年の初めはやっぱり古賀志山の岩場でしょ!!

2017年1月6日(金)

膳棚駐車場~林道古賀志線~三叉路~芝山林道から西へ~東稜岩場~東稜見晴台~古賀志山~御嶽山~古賀志山大神~猪落~岩下道~南登山道~坊主山~膳棚駐車場

この冬、一番の冷え込みとなり、管理人が住む霧降高原はマイナス7度を記録した。
この冷え込みのおかげで屋外に設置してある給湯ボイラーの配管が凍結してしまい顔も洗えない始末。いや、洗おうと思えば洗えないことはないのだが、凍傷になるくらい冷たい水で顔を洗うにはそれなりの勇気を必要とする。
石油ストーブを壁付けボイラーの下に移動するとともに、解氷機に通電して待つこと30分。ようやくお湯が出てきたときは嬉しさのあまり万歳、などということはしませんが、普通が一番ありがたいと感じたひとときであった。
その後、商工会議所に出向いて専従者の源泉徴収表を作成するなど、暮ればかりでなく年始めもなかなか忙しい。
新年早々、ボイラー凍結というアクシデントに見舞われるし、雪はいっこうに降る気配がないし、波乱の2017年という予感がするw

あ~そうそう、忘れるところだったけど先月24日、山に行くときの足代わりとして中古の軽自動車を手に入れた。これまでどこへ行くにもステップワゴンに乗って出かけていたが、いつ壊れるかもわからない高年式車ゆえに、稼働日数を少なくして、延命を図ろうというわけだ。平成13年式のステップワゴンは3列席への乗り降りがしやすく、贅を尽くした最近の車にはない使い勝手の良さがある。寿命尽きるまで大切に乗りたいものだ。

で、軽自動車なら細い林道に無理やり入っていけるし、20センチもある地上高と16インチという大きなタイヤは石がごろごろ転がっているような荒れた道でも心配はない(と思う)。深い轍に入り込んでしまっても手動で切り替える方式の4WDだから脱出は容易というものだ(たぶん)。
要するに昨年末の総括で宣言したように、「より遠方の山への開眼」を今年はさらに強化するために、どこへでも入っていくことができる「足」を手に入れた次第だ。
その入手した軽自動車、スズキのジムニーだが、使い勝手をよくするためにあれこれ細工を施すのに時間をとられて山歩きは先月19日以来のご無沙汰で、今年の初歩きは昨年よりも遅く今日6日となってしまった。

今年の管理人の目標は古賀志山でいえば、山域内にたとえ数十メートルでも、まだ歩いていない道があればくまなく歩き、文字通り古賀志山を歩き尽くすことにある。おそらく地図とコンパスが必要になろうかと思うが、それが読図能力の向上につながり、他の山での安全につながる。

古賀志山山域は3.5キロ四方の中にすっぽり収まってしまうほど狭いので、道間違いを起こしても冷静に対応すれば容易に脱出できる。読図の練習には最適なのだ。
これほど身近な場所なのに地図にない道を歩けたり岩場の上り下りができる古賀志山は、登山の基本のキを学べる隠れた名山だと思う。今年も大いに世話になろう。


軽自動車ながら最低地上高200ミリ、16インチもある大きなタイヤ、手動切り替え式の4WDと、本格的なオフロード走行が楽しめるとして根強い人気があるジムニー。
だからといって性能を100パーセント発揮できるような道に踏み込もうというわけではないが、これまでステップワゴンでしてきた苦労が少し軽減されるのではないかと思う。


今日は残り少ない未踏ルートに近い膳棚駐車場をスタート地点にした。日光から県道70号線を宇都宮に向けて走り、レイクランドCCに折れた場所にある。
古賀志山に登るには森林公園駐車場からのアプローチとここ、膳棚駐車場からのアプローチという二通りの方法がある。森林公園駐車場は元々、地元の人の利用が多く、広い駐車場は早朝から満車になることがある。駐車場で出合った地元の顔見知り同士、一緒に歩くのに都合がいいらしい。
しかし、膳棚駐車場は森林公園駐車場ほど広くないのと宇都宮市街から行くのに森林公園駐車場より遠くなるため利用者がほとんどいない。といって古賀志山に至るのにアクセスは決して悪くないので管理人はよく利用する。


車止めの脇を抜けると左に入るアスファルト道路がある。
途中で登山道に変わり、坊主山を経由して古賀志山南登山道で山頂に至る。分岐がいくつかあるため地図とコンパスは必須。
今日は帰りにこの道を利用する予定。


坊主山への道を左に見ながら車止めのある方向に進んでいく。
一般車は通行禁止だし歩く人もいないので散歩気分で歩ける。が、ときおり前方から高速で向かってくる自転車とすれ違う。
この道路は自転車レースとして名高いジャパンカップで利用されていることから、ロードレーサーの間で人気がある道なのだ。一般車もない、人もいないアスファルト道路でなおかつ、下りという好条件が人気を呼んでいるらしい。
それが裏目に出て、2008年には練習中のレーサーが一般車と衝突して亡くなるという事故が起こったそうだ。なぜ一般車が走っていたのかは不明。


ぶらぶらと散歩気分で歩いて行くとアスファルト道路が分岐する場所に出合う。
左の道が林道古賀志線で途中、南登山道と交わる。管理人の予定ルートは右へ進んで途中で山に入るというもの。
なお、分岐の中央に見える林の奥に東南稜ルートと呼ばれる岩場ルートが隠れている。


分岐を右へ進んでいくと右へ曲がるヘアピンカーブがある。
ここでアスファルト道路と分かれて山に入る。


檜の植林地だが陽が差し込んで明るい。


向かう方向は時計のコンパスが示す西。


沢から尾根に転じ、かすかな踏跡を頼りに標高を稼いでいく。


ほっ。なんども歩いている東稜ルートに合流した。
これで本日の未踏ルート歩きは終了。距離にして400メートルという短いものだった。
とはいえせっかくここまで来たのだからおいそれと帰るわけにはいかない。
鈍った身体に活を入れるためにも岩を登って緊張感を高めよう。


東稜ルートを登り詰めると左から来る尾根、東南稜ルートと合流し、合流点にさっそく岩場が待ち構えている。ここから連続する岩をすべてクリアすると東稜見晴台に達する。
なんども登った岩なのにいざ目の前にすると緊張が走る。
久しぶりなので滑落しないように慎重に登ったのは言うまでもない。鎖は使わなかったが、、、


見晴台直下の岩。
ここはほぼ垂直なので慎重に、、、鎖を使わずに、、、


東稜見晴台から多気山(たげさん)を通して宇都宮市街地を望む。
雲が多いながらも筑波山も見えた。


ほぼ真北に高原山(鶏頂山、釈迦ヶ岳、中岳、西平岳の総称)が見える。


西には日光連山。


見晴台から目と鼻の先に古賀志山がある。
山頂は広場になっていて昼食時になると多くの人で賑わう。眺めはよくないので長居はせずに次の御嶽山へ向かう。


古賀志山から西へ向かって1キロ半もの尾根が延びている。
この尾根こそ古賀志山山域の主稜線であり、里山ながらいろんな顔をもつ古賀志山の神髄が味わえるいい稜線と言える。
稜線はまず、御嶽山へ続くが行く手を阻むような大きな岩に出くわす。昨年3月、向こうからこの岩を通過しようとした女性ハイカーが、地面まであと一歩というところで足を滑らせて谷へ転落し亡くなっている。
ここには巻道が設けられているのだがその存在を知っていてあえて岩を乗り越えようとしたのか、知らずに乗り越えようとしたのか、そこまでは知らない。
いずれにしても古賀志山の危険性を物語る事故である。


ここも巻道があるのであえて乗り越える必要はない。


最後は鉄製のハシゴ。


ハシゴを超えるとすぐ御嶽山山頂に着く。山頂からの眺めは抜群で、周りに障害物がなく、目の前には大パノラマが広がっている。


通称「小マラ岩」と呼ばれている岩尾根。
過去二度、通過したことがあるが、正直言って古賀志山山域の岩場の中ではあれがもっとも怖い。
※2015年6月09日の小マラ岩の様子→こちら
※2016年9月18日の小マラ岩の様子→こちら


時間はたっぷりあるので近くの岩に腰を据え、カップラーメンと菓子パン、そして魚肉ソーセージという贅沢な昼飯を味わう。最後にコーヒーのサービスも(^^)
腹が満ちたのでここを立つ前に御嶽山の神様に今年の無事を祈願する。


主稜線はまだ先が長いが今日は御嶽山で折り返す計画にしている。
といっても同じルートで戻ることはしない。これが古賀志山のいいところだ。
日光の山だと車を置いた場所まで同じルートで戻らなくてはならないが、古賀志山は行き帰り、まったく別のルートを使えるのがいい。
今日はこれから古賀志山大神(こがしさんおおかみ)、猪落(ししおとし)と歩いて坊主山を経て膳棚駐車場に戻ることにする。
画像は古賀志山大神への道。


これが古賀志山大神。
古賀志山山域は古くから地元の人の信仰の対象になっている。
古賀志山には山域のあちこちに祠や社、石像があることでそれがわかる。山の頂でいえば石祠のある御嶽山がそうである。
しかし古賀志山の山頂は御神酒が供えられていることはあっても祠や社があるわけではない。
では古賀志山の神様はどこに?
地図で見ると古賀志山と御嶽山を結ぶ主稜線の中間あたりから南へ大きな尾根が張り出していて、麓から仰ぎ見ると威風堂々とした山に見える。そこを古賀志山の神として崇め祠を祀ったらしい。
そして、古賀志山と区別して、「こがしさん」というのが正しいそうだ。と、ここまで臆面もなく書けるのはNPO法人「古賀志山を守ろう会」会長の池田正夫氏が記した「古賀志の里 歳時記」のおかげ(^^)。古賀志山を深く知るには必須の書です。


古賀志山大神のある尾根の末端は崖である。
崖の手前を左へ回り込むようにして踏跡がつけられている。
踏跡に沿って歩いて行くと画像の猪落の上部に出る。
ここから岩下道に出るまで、つかの間だが画像のような岩尾根が楽しめる。東の眺めもいい。


猪落を下りきると岩下道に合流するので不明瞭な道を東へ歩いて行くと南登山道に出合う。
この階段を下りると林道古賀志線と合流する。


林道古賀志線に合流。
左へ行くと森林公園、右へ行くと宇都宮市営の南駐車場へ行く。
道路を横断し階段を登ったところが坊主山である。


林道から100メートルほど歩くと地図の小ピーク、坊主山である。
眺めはまったくない。


坊主山から膳棚駐車場へ向かう静かな小道。


約400メートルの未踏ルート歩きを終え、無事に戻ることができました。