい。

IMG_9837赤薙山稜線上にある小丸山である。
向こうに見えるのが標高2010メートルの赤薙山。冬でも登れる2千メートル峰として最近は訪れる人が多くなっている。
赤薙山を越えさらに5座縦走するとそこは女峰山だ。

IMG_9848丸山へ向かう気持ちのいい斜面である。それにしてもこれほど天気が良くなるとは、管理人には予想もできなかった。昨日のあの胃痛はなんだったのか。

これもKさんOさんの熱意の勝利なのであろう。山歩きは熱い気持ちと強い意志を持つ者のみが楽しむことができる。

IMG_9857山頂は目の前だ。
先頭をKさんOさんに譲り登頂の喜びを味わっていただくことにした。

IMG_9859自然からのプレゼント、ここでは滅多に見ることのできない樹氷である。
南斜面から登ると山頂までの所要時間は短縮できる。まだ12時前だがランチはここで食べることにした。

IMG_9865下山は北斜面を使うが北東に開けているので、低山ながら眺めは抜群だ。

IMG_9869踏み跡のない斜面をOさんに先に行ってもらうが管理人がOさんに伝えたのは、地図の等高線上を歩いてもらうこと。
Oさん、目印もないのに的確に歩いている。山歩きの経験が豊かな証拠だ。

IMG_9870スノーシューは他のエリアで経験しているとのことだったがKさんにとって、丸山はかなり厳しかったようだ。
が、ゴール近くになって、Kさんの表情に余裕が見えてきた。これでガイド役の管理人もひと安心だ(といってもすでにゴールは目の前だが)。

もっとも、丸山を経験すれば他県のスノーシューフィールドなどわけなく歩ける、と他県のことなど知らない管理人は独り言をたれるのであるww

 

2 thoughts on “いくらなんでも3月になって吹雪の中は歩きたくないので予定の奥日光はやめて霧降高原・丸山へと朝令暮改。

  1. 古閑 純子

    とても楽しい時間をありがとうございました。冬山登山は私にとっては少しハードでしたが、無事登頂でき、とてもうれしかったです。翌日の筋肉痛はありませんでした。雪山の楽しみ方をまた取得できました。また、挑戦したいと思います。お世話になり、どうもありがとうございました。

    1. 亀歩き 投稿作成者

      このたびはスノーシューツアーにご参加くださいまして、誠にありがとうございます。
      雨の予報が外れ、素晴らしいお天気の下でツアーができたのはおふたりの熱意に他なりません。本当によかったと思います。奥日光にいる仲間の情報によれば、当初予定していた金精沢は猛吹雪だったそうです。丸山は厳しかったと思いますが、場所を変えて正解でした。
      雪のない季節もいいものですので機会を作って是非またお越しください。

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