古賀志山で見る花たち(2020/03/31)

2020年3月31日(月) 曇り/寒くてジャケット着っぱなし

今日見た花
ヒカゲツツジ、アカヤシオ、エイザンスミレ、マルバスミレ、タチツボスミレ、ニリンソウ、キクザキイチゲ、カタクリ

前回の探索は25日だったから6日ぶりとなる。
ショウジョウバカマとカタクリ、アカヤシオは前回までで堪能し、いよいよ待ち望んでいたヒカゲツツジの番が巡ってきた。6日も間をおけばもう咲いてるであろう。

管理人が初めてヒカゲツツジを見たのは2015年4月だった。
古賀志山を集中的に歩くようになって地元の人から、二枚岩と「ごーごーきゅー(※)」にあると聞き、地図とコンパスを頼りに探しに行ったのだ。→当時の記事
初めて見たとき、その美しさに魅入られてしまい以後、毎年のように通うようになった。

ヒカゲツツジは岩場を好んで成育する性質があるためどこにでもあるというわけではなく、場所が限られている。
それが二枚岩と「ごーごーきゅー」である。
この2カ所の他でも見ることはできるが散発的でありまた、近づくことも出来ないような急峻な岩場であったりするので、じっくり見ようとすればそれなりの覚悟が必要となる。

ヒカゲツツジの特徴を簡潔に言うならば、限りなく透明に近い緑色あるいは周りにとけ込むような淡い緑色とでもいおうか、楚々として美しく、女性に例えるならすれ違った瞬間、その美しさについ振り向いて、姿が見えなくなるまで魅入ってしまう、そんな形容がぴったりの花である。

ヒカゲツツジは二枚岩と班根石山に多く成育し例年だと4月上旬に開花し10日前後、楽しめるが、暖冬の今年は早いはずなので取り急ぎ、様子を見がてら探索に出かけることにした。
早すぎるようなら後日、出直そう。

※「ごーごーきゅー」とは古賀志山の北、約1.6キロにあるピークのことで、標高が559メートルであることから「ピーク559」あるいは「559」と呼ばれている。
昨年、「班根石山(はんねいしやま)」が正式な名称であることがわかり、ピークに山名板が設置された。当ブログでも昨年から班根石山と書くようにしている。

今日の接触者
・コンビニ(店員と・客は少ない)
・二枚岩で休憩中の夫婦と挨拶した他は10メートル以上の距離あり。

メモ
・歩行距離:10.0キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:4時間45分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:992メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

土曜日から日曜日にかけて通過した南岸低気圧の影響で管理人が住む霧降高原(日光市)は20センチほどの積雪があった。
気温も低く、植物にとってはこれから成長しようという時期なのに要らぬ降雪であった。
建物の屋根や路肩に残っている雪を横目に日光を抜け出しここ、宇都宮市森林公園まで来ると満開の桜の出迎えを受けた。
それにしても車が少ない。
理由は後でわかった。


毎度おなじみの光景。
赤川ダムのシンボル、大きな枝垂れ桜は満開となり、文字通り古賀志山に花を添えている。


通路沿いの桜も見頃を迎えている。


道はここで分岐し左は古賀志山北コースへ向かうが、今日は二枚岩に近道する計画なので右の道を進む。
ちなみに二枚岩へは北コースを歩いて古賀志山、559を経るかあるいは中尾根で行くのが一般的だが、どちらも時間がかかる。
手っ取り早いのは今日、管理人が辿るルートである。


道沿いのタチツボスミレ


同じ場所にエイザンスミレが。
スミレには珍しく、葉が深く裂けているのが特徴。


2つ目の分岐も右へ進んで二枚岩への最短ルートを目指す。
左の道は入るとすぐ二枚岩への尾根が見つかるのであとは一本道のまま迷わず二枚岩へ行くことができる。
このルートは昨年歩いたが登山者と出合うこともなく快適だった。
二枚岩に着くまでにヒカゲツツジもあった。


今日は分岐の先のここから入ることにした。
桧の林を通して見る斜面は真っ白で森林公園とは大違いだ。
これが森林公園との標高差100メートルの違い。


積雪3センチといったところ。
この雪のせいで今日の駐車場は車が少なかったのだな。


早くもヒカゲツツジのご登場。
咲いたばかりと見えてとても初々しい。そして美しい。
昨年は4月9日に来ていて、そのときは咲き始めたばかりだったから、今年は2週間も早いということになる。
昨年も暖冬少雪だったが今年はそれに輪をかけて暖かいのだ。


20分ほどで二枚岩に到着。
ヒカゲツツジはこことこの手前に成育しているのみで岩の先にはないから、じっくり味わうことにする。


ヒカゲツツジとアカヤシオ。


この色もなんとも言えませんな!!


トウゴクミツバツツジはアカヤシオが終わった頃に開花かな?


さてお次は班根石山のヒカゲツツジを観に行こう。
地面を這うように成育しているのはヒメイワカガミ。
開花は来月半ば以後になるでしょう。


桧林の中に入ると雪がたっぷり。
チェーンスパイクを装着する方が安全だが、じつは歩き始める際に車内を探したところ、別の車に入れっぱなしになっていることに気づく。


二枚岩から班根石山へはショートカット出来る道があって、沢に降りるとカタクリのミニ群落がある。
花はほぼ終わって萎んでいた。


二枚岩から班根石山へはいくつかの行き方があるがこのルートは難易度が高い。


ようやくヒカゲツツジを見つけたが花は数えるほどで蕾の方が多い。
来週半ば以後が見ごろだと思う。


これはタヌキの足跡だろうか?


アカヤシオは見ごろ。
アカヤシオが枯れるころ、ヒカゲツツジが見ごろを迎えるといったところ。


いよいよ班根石山直下の細尾根に差しかかる。


写真では危険さが伝わらないと思うが班根石山直下の危険地帯。
いつもなら露出した木の根っこをつかんで上がって行くが雪に被われてそれもできず、靴で根っこを探りながらスタンスを確保していく。
毎回、緊張を強いられるルートだが今日はいつもの倍の時間を費やした。


班根石山(P559、通称:ごーごーきゅー)
ここからの眺めはいいのだが今日はあいにくの曇天で遠くの山が見えない。


近くの古賀志山でさえ精彩を欠いている。


班根石山のヒカゲツツジを見るのは後日のお楽しみとし、富士見峠へ向かう。


大きな岩を乗り越え案内板のある十字路を直進する。
右は岩の巻き道、左は中尾根に行ける。


少しルートを外して見ごろのアカヤシオを堪能する。


いくつかの岩をクリアして「伐採地」に着いた。
今日は古賀志山へは寄らずに下山するつもりなのでここで昼メシにしよう。


平らな岩に腰をかけ海苔巻き弁当をぱくつく。


雪が溶けぐちゃぐちゃになった道を富士見峠へ向かう。


富士見峠
直進すると古賀志山、左に折れると登山口となる芝山橋に行く。
他に見たい花があるので古賀志山へは行かず左に折れて下山。


通称「広場」に差しかかる。


沢に架かる橋を降りる。
今年の2月、橋から落ちて怪我をするという事故があったが、この橋のことかな?


水場を通過。
今日は勢いがいい。


水場を過ぎると再び花が散見されるようになる。
まずはエイザンスミレ。


ごく一般的なタチツボスミレ。


おぉ、ニリンソウに蕾が付いた。


カタクリはまだ健在だった(全体としては終わりかけている)。


無情の雪だったらしく、濡れそぼったキクザキイチゲ。


少し開いたニリンソウを発見。


カタクリはお花畑のように多くはないが道に沿ってかなりの数、成育している(これらは元気なほう)。


正面に見えるのは膳棚林道。
北コースはそこで終わる。


最後にもう一枚、エイザンスミレを。
車道沿いにはタチツボスミレがびっしりあった。


赤川ダムと満開の桜。


森林公園のシンボル、枝垂れ桜。