釈迦ヶ岳をツツジの名所、八方ヶ原から登ってみた。これは歩き甲斐があるわ!

2016年3月31日(木) 晴れ、気温10度
8:38/学校平~9:49/大間々~11:11/八海山神社~11:38/P1590~11:52/剣ヶ峰分岐~13:37/釈迦ヶ岳~15:11/剣ヶ峰~16:08/大入道~17:28/学校平

一昨日、29日は元鶏頂山スキー場から歩き始めて高原山4座に登ったのだが、圧巻は360度の展望がある釈迦ヶ岳であった。
標高2千メートルを超える日光の山の頂に立てば素晴らしい展望に恵まれるが釈迦ヶ岳は日光連山にはるかに及ばず、1795メートルにすぎない。低山の範疇に入るのかもしれない。
だが、29日に山頂に立ったとき、その展望のすばらしさにハッと息をのんだくらいだ。雪道を3時間半もかけて山頂に辿り着いたので感動はなおさらであった。
とにかく素晴らしい。360度の展望だからどこを見ても山だらけである(^^)
管理人の地元、日光連山を始めとしてその後ろに真っ白な会津の山並みが見える。遮るものがなにもないから、木々の葉が茂る季節でもこの景色は変わることはないであろう。

鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称である高原山はツツジの名所でもあるらしい。実際、歩いてわかったことは確かにツツジらしい樹肌をした木が山全体に生育していることであった。背の高いのはヤシオツツジ、低いのはトウゴクミツバツツジであろうと思う。麓の低木はヤマツツジかもわからない。
これらツツジは日光の山でも見られので決して珍しい花ではないが、ツツジが群落している場所を述べよと言われると答えに困る。
登山しながらヤシオツツジが観られる場所といえば霧降高原や鳴虫山それに、奥日光の高山、明智平から始まる修験の道に代表される。ヤマツツジだと東照宮の裏手、行者堂から女峰山に向かって歩いくと見事な群落がある。

ただね、標高の高い山に登ったり山を長時間歩いたりするのとツツジを観るのとは両立しないのだよ。アカヤシオやシロヤシオが咲いているそばを通りがかってごらんなさい、どうしたって立ち止まってじっくり魅入ってしまう。登山が疎かになってしまうのだよね。
ただし、もしもその山がツツジだらけであるなら、わざわざ立ち止まって観る必要はない。ツツジの間をぬいながら登山をすれば花の観賞と登山が同時にできて効率がいい。
それができそうなのが、高原山ではないかと思ったのが29日であった。

この山に興味を持ったので「山と高原地図」を買って登山道を調べると、釈迦ヶ岳へは東西南北から6つのルートがあることがわかった。管理人が29日に登ったのは西の元鶏頂山スキー場からだったが、山頂目指してこれだけ多くのルートがある山は日光にはない。実に羨ましいと思う。
昨年、宇都宮市の古賀志山の面白さを知り、一度に7座に登れる宇都宮アルプスを知り、鹿沼市の岩山の怖さを知りこれまで長い間、日光の山ひと筋に真面目に生きてきた管理人にとって、外に目を転じれば県内にも楽しい山がたくさんあるではないかという思いを強くした。いよいよ人生末期を迎え、大いに浮気を楽しむことにしようw


起点は矢板市の学校平(おそらく、地名)にある「山の駅・たかはら」とした。ツツジの名所、八方ヶ原の入口である。
ここから南西に向かって歩くと剣ヶ峰でその先が釈迦ヶ岳である。登山口に大きな案内板があってコースは案内板の上に向かって延びている。登山地図を見慣れていると北へ向かえばいいように思ってしまうが、案内板の方角の記号は右下が北になっている。このような案内板は読むのがむずかしい。
まっ、それはいいとして、ここから2.5キロ先の大間々まで車で行けるらしいので期待したが、この時期は通行止めのようだ。

8:38
駐車場にあるレストハウスやトイレを見たあと、歩き始めることに。
レストハウスはこの時期、土日しか営業していないらしい。トイレは冬季閉鎖となっていて、隣に仮設のトイレが設置されていた。

まず出合ったのが広い広葉樹林。
オオモミジにマツ科のトウヒ、アカマツなどなど、主要な木には名板が取り付けられている。

ここはツツジのトンネルになっている。一部の区間は枝をかき分けて進んだ。

標高が低いのにダケカンバがある。しかも群落。

ウラジロモミの幼木が点在し、日本庭園のよう。
植生が変化に富んでいて楽しめるではないか。
グリーンシーズンにも惹かれる。

9:49
ここが大間々かな? トイレらしい建物が見える。

これがぜんぶ、レンゲツツジというからビックリ。

学校平から大間々まで2.5キロ。ここまで車で来れれば時間の短縮になるのだが、いや、車で来ない方がいいのかもわからない。
なぜなら、この2.5キロの区間。広葉樹林があったりツツジの群落があったり、ウラジロモミの林があったりと飽きずに歩けるから。

大間々で道は分岐するがどちらに行っても剣ヶ峰の手前で合流するようだ。左の見晴らしコースを歩いてみよう。

車道のような広い道をひとり、占領する。

10:07
ふたたび分岐するがここを右へ行くと剣ヶ峰となる。
ここで1回目の食事。菓子パンをかじりバナナを食べる。

雪が表れた。う~ん、いいね。

なるほどコース名の通り、見晴らしがいい。ずっと眺めのいい稜線を歩ける。
前方に釈迦ヶ岳と鶏頂山、中岳、西平岳が見えてきた。

ガレ場を登っていくと、、、

11:11
標高1539の小ピークに八海山神社が建っている。祠は老朽化が激しく、拝むにも門前にガレが高く積まれている。
ここで2回目の食事。
山登りは消費エネルギーが多いので絶えずエネルギー源を補給しなければならない。

展望のいい八海山神社からふたたび樹林帯に入り剣ヶ峰へ向かって歩いて行くが、道は笹がきちんと刈られて歩きやすい。

こんな美しい林が続くが新緑もきれいだろうなぁ。

11:52
剣が峰の手前で道は分岐する。
左がこれから向かう釈迦ヶ岳。剣が峰は帰りに通るのでここはすんなり左へ舵を切る。

木々の間から釈迦ヶ岳が覗ける。
地図で見るとこの向きに登山道はなく、ここから一旦下りて、次に左回りに右に見える斜面を登るようだ。

ここまであれこれ観察しながら歩いたので時間がかかってしまった。
この時間から登り始めると釈迦ヶ岳は13時半くらいの到着になり、帰りは学校平まで8キロあるから17時になりそうだ。

コース脇の笹が妙だ。
すべてが一定方向を向いている。

方向を見ると東だ。ということは西からかなり強い風が吹き付けているということになる。ここから西は尾瀬の方向だ。真冬は厳しいのだろうなぁ。

いよいよ傾斜がきつくなってきた。これから山頂までこの傾斜が続くらしいことが地図でわかる。

釈迦ヶ岳の西に位置する鶏頂山が間近だ。

ここで元鶏頂山スキー場から登ってくる道と合流する。案内板はないがここは上へと登っていく。

13:37
着いた~!
29日に続いて今週、2回も来てしまった。
ここで3回目の食事とすっか。菓子パンをかじりバナナを食べる、1回目とまったく同じだ(^^)
珈琲も飲みたいところだが時間も迫っていることだし、今日も諦めた。

 

360度のパノラマをじっくり眺めることにする。
まず、南南西に29日に登った中岳と西平岳。

南西に日光連山。
一番右に女峰山が写っている。

カメラをパノラマモードに切り替えて、120度の範囲でとってみた。中央手前に見える大きい山が鶏頂山。
中央右に小さくひときわ白い、群馬県の山々が見えるだろうか。

もうひとつオマケに管理人が愛用している地図ソフト、「カシミール3D」を使って描いた山座同定図をご紹介。上のパノラマ写真の鶏頂山よりも先に焦点を当てて描いている。
群馬県の山並みは本白根山から始まって燧ヶ岳で終わっています。

名残惜しいがあまりのんびりもしていられない。帰るとすっか。

剣ヶ峰まで同じ道を戻るが往きと帰りとでは景観が違っていてこれもまた楽しめる。

15:11
ここが剣ヶ峰。
台地状になっていて休憩に適しているようだが、葉が茂ると眺めはよくないみたいだ。

剣ヶ峰から往路とコースを変えて次は大入道が目標地点となる。

大入道へは標高で140メートル下るわけだが距離が2キロ強あるので下っている感じがしない。実に気持ちのいい稜線歩きだ。

この稜線もツツジの宝庫だが途中、「縄文躑躅」というのがあった。
はて、名前としての縄文躑躅というのはあっただろうか?

16:08
1402メートルの大入道だがピークという感じはまったくない。稜線上の一地点というところだ。
それにしても日が延びた。この時間でもまだ十分、明るい。

大入道からは深い笹の中を下っていくが道はどうやら沢筋についているようだ。

完全な沢に入った。少量だが水が流れている。

それでも道は正しいようだ。

往路で歩いた広大な広葉樹林に出た。

17:28
無事にゴール。学校平に着いた。

29日に高原山4座を登ったときよりも3キロほど長い道のりだったが、あちこち観察しながらも時間は30分、早かった。
GPSにはここの標高が1066メートルとなっているから釈迦ヶ岳との差は729メートル。標高差は大きいが距離が長いので全体としては緩やかだ。それが登り易い山のように感じたのだと思う。

釈迦ヶ岳へはこの他にも南側の塩谷町からのルートもあるようだ。
ただし、細い山道を走った上に駐車台数も少ないというから時期を選ばなくてはならないようだ。
それに冬は、道路の多くが通行止めになってしまうらしい。そうなるとやはり西の元鶏頂山スキー場から登るしかにない。

高低グラフで見ると急な上り下りに見えるが、距離が長い分、釈迦ヶ岳直下を除けば緩やかな印象をうけた。とにかく長い稜線歩きが楽しめるのがいい。
ちなみに標高差729メートルに対して累積標高は1491メートル。標高差の2倍だ。厳しく感じたのも頷ける。

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