お客さんとの初の尾瀬ツアーはミズバショウ咲く大江湿原と尾瀬沼へ

2019年6月2日(日) 薄曇り 汗かかずちょうどいい気候

檜枝岐村(福島県南会津郡、以下単に檜枝岐と書く)を起点とする登山を始めて2年半、ここから行くことのできる場所たとえば、会津駒ヶ岳や燧ヶ岳、三岩岳、窓明山といった山の他に尾瀬沼や尾瀬ヶ原、三条ノ滝など、魅力を秘めた場所の多さにあらためて檜枝岐の懐の深さを知るわけだが、難点といえば日光からの移動時間がかかることだ。

行くからには時間を有効に活用するためにも泊まって2日間、あるいは3日間、あるいはそれ以上とどまって山を歩く、それが管理人の山歩きのスタイルである。
泊まる場所は民宿だったり山小屋だったりするが、最近は5時前から登り始めて日没になって下山することが多いことから、もっぱら車が多い。車とはいってもまったくのノーマル仕様なのでシートを倒して寝袋にくるまって寝るだけ。年寄りには快適とは言えない。

ここんとこ、福島県の山のことばかりブログに書くものだから、読者であるペンションの常連さんも興味を持ってくれるようになり、なんとかして福島県の山をご案内できないものかと思案しているところだ。
とはいえ、お客さんが相手ということになればいくら檜枝岐が魅力的であっても管理人の車に寝泊まりするわけにはいかない。
旅館や民宿だったら男女別室にしてもらうことができるし、山小屋であればもともと部屋は男女別なので実現可能といえば可能だが、管理人も宿泊施設経営という立場上、チェックインやチェックアウト時間、雨天時のキャンセルなど難しい問題があることを理解している。
それらは将来的な課題として取り組むことにしたい。
なお、ペンションは管理人の采配でインアウト時間や雨の予報の場合は柔軟に対応するようにしている。

手っ取り早いのは管理人が経営しているペンションに前泊して翌朝、朝食をとらずに夜明け前に出発してお客さんが乗る電車に間に合うように帰ってくるというものだ。
これから山に登るというのに朝食抜きで出発するのは厳しいが、朝食を考慮すればお客さんには3時に起きてもらい、3時半に食べ始めてもらわなくてはならない。それは現実的とは言えない。お客さんだってそんな早い時間に食べるのは苦痛であろう。
幸い、ペンションから鬼怒川温泉までの間にコンビニが5軒あるから不自由はしない。朝食は空腹を感じたら車の中で食べればいいし歯磨きとトイレは途中、3箇所ある「道の駅」で可能だ。
とはいえ、管理人にそれはできないので、ペンションでカップ麺を食べて出発するが。
会津駒ヶ岳であれば登山口まで3時間、尾瀬の入口御池までは3時間半かかるが、そのような工夫によって8時前に現地に着くことができれば6~7時間は山行に充てることができる。これなら日光でおこなっているガイドツアーと変わらない。

それを今日、やってみた。

以下はお客さんに提示した全体の行程表である。
帰りの電車の発車時刻に間に合わせるためにも、念には念を入れて計画を練ったのはいうまでもない。
04:00 ペンションを出発
   ・コンビニで朝食と昼食を調達
   ・トイレは道の駅3箇所(歯磨きできます)
07:30 御池着(有料トイレあり)、シャトルバスで沼山峠へ
   ※バスの乗車時間は20分、30~40分間隔で運行
08:20 沼山峠着(バス待ち30分を想定。有料トイレあり)
09:40 尾瀬沼着(有料トイレあり)
   13時まで下記4つのパターンから選択
   (1)尾瀬沼でのんびり過ごす。
   (2)尾瀬沼を一周する(3時間半/南岸は積雪あり)。
   (3)尾瀬沼北岸を沼尻まで歩き、戻ってくる(2時間10分)。
   (4)尾瀬沼南岸を三平下まで歩き、戻ってくる(50分)。
     ※尾瀬沼は南岸よりも北岸の方が景色がいい。
13:00 尾瀬沼を出発して沼山峠へ
14:10 沼山峠着、シャトルバスで御池へ
   ※バスの乗車時間は20分、30~40分間隔で運行
15:00 御池着(バス待ち30分を想定)
15:20 御池を出発して下今市駅へ
18:50 下今市駅着(19:30発の特急を予定)

それから大切なことを。
ペンションから尾瀬(広い意味での)に行くには片品村(群馬県)を入山口にすれば車での移動時間が1時間ほど短縮できる。
それをあえてしないのは管理人が福島県の山そして、その拠点となる檜枝岐村に惚れ込んでいるから、というかなり偏った理由による。
効率を求めるならば片品村を選ぶべきであろうが渋滞のない道路、満車になることがない駐車場そして駐車料金の安さ、御池まで3箇所もある「道の駅」、湿原の多さ、会津駒ヶ岳や燧ヶ岳へのアクセスの良さなど、檜枝岐はどれをとっても管理人の気持ちを満たせてくれる要素ばかりなのである。
ツアーガイドの対象として檜枝岐を拠点にするのは最善の策だと思っているのだ。
と、片品村のことをなにも知らないくせに檜枝岐の良さばかり強調している管理人なのである。

御池から沼山峠に行くには路線バスかシャトルバスを利用する。
休憩所のすぐ脇にある発売所で往復券(1180円)を買っておく。


マイカーとシャトルバスを乗り継いで沼山峠に着き、いざこれから尾瀬沼へ。
ここまでペンションを出発してちょうど4時間。
今日の参加者はHさん(常連さん)とその知人のKさん(右・初参加)。
おふたりとも身体を動かすのが大好きで得意なのはスキー。


尾瀬沼へは全行程、木道を歩く。
雪が解けたばかりの木道は濡れて滑るがここは乾燥していて大丈夫だった。


咲いたばかりのイワナシ


大江湿原に来るとさっそくミズバショウの出迎えをうけた。


ミズバショウは今が盛り。
これは咲いたばかりと見えて仏炎苞は純白で無傷。


ヒメイチゲ


大江湿原を尾瀬沼に向かうハイカー。
7月になるとニッコウキスゲの花で埋め尽くされるという。
その時期にも来るつもりだ。
なにしろ尾瀬を知り尽くすのが管理人の当面の目標なんである。


尾瀬沼に注ぐ雪解け水。
これぞ尾瀬、という雰囲気。


ワタスゲ
真っ白な綿毛(果穗)に変わるのは半ばかな?


水辺に咲くリュウキンカ
これからニッコウキスゲが咲き始める7月半ばまで、湿原特有の花が次から次へと咲いていき、目が離せない。


大江湿原が終わりに近づく頃、右手に燧ヶ岳が見えるてくる。


これから咲くのも含めてもの凄い数のミズバショウが見られる。


尾瀬沼東岸と燧ヶ岳


尾瀬沼と燧ヶ岳をバックに一枚。

さて、とりあえず尾瀬沼まで来た。
ペンション出発は20分遅れたが御池まで3時間半を見込んでいたのが30分早く着いたので、尾瀬沼にはミズバショウを観ながらゆっくり歩いても予定の10分遅れで済んだ。
さあ、これから折りかえす時間の13時までどうするか?
冒頭に書いた以下4つの選択肢の中からひとつ選ぶ必要がある。
(1)尾瀬沼でのんびり過ごす。
(2)尾瀬沼を一周する(3時間半)。
(3)尾瀬沼北岸を沼尻まで歩き、戻ってくる(2時間10分)。
(4)尾瀬沼南岸を三平下まで歩き、戻ってくる(50分)。
相談の結果、おふたりの希望は尾瀬沼を一周することであった。
やっぱりなぁ。そうだよなぁ。時間いっぱい遊べるものなぁ。
でも、それは想定通りだ(笑)

尾瀬沼の南岸は木道が朽ちていて歩きにくいのと雪が残っていることから3時間半を見積もっている。しかし、余裕があるというわけではない。大江湿原のようにのんびり歩くわけにはいかないだろう。
急ぎ足になるかもしれないが、スタートした。


長蔵小屋脇のミネザクラ。
今日これからの行程は尾瀬沼を右回りにぐるっと一周して長蔵小屋まで戻り、それから帰路につくというもの。


同じくシラネアオイ


ハイカー憧れの長蔵小屋。
さも昨日泊まってこれから出かけるところ、といった感じのおふたり(笑)。
でも実際に泊まってみたい風情がありますね。
まるで時間が止まったような時代風景を感じさせますな。
管理人の将来的な目標は尾瀬にある20軒の山小屋すべてに泊まることだ。
年に4泊すれば5年で完遂する。あ~、なんと壮大な夢だこと。


長蔵小屋をあとにこれから尾瀬沼南岸を歩いて沼尻へ。
ここもすごい群落。


ここにも、、、


2年前、長蔵小屋のすぐ近くのテント場に泊まって翌日は尾瀬沼を一周した際、南岸は木道が朽ちていて歩きにくいという印象があったが、特に酷い部分は木道がつけ替えられ安全に歩けるようになっている。
木道を支えている鉄パイプは自然環境にそぐわないが、地盤が固まったら取り外すのだろうか?


三平下の休憩所(左)と尾瀬沼山荘(右)前の広場は多くのハイカーで賑わっていた。
実は管理人がサラリーマンだった頃、家族で尾瀬を訪れたことがあり、子供たちをここで遊ばせた記憶がある。あれは尾瀬沼を一周したときだったのかそれともここで折りかえしたのか、記憶は定かではないが、この場所だけは鮮明に覚えている。
ちなみにその頃はまだ沼山峠までマイカーで入ることができ、どこに駐車したのかまで覚えている。


未改修の木道。
傾いていたり沈下していたりして細心の注意を払って歩かなくてはならない。北岸にはこのような場所はない。


沼尻の手前、小沼湿原に出ると視界が開け前方に燧ヶ岳が見えるようになった。まもなく沼尻。


咲いたばかりのミズバショウ


沼尻休憩所近くのトイレ。
建て替えられていた。


休憩所の写真を撮り忘れたが、休憩所のテラスから見る尾瀬沼。


沼尻での休憩を終えてこれから尾瀬沼東岸へ向かう。


尾瀬沼北岸の東寄りの湿原、浅湖(あざみ)湿原に差しかかったところ。


浅湖湿原もミズバショウが多い。


ミズバショウ4姉妹は咲いたばかり。


浅湖湿原も間もなく終わる。


浅湖湿原から大江湿原に変わるとタテヤマリンドウが。


さあ、これから再び大江湿原を縦断して沼山峠へ。


沼山峠付近は樹林帯が深く、木道に雪が堆積している。
下りなので気をつけなくてはならない場所。
前方にバス停が見えたので振り向いて教えてあげた瞬間、バランスを崩した管理人は滑って転びケツをしたたか打ってしまった。


沼山峠のシャトルバス発着所に到着。
運悪く、次のバスまで30分待たなくてはならなかった。


実際の行程表
ペンション発(4:20)・・マイカー・・御池(7:25着/7:51発)・・シャトルバス・・沼山峠(8:12着/8:18発)~大江湿原入口(9:06)~長蔵小屋(9:50/10:11)~三平下(10:32)~沼尻でランチ(11:50/12:06)~長蔵小屋でランチ(13:04/13:28)~沼山峠(14:27着/15:00発)・・シャトルバス・・御池(15:20着/15:30発)・・マイカー・・下今市駅着(18:30)

メモ
・歩行距離:15.1キロ(GPSログをカシミール3Dで処理した値)
・所要時間:6時間17分(写真撮影と休憩を含む)
・累積標高:543メートル(アップダウンのうち、上昇分の累積)
・シャトルバス:行き28分待ち、帰り33分待ち、運賃は片道590円
・ペンション~御池間に3時間半をみていたが、往きも帰りも3時間で済んだ。

最後に、当初計画と実際との比較。
ペンション出発が20分遅れたのとシャトルバスは最大時間待つことになり全体的に遅れがちだったが、車での移動時間で60分短縮できたので下今市駅への到着は電車の発車時刻60分前と余裕だった。
計画 → 実際
04:00→04:20 ペンションを出発
07:30→07:25 御池着(シャトルバス28分待ち)
08:20→08:12 沼山峠着
  この間、大江湿原のミズバショウを観ながらのんびり歩く
9:40→09:50 尾瀬沼着
  尾瀬沼を一周
13:00→13:28 尾瀬沼を出発
14:10→14:27 沼山峠着(シャトルバス33分待ち)
15:00→15:20 御池着
15:20→15:30 御池を出発
18:50→18:30 下今市駅着(19:30発の特急を予定)