迷走、赤岩山北尾根。こんなはずでは!

2020年3月11日(水/東日本大震災の日) 晴れ、汗ばむ気候

去る6日、ニリンソウの群生地を求めて古賀志山主稜線を東から西へ歩き、御嶽山の少し先から西尾根を下って内倉林道に降りたわけだが、その内倉林道にセリバオウレンの群生地があることを事前に調べてあった。
ただし、6日のルートとセリバオウレンの群生地との距離は離れているため、6日は立ち寄ることはしなかった。

そろそろいい時期だろう、そう思って出かけることにしたが、そこは管理人の性格というものでセリバオウレンだけで終わらせるのはもったいない。
あれもこれもと詰め込むのが管理人のルート設定なのである。
別の日にはあれ、そのまた別の日にはあれとすると移動時間がもったいないし、ガソリン代も馬鹿にならない。まっ、貧乏根性の表れですな。

今日のあれもこれもは、セリバオウレンの他に「ミツマタ」を鑑賞。他にはこれが最大の目的なのだが久しぶりに「赤岩山を北から」上って「猿岩」でランチにしたいと思っている。「無縫塔」にも立ち寄ろうかな。

赤岩山は古賀志山主稜線にある標高535メートルの、山名板がなければ通り過ぎてしまいそうな平坦かつ地味なピークで、展望がいいわけではなく、休憩するようなスペースもない。
そのため、休憩するには少し東に寄った元パラグライダー基地にするか、西へ歩いて猿岩という怖さも展望も抜群の大岩にするのがいい。
その赤岩山に古賀志山を経ることなく日光から最短距離で行けるのが赤岩山北尾根なのである。

赤岩山北尾根は過去に3回、歩いている。
赤岩山山頂からの下りで2回、赤岩山山頂への上りで1回だが、傾斜が厳しくてルート取りに苦労した記憶がある。
昨夜は過去3回のGPSの軌跡を見て、それを紙地図になぞっておいた。
その通りに歩けば最短時間で北尾根をクリアできるはずである。

今日の接触者
・コンビニで弁当購入
・12:07の場所で顔見知りのIさんと5分ほど情報交換
・同、古賀志山方面から上がってきた女性と情報交換
・他に近接者なし

日光市側の県道70号線から内倉林道を入り、広場に車を駐めて歩き出した。
走行中、車内はすでに暑く汗ばむほどだったが、これから陽が差さない深い樹林帯を歩くので防寒ジャケットは身につけたままだった。


馬蹄形ルートを歩く際は左右どちらから来てここで林道を横切る。
右へ行くと北ノ峰、左は腰掛岩。
赤岩山北尾根の取り付きへはここを右に折れて別の林道に入る。


圧倒されるほどのとてつもなく巨大な鉄塔。


桧林にひっそり佇むセリバオウレン。


この辺りで尾根に取り付く。


ありゃ、しまった。
藪に突入。


藪を抜けると再び明瞭な尾根となった。
分厚く堆積した落ち葉が心地よい。


歩き始めて1時間。
大きな壁に行く手を阻まれた。
近づくと上がれそうな部分があったので取り付いたが、それは岩の上に堆積した腐葉土で、踏ん張りが効かない。傾斜は40度くらいある。
途中まで上がったところで、たとえここを乗り越えたとしてもその先に何が待ち構えているか知れたものではない、そんな考えが頭をよぎった。
ここは退却して別の場所を探す方が賢明だ。
下りはもっと大変だった。


ここも傾斜が急だった。
濡れた落ち葉で滑る。
岩の基部を回り込もうと進んだところさらに急になり退却。
大小の石が堆積した窪みが上方へ続く場所があったのでそこもトライしたが、傾斜は増すばかりで三度目の退却を余儀なくされた。
過去の経験ではそんなことはなかったが、ほんの数メートルのルートの違いなのだろう。


どこかに抜け道はないかと西へ西へとトラバースするうちに緩やかな傾斜を見つけた。
前方に空が見え、明るい兆しを感じた。


そこは傾斜が急ながら疎林の斜面だった。
これなら木の幹や枝をつかんで上ることができる。


幸いなことに疎林はまだ続いている。
主稜線に上がるまでこの疎林が続いてくれることを祈る。


前方が開け、そこが主稜線であることをうかがわせる。


そこは紛れもなく古賀志山と北ノ峰とを結ぶ古賀志山主稜線であった。
10時半に取り付いて1時間半、迷走しながらもなんとか無事(気持ちは穏やかではなかった)に主稜線に乗ることができた。
これで一安心だ。
過去3回の経験だと赤岩山山頂の少し東が北尾根の始まりだったが、ここはどの辺りだろう?
山頂の西であるような気もする。


とりあえず、東に向かって歩いてみるとそこに山頂があった。
迷走の挙げ句、かなり西で主稜線に乗ったようだ。
帰宅したらさっそくGPSのログで確かめよう。


山頂は北に狭い角度で展望が開けるだけなのと休憩するスペースがないので、少し東にある今は使われていないパラグライダー基地まで移動して休憩することにした。
腰を下ろす適当な岩があり、休憩するには最適な場所である。
昨日の大雨で空気が洗われたせいか筑波山がとてもきれいに見える。


御嶽山


景色を堪能したので次に赤岩山の西に位置する猿岩に移動して大休止とする。
この岩のトップに乗るのだがここをよじ登るわけではない。
岩の基部を右に回り込んで岩の上に乗る。
岩の上は狭く、30メートル/時の風が吹けば吹き飛ばされてしまうだろう。


定番となった管理人のランチ。
500kcal摂れるから山メシとしては申し分ない。


都心の高層ビル群がクッキリ見える(500ミリ相当のズームで)。
肉眼ではスカイツリーも見えたがカメラには収まらなかった。


さあ、お次は主稜線の果て、北ノ峰まで行って下山としよう。


四等三角点のある北ノ峰。
主稜線の西端にあるのに北ノ峰とは如何に。
古賀志山といえば古賀志山の東に位置する宇都宮市森林公園にある赤川ダムを起点に登るのが一般的だが、古賀志山は古来から古賀志村(現在は町)の住人に崇められ、親しまれてきた信仰の山で、その古賀志村は古賀志山山域の南西に位置し、古賀志村から仰ぎ見る古賀志山山域でもっとも北に見えるピークが北ノ峰であるのが名の由来であるそうだ。


日光連山一望。


右端の斜面が男体山で、斜面の裾に雲に隠れて白根山がある。
白い峰が白錫尾根で、錫ヶ岳まで続いている。
中央に小さく見えるピラミッドがその錫ヶ岳。


さて、いよいよ下りの始まりである。
急峻な下りで休む暇がない。


急な下りが終わると薄暗い桧の樹林帯に突入する。
つかみ所のない斜面を下ると林道に出て終わるが、その前に立ち寄りたい場所がある。


岩壁に沿って足下の悪い樹林帯を5分ほど歩くと岩窟の中に鎮座したお坊さんの墓がある。
それを「無縫塔」というのだそうだ。


林道に出る前にもう1箇所、寄りたいのがミツマタの群落である。
昼でも薄暗い桧の樹林帯にあり、今が旬だ。


暗いのでカメラの焦点が合わない。
フラッシュを焚くと真っ黒になってしまうので手ぶれ覚悟で撮ったら案の定、ピンボケ。


馬蹄形ルートをやるときのランドマーク的存在の作業小屋を通過する。


白石川沿いの林道に出てこの陽光を惜しみながら駐車地へ向かう。


距離は短かかったがいい一日であった(赤岩山直下での迷走を除けば)。


2016年に山頂から北尾根を下ったときのGPSの軌跡(青線)と今日の軌跡(赤線)を見比べると、山頂直下で大きく異なっている。
前方を岩壁に阻まれたために西へ迂回したわけだが、2016年のルートをたどったつもりでも、数メートルのルートの違いで今日のような結果になるのは踏跡のない山を歩く場合、やむを得ない。
十数メートル先を見通せる下りと、わずか数メートル先しか見えない上りとのルート取りの難しさの差が、その理由ではないかと思う。