HOLUX m-241を使い続けるために。

2019年4月19日(金)

歩く場所によって受信不良を起こすなど、HOLUX m-241(画像右の黄色の機器、左はGARMIN)は感度は良くないしGARMINやGeographicaのようなナビゲート機能はないが、GARMINやGeographicaのサブ機として、記録に特化することを目的にするのであれば小型でなおかつ単3電池1ケで10時間稼働し、10万点ものログを記録できる優れた製品である。

ただし、閏年問題とやらが修正されないまま開発を中止してしまったため、m-241専用ソフト(ezTour)でデータを吸い出そうとするとエラーになることが2019年4月に発覚した。

ググってみたがごく最近のトラブルのためか情報がなく、探しまくってようやく、「GPSまとめサイト@2chモバイル板」にm-241他の機器からデータを読み込むソフトが紹介されているのを見つけた。
2つのソフトを使うことでHOLUX社のソフトに頼らずデータをGPX形式で書き出すことが可能であり、カシミールで読み込めることがわかった。

次の3種類のフリーソフトを入手する。
1.m-241ドライバー
PCにm-241をデバイスとして認識させるために必須。
(ダウンロードアプリ→UsbDrv_win10.zipとして保存済み)
※カッコ内は内輪のメモ
※m-241に添付されているCDに収録されているドライバーはwin10では使えない。
※eztourというアプリが収録されているが使わない。
2.MtkDLut
m-241で採ったログをNMEA形式で吸い出して単一のファイルを作成する。
(ダウンロードアプリ→MtkDLut330.zipとして保存済み)
※カッコ内は内輪のメモ
※バージョンアップが頻繁におこなわれているので時々アクセスして最新版を入手すること。
3.NMEA2KMZ
MtkDLutで吸い出したNMEA形式のファイルをGPX形式のファイルに変換してカシミール3Dで扱えるようにする。
(ダウンロードアプリ→NMEA2KMZ326-64.zipとして保存済み)
※カッコ内は内輪のメモ
※同上

操作方法
1.m-241をPCと接続し起動状態にしておく。
2.MtkDLutを起動する(上図)。
3.「Serial Port」タブのRS-232C欄のCom Portからm-241が接続されているポートを選択する。
m-241が正しく接続されていれば「Sillicon Labs CP210×USB to UART Bridge(ポート番号)」があるはず。
4.「Baud Rate」から38400を選択し、「OPEN」をクリックする。
※m-241との接続は38400が最高速度。
5.「Log Download」タブをクリックしてダウンロード画面を開く(下図)。
ダウンロードしたいファイル形式をCSVかNMEAのどちらか、あるいは両方にチェックを入れる(図の①)。
チェックがひとつならひとつのファイルが、両方チェックすればファイルがふたつ作成される。
この後のNMEA2KMZの操作ではCSV、NMEAどちらでも読み込まれるので、ここではNMEAだけにチェックした。
6.「Download」をクリックする(図の②。
2分ほど時間がかかった後、書き出すためのファイル名(デフォルトは「年-月-日_時-分-秒」)が表示されるので、そのままで良ければ保存をクリックすると「年-月-日_時-分-秒.nmea」形式のファイルが任意の場所(デスクトップがわかりやすい)に作成される(※)。

※この時点で慣例としている「年月日+山行名」という名称にしてもいい。
※ただし、その後のNMEA2KMZのオプション設定が違ってくる。
※ファイル名は日本語が使える。
   以上でMtkDLutの操作は終了。


7.NMEA2KMZを起動する(上図)。
8.上段の「Input File」欄の「File Name」に手順6で保存したNMEAファイルを選択する。
9.「Option」欄でいろいろな設定ができるがデフォルトのままでいい。
 ただし、「Output File Type」がGPXになっているのは必須。
10.右下の「Report」の「Convert」をクリックする。
11.NMEAファイルと同じ場所に、「年-月-日_時-分-秒.gpx」形式のファイルが作成される。
12.そのファイルをWクリックすればカシミール3Dが起動し、カシミール3Dの中で操作できる。
※図はOutput nameの選択肢を「User defined」にした状態。デフォルトはDate_Time。
※カシミール3Dに取り込まれたファイルの頭には「Track」が付加される。

工夫するといいこと
手順6でファイルを作成するときに「年-月-日_時-分-秒.nmea」形式にし、手順8でそのファイルを選択をした。
そうすると、手順11の通り同じ名前で拡張子が「.gpx」のファイルが作成される。
そのファイルをWクリックするとカシミール3Dにも同名、同拡張子のファイルが作成される。

カシミール3D内のデータは長年の慣例に従って「年月日+山行名.gpx」という名称にしているが、その名称に変更するのをどのタイミングでおこなうか、慣例ではカシミール3Dに取り込んでからおこなっているが、これを事前に行えることがわかった。

どのタイミングでおこなってもメリット・デメリットはないが、NMEA2KMZの機能のひとつとして覚えておいて損はないだろう。
「Option」欄の「Output name」に3つの選択肢がある。
・Date_Time:ファイル名は「yyyy-mm-dd_hh-mm-ss」または「yyyymmdd」形式でなくてはならない。
・Input name:手順6で書き出す際に付けた任意のファイル名を指定できる。
・User defined:手順10で書き出す際にファイル名を任意に設定できる。