深みに入り込む気配濃厚の太平山山域。近くに引っ越したい気分(笑)

2023年4月11日(火) 晴/快適

 自慢していいことやらそれとも変人扱いされて然るべきことなのか、管理人自身にはわかりかねるが、とにかく気に入った山があればその山のすべてを知り尽くすまで登り続ける、それが管理人の山歩きのスタイルといっていい。

迷惑なのは山の方であろう。
誰だって他人に知られたくない秘密があろうものなのに、裏側に回られてジロジロ見られたりとプライバシーを暴かれていくようで気持ちが悪いであろうと思われても管理人はそんな山の気持ちを斟酌せず、すみずみまで徹底的に歩き尽くさなくては気が済まないのだから。

では、管理人がこれまで登ったことのある山すべてにそれが当てはまるかといえばそんなことはなく、数が知れていて、登った回数でいえば古賀志山(広くは宇都宮市と日光にまたがる山域)が群を抜いている。
2014年秋を初回に、2015年から徹底的に歩き出し、ここ数年は減ってきたが通算150回は超えていると思う。

なぜそんなに数多く登るのかって?
なんど登っても楽しくて飽きない山だから、が答となる。
多彩なコースとアップダウンの多さ、低山ゆえの展望の良さ、距離の自在性、豊かな植生(花の多さ)など、古賀志山がもつ個性が管理人の性に合っているのであろう。

今からちょうどひと月前、長年の宿泊客であるFさんと栃木市の太平山を歩いた。
管理人の地元、日光の山はその時期、まだ冬の様相から明け切らず、登山には重装備で臨まなくてはならない。上に書いた楽しい登山にはなり得ないのだ。
そこで、いつかは歩いてみたいと思い、その下見も済んでいる太平山を候補にした。
このような機会でもなかったら日光から2時間もかかる太平山へ行くことなどないだろうと思ったからだ。
なにしろ下見に行ったのは5年も前だし、以後、行きもしなかったのだから(笑)

最寄り駅は栃木駅なのでFさんにとっては日光に来るよりも移動時間が40分も短縮になる。
Fさんの移動の労力が軽減されるし、管理人にとっては念願の大平山に行ける。
管理人としては悪くない選択だったと思う→そのときのブログ

さて、先月の太平山(晃石山への縦走)の印象はブログで紹介している通り、これが楽しかったのである。
前に挙げた古賀志山の印象と重なって二度三度いや、それ以上にこれからも通って裏の裏まで知り尽くしたい、そんな欲求をいだかせる魅力いっぱいの山だったのである。

管理人の第2の住居を古賀志山の近くに、第3の住居を太平山の近くに持ちたいと真剣に思っているくらいだ。
やはり変人かね、管理人って?

メモ(GPSはiPhoneSEを使用した)
・歩行距離:11.9キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:4時間46分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:958メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)
※行程の37パーセントは舗装路歩き

日光を発ってちょうど2時間で大中寺に着いた。
山門脇の駐車場に車を駐めたが、平日のこの時間で先着が10台あった。
登山の支度をしている人もいることから、参拝よりも登山の起点としての利用が多いのであろう。


大中寺
先月は清水寺から車道を歩いてここまで来て、ここから再び山に入って謙信平に向かった。
先月は白梅と紅梅が見頃だったが今日は枝垂れ桜が咲いていた。


上の画像の位置から左へすぐのところが登山道になっている。


なんと、古賀志山のバリエーションルートを彷彿させる荒れた道。
想定外だった(笑)


道標の裏側にある道から上がって来て太平山と晃石山を結ぶ縦走路の「ぐみの木峠」と合流。
ここは3月に歩いている。


新緑が目にまぶしい。
樹木はすべてヤマツヅジだ。


ベンチのある好展望の場所。
場所の名称はないようだ。


駒(ウマ)の爪と名付けられた岩。
顔を近づけて子細に観察してみたところ、先月のFさんの説が正しいように思えてきた。


このような画像を載せるといかにも簡単な山のように思われてしまいそうだが、もちろん息が弾むような厳しい傾斜もある。


ここで道が分岐する。
右は晃石山を経て晃石神社へ、左は晃石山をスルーして晃石神社へ行く。
ここはもちろん右へ行く。


一等三角点をもつ晃石山山頂。


春霞によって遠望は効かないが空気が澄んでいれば白根山や那須連峰が見えるようだ。
冬に来る価値大いにあり、と自分への動機付けをおこなった。
さあ、これから前回は行っていない馬不入山(うまいらずさん)へ向かおう。


山頂直下の晃石神社。
ここから清水寺(せいすいじ)へ行くことができる。
実はこの時点でルートミスをしていることに管理人は気づいていない。
ルートミスに気づかなかったことに加えて、この位置に「馬不入山」への道標があったのが気づきを遅くした。
なんの疑いももたず道標に従って清水寺への道(鳥居の先)を進んだ。


晃石山で出会い、管理人より先に下っていった単独の女性がなにを思ったのか反転して登り返してきた。
すれ違う際に理由を尋ねると、「青入山(あおいりやま)」に行くつもりが道を間違ったと言いながら晃石山へ戻って行った。
青入山って地理院地図にはなかったと管理人は記憶しているが女性はどこへ行こうとしているのだろう。
気になったのでスマホの地図アプリで周辺を確認してみたがやはり見当たらない。
無事にたどり着けばいいのだが、と女性の行き先を案じたそのときだった。
地図アプリに映る管理人の現在位置がこれから行こうとしている馬不入山と90度も違っているのだ。
女性のあとを追うようにして管理人も晃石山に向かって登り返したのは言うまでもない。
これについては後ほど考察したい。


咲いたばかりのフモトスミレ。


本日二度目の晃石山登頂!
って、なんの自慢にもなりませんが(笑)
ルートミスの原因だが、先ほどここで休憩した際に、紙地図でもいいし地図アプリでもいいからこれから先のルートを確認すべきだった。
そうすればどのルート(ここはT字路になっているので3本ある)を進むべきか、すぐにわかったはずなのである。
正しくは祠の左側である。
なぜなにも考えずに清水寺へのルートを進んだのか、それは前回3月に歩いているからである。
ここへはひと月前に来たばかりだが、そのときの記憶が「慣れ」として足がごく自然に向いてしまったとしか言いようがない。


祠の左側を抜けて馬不入山へと向かう。
20分のロスだったが時間はまだ早い。別に焦る必要はない。
晃石山から歩き始めてすぐこの分岐と出合った。
この道標が不思議だった。
管理人は晃石山から下りてきたばかりだが、管理人から見て左への道が晃石山となっているのだ。
そして、管理人が今いる道への表示はなにもない。
こういう場合、道標の通りに行って確かめてみるのも一考だが、今は馬不入山を目指すことに気持ちを集中すべきと思って止めておいた。
次回の課題としておこう。


見晴らしのいい場所に来た。
中央に大きな柱が立っている。
近づくと「青入山」と書かれている。
単独の女性が探していたのはここだ。
無事に着いたのだろうか?


道標をみると馬不入山の手前の桜峠へは700メートルとある。


展望がいい。
方角は確認しなかったが岩舟方面だろうか。


ヤマツヅジの新緑の中を歩く。
古賀志山とよく似た光景である。
この先で黒い物体が道を横切って林の中へと消えた。
ほんの一瞬見ただけだがイノシシかクマのどちらかのようだった。


オトコヨウゾメ


木柵で左右を区切られた階段。
手摺りにつかまって下るほどではなかったが傾斜が急なだけに親切な造りであるように思える。


四阿がある。ベンチがあって登山者がいる。
あそこが桜峠だな。


十字路になっていて清水寺に行ける。
右は村檜神社となっているが地理院地図にその名前はない。


一面のクサイチゴ


うひょ~、楽しい!
これじゃ古賀志山ではないか(笑)


ニオイタチツボスミレ


展望が開けた場所に着いた。
ここが馬不入山だと思う。


山頂は縦に広く、一番奥にベンチがある。
馬不入山というのはずいぶん奇妙な名前だ。
馬でさえ入るのを許されない難所、と理解すればいいのだろうか?


ほう、展望台がありますな。
行ってみよう。


第一展望台と書かれた木札が立木にくくりつけられている。
丸太で組んだベンチは朽ち果てていた。
第一展望台があることからきっと第二展望台もあるのだろうと奥へ進んだところ、ほんのわずかな視界ながらそこが第二展望台だった。
第一展望台に戻って昼メシとした。


馬不入山の山頂まで戻って、道標の通り岩舟駅に向かって下った。


くぼんだ道に大量の落ち葉が積もっている。
落ち葉の下には小石や折れた枝が隠れているのを想定し慎重に歩く。


ヤブレガサ


下山路の最後のピークを通過。


ここで分岐。
はて、どちらへ。


よく見ると木の幹に岩舟方面への木札が取り付けられていた。


おぉ、道路が見えてきたぞ。
あれを左へ行けば車を置いた大中寺だ。


ぶどう団地の中を走る車道。
道路の左右が広大なぶどう畑になっている。
季節になるとぶどう狩りが楽しめるようだ。
道路は他の渋滞路の抜け道になっているのか交通量が多い。車は制限速度50キロをはるかにオーバーして走っている。


中央に見えるのはおそらく馬不入山だと思う。


「かかしの里」という複合施設でNPO法人「太平山南山麓友の会」が運営しているそうだ。地ワインの販売もしているとパンフレットにある。


歩き始めて4時間45分、大中寺に戻ってきた。
行程の約4割が車道歩きとなったのは次への課題だが、山中の歩きは大いに楽しめたので良しとしたい。


大中寺を起点に山域の西側、約12キロが今回歩いたルートだった。
前回のルート(赤線)と併せても地理院地図に描かれたルートを歩き切れてはいない。
未踏のルートすべてを歩くのを今年の目標としよう。
ネックとなるのはそれらがみな、大外ルートの南北を結んでいることだ。
あまりにも効率が悪い。
だが、やる意味はあるだろう。
仕上げとしていずれは赤線(3月12日)と青線(今回)をセットで歩くようにしよう。
馬不入山を下山後、ぶどう団地の中を走る車道を歩いたのは失敗だった。
ひっきりなしに行き交う車に注意しながら歩かなくてはならない。それは苦痛であった。

深みに入り込む気配濃厚の太平山山域。近くに引っ越したい気分(笑)」への2件のフィードバック

  1. T,TAKAHASHI

    こんばんは、
    ブログ拝見しました。太平山は自宅から20分で行けますので、年に15回くらいハイキングに行ってます。
    アジサイの時期もいいですよ。
    それと11月には朝靄に雲海が見られ、筑波山の頭がその上に浮かび上がって、なんとも言えませんね。
    ダイヤモンド筑波もいいです。寒い時期に年2回見られます。
    キンランの花やタマゴダケも見られます。
    太平山は首都圏から近いので、グループで来られる方も多いようです。
    古賀志山も年6回くらい行ってます。いつもブログで拝見して参考にしてました。
    又太平山に来られるときは、ご連絡ください。時間が合えば、お会いしたいですね。

    返信
    1. 亀歩き 投稿作成者

      T,TAKAHASHIさま
      こんばんは。
      いつも当方の稚拙なブログをお読みくださいましてありがとうございます。
      太平山の近くにお住まいなのですね。羨ましいです。
      私が住む日光は2千メートル超えの山は多いのですが、太平山のように短い時間で登れてそこそこ満足できる山がないため、足はつい古賀志山に向かってしまいます。
      太平山は移動時間が古賀志山の倍ほどかかりますがとても気に入りました。
      これからも足繁く通わせていただきます。
      その節は花の見所などをご教示いただければありがたいと存じます。

      返信

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