2018年6月30日(土) 晴れ 行程表
管理人が主催しているツアーの中に「クリーンハイキング」がある。
フィールドに落ちているゴミを拾いながらハイキングするという、他のツアー会社にはないユニークな内容だ。
ゴミを故意に落とすハイカーはいないと思うがフィールドを歩いているとそれなりに目につくものである。それらのゴミを拾うことで自然を良好な環境に保つと共に、きれいな環境の中で花を観賞するというのがツアーの主旨である。
他人が捨てたゴミを拾うというのは抵抗があるが、ツアーの主旨を理解してくれる自然愛好家はいて毎年、わずかだか参加者はいる。
3年前にクリーンハイキングに参加してくれたT.Hさんはそのひとりであり、その後も交流が続いていて、毎月のようになんらかのツアーに参加するようになった常連さんである。
通勤中の事故で一時は精神的に落ち込み、これで山とはお別れかと思ったそうだ。
しかし、心の持ちようでどん底から脱出し、夏のテント泊を目指しリハビリに専念している。心身ともに不調から立ち直るためにも、なんらかのお手伝いをしてあげたいと思う。
行程表
菅沼登山口(8:05)~弥陀が池(9:39)~山頂(11:05/11:55)~五色沼(13:06/13:35)~弥陀が池(13:59)~菅沼登山口(15:45)
距離:12.6キロメートル
時間:7時間40分
累積:1280メートル
白根山登山は一般的に、丸沼高原スキー場からゴンドラで一気に2千メートルまで上り、そこから山頂へ向かう方法と、日光湯元に近い菅沼登山口を利用する方法がある(これ以外に湯元温泉スキー場から前白根山経由で登ることもできるがかなりマニアック)。
ゴンドラを利用すれば標高差578メートルで百名山に登れるので人気が高い。菅沼からだと840メートルの標高差を上る必要があり、それなりの脚力が求められる。が、こちらも人気だ。T.Hさんとしてはやはり、難易度の高いルートを望むであろう。
今日は土曜日ということもあり駐車場には朝からさまざまな地域から来た車が停まっていた。さすがに百名山、もしかすると駐車場は満車かとも思ったが、まだ十数台分のスペースがあった。
この駐車場、以前は無料だったが現在は入口に係員が駐在する小屋があり、そこで1000円徴収される。また同時に、登山届書もここに預ける。
なお、トイレはこの駐車場に隣接する民間の茶屋のが利用できる。
菅沼ルートはギャップが多いため脚を高く上げないとクリアできない。
カニコウモリの花。
まだ蕾のようだがとても地味な花なので目を凝らさなければ咲いているのかどうか、よくわからない。
弥陀ヶ池に到着すると視界は一気に開ける。
前方に見える荒々しい山が白根山。
右の斜面が弥陀ヶ池からの直登ルートで左の斜面は五色沼を経由するルートである。
シラネアオイの保護地帯。
電気柵で囲んでシカの侵入を防いでいる。
残念ながらT.Hさんが切望するシラネアオイはすでに終わっていた。
弥陀ヶ池で道は白根山方面と五色沼方面に分かれる。
どちらに進んでも山頂に行くことができるが五色沼経由で山頂に立ち、弥陀ヶ池に下るルートは山頂から下、滑りやすい岩場やザレ場を歩かなくてはならない。危険がともなうため下りは五色沼ルートを使うほうが安全。
ガレ場始まる。
これから先はずっとガレ場、ザレ場を上っていく。
ザレ場は足が安定せず滑る。
このルートは展望が素晴らしい。
振り返ると眼下に弥陀ヶ池、菅沼、丸沼。遠方に燧ヶ岳ほか福島県や群馬県、長野県の山並みが一望できる。
ただし、下りにこのルートを使うのはスリップが怖いのでお勧めできない。
弥陀ヶ池からのルートは山頂に近づくにつれて火山特有の表情を見せる。
眼下に群馬県から福島県にかけての山並みが見える。
右下の湖は菅沼、その左、やや大きいのは丸沼で丸沼の奧は燧ヶ岳。
T.Hさん念願の白根山に登頂。
次から次から上ってくる登山者の切れ目を狙って一枚。見た目だけ山頂独占の写真(笑)
山頂を少し下ると白根山神社があり、ここで五色沼への道とゴンドラ駅への道に分かれる。
陣取った場所は衝立のような岩の陰。
風除けにしてお湯を沸かすのにちょうどいい。
T.Hさんの今日のランチはカップラーメンでした。
山への傾倒がますます深まっているT.Hさんは7月末にテント泊を計画しているそうだ。そのためにもテント泊に必要な調理道具の使い方をマスターしたいという。
管理人の定番、コンビニのあんパン。4つで400キロカロリーを確保できる。
この他にオニギリとバナナで栄養のバランスをとる(でもないか・笑)。
五色沼への下山ルートはこのような光景が見られる。
男体山と中禅寺湖である。
五色沼へと向かう登山者。
ここを降りると平坦な場所に出て道なりに歩くと避難小屋がある。
五色沼に向かって歩いていくとやがて赤い屋根が特徴の建物が見えてくる。
五色沼避難小屋である。
ここを利用する登山者が持ち込んだらしい毛布など寝具がたくさん。
無人の小屋だから致し方ないのだろうが年々、持ち込み品が増えている。
ここにもハクサンチドリが、、、
こんなに人が集まるところなのにねぇ。
平らな岩があったので腰をかけ、T.Hさんとともに五色沼に魅入る。
30分ほど時間を費やしただろうか、休憩していた多くの登山者は先に行ったので我々もそろそろ帰るとしよう。
後に足音や鈴の音がするとせっつかれているような気がして気持ちが落ち着かない。事故の元になる。なるべく後続者を作らないようにするための30分であった。
視界良好で歩けるのはここまで。弥陀ヶ池から先は樹林帯の中を歩く。
深い樹林帯はカニコウモリやこのズダヤクシュ(喘息薬種)の天下。