矢板市のミツモチ山。下って下って山頂に(笑)。レンゲツツジを堪能。

2017年6月2日(金)

夜半の雷を伴う激しい雨も止み、今朝は青空がのぞいた。
宿泊のお客さんを送り出し、予定していた八方ヶ原のレンゲツツジを観に行くことにした。
先月23日、スッカン沢の滝を見た帰りに八方ヶ原に立ち寄ったところ、大半の木がまだ蕾の状態だったのを見て、例年の開花日は知らないが今年は6月になってからと考えたのだ。

予定の行程は学校平の駐車場から歩き始めて大間々まで、ツツジを眺めながら1時間かけてのんびり歩き、大間々に着いたらレンゲツツジの群落地をぐるっと一周する、そんなことを考えていた。
自宅の出発は遅いが歩く距離は短いから問題ないと思う。
ところがもうすぐ現地に到着する頃になって空が急に黒くなり、大粒の雨が降り出した。ワイパーを高速にしても視界不良が解消されないほどの激しい雨だ。雨に混じって霰(あられ)が落ちてきた。それに強風だ。出かける前の天気予報によると大気の状態は不安定とのことだったが、あれほど青空におおわれていたのにこの雨と風だ。意気消沈する管理人なのである。

雨と風は学校平に到着してもなお続き、しずまる気配はない。
よしっ、今日は潔くあきらめよう。
その代わり、学校平から大間々まで、歩くのをやめて手っ取り早く車で行って、窓越しにレンゲツツジを眺めて帰ろう。そのくらいのことをしなくては自宅から1時間半かけてやって来た甲斐がない。

車を走らせながら花を窓越しに観ようとしてもそれには限界がある。学校平から大間々までの約10分、道路沿いにヤマツツジとレンゲツツジが観られたがやはり違うんだよな、歩きながら眺めるのとはね。
大間々に着いてからも雨と風は強く、トイレに行くのに傘を広げることもできないほどだった。

レンゲツツジは日光でも見ることができる。湯ノ湖の兎島、光徳沼、湯川沿い、戦場ヶ原などにだ。
ただし群落ではない。
群落ではないが新緑の中、大柄で橙色の花は目だつ。低木なので咲いていれば遠目にもあれはレンゲツツジだということがわかる。
これらが群落を成すとどうなるのか、それをぜひ見てみたいものだ。
ふつふつと湧き上がる欲望とレンゲツツジの誘惑(笑)

幸いなことに雨は止んだ。空が明るくなった。あとはこの風さえしずまってくれれば絶好の観賞日和になる。
ここで気が変わった。
ツツジばかりで風を遮るもののないこの場所で写真を撮るのは難しい。
であればツツジの観賞は後回しにして、先に近くの山に登ってしまおう。山の中なら風が防げる。下山するころにはこの風もしずまっているだろう。レンゲツツジを観賞するのはそれからでも遅くはない。
選んだのは大間々からもっとも近いミツモチ山(1248M)である。


八方ヶ原の駐車場からはいろいろなコースがとれる。
今日はもっとも近いミツモチ山を目指すが、剣ヶ峰を経て釈迦ヶ岳に行けるし剣ヶ峰、大入道を経て戻ってくる周回ルートもあってなかなか楽しめる。
ミツモチ山も往復、異なるコースを歩けるようになっている。


登山道はこんな感じ。
昨年3月、学校平から歩き始めてここ大間々を経て、釈迦ヶ岳に登ったときもこの道を歩いた。


歩き始めてすぐ、ミツモチ山への分岐に差しかかる。
ここから入ると右回りに周回して「青空コース」で戻ってくるわけだが、管理人の習性として、半径が小さい場合、なんとなく左回りの方がしっくり来る。
車の場合だと右カーブよりも左カーブの方が楽だし、右折よりも左折の方が楽という心理的なものなのかもしれない。あるいは右利き、左利きというヒトの生理に関わるのかもしれないが、とにかくここは左回りだ。もう少し歩いて「青空コース」から入ろう。


今度は剣ヶ峰コースとの分岐。剣ヶ峰コースを進むと釈迦ヶ岳や鶏頂山へ行ける。
直進するとミツモチ山の青空コース。


笹原の中の一本道だが、山へ向かって進んでいるという気がしないほど平坦いや、明らかに下っている。道を間違えてる?


先ほどの雨のせいかコースを水が流れている。
これから登るミツモチ山に向かって流れているという不思議な感じ(笑)


残り700メートル地点にミツモチ山へのもう一本のルート、「やしおコース」に連絡する道があった。


雨水が溜まってできた池なのかそれとも恒常的に水が溜まっているのか、林の中に2つ、このような池を見た。動物の水飲み場として使われるのかも?


林を抜けると開放感たっぷりの広い笹っ原に出た。展望もいい。道は相変わらず平らで車でも十分、走れるくらいの広い道だ。


木で造られたテーブルとベンチが現れ、ここが山頂らしい。
結局、ここまで、下りながら山頂に達するという貴重な体験をしたのだった(笑)


おやっ、展望台があるぞ。


階段を数段上がると展望台。
ここが山頂ということか?


お~、いい眺め!
南側に展望が開け、見えるのはおそらく矢板市街と思う。
あの雲がとれれば宇都宮市街まで見えるのかもしれない。


いつものように菓子パンで昼食とし、下山することにした。
ここまでが「青空コース」で、ここからは「やしおコース」を行く。


「やしおコース」を歩き始めたところ。
コースが水たまりとなっている。
ここはやむを得ないが笹が茂っている側に避けるべきだろうな。それを何百人、何千人もが繰り返すうちに笹原が裸地化することになるが、、、


おっ、シロヤシオがまだ見られた。
コース上に落ちている花はずいぶん見てきたがまだ咲いているのもあったのだ。


直径1メートル以上もある大きな木。立派である。
案内板によるとイラモミという針葉樹で、日本ではここ栃木県北部が分布の北限だそうだ。


水が流れるコースはまだ続く。
景観として悪くはないが歩くには苦労が伴う。


先ほど通過した分岐に飛び出した。車も見える。


さて、では最後にツツジでも観賞しましょうか。
午前中のあの強風もしずまり、木々の枝が風になびくこともなくなった。これで写真が撮れそう。
大間々の駐車場から学校平に向かって緩やかな下り傾斜となっていて、そこに広大なツツジ林が広がっている。広さは300ヘクタールもあるらしい。これを東京ドームに換算すると64ヶ分に相当する、と計算できた。
林内には遊歩道があって歩きながら目の前のツツジを観賞できるが、駐車場から見下ろすだけでも十分、楽しめる。


前方に見えるピークは方角から判断して剣ヶ峰と学校平を結ぶ縦走路にある大入道(1402M)らしい。


場所を少し移動して前の画像と同じく大入道を見る方角で撮ったレンゲツツジ。とにかくものすごい数のレンゲツツジが斜面に成育している。


見晴らし台を降りて林内を歩いてみるとヤマツツジが多い。
張り出した枝で行く手を遮られることもある。いやぁ、それにしてもすごい数だな。


今日は標高1278メートルの大間々駐車場から歩き始めたため、1248メートルのミツモチ山まで下りながら登山をしたわけだが、ミツモチ山へは他に山頂の南に位置する標高700メートルの栃木県民の森を登山口とするコースがある。
そうすると当然ながら斜面を登ることになる。次はそっちのコースに挑んでみよう。
なお、大間々駐車場から青空コースを辿ってミツモチ山へ至る道は、地理院地図では軽車道(細い実線)の扱いになっている。道幅が広くまた平坦だったのはその理由による。山頂のテーブルとベンチ、展望台を建設するにあたってはおそらく、管理人が歩いた道を資材を積んだ車が走ったのであろうと思う。

それにしてもなんですな、自宅からの移動時間はかかるもののこれほど手軽にハイキングが楽しめる場所があるというのはいいものです。日光でいえば小田代ケ原や戦場ヶ原がそれに当たるかな?
大きな違いは展望とハイカーの数。
展望の良さと静かに楽しめるという点では今日、管理人が歩いたコースが絶対に優位。
交通の便でいえば奥日光が断然優位だが、どちらの優位性を重視するかでいえば管理人は今日のコースを推す。と、日光の他にも楽しめるエリア探しに腐心する管理人なのである。
今日は大きな収穫だった。