女峰山、今年2登目はまずまずの眺め。女峰の神様、ご機嫌直したか?

2019年9月10日(火) 快晴のち曇天

台風15号が突然の如く現れ、あれよあれよという間に関東地方を襲った。
幸いにして、日光市への直撃はなかったが雨は激しかった(直撃された千葉県は深刻な被害が発生している模様)。
前日9日は毎年利用してくれているグループの宿泊日だったが東武電車が全線運休になったことでキャンセルになり、今日の朝食作りとチェックアウト時の日光駅への送りが不要になった。

前日の予報によれば台風は9日午後には去って今日10日は終日、晴れるとのことだ。
このチャンスをどうしても生かしたい。
降水確率0パーセントの日は今日しかない。
とはいえ、歯医者への通院があるし明日は人間ドックの予定が入っているので福島へは行けない。
台風が去った後の快晴日は暑さがぶり返すから古賀志山など熱帯地獄のはずだ。

前回の登山はちょうど2週間前の女峰山だった。
山頂まで4時間46分もかかるという不甲斐ない結果に終わった。
別に時間にとらわれているわけではなく、昨年6月に4時間1分というこれまでにない所要時間で登ったことが頭にあって、それと比べて体力が落ちたのではないかと気に病んでいるのだ。
原因はわからない。
原因がわかってから再挑戦したいところだが、現在の実力を把握するにはむしろ原因がわからないまま再挑戦してみるのも一考かもしれないとも思う。
もしも昨年並みのタイムなら2週間前の結果は原因を追求するまでもないと理解すればいいし、2週間前と同じ結果になったとすれば管理人の身体になにかしら不具合が生じていると考えるのが正しい。

よっし、女峰山だ、女峰山しかない。
この2週間、晩秋に予定している縦走のために家の中でできる筋トレはしてきた。
体調は決して悪くない。
前回の女峰山はたまたま時間がかかってしまったのだと思いたい。

行程表
キスゲ平(5:48)~小丸山(6:24/6:30)~焼石金剛(6:55)~赤薙山(7:24/7:30)~奥社跡(8:18)~一里ヶ曽根(9:10)~女峰山(10:34/11:10)~一里ヶ曽根(12:20)~奥社跡(13:03/13:15)~赤薙山を巻く~焼石金剛(14:21)~小丸山(14:47)~キスゲ平(15:15)

前回(8月26日)
キスゲ平(6:08)~小丸山(6:45)~焼石金剛(7:18/7:20)~赤薙山(7:48/7:53)~奥社跡(8:38/8:43)~一里ヶ曽根(9:29/9:35)~女峰山(10:48/11:15)~一里ヶ曽根(12:18/12:25)~奥社跡(13:04/13:15)~赤薙山(14:18)~焼石金剛(14:42)~小丸山(15:07/15:15)~キスゲ平(15:37)

区間所要時間(単位:分)
今回
キスゲ平~36~小丸山~31(うち休6)~焼石金剛~29~赤薙山~54(うち休6)~奥社跡~52~一里ヶ曽根~84(うち休10/水補給)~女峰山
※山頂までの所要時間:4時間46分

前回
キスゲ平~37~小丸山~33~焼石金剛~30(うち休2)~赤薙山~50(うち休5)~奥社跡~51(うち休5)~一里ヶ曽根~79(うち休6/水補給)~女峰山
※山頂までの所要時間:4時間40分
※2018年6月は4時間1分、同年8月は4時間12分

メモ(今回)
・歩行距離:15.6キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:9時間27分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:1844メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

いい天気に恵まれた。
スタートはいつものように霧降高原キスゲ平。
女峰山の登山口はこの他に行者堂、寂光神社、志津乗越があるがキスゲ平は交通至便、ルート明瞭そして変化に富み人気がある(といって男体山や白根山ほど混雑するわけではない)。


天空回廊を上り始める前に振り返って東の空を眺める。
日が昇って15分ほど経っているのだろうか、まだ薄っすらとモヤに包まれている。


女峰山に登るには1445段もある天空回廊を上がるのが必至、というよりは必死になって上がっていくわけだが、苦しさを紛らわすためにもキスゲ平の花を鑑賞するのがいい。
朝露に濡れたノコンギク。


シラネニンジン


枯れてドライフラワーになる寸前のヨツバヒヨドリ。


ゴマナ


700段目の避難小屋。
階段の傾斜はここからがきつくなる。
残り745段は一気に上ろうと思わないほうがいい。
管理人は100段ごとに30秒ほど休みながら上るようにしている。


今日の管理人はサポートタイツに短パン、靴はローカットという出で立ちである。
サポートタイツを履くことなど滅多にないのだがこのところ膝の痛みが慢性化していて辛い。
下半身強化のためのトレーニングは十分におこなっているつもりだし、筋肉は盛り上がっている(年の割には)のだが膝を曲げると痛む。整形を受診すると、年寄りなんだからしかたがない、運動しなさいなどと決まりきった答えしか返ってこないのが歯痒い。
わかっているのは過去に右足の腓骨を骨折して手術したがその後、足首にしびれが出るようになったことと、左膝の靭帯を切って手術してからというもの膝に鉛をかぶせたような重さを感じるようになったことだ。その不具合と9年間、付き合っている。
さらにはいつの頃からはわからないが、両膝とも「脚気」の症状がある。
打腱器で叩いても腱反射がないから、怪我との関連は不明ながら神経系に異常があるのは間違いない。
ビタミンB1、B6を中心に必須となる栄養素は十分に摂っているので脚気の下地はないはずである。
これからも山を登り続けるためにも真剣に取り組まなくてはならない頭の痛い課題だ。


1000段目の手前で振り返ると足跡がくっきりついているのが目に入った。
朝つゆで階段がしっとり濡れているからだ。
管理人の汗も含まれているかもわからない。
なにしろ暑いのだ。


27分で上りきった。
第1の難関はなんとかクリアできた。
途中、30秒から1分の休憩を7回挟んだから実質23分くらいだろうか。
北東の方角に見える高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)が美しい。


ここでスパッツを装着。
この先、笹原の中を歩くことになるが朝つゆでびっしょりになること必至なのだ。


南に鹿沼市の山並みが見える。
真冬の澄んだときには富士山やスカイツリーが見えることもある。


ヤマハハコ


階段の最終段のすぐ先は標高1601メートルの小丸山。
「山」と称されているが地理院地図にはピーク記号(等高線が閉じたもの)はない。
ここから女峰山へ行くにはまず正面に見える赤薙山を乗り越え、次に赤薙山の右に連なるピークをいくつも乗り越えていく。
具体的には赤薙山(2010)→2076ピーク→奥社跡(2203)→2209ピーク→一里ヶ曽根(2295)→(この間、小ピーク2つ)→2318ピーク→2463ピーク、そして女峰山といった具合だ。ピークをいくつも乗り越えるため必然的にアップダウンが多くなるし、赤薙山から先は北→西→南と進路をコの字形に辿って女峰山へ向かうから距離が長くなる。
名前とは裏腹に厄介な山なのである、女峰山は。


小丸山から先は笹原、ガレ場、深い樹林帯と変化しながら赤薙山に向かう。
樹林帯に入るまでの景色は遠望がきき、それは素晴らしい。


こう見えても傾斜は結構、厳しいですぞ。


まるで毛を刈り取られた羊のように見える斜面。
笹尾根と樹林帯との境がひと目でわかって面白い。
笹尾根には山から吹き下ろす風で冬は雪庇ができ、冬季赤薙山登山で唯一の危険箇所に変わる。
間違って雪庇の上に乗ると雪は崩れ、ノンストップで200メートル下の中ノ沢に浸ることになる。
余談だが、当ブログの読者に小山市在住のArさんという人がいて、スキーであの斜面を滑り降りるのが極上の楽しみだという。管理人など尾根から下を覗いただけで足がすくんでしまうのに、世の中には超人というか鉄人というか、変人(あっ、相手がスキーヤーだけに口がすべった)というか凄い人がいるものである。
類まれな体力と瞬発力、それに技術力の持ち主なのであろう。
Arさんのブログを紹介しておきましょう(天文にも詳しい)→こちら


焼石金剛に到着


その危険な尾根
雪はそれほど多く積もるわけではないが積もった雪は北風の影響で斜面側に張り出していき、斜面との間に空洞ができる。そこに乗るのが危ない。


尾根から沢を見下ろしたところ。
木々が少ない上に雪が木々を隠してArさんお気に入りの大斜面となる。怖いぞ~!


ハナニガナ


先を行くのは羽生市(埼玉県)から来たという青年。
スタートから女峰山頂まで前後しながら歩くことになった。


樹林帯に突入。
ここから先、展望はなくなる。


咲き終わって枯れかけたオヤマリンドウ。


赤薙山に到着。
歩き始めて1時間36分だから管理人としてはまずまずのペース。


樹林帯の中の山頂は展望が悪く、山が見えるのは1ヶ所しかない。
が、そこからは女峰山がよく見える(晴れていればの話)。
山頂に雲がかかっているのが女峰山。


ここから第2の難関が待ち構えている。
奥社跡への悪路である。
この画像に騙されないように(笑)


アキノキリンソウ


短足の管理人には余るほどの大きな段差を乗り越える。


おぉ、ダイモンジソウだ。


キオンは終わりかけている。


2076ピークだが地理院地図には閉じられた等高線のみ描かれている。
読者の皆さまにこのピークは見つけられるかな?


厳しい上りの途中で垣間見る景色。


奥社跡に到着
ここで先程の青年と出会ったので挨拶を交わし、管理人は休むことなく先へ進んだ。
ここから50メートル下って60メートル上るとピーク2209から派生する稜線と交わる。ピークには上らない。


ピーク2209からの稜線と交わるとこの先しばらくは気持ちのいい平坦歩きとなる。


こんな感じね。
中高木の広葉樹とシャクナゲに挟まれた日本庭園風の小径である。


ナナカマドの実
葉は間もなく紅葉するはず。


一里ヶ曽根に到着。
ここで全行程の7割まで来た。
残り2キロだがこれから先も難関といえば難関、変化に富んだ面白いルートが待っている。
ところで賢明な読者ならお気づきだろう。なぜここに奥社跡で出会った青年がいるのかということを。管理人が先に行ったはずなのに。
そう、青年が休憩していると管理人が追いつき、管理人が先に行くと追い越されそして、青年が休憩していると管理人が追いつくといった、まるで兎と亀を地で行く展開なのである(ただし、結論はない)。


いい眺めだ! 実に美しい!!
立ち止まる場所によって女峰山は見え隠れし、稜線も姿を変える。
これだからやめられない、女峰山通いは(ただし、いいお天気のときはね)。


一里ヶ曽根から次のピーク2318へは一旦、急なガレ場を下りそして急傾斜を上る。


ガレ場を下り次の斜面に差しかかるところに水場がある。
ここまでに500ミリのペットボトルを飲み干したので空いたボトルに電解質の粉末を溶かして水を満たした。熱中症に備えるためである。


水場からピーク2318へは段差のある急斜面を上って行く。
疲れも出始めているのでここは頑張らなくてはいけない。


ピーク2318
ここからの女峰山の眺めもいいのだがねぇ、、、


すっかり姿を隠した女峰山を恨めしく眺める。


茶色に見える崩れた斜面を右に巻いて回避する。


2周間前に盛りだったウメバチソウがまだ見られた。


落差3メートルほどの岩場。
ここはロープに頼らず両手両足で上るほうが安全かも?


山頂手前に差しかかる。
強い上昇気流によって谷底からものすごい勢いで雲が湧き上がってくる。


ハイマツ帯の間を女峰山のひとつ手前のピークへ向かう。


女峰山まで標高差あと20メートルのピーク2463。
10分とかからず登頂できる。


ますます深くなる霧。


山頂を捉えた。


花の写真を撮りながら4時間46分かかって登頂。
前回、8月26日は1年ぶりの女峰登山だったので4時間40分は納得がゆく。しかし、今日は4時間46分とさらに時間がかかった。
今日も辛く感じた。
6分の違いなど登山では誤差のうちと言えるが、体調は悪くなかっただけに前回を下回る結果になり気落ちした。
まだ身体が本調子ではないのかもしれない。
いや、古稀を過ぎて体力は下り坂なのかもしれない。
せっかく登頂したのにそんなことを考えてしまう。
下山したら原因を考え、復調に向けて出来ることから始めよう(それにしても暗いね、山頂まで来てこういうことを考るのって)。


山頂に着いたときの眺めはゼロに等しかった。
まっ、これが女峰山だ。
少し早いがここで昼メシとし、雲が流れるのを待つことにした。


おぉ、見えた!
見えては隠れ見えては隠れを激しく繰り返す。
それが女峰山らしいところだ。
毎回、来るたびに晴天で展望バッチリというのは女峰山に似合わない。
相手の機嫌が収まって笑顔を見せるまでじっくり待つ、それが女峰山との付き合い方なんである。


女峰山のご機嫌が直ったことだし、今年2回めの登頂はこれで良しとしよう。
キオンも元気な姿を見せてくれた。


崩落しかかっている斜面脇を慎重に下る。


一里ヶ曽根を通過


霧に包まれたシャクナゲ林の間を縫って歩く。


強風で落ちたのかオオシラビソの松ぽっくり。


ヤハズを通過してこれから奥社跡へ向かう。


疲れてはいるが空腹を感じるのは健全の証なのであろう。
激しい疲れに襲われると空腹をまったく感じなくなり食べることをしない。それがさらなる疲労につながることを管理人は過去に経験している。
イザというときのために取っておいた好物の「きんつば」を食べる。


シロヨメナ


コバノコゴメグサ


最後のコメツツジ
ホツツジ


朝とは違う場所のダイモンジソウ


ほんの数メートルの距離なのにも関わらず心休まる瞬間。


目の前に立ちはだかるピーク2076


ここで赤薙山と赤薙山を左(北)に巻く分岐と出合う。
少しでも往復違う道を歩こうと思い、ここを左へ行く。


数年前に歩いたとき、道が崩落している箇所があった。
たしかここではなかったか?
今は矢印の方向に向かって道がつけられている。


とはいえ、こんな感じ。
幅は30センチに満たない。


ここで赤薙山山頂からの道と合わさる。

赤薙山を降り小丸山への展望の良い稜線に出た。
中央に見えるのは1689メートルの丸山で、この稜線上から登ることができる。
管理人が主催しているスノーシューツアーでは北側から上ってこの稜線に降りてくるルートを設定している。夏山を経験したことのある人には登り甲斐があるし、とにかく展望がいいので楽しめると思う。

一昨年(2017年)の同月、たしかこの辺りからだったと思うが、霧で霞んだ丸山山頂に白い屋根だけのテントが数張り、設置されているのを見た。きっと山頂でイベントでもやっているのだろう、とそのとき思った。実に不思議な光景だった。
なにをやっているのか見てみたいと思ったが疲労困憊で足どりは重く、丸山へ行く元気はなかった。丸山にさらに近づくと今度は深い霧の中を女性が歩いているのを見た。どうしたんだろうこんな時間に。しかもザックも背負っていない。
心配になったので声をかけようとすると霧に隠れて見えなくなる。そしてまた現れては消える。
そんなことがあった。
いや、あり得ない、と思ったのは帰宅して風呂に入って一息ついているときだった。
幻覚
あり得ないことをまったく疑うことをせず、受け入れてしまう。まさにそれだったのだ。
管理人、初めての経験だった。
あのとき、もしも女性が手招きをしていたらついて行き、その翌日、谷底で発見されるという事態になっていたかもしれない。もちろん、管理人がである。
そんなことを考えたら浴槽の中で鳥肌が立ち、一刻も早く風呂から出たくなった。だが、立ち上がったものの足の上に鉄の塊が乗ったように重く、持ち上がらない。ふと足元を見ると、頭に載せたタオルが浴槽に沈み管理人の足に絡みついていた。疲れで眠りこけたらしい(これは事実に基づく話であり、フィクションではありません)。


イワインチン


小丸山が見えてきた。
ここまで来ると日光市街がよく見える。
近からず遠からず、いい距離感なのである。


筑波山方面の眺め。
冬は筑波山が手にとるように近くに見える。


天空回廊の最上段に来た。


朝は避難小屋のある700段目からここまで、100段ごとに休んだが、下りは一気に下るのがいい。
途中で休んだらそこから動く気力がなくなるというもんだ。


往きで見落としたがツリガネニンジンがまだ元気だ。


ふ~、なんとか下山できた。
所要時間は往復で9時間と27分だった。
往き4時間46分だったから下山は4時間41分という計算。その差はわずか5分でしかない。
それが女峰山らしいところ。

地図は前回(8/26)のブログをご覧ください。軌跡はほぼ同じです。


正直言って今日も疲れました。
女峰山に到着したのは10:34とまだ早かったので帝釈山を目指そうと思いましたが、17時に歯医者の予約をしていたため断念しました。もしも帝釈山を往復(片道700m、往復1時間強)していたら無事に下山できたかどうかわかりません。幻覚に襲われるほどではありませんでしたが、それほど疲れました。

昨年2月、当ブログに「登山時の疲労についての考察」というタイトルの長文を載せました。
2017年ころから登山時に疲れを感じるようになったため、その原因を究明するとともに対策を考える内容です。閲覧数5000を超えているのでそれなりに関心を持って見ていただいているようです。登山時の疲れは管理人だけではなく、登山者に共通する関心事なのだなと思っています。

登山におけるパフォーマンスを向上し、もっと楽に登れるようになること、それは誰もが願っていることでしょう。
管理人はブログに書いたことを実践しているつもりですがパフォーマンスを向上することなど一朝一夕に成し得ることではありません。しかし、いつかは必ず答えが見つかるとの思いで、試行錯誤を繰り返しています。

管理人は基準を女峰山に置いています。
女峰山に疲れずに登れること、それが基準であり目標です。
これが達成できれば他のどんな山でも大丈夫というのがこれまでの登山で得た経験則です。
ですが、前回も今回も残念ながらそれなりの疲れを背負って下山しました。

「登山時の疲労についての考察」を書くに至った動機を呼び戻し、初心に帰って実践したいと思います。考えることは楽しいし自らを実験材料にしていろいろなことを試すのも面白いものです。

「登山時の疲労についての考察」は永遠のテーマとなることでしょう。