クリンソウ咲く千手ヶ浜。帰りは高山へ一気に400メートルも。

2026年6月14日(日) 梅雨の合間の晴れ

この記事を書き始めたのは、山行を終えて2ヶ月経過した8月14日である。
いつもなら山行を終えた日から1週間以内に記事を書き終えるところだが、5月から始まったジージーという耳鳴り(頭鳴り)と突然起こる意識の薄れが、この山行の前後で最悪となり、記事を書くのに必須となるPCさえ操作できない状態だった。

山を歩くのに遠くが見渡せるような平坦路、すなわち視線を真っ直ぐ前に向けて歩くのであれば問題ないのだが、足元を見ながら歩かなくてはならない登山道や、石ころだらけの平坦路だと、ほんの瞬間だが意識が薄れて、足がふらつく始末なのだ。

不調を意識するようになってそれまでに耳鼻科に3回通院したが、ふらつきの原因でもっとも多いとされる三半規管に異常はなく、耳鳴りはトシのせいで聴力が落ちていること、ふらつきもトシのせいであろうという診断が下された。

トシのせいと言われてもなぁ、、、
それだと山を歩くのをやめろと言われているようなもので、諦めがつかない。
3月以後、いきなり発生した症状なので原因は必ずあるはずなのだ(もちろん、トシのせいであることも認めるが)。
真の原因を突き止めたくて総合病院で脳のCTやMRI、甲状腺検査、ストレスチェック、血流検査などをおこなったがいずれも異常はなく、PCモニターの見過ぎで視神経が疲れているのではないかと思って眼鏡の作り替えまでもおこなった。

そんな状況の中でおこなった常連客のMさんとのガイドツアーだった。
なんとも心許ないガイドなのでMさんを先頭に、管理人はそのあとをノコノコついて行くという、主客転倒の山行になったが怪我(もちろん、管理人のことだが)することもなく無事に終わった。

さて、千手ヶ浜のクリンソウ。
予想外に空いていた。
最盛期をわずかにずれとはいえ、それでも空いていた。
クリンソウを目当てに観光船や貸し切りバスでやって来る観光客が少なかったのである。
千手ヶ浜へ行く観光船が中禅寺湖の水位低下で運行(400人規模で人が運ばれてくる)を取りやめているのが理由のひとつ、梅雨時とはいえ酷暑であることが理由のひとつといえるだろう。

ルートは竜頭滝をスタートして中禅寺湖畔を歩いて千手ヶ浜まで片道4キロ、往復8キロのほぼ平坦な山歩きだが、円熟味(登山の)を増して山行回数においては管理人をはるかに上回っているMさんにたいして、この行程では満足されようがない。
ここは少し工夫を凝らさなくてはならない。
クリンソウ見学は必須として、オプションに千手ヶ浜のさらに西にある西ノ湖(さいのこ)、あるいは中禅寺湖畔の熊窪まで戻って高山に登るコースを加えて提案した。
Mさんのことだから答は後者であろう、きっと。

メモ(地図アプリのGeographicaで記録した)
・歩行距離:14.1キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:5時間46分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:1088メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)

スタートはここ。
竜頭滝駐車場を南へ、湖に向かって歩くと元スキー場だった広いゲレンデと出合う。
そのすぐ脇の標識を千手ヶ浜へと向かって行く。


これはカメラが斜めになっているのではない。
その証拠に中央に見えるハイキング道は水平。


スタートして間もない道程はアップダウンがあったり階段があったりで、けっこう楽しめる。


赤岩滝展望台からは大きな湖を見下ろすことができる。


360度の視界というわけにはいかないが展望はいい。


赤岩滝を過ぎると平坦になり、ツツジの間を通り抜ける。
相変わらずMさんの後をノコノコとついていく管理人。


ハイキング道から外れて砂地の上に乗って景色を楽しむ。
水面から3メートルほど離れて、本来の水位であることを示すスジが見える(画像右端)。
そのスジの水面からの高さを推定すると1メートルほど。


高山登山口との分岐点、熊窪。
標識を右に入ると400メートル登って高山山頂。
千手ヶ浜の帰りはここを入る予定である。


千手ヶ浜に到着。
船着場の広場にクリンソウの小群落がある。
管理人が初めて千手ヶ浜を訪れた2000年、まだ伊藤家の大群落の存在を知らなかったときはこの景観に感激したものだ。


船着場を湖に沿って歩いていくと、広大な敷地の中に邸宅を思わせるような一軒家がある。
敷地は二荒山神社が所有するもので、そこを先祖代々、管理しているのが伊藤さんであり、クリンソウを丹念に手入れしているのも伊藤さんである。


冒頭、クリンソウの最盛期を過ぎたと書いたが、どうしてどうして、まだ十分見応えがある。


管理人が初めて訪れた2000年は、伊藤さんが管理するクリンソウの存在を知らなかった。
翌年、お客さんを伴ってクリンソウツアーをおこなったとき、船着場をさらに進んだときに大群落を目にし、初めて知ったのだった。


クリンソウは水辺や水分を多く含んだ土地を好む。
敷地内を湖に向かって流れる小川に咲いているクリンソウは絵になる。


クリンソウの向こうに中禅寺湖が見える。


クリンソウを見終えて千手ヶ浜に戻って来た。
ここに湖の水位の低下を示す際立った変化が見られる。
水位の変化は雨量がもたらすが、多少の変化があっても船に観光客が安全に乗降できるよう、桟橋に工夫が凝らされている。
つまり、桟橋の先端、すなわち人が乗降する部分が水位の変化に応じて上下するのである。
しかし、それにも限度というものがあって、その部分が上にも下にも大きな角度がつくと人の乗降に支障が生ずるため、船の運航を取りやめざるを得なくなる。
いまがその状態である。
この画像に見える桟橋の先端が1メートルくらい下がっているのがそれである。
傾斜でいえば30度以上あり、人が乗降するのは無理というものだ。
もっとも、水位が1メートルも低下すれば船がここまでくる間に座礁してしまうだろうから、人の安全以前の問題と言える。


同じコースを熊窪まで戻り、ここで高山へと舵を切る。
コースは整備されていて安心して歩ける。峠までは。


クワガタソウ(鍬形草)があちこちに咲いていた。
名前の由来が面白い。
興味がある読者はwikiを参照してください。
ウィキペディア(Wikipedia)


歩きやすいコースを高山峠までやって来た。
高山はここを右へ折れる。
道は細くまた急傾斜なので、諦めるなら直進して市道1002号線に出て、低公害バスで赤沼まで行くことができる。
Mさんはそんなことはしない。


峠から山頂まで、こんな道が続く。
クリンソウだけでは物足りないハイカーは高山とのセットで歩くというのは我々だけではなかった。
日曜日ということもあって多くのハイカーとすれ違った。
と、強調したのには訳がある。
多くの、いやすべてが高山から下りて千手ヶ浜に向かって歩いていくハイカーなのである。
高山は登りも下りも決して楽とはいえない山だ。
疲れる山であるとさえ、管理人には思える。
にもかかわらず、なぜ疲れてからクリンソウを見に行くのか、それが管理人にはわからない。
美味しいものを先に食べるか、それともあとから食べるかという嗜好の問題が大きいが、すれ違った多くのハイカーはきっと後者に属するのかもしれない。


ヒーヒー言いながら(ただし、管理人が)高山山頂に到着。
熊窪から2.7キロの道程を標高差で400メートル上がった。
決して楽とはいえないがMさんは息切れひとつしていない。


山頂の倒木に腰をかけて昼食にし、下山に取りかかった。
下山路の前半分はこのような歩きやすいいい道だ。


下山口に近くなるとバイケイソウの群落となる。
花はまだ咲いていない。


全体的には終わりに近いハルカラマツだったが、健全なのもあった。


ハルカラマツであることを表す「托葉」。


シカが浸入しないように巡らしてある柵。
ハイカーの出入り口はドアになっている。


シカ柵を出ると国道と出合い、そこが竜頭滝の始まりである。


おぉ、ヤマツツジがまだ、、、


龍の胴体部分


最後に竜頭滝を見てこの日のツアーを終えた。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です