雪の奥白根山麓、五色沼へ。

2007年12月6日

長引いた残暑は11月でもなお暖かく、市街地では、散る寸前とはいえ11月末まで紅葉が見られたのは異例のこと。

しかし、さすがに12月になると雪の頼りも聞こえてきて、日光連山はぼちぼち根雪の気配です。

日光の動脈となっている国道119号線(市街地で120号線に名称変更)は、西へ行けば行くほど標高を上げ、ご存じいろは坂の途中で千メートルを超えます。

さらに、湯元では1500メートル、金精トンネルの群馬県境は1865メートルと、日光駅前を起点にすると実に1300メートル以上も標高差があります。

この標高差は、気象条件にも大きな影響を与え、この時期、市街地は良い天気なのに、湯元では雪が降っているといった具合。

しかし、こんなことで驚くのはまだ早い。金精トンネルを抜けて群馬県に入ると状況はさらに変わり、まるで雪国の様相を呈します。

峠を過ぎると下り坂となり、標高は徐々に下がっていくのに雪が深くなるのは、この地域が日本海側の気象の影響を受けるからでしょう。

そんな日光らしさ溢れる気象の違いを、今日、楽しんできました。

日光でもっとも標高が高い山といえば、2578メートルの白根山。なにしろ、白根山以北で白根山を越える山はないことからも、その高さがわかります。火山の噴火でできた山で、その荒々しい山容は、遠くから眺めるとどこが山頂なのかわからないほど、噴火によって堆積した大きな岩があちこちにあり、登って初めて山頂が確認できるほど。

今日の目的地は、その白根山の麓に五色の水をたたえる五色沼。標高2175メートルにあり、周りを2千メートル超えの山々に囲まれて静かにたたずむ、実に美しい沼です。

ここを訪れるには、金精道路の菅沼から白根山に向かって歩き出し、白根山山頂直下にある弥陀ヶ池を回り込み、荒々しい白根山の山容を眺めながら歩きます。

弥陀ヶ池までは見通しの悪い樹林帯の一方的な登りなだけに、小さいながら風情ある弥陀ヶ池に着くとホッとします。それもつかの間、ここから五色沼へは樹林帯の中を標高で100メートルほど急降下しなければなりません。

積雪はまだ少ないので、雪に隠れた倒木や木の根に足を取られながら、やっとの思いで五色沼に到着したときの喜びは何ともいえません。それにしても、春の恐ろしいほどに美しい水も、すでに凍りつき、ただ荒涼とした景色が広がるだけ。

まっ、それも四季それぞれの景色の楽しみ方ですね。
Exif_JPEG_PICTURE栃木県側の金精道路。正面に見えるひときわ白い山が金精山で、麓をトンネルが抜けています。

Exif_JPEG_PICTURE金精トンネルを抜け、群馬県に入ると景色が一変し道路上には雪が。

Exif_JPEG_PICTURE白根山は菅沼から歩き始めます。

Exif_JPEG_PICTURE弥陀ヶ池まではこのような樹林帯の中を歩きます。

Exif_JPEG_PICTURE弥陀ヶ池すぐ手前の樹氷。

Exif_JPEG_PICTURE景色が開けるとそこは標高2250メートルの弥陀ヶ池。
ここまで来ると白根山の全貌が見えます。

Exif_JPEG_PICTURE弥陀ヶ池を回り込み白根山を眺めながら今日の目的地である五色沼へ。
すでに凍りついた五色沼が見えてきました。ここから100メートルの落差を急降下します。

Exif_JPEG_PICTUREそこには荒涼とした景色が広がっていました。

今日の山行はここが目標地点となります。