梅雨入り前の快晴日、展望抜群だった男体山(ガイド登山)

2021年6月9日(水) 快晴

男体山は百名山として名高いが管理人はあまり魅力に感じることがなく、どうせなら他のもっと魅力的な山に登りたいと思っている。
そんな気持ちが強いため山を登り始めて23年になるが単独すなわち、自分の意志でこの山に登ったのはわずか一度だけであり、他はお客さんの希望でガイドを引き受けて登ったことがあるがそれを加えてもこれまで3回の実績しかない。

天気のいい日に登れば山頂から見下ろす中禅寺湖や遠方の山並に目を奪われてこの山の虜になること間違いないのだが、やはりアレですな、この山から管理人を遠ざけているのはその厳しさでしょう、きっと。

普通、登山道というものは急な傾斜でも登りやすいようにジグザグになっているのが相場なのだが、男体山は始めから終わりまで変わりのない傾斜に対して、登山道は山頂に向かって一直線に続いていて、身体が休まるようなアップダウンもなく、ただひたすら上って行くという難行を強いられる。

階段から始まる登山道は樹林帯を経て管理人が苦手とするアスファルト道路を30分かけて上がり、再び樹林帯に入った後は次に長く急な岩場、そして足の踏ん張りが効かない砂礫帯を乗り越えてようやく山頂に達するという具合だ。
修験僧が歩いたのははるか昔のことだが現代に至っても同じ経験をしなくてはならず、それは根を上げるほどの苦しみとの戦いを強いられる。

昨日、鳴虫山にご案内したOさんとは昨年6月、その男体山に登る約束をしていた。
その約束を実行する日が訪れた。
曇天で展望がない日だったら徒労に終わるかも知れない男体山登山だが、数日前からウォッチしている天気予報によれば今日、9日は終日に渡って晴れが期待できる様子だ。
管理人としては4回目の登山だが、苦手意識を克服して、他の希望者に胸を張って男体山の素晴らしさを訴えられる良き日にしたいと思う。

結果(GPSはHOLUX m-241を使用した)
・歩行距離:12.7キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:8時間37分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:1789メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

中宮祠二荒山神社が男体山の登山口となる。
この門をくぐると入山の受付場所になっていて入山料を支払う仕組みだ。
いつの間にか入山料が千円になっていた。


登拝門をくぐって参道に入る。


まずは石段から始まる。


昨日、鳴虫山に登ったばかりだがOさんの足取りは軽い。


男体山は一合目から始まって十合目が山頂になるが、三合目まで続く樹林帯がヤケに長く感じる。


樹林帯が終わると三合目になり四合目までアスファルト道路が続く。


四合目で再び樹林帯に突入。
この時期の男体山の見所はここからといっていいかも知れない。
シロヤシオを見ることができる(たぶん)。
また、振り返るとそれまで歩いた樹林帯の上を通して中禅寺湖が見えるようになる。


遠くにピンクの塊が見えた。
トウゴクミツバツツジであろう。


シロヤシオのご登場。
トンネルになっている。


トウゴクミツバツツジが目前に、、


五合目の小屋。
中には登山道補修用の部材などが入っていて、登山者がここに寝泊まりすることは出来ない。
雨や雷の際に身を隠す程度の小屋と思った方がいい。


振り返ると満開のシロヤシオを通して中禅寺湖が望める。


タチツボスミレ


六合目からいよいよ長い岩場歩きとなる。
男体山登山の核心であり正念場と言える。


まずは簡単な岩場から、、、


マイヅルソウ


傾斜は五合目までと同じで厳しい。
その上にこの岩だ。心してかからなくては。


中禅寺湖の眺めが一層良くなるのもこの辺りからだ。


七合目。
岩場はまだ続く。


もう勘弁して~、というほどの岩場の連続。


八合目の社務所。
標高2200メートルまで上がったはずだ。


ミネザクラかな?


九合目だが岩場が終わったのでこれで安心というわけにはいかない。
この後、苦行はまだまだ続く。


火山の砂礫が堆積した道はズルズル滑って歩きづらい。


火山特有の砂礫の上はいくら踏んでも力が入らず、滑るばかり。


苦節4時間半、無事に山頂に到着した。
喜びを噛みしめるOさん。


この日の山頂からの眺めは抜群で360度の展望だった。
右から女峰山、大真名子山、太郎山が見える。
いい日に登頂したものだ。
燧ヶ岳、会津駒、新潟の山並も見えるぞ。
もしも今日が曇天で何も見えなかったらもう二度と来ないだろう、初めて男体山に登った2002年、管理人はそう思った。


白根山
その奥は上越の山並であろう。


十分な休憩をとり、景色がまだ見えるうちに下山することにした。
上りよりも注意を要するのがこの砂礫帯だ。
かかとからではなく、足裏全体で着地すると安定する。


上りでは振り返って眺めていた中禅寺湖を正面に見ながら下っていく。


このような大きな段差のある岩場でポールを使うとバランスを崩して転倒の危険がある。
ポールをザックにしまって両手を空けたOさん。
岩を下りるときは腰をぐっと落として手は岩の上に置き、足を前に出せば姿勢が安定する。


上りでは気がつかなかったがベニサラサドウダンが満開だった。


四合目入口(上りから見て)の鳥居が見えてきた。
これからしばらくの間、傾斜が緩やかなアスファルト道路を歩くので足休めにはいいかも。


三合目で樹林帯に入り、登拝門を目指す。
ここが最後の頑張りどころである。


登拝門手前の石段まで来て、これで苦行から解放されるのだと思うと全身が弛緩していく。


これでOさんの依頼に無事に応えることができた。
女峰山の時もそうだったが、年齢を感じさせないタフぶりは一朝一夕に身につけられるものではない。管理人はただただ驚くばかりだ。
その強靱な肉体と精神力にはこのところ登山をサボり気味の管理人が見習うべきことが多々あることを思い知らされた。

いつまでもお元気でいてください、Oさん!!