古賀志山で見る花たち(2019/04/13)

2019年4月13日 晴れ

今日見た花
エイザンスミレ、ヤマツツジ、トウゴクミツバツツジ、アカヤシオ、ヒカゲツツジ、カタクリ、ミヤマシキミ、ニリンソウ、タチツボスミレ、ツボスミレ、セントウソウ

古賀志山の花の探索は先月の27日から始まって今日で6回目だから3日に一回というハイペースである。
例年だとこの間に他の山にも登っているが今年は暦の春になってから(日光ではまだ春とはいわない)の降雪が多く、残雪登山の楽しみを削がれている。山歩きを渇望しているものの、こんなに雪が多ければ遭難必至だわね。
足は自ずと花が楽しめる古賀志山に向くというもんだ。

古賀志山は宇都宮市郊外の低山で最高標高点が古賀志山山頂の583メートル。
しかも出発点が215メートルなので標高差はわずか368メートルという、典型的な里山である。
しかし、一歩足を踏み入れると古賀志山の奥の深さに魅了され、管理人のように病的(偏執的とも)なほどこの山が好きになる。

管理人は2014年10月に初めて登って以来、2015年から集中的に取り組み今日で69回を数える。
山域には地理院地図に描かれていない道すなわち、バリエーションルートが100本以上あるし(実際には正しい数は不明)、岩場も多数あってスリルが味わえる。独立峰だから展望抜群である。複数のルートを組み合わせれば20キロ以上の距離を歩ける。
そしてなによりも、花の種類が多いとなればこの山を嫌いになる理由などなにもない。
季節やその日の体調、気分によってルートを使い分けて楽しむようにしているが、この時期は特にルートを定めず、最初の目的地だけを決めたら後は行き当たりばったりで花を探し回るようにしている(※)。

土曜日の今日、幸か不幸か仕事はないので、青空に誘われて出かけることにした。

※軽く書いていますが管理人は地理院地図(1/2.5万と1/1.25万)とコンパス、GPSは必ず持ち歩く。地図アプリの入ったスマホもフルに活用するなど、複雑怪奇な地形の古賀志山を歩くに際しては細心の注意をはらっていることをお伝えしておきます。

この時期、古賀志山の花を見るにはここ、宇都宮市森林公園を出発点とする。
土曜日で駐車場の混雑が予想されるため7時40分に着いて歩き始めた。


赤川ダムの畔はいま、サクラが満開。


車道のすぐ脇にエイザンスミレが咲いているのも古賀志山ならではのこと。


前回9日はこの分岐を右へ行ったが、今日はここを左へ入って二枚岩へ行ってみよう。
地図には軽車道(幅3メートル未満)として書かれているが杉の小枝が堆積し、道路としては利用されていない様子。
歩き始めてすぐ、右手の尾根に取り付けば二枚岩に行ける、地図はそのように読める。
と、歩き始めたものの行けども尾根らしき傾斜は出てこない。


なんかヘンだと思っていたら、とうとうこんな場所に。
地図の尾根からどんどん離れていっているようだ。


戻るのも面倒なので先へ進むと右手に踏跡もない急斜面が現れた。
これを上がればそのうちに尾根と合流するはず。


お~、巨大な一枚岩が!
これを上れってか?
「このすぐ右に巻道があるんだからそっちへ行けば?」、「万が一、落ちたら数週間は見つからないよ」、ともうひとりの管理人が言う。
「こんな立派な一枚岩なんて古賀志山にたくさんあるわけじゃないよ。ここは上るべきだよ」、と管理人。
結局、現実の管理人の声が強かった。上がることにした。


怖い思いをして岩を上ってひと息。
そこにはヤマツツジが咲いていた。


ここで二枚岩への登山道に合流。
いま歩いてきた斜面は二度と歩くまい(笑)


二枚岩に到着。
この時間、まだ他に誰もいない。
さあ、撮るぞ!


9日に来たときはつぼみだったトウゴクミツバツツジが数輪、花をつけていた。


アカヤシオは色が薄れていたがまだ十分に見ごろだった。


9日は咲き始まったばかりだったヒカゲツツジ。
今日は実に美しく咲いていた。


薄黄色に見えるが実際には薄い緑色をしていて美しい。


ヤマツツジが咲き始めた。


二枚岩を後に次は「ゴーゴーキュー」へ。
案内板にP559と書かれた、これもヒカゲツツジが成育している場所である。


案内板の先に咲いている純白のツツジ。
調べてみたらやはりアカヤシオが変化した種らしい。


古賀志山山域の面白さは目的地へ行くのに道が幾通りもあることだ。
「ゴーゴーキュー」へも複数の行き方がある。
普通は中尾根の終わりまで行ったら北に折れて「ゴーゴーキュー」に至るが、管理人は中尾根を使わず、「ゴーゴーキュー」の北から入るようにしている。そこにはカタクリの小群落がある。


「ゴーゴーキュー」を北から入る登山道。
岩の上を歩く。


また岩、、、


そうやって「ゴーゴーキュー」直下へ。


ここが「ゴーゴーキュー」。
20人ほどが座れる広場になっていて展望がいいので地元の人の憩いの場になっている。
ちなみに中尾根を利用する場合はこの向こう側からここへ来る。


「ゴーゴーキュー」から眺める日光連山。
4月に入ってからの降雪で年末から今日にかけてでもっとも白い印象。
左から白根山、男体山、大真名子、小真名子山、女峰山、赤薙山。


9日はつぼみだったヒカゲツツジがようやく花をつけた。
といってもまだ数輪。
崖っぷちのは満開だったが近づくのは無理だった。


アカヤシオを入れて日光連山を撮ってみた。


久しぶりに弁天岩に行ってみようと思う。
「ゴーゴーキュー」よりも展望がいいのだ。


鎖を使わずに岩をよじ登って弁天岩トップに。


目の前に広がる日光連山の大展望。
遮るものはなにもない。


高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)


日光連山を眺めながらここでコンビニで調達した海苔巻き弁当の昼食とする。
弁天岩は地元の人の間では「弁当岩」と呼ばれている。
この景色を見ながら腹を満たすのに最適なことから、弁天岩をもじって名前をつけたのであろう。


「ゴーゴーキュー」の手前まで戻り、これから案内板にしたがって「古賀志山頂方面」に向かって行く。


ヤマツツジとその向こうに古賀志山が見える。


古賀志山へはここ富士見峠から斜面を上っていくが今日は古賀志山の山頂に行く予定はない。
これからカタクリの状況を確認しに北登山道を降りる。


ミヤマシキミ


カタクリの群落地に入った。
全体的には見ごろは過ぎているもののまだ元気なカタクリも多数あった。


これなど数日前に咲いたばかりといった感じ。


斜面を埋め尽くすカタクリ。


古賀志山と東稜見晴を結ぶ鞍部に出て、今度は東南稜に向かって下りる。


ニリンソウの一輪目。


東南稜と交わる途中で進路を北に変え、次に東稜を横切って再びカタクリの群落地へ。
※この辺りの登山道と進路については管理人のメモとして書いているのでおそらく誰にも理解してもらえないでしょう。興味のある方や謎解きが得意な方は、国土地理院地図を広げて想像力で補ってください。管理人もそうやって道を覚えてきました。


この群落地は広い。
群落地を抜けるまで20分ほどかかる。


カタクリの群落地を抜け北登山道に合流。
最初に目にしたのはタチツボスミレだった。


咲いたばかりなのでツボスミレだかタチツボスミレだか判別が難しい。
おそらくタチツボスミレ。


水場の水流が復活した。
一時は水が出ず、とうとう枯れてしまったかと思ったが心配はなかった。


エイザンスミレ


ニリンソウの一輪目。
一輪目の花柄の根元に二輪目の花のつぼみが見える。


ここのカタクリはすでに終わっていた。


セントウソウが咲きだした。


森林公園に戻り、赤川ダム畔をのんびり歩いて駐車場に向かう。


ダムから水を吸い上げるためホバリングしている宇都宮市の防災ヘリ。
山に消えては戻りまた吸水を繰り返していた。
山火事それとも訓練ですかね?


時刻は14時26分。
管理人の山歩きでは日没も珍しくないがこと古賀志山ではその心配はない(馬蹄形では過去に数度、日没になったが)。
登山者が帰りかける頃になって今度はトレランのランナーや自転車乗り、家族連れが訪れるなど森林公園の利用者は多彩だ。


地図の代わりに管理人が歩いたルートの断面図を載せておきます。
読図ができる方であればこれを見ればおおよその見当がつくでしょう。
それと今日の標高差(出発点とP559との差)は340メートルにすぎませんが、累積標高は1350メートルにもなります。
これが古賀志山の素晴らしいところです。